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AI開発・データ活用

AI開発には、いくらかかるのか

AI開発の費用は、試す費用、作る費用、使い続ける費用の3つに分かれます。金額の幅が大きいのは真ん中の「作る費用」だけで、そこはデータの状態と画面の範囲で決まります。補助金が使える場合と使えない場合まで、中小企業向けに整理しました。

この記事でわかること

  • 費用は3層です。試す費用(データ確認と試作)、作る費用(業務で使う画面までの開発)、使い続ける費用(AIの利用料と保守)。見積もりを取るときも、この3つに分けて聞くと比較できます。
  • 作る費用の幅を作るのは、主にデータを整える作業の量と、画面を作る範囲です。当社の実案件では、業務画面まで含めたAIシステムを設計から約3ヶ月で納品した例があります。
  • 生成AIやクラウドAIの利用料は月額固定ではなく、処理した量に応じた従量課金が主流です。小さく使えば小さく済み、月の上限を設定できるサービスもあります。
  • 2026年度から、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」に名前が変わりました。通常枠は補助率1/2以内(条件により2/3以内)、補助額は5万円から450万円以下。ただし対象は事務局に登録されたITツールの導入で、自社専用のゼロからの開発は対象になりにくい制度です。
  • 中小企業のAI導入率は20.4%、検討中を含めると39.0%です(中小機構・2026年3月公表)。求める公的支援の1位は「導入費用などの助成」で、費用の分かりにくさが壁になっている様子が統計にも出ています。

費用の話は、3つに分けると進む

「AIを作るといくらですか」という質問に、その場で金額をお答えできないことがあります。この言葉が、性質の違う3つの費用を同時に指しているからです。試す費用、作る費用、使い続ける費用。この3つは金額の桁も、決まり方も違います。

試す費用は、手元のデータでAIが役に立ちそうかを確かめる段階の費用です。作る費用は、現場が毎日使う画面まで含めた開発の費用。使い続ける費用は、AIの利用料、サーバー代、モデルの調整や保守といった月々の費用です。

見積もりを取るときは、この3つを分けて聞いてください。「開発費一式」でまとまった見積もりは、どこまで試してから作るのか、公開後に毎月いくらかかるのかが見えず、他社と比較できなくなります。

試す段階に、いくらかけるべきか

最初の段階でやることは2つです。データが使える状態にあるかの確認と、一部のデータでの小さな試作。総務省の令和8年版情報通信白書でも、AIに対応できるデータがそろっているか(AI-Ready)が、導入の最初のステップとして挙げられています。

この段階の費用を小さく保つのは、やめる判断をしやすくするためです。試作の結果、精度が業務に足りないと分かることはあります。その時点で止まれば、失うのは試作の費用だけで済みます。先に大きな開発契約を結んでいると、この判断が難しくなります。

当社はこの段階を、データの棚卸しと試作までで区切って請けています。試作の結果と一緒に、本開発に進むべきか、進めないならその理由は何かまで含めて返します。進めないという結論も、この段階の成果に数えます。

作る費用は、何で動くのか

金額の幅がいちばん大きいのがこの層です。動かす要素を突き詰めると、2つに寄ります。データを整える作業の量と、画面を作る範囲です。

データの側から。きれいな一覧表がすでにあるのか、紙の記録や形式のばらばらなExcelから整えるのか。AIの本体より、この整備に時間がかかる案件は珍しくありません。対象を広げるほど検証も増えます。1店舗の売上を予測する場合と、商品別・店舗別まで予測する場合では、確かめる組み合わせの数が変わります。

画面の側。結果を一覧で見るだけなら小さく済みます。現場の人が入力し、予測を直し、その記録が残る画面まで作ると、開発量は数倍になります。ただ、業務に定着するのは後者です。精度の数字だけを納品しても、日々の判断は変わりません。

期間の感覚も書いておきます。当社の実案件では、全60施設の児童クラブ向けに、献立作成を支援するAI業務システムを設計から約3ヶ月で納品しています。試作だけなら数週間、業務画面まで含めるなら月単位。この目安から大きく外れる見積もりには、理由を聞いてください。

公開後は、毎月いくらかかるのか

見落とされやすいのがこの層です。生成AIやクラウドのAIの利用料は月額固定ではなく、処理した量に応じた従量課金が主流です。文章の量や呼び出す回数に比例して増え、使わない月は小さく済みます。月の利用上限を設定して、超えたら止める設定ができるサービスもあります。

従量課金は、小さく始める側に有利な仕組みです。数人で使う社内向けの仕組みなら、AIの利用料そのものは月数千円台に収まる場合もあります。一方で、お客様向けに公開して利用が伸びれば、その分だけ増えます。公開する前に、1回の処理あたりの費用と月の想定回数から上限を試算しておきます。

AIの利用料のほかに、サーバー代、不具合対応、データの追加やモデルの調整といった保守があります。誰がどこまで見るのかを、納品前に決めておいてください。ここが宙に浮いたまま納品を受けると、動いてはいるが改善の頼み先がないシステムが残ります。

補助金は使えるのか

2026年度から、IT導入補助金は「デジタル化・AI導入補助金」に名前が変わりました。通常枠の補助率は1/2以内(条件を満たす場合は2/3以内)、補助額は業務プロセスの数に応じて5万円以上150万円未満、または150万円以上450万円以下です。クラウド利用料は最大2年分まで対象に含められます。募集は年に複数回で、締切ごとに区切られています。

注意点があります。対象になるのは、事務局に登録されたITツールを導入する形です。公募要領では、対象のITツールはAIを含むソフトウェアやサービスと定義されていますが、自社のためだけにゼロから開発するシステムは、そのままではこの枠組みに乗りません。登録済みのツールで足りるのか、開発が必要なのかで、使える制度が変わります。

開発型の投資では、ものづくり補助金や中小企業省力化投資補助金といった制度が候補になる場合があり、どちらも2026年に公募が行われています。ただし対象条件と締切は年度ごとに変わります。金額を当てにする前に、その時点の公募要領を必ず確認してください。当社への相談では、使えそうな制度がありそうかどうかまでは一緒に確認します。

まわりの会社は、もう入れているのか

中小機構が2026年3月に公表した「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」では、中小企業のAI導入率は20.4%でした。導入を検討している企業を合わせると39.0%です。5社に1社が使い始め、さらに2割が検討している。早すぎることも、出遅れていることもない時期です。

同じ調査で、導入済みの企業が使っているAIは生成AIが82.6%で最多でした。売上や在庫にかかわる需要予測AIは8.1%にとどまります。文章作成のような汎用の使い方が先に広がり、自社のデータを使う予測や判別はまだ少数派、という分布です。

導入を進めるために必要な公的支援を聞いた項目では、「導入費用などの助成」が77.9%で最多、「導入事例などの情報提供」が70.5%で続きます。費用の見当がつかないことが、導入の大きな壁になっている実態が読み取れます。

まとめ

AI開発の費用は、試す費用、作る費用、使い続ける費用の3層で見ます。見積もりもこの3つに分けて取ると、他社と比較できます。

作る費用を動かすのは、データを整える作業の量と画面の範囲です。試す段階を小さく区切り、途中でやめる判断ができる形で始めてください。

次にやることは1つです。AIに使えそうなデータが、どこに、どんな形で、どれくらいの期間ぶん残っているかを書き出してみてください。相談はそこから始められます。初回相談と概算の見積もりは無料です。

よくある質問

AI開発の費用の相場はいくらですか?

一律の相場を示すのは難しいです。同じ「AI開発」でも、既製のAIサービスを業務に組み込む場合と、自社のデータで予測モデルを作って業務画面まで開発する場合では、桁が変わるためです。当社では、試す費用・作る費用・使い続ける費用の3つに分け、データの状態と画面の範囲を伺ったうえで概算をお出しします。概算までは無料です。

PoC(試作)だけを頼むことはできますか?

できます。データの確認と試作までを区切って請け、業務で使える見込みがあるかを先に確かめます。見込みが薄い場合はその理由を説明し、本開発をお勧めしません。そこで止めれば、かかるのは試作の費用だけです。

補助金でAI開発の費用をまかなえますか?

導入の形によります。デジタル化・AI導入補助金2026は、事務局に登録されたITツール(AIを含むソフトウェア)の導入が対象で、通常枠の補助率は1/2以内です。自社専用にゼロから開発するシステムはこの枠組みに乗りにくく、ものづくり補助金など別の制度を検討することになります。使えそうな制度がありそうかは、相談の段階で一緒に確認します。

月々の運用費はどのくらい見ておけばよいですか?

AIの利用料は処理した量に応じた従量課金が主流のため、使い方で変わります。数人で使う社内向けなら利用料が月数千円台に収まる場合もあり、利用者の多い仕組みではその分増えます。利用料のほかに、サーバー代と保守を誰が見るのかを納品前に決めておくと、あとで慌てません。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市手稲区の会社です。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

「データがこれだけあります」から始めてください。

何を作るか決まっていなくても大丈夫です。Excelが数年分ある、POSの売上が残っている、点検の写真がたまっている。それだけ分かれば、AIに向く部分と向かない部分を分けて、試す費用の範囲を先にお伝えできます。北海道内は訪問、道外はオンラインで対応します。

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