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整備工場の車検満了日は、どう管理して、いつ案内を出すか

車検の案内は、満了日の3か月前までに出せる台帳になっていれば、紙でもExcelでも足ります。2025年4月から満了日の2か月前に受けても有効期間が減らなくなったので、案内が2か月前より遅いとお客様がその余裕を使えません。整備士数名・数百台の町の整備工場向けに整理しました。

この記事でわかること

  • 自家用乗用車の車検証の有効期間は、初回が3年、その後は2年です(道路運送車両法第61条)。満了後も使うには継続検査が必要で、有効な車検証のない車は運行できません(第58条・第62条)。
  • 2025年4月1日から、満了日の2か月前から満了日までに継続検査を受ければ、次の有効期間は満了日の翌日から数えます(道路運送車両法施行規則第44条)。それより前に受けると受けた日から数え直しになり、次の満了日が早まります。
  • 案内の時期を決める法令はありません。お客様が2か月の余裕をまるごと使えるように、満了日の3か月前までに届く形で出すのが当社の目安です。
  • Excelの車両台帳は「1行1台・満了日で並べ替え・残日数で色分け」までは足ります。案内の経過と整備履歴という、1台に何行も付く情報を書き足す段階で崩れます。
  • システムにするなら、台帳の単位・案内の手段と記録・整備履歴の範囲・今の整備ソフトとのつなぎ方の4点を決めれば見積もれます。当社の開発プランは設計から納品まで約3か月です。

車検はいつ満了し、いつから受けられるのか

車検証の有効期間は道路運送車両法第61条で決まっています。自家用の乗用車は、新車で最初に受けたときが3年、それ以降は2年です。旅客や貨物の運送に使う事業用の車は1年で、車両総重量8トン未満の貨物車などは最初だけ2年です。満了後も使うには継続検査を受けなければならず(第62条)、有効な車検証のない車は運行できません(第58条)。満了日を過ぎた車は、工場まで自走で持ち込むこともできなくなります。

継続検査を受けられる時期は、道路運送車両法施行規則第44条にあります。原則は「有効期間を記録した日」から次の有効期間を数え始めますが、満了日の2か月前から満了日までのあいだに受けた場合だけ、満了日の翌日から数えます。この2か月の窓の中で受ければ、早く受けても次の満了日は前倒しになりません。

この窓は2025年4月1日に、1か月から2か月へ広がりました。国土交通省の2024年6月25日の発表は、車検が年度末に集中して予約が取りづらく、整備士が残業と休日出勤に追われている状態を理由に挙げています。自賠責保険の期間もあわせて調整されました。

2か月前より早く受けた場合

受けた日から新しい有効期間が始まるので、そのぶん次の満了日が早まります。案内文に「満了日の2か月前から受けられます」と書く理由はここにあります。

満了日を過ぎた場合

継続検査を受けるまで公道を走れません。お客様に自走で来てもらえるうちに入庫してもらうことが、案内の目的です。

案内は満了日の何か月前に出すか

案内の時期を決める法令はありません。決める材料は、上の2か月の窓と、お客様が予定を空けるまでの日数です。窓が2か月に広がったので、お客様がその余裕をまるごと使えるようにするには、案内が満了日の2か月前より前に手元へ届いている必要があります。当社は、満了日の3か月前に対象を抽出して案内を出し、2か月前の時点で返事のない車に電話する、という2段を目安にしています。

年度末に満了が集中する工場では、3か月前の案内だけでは予約が3月に寄ります。4月に満了する車には1月に案内が届くので、その文面と電話の順番で2月の入庫を勧められます。どの月にどれだけ満了があるかを、台帳から月別に数えるのが先です。

案内は1回で終わりません。はがきを出した、電話した、留守だった、予約が入った、入庫した。この経過を車ごとに残せないと、同じお客様に二度はがきを出すか、誰にも声をかけないまま満了日が来るかのどちらかが起きます。案内の時期を決めるときに、経過をどこに残すかも一緒に決めます。

Excelの車両台帳で足りるのはどこまでか

1行1台の表で、登録番号・車台番号・お客様名・電話番号・満了日・前回入庫日の列を持ち、満了日で並べ替える。ここまではExcelで足ります。満了日から今日を引いた残日数の列を足し、60日を切ったら色を変える条件付き書式を入れれば、紙のカードをめくって探す作業はなくなります。

崩れるのは、1台に対して行が増える情報が入ってきたときです。案内の経過(はがき、電話、予約)と、整備の履歴(前回のオイル交換、タイヤ交換、見積で見送った項目)は、1台に何行も付きます。列を横に足していくと、3回目の電話を書く場所がなくなり、履歴は別のシートか手書きの伝票に戻ります。

もう1つは、同時に開けないことです。フロントが予約を書き込んでいるあいだ、工場側は前回の整備内容を見られません。共有フォルダに置いても、後から開いた側は編集できません。台帳を2人以上で触る工場は、この時点でExcelの限界に当たります。

Excelで足りる工場

台数が数十台から百数十台で、案内はフロント1人が出し、経過は備考欄に1行書けば済む。整備履歴は伝票の綴りで探せている。

見直しどきの目安

案内を2段階以上(はがき→電話→予約確認)で追いかけている。前回の整備内容を台帳から探せず、伝票の束に戻っている。台帳を触る人が2人以上いる。

整備の記録は何年残すか。台帳に何を入れるか

整備工場側に保存義務があるのは特定整備記録簿です。道路運送車両法第91条は、特定整備をしたときに登録番号、整備の概要、完了日、依頼者の氏名と住所などを記載し、写しを使用者に渡し、記載の日から2年間保存するよう定めています。整備履歴を台帳に入れるなら、この記録簿の項目をそのまま履歴の1行にできます。

点検整備記録簿は、使用者(お客様)の側が車に備え置く記録です(第49条)。保存期間は自動車点検基準第4条で、事業用など3か月・6か月点検の車は1年、自家用乗用車など1年点検の車は2年です。自家用乗用車の定期点検は1年ごと(第48条)なので、点検日と走行距離を台帳に残しておけば、次の12か月点検の案内にも使えます。

見積にも決まりがあります。施行規則第62条の2の2は、定期点検や整備を頼まれたときに、必要な整備の内容と必要性を説明し、料金の概算見積りを書面か電子データで渡すよう求めています。作業料金の掲示も必要で、従業員5人以下か自社サイトが無い場合を除き、ウェブサイトへの掲載も求められます。見積を台帳から出せる形にしておくと、この書面の作成と整備履歴の登録が二度書きになりません。

システムにするとき、何を決めれば見積もれるか

選択肢は3つです。今のExcelを整える、既製の整備ソフト(見積・請求・車検案内はがきの機能を持つもの)を入れる、案内と履歴の部分だけ自社に合わせて作る。既製ソフトの料金は各社のサイトで公表されているので、まず機能と月額を見比べてください。当社が請けるのは3つ目で、次の4点が決まれば見積もりを出せます。

台帳の単位を車両にするか、お客様にするか

1人で2台持つお客様、法人で10台持つお客様がいるなら、車両を単位にしてお客様にぶら下げる形にします。ここで画面の骨組みが決まります。

案内の手段と、何を記録するか

手段ははがき・電話・SMSのどれか。いつ、誰が、どの手段で連絡し、返事は何だったか。宛名リストの書き出しだけで足りるのか、送信までつなぐのか。

整備履歴をどこまで入れるか

特定整備記録簿の項目だけを残すのか、見積と作業指示から自動で履歴を作るのか。後者は入力の手間が減るぶん、開発の範囲が広がります。

今の整備ソフトとの関係

見積・請求・車検の電子申請を既存のソフトで続けるなら、車両情報の取り込みと書き出しの形式を最初に確認します。置き換えない前提のほうが、期間も費用も小さくなります。

当社が想定している期間と、費用の出し方

当社の開発プランでは、整備士数名・管理台数数百台の工場を想定して、設計から納品まで約3か月としています。1か月目に顧客カードとホワイトボードの棚卸しをして画面案を決め、2か月目にまとめ画面・車両一覧・車両カルテを作り、3か月目に実際の車両データを入れて、満了日の並びと案内の記録を確かめます。画面の構成は車検満了・整備カルテ管理システムの開発プランに載せています。

費用は、満了日の管理と案内の記録だけの構成と、見積・整備履歴まで含む構成の2案を金額付きで出し、必要な範囲と導入する順番を相談します。初回の相談と概算の見積もりは無料です。

まとめ

車検証の有効期間は自家用乗用車で初回3年、以後2年です。2025年4月からは満了日の2か月前から受けても次の有効期間が満了日の翌日から数えられるので、案内はその2か月より前、満了日の3か月前までに届くように出します。

Excelの1行1台の台帳は、満了日の並べ替えと残日数の色分けまでは足ります。案内の経過と整備履歴という「1台に何行も付く情報」と、2人以上で同時に触る運用が始まったら見直しどきです。

次にやることを1つ挙げます。今の台帳から、今後12か月の満了台数を月別に数えてください。どの月に山があるか、その山に3か月前の案内が間に合っているかが、Excelで続けるか、システムにするかを決める最初の材料になります。

よくある質問

車検の案内は、法律で「何か月前に出す」と決まっていますか。

決まっていません。決める材料になるのは、道路運送車両法施行規則第44条の「満了日の2か月前から満了日まで」という窓です。この期間に受ければ次の有効期間が満了日の翌日から数えられるので、案内はその2か月より前に届いている必要があります。当社は満了日の3か月前を目安に案内を出し、2か月前の時点で返事のない車に電話する2段を勧めています。年度末に満了が集中する工場では、月別の満了台数を数えて、山の月だけ前倒しの案内にします。

満了日の2か月より前に車検を受けると、どうなりますか。

施行規則第44条の原則どおり、有効期間を記録した日から次の有効期間を数えます。満了日の翌日からにはならないので、早く受けたぶん次の満了日が前倒しになります。お客様にその損をさせないために、案内文には「満了日の2か月前から受けられます」と入れ、予約の電話でも満了日を確認してから日程を決めます。

整備の記録は、工場で何年残せばいいですか。

特定整備記録簿は、道路運送車両法第91条第3項で記載の日から2年間の保存が決まっています。写しを使用者に渡す義務もあります。台帳の整備履歴に同じ項目(登録番号、整備の概要、完了日、依頼者)を入れておけば、前回の整備内容を探す手間は減ります。ただし台帳は記録簿の代わりに使える形にしておくか、記録簿そのものを別に残すかを決めてから運用を変えてください。

今使っている整備ソフトは、置き換えないといけませんか。

置き換える必要はありません。見積・請求・車検の電子申請を今のソフトで続け、満了日の管理・案内の記録・整備履歴の確認だけを別に作る形にできます。その場合、車両情報を今のソフトから取り込めるか、書き出しの形式は何かを最初に確認します。ソフトの名前と、使っている機能をお手元に用意していただけると、切り分けが早く進みます。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

今後12か月の満了台数を、月別に数えてみてください。

満了が近い車をカードの束から探している。はがきを出したかどうかが担当者の記憶にしかない。前回の整備内容が伝票の束の中にある。そんな状態でしたら、今の顧客カードか台帳の見本(お客様名を伏せたもの)と、管理している台数、満了が集中する月をお知らせください。Excelを整えれば足りるのか、案内と履歴だけを作ったほうが早いのかを切り分けます。北海道内なら工場に伺い、案内を出す作業を見せてもらうところから始めます。

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