EvoQuest
EvoQuest DX業務システム / 業務効率化 2026.06

SCENARIO ── CONSTRUCTION COST CASE

現場の原価が紙とExcelに散らばる状態を、
案件ごとに「黒字か赤字か」が見える形へ。

見積はExcelの使い回し、協力会社への発注は手書き、材料の領収書は現場監督の車にたまっている——そんな小規模な工務店・リフォーム会社向けに、見積・実行予算・発注・原価・入金を案件ごとに一本でつなぐ想定シナリオです。完工して経理が集計し終わるまで分からなかった「この現場、儲かったのか」を、工事の途中でも数字で見えるようにする設計です。

想定領域
業務システム / 工務店・リフォームDX
担当範囲
業務整理・画面設計・開発・定着支援
想定対象
年間 数十件規模・協力会社 十数社の工務店・リフォーム会社
想定期間
設計〜納品 約 3 ヶ月

OVERVIEW

プロジェクト概要

小規模な工務店やリフォーム会社が抱える「見積はExcel、発注は手書き、原価は完工してから集計」という現場の事務を、案件を軸に見積・実行予算・発注・原価・入金をつなぐ管理画面で一本化する想定シナリオ。一つの現場にかかったお金が、紙とExcelと社長の記憶に分かれている状態をなくします。

狙いはひとつ、「完工してから分かる」を「工事の途中で気づける」に変えること。見積を作った時点で実行予算(いくらで仕上げるつもりか)が決まり、発注と請求書を入れていくと現在の原価が積み上がる。契約の粗利を実績がどれだけ削っているかが、現場が動いている最中に見える構造にします。AIで派手なことをする前に、まず追加工事の取りこぼしと、赤字に気づくのが遅れる問題をなくすところから始める設計です。

CHALLENGE

課題

  • 01 一つの現場の原価が、紙とExcelと社長の頭に分かれている。見積はExcel、協力会社への発注は手書きの発注書、材料の領収書は現場監督の車にたまる。集めて足し終わるまで、その現場にいくらかかったのか誰も言えない。
  • 02 「ついでにここも直して」の追加工事が口約束のまま進む。やった工事は覚えていても、完工してから「あれ、請求に入れ忘れてた」と気づく。やった分のお金を、毎回どこかで取りこぼしている。
  • 03 着工金・中間金・完工金が いつ・いくら入る予定なのか、一覧がどこにもない。資金繰りは社長の感覚頼みで、請求書を出し忘れて入金がまるごと一ヶ月ずれることもある。
  • 04 現場が終わって経理が集計し終わるまで、黒字か赤字かが分からない。気づいた時には次の現場がもう動いていて、打てる手がない。「どんぶり勘定」だと自分でも分かっているけれど、忙しくて仕組みにする時間が取れない。

APPROACH

アプローチ

現場が動いている最中に原価を見せたいので、設計の中心に置くのは 「見積=実行予算=原価実績を、案件という一本の線でつなぐ」 ことです。見積を工種ごと(解体・大工・電気・水道・内装…)に積み上げると、その内訳がそのまま「いくらで発注するつもりか」の実行予算になる。あとは協力会社への発注と、届いた請求書・材料の領収書を入れていくだけで、工種ごとに予算と実績が並びます。追加工事はその場で一件起こせば請求漏れがなくなり、実行予算をオーバーしそうな工種は確定前に画面が知らせます。

入金側も同じ画面につなぎます。契約で決めた着工金・中間金・完工金を登録しておけば、いつ・いくら請求して、いつ入る予定かが案件ごとに並ぶ。請求書の出し忘れは「未請求」として残り続けるので、入金が一ヶ月ずれる事故が減ります。日本の現場事務に合う、表ベースで密度の高い画面に揃え、パソコンが得意でない社長や事務担当でも「画面の順番どおりに進めるだけ」で見積から入金まで回せる状態を目指します。

CONSULTATION

現場の原価が紙とExcelに散らばる状態を、案件ごとに見える仕組みに。

「一つの現場にいくらかかったか、完工するまで分からない」「追加工事の請求を入れ忘れる」「いつお金が入るか社長の頭の中にしかない」。
そういう現場の事務こそ、見積から入金までを案件でつなぐ業務システムで仕組みに置き換えられます。
業務整理・画面設計・開発・定着支援まで、一貫してお手伝いします。

SCREENS

主要画面

想定する主要画面と、設計で大事にしている考え方です。「いま動いている現場が黒字か赤字か」を画面の上の方ですぐ読めることを最優先にした構成で、データはすべて工務店・リフォーム会社の規模感に合わせた想定例です。

01. 案件ダッシュボード

進行中の現場ごとの粗利の状況を一画面で把握。実行予算を食いつぶしそうな現場、未請求のまま止まっている入金、今週の入金予定を「いま見るべきもの」として上に集約する構成。

ダッシュボード
設計のポイント
数字を眺める画面ではなく、「赤字に向かっている現場」と「お金の取りこぼし」を先に見せる画面にする。
独自パーツ
案件ごとの粗利メーター。契約額に対して原価実績がどこまで来たかを横バーで示し、危ない現場が一目で分かる。
状態の表現
粗利率は色だけでなくラベルでも示し、色の見え方が違う方にも配慮。

02. 案件一覧

進行中・完工・見積中の全案件を一覧で管理。契約額・実行予算・原価実績・粗利率・工程の進み具合・ステータスで絞り込み、粗利率が想定を下回った案件を赤色で警告する。

一覧テーブル
設計のポイント
「いま儲かっているか」で並べ替えられるようにし、危ない現場を上に集める。
数値表現
金額は揃った幅の数字で右寄せ、粗利率は%で。実行予算との差は増減で色分け。
操作
行をクリックすると案件詳細へ。よく使う絞り込みはタブとして上に常設。

03. 案件詳細(実行予算 vs 実績)

一つの現場の中身を、工種ごとに「実行予算 vs 原価実績」で並べる画面。発注先・追加工事・入金予定までを一枚にまとめ、どの工種で予算を超えそうかが分かる2分割構成。

一覧+詳細
設計のポイント
見積・発注・原価・入金を別画面に散らさず、一つの現場として同じ画面に集める。
予算管理
工種ごとに実行予算と実績を横並びにし、超過しそうな工種を確定前に警告。
取りこぼし防止
追加工事はこの画面からその場で一件起こせて、請求対象として残り続ける。

04. 見積・実行予算作成

見積を工種ごとに積み上げると、その内訳がそのまま実行予算になる入力画面。単価は過去の見積から呼び出せ、原価を入れると粗利が逆算で表示される。値引き後の着地粗利もその場で見える設計。

入力フォーム
設計のポイント
見積と実行予算を二度入力しない。見積を作る作業が、そのまま予算を決める作業になる。
入力の負担
よく使う工種・単価はテンプレートから呼び出し、定番の見積をワンクリックで下書き。
粗利の可視化
売値と原価を入れると粗利率が即時計算され、値引き交渉の前に「ここまでなら出せる」が分かる。

05. 発注・原価入力

協力会社への発注と、届いた請求書・材料の領収書を案件・工種にひも付けて入力するテーブル。発注額が実行予算を超えそうなときは確定前に警告し、未照合の請求書を一覧の上に集める。

入力テーブル
設計のポイント
手書きの発注書と紙の請求書のやりとりを、案件・工種に自動でひも付く入力に置き換える。
予算連動
発注を入れた時点で実行予算に積み上げ、超えそうな工種は確定前に画面で警告。
照合
発注と届いた請求書の金額が合っているかを画面で照合し、差額だけ人が確認する。

06. 出来高請求・入金管理

着工金・中間金・完工金の出来高払いを案件ごとに登録し、請求のタイミングと入金予定を一覧化。未請求・未入金を赤色で残し、請求書をワンクリックで発行する設計。

集計
設計のポイント
「未請求」「請求済み」「入金済み」を一つの表に同列で並べ、出し忘れと入金遅れを表面化させる。
資金繰り
案件をまたいで入金予定日を並べ、今月・来月にいくら入るかを先に見えるようにする。
出力
請求書PDF(出来高ごと)/ 入金予定一覧CSV をワンクリックで。

07. 月次・完工レポート

完工した案件の粗利を確定し、工種別の予算と実績の差、協力会社別の発注額、進行中案件の着地見込みを一覧表示。月末の集計を待たずに、月の途中でも会社全体の数字を確認できる前提のレイアウト。

レポート
設計のポイント
完工案件の確定粗利と、進行中案件の着地見込みを同じ画面に並べ、会社の今の体力を一目で。
振り返り
工種別に「見積より高くついた/安く収まった」を集計し、次の見積の精度を上げる材料にする。
文字
数値は揃った幅、ラベルは可変幅で、印刷時のページ分割も想定通り。

OUTCOME

変わったこと

仕組みが運用に乗ったあと、紙とExcelに散らばっていた現場の事務が3つの軸で変わる想定です。

01

現場の原価が
「完工してから集計」から「工事の途中で見える」へ。

Before見積・発注・領収書がバラバラで、足し終わるまでその現場の原価が分からなかった。
After見積がそのまま実行予算になり、発注と請求書を入れるだけで原価が積み上がる。途中でも粗利が見える。

「終わってから分かる」を「動いている最中に気づける」に変え、赤字の現場に手を打つ余地を残す。

02

追加工事と請求が
「口約束で取りこぼし」から「その場で一件」へ。

Before「ついでにここも」の追加工事が口約束のまま進み、完工後に請求の入れ忘れに気づいていた。
After追加工事は発生したその場で一件起こし、請求対象として残り続ける。出来高請求も未請求が表に残る。

やった分のお金を取りこぼさない。請求書の出し忘れで入金が一ヶ月ずれる事故も減らす。

03

会社の数字が
「社長の感覚」から「誰でも見える画面」へ。

Beforeどの現場が黒字でいつお金が入るかが社長の頭の中にしかなく、資金繰りも勘頼みだった。
After案件ごとの粗利と入金予定が画面に並び、事務担当でも会社の今の体力を確認できる。

「どんぶり勘定」を、画面に手順が埋め込まれた引き継げる仕組みに置き換える設計に。

PROCESS

3ヶ月の進め方

オンラインでやりとりしながら、設計 → 開発 → 納品を 3 ヶ月で進めます。各月の終わりに必ず触れる成果物を残し、実際の現場で使った感想を翌月の作業に直接反映していく進め方です。

1
MONTH 01 / 業務整理 + 見積・原価の棚卸し

「現場のお金が今どこに散らばっているか」を画面で合意する月。

見積から入金までの流れをヒアリングし、今使っているExcelの見積テンプレ・手書きの発注書・領収書のたまり方を整理。工種の分け方と、案件を軸につなぐ画面の骨組みを固めます。

  • 業務ヒアリング(2〜3回)
  • 既存の見積Excel・発注書の棚卸し
  • 工種の分類と実行予算の組み立て方を整理
  • 主要3画面(見積・案件詳細・発注)の下書き
2
MONTH 02 / 画面開発 + 原価の自動集計

見積・実行予算・発注・原価を案件でつなぐ画面を作る月。

見積から実行予算が決まり、発注と請求書を入れると原価が積み上がる流れの開発と、予算超過の警告・出来高請求の実装を同時並行で進めます。月後半に、実際の過去案件を入れた動くサンプルで内部デモ。

  • 見積・案件詳細・発注の主要画面の開発
  • 実行予算と原価実績の自動集計・超過警告
  • 出来高請求・入金予定の実装
  • 過去案件を入れた動くサンプルで内部デモ
3
MONTH 03 / 検証 + 納品

進行中の現場を、実際に画面に乗せて確かめる月。

動いている現場の見積・発注を実際に入れてもらい、警告や集計のズレを調整。月次・完工レポートと請求書出力まで仕上げて納品。社長や事務担当が一人でも回せる手順書を添えて引き継ぎます。

  • 進行中案件での検証
  • 警告・粗利集計の調整
  • レポート・請求書出力の仕上げ
  • 納品 + 運用引き継ぎ(手順書つき)

FAQ

よくある質問

  • Q1 今使っている見積のExcelは捨てないといけませんか?
    いいえ。いきなり全部を作り替える必要はありません。今の見積Excelの工種の分け方や単価はそのまま取り込め、慣れた見積書の形はそのまま出せる設計にします。残す部分・連携する部分・作り直す部分を分けて、現場の負担が少ない順に移していきます。
  • Q2 現場監督が忙しくて、入力する余裕がないのですが。
    そこを設計の中心に置きます。発注や領収書はその場でさっと入れられるように、案件・工種を選ぶだけで金額がひも付く形にし、入力の手数をできるだけ減らします。事務担当がまとめて入力する運用にも合わせられます。大事なのは「同じ数字を二度書かない」ことなので、現場と事務のどちらが入れるかは会社のやり方に合わせて決めます。
  • Q3 AIを使わなくても効果はありますか?
    あります。この想定シナリオは、AIで予測する前に「追加工事を取りこぼさない」「赤字に気づくのが遅れない」「請求の出し忘れをなくす」といった、毎日の現場事務のミスと遅れを減らすことが目的です。案件の原価データがたまってくれば、その後で「この工種は毎回見積より高くつく」といった傾向の分析に広げることもできます。
  • Q4 会計ソフトや既存の請求のやり方と連携できますか?
    多くの場合、可能です。確定した原価や入金のデータを会計ソフトが読める形で書き出したり、今お使いの請求書フォーマットに合わせて出力したりできます。連携が難しい場合も、CSVでの取り込み・書き出しから始められます。
  • Q5 導入にはどのくらいの期間・規模が必要ですか?
    想定では設計から納品まで約3ヶ月、年間 数十件規模・協力会社 十数社くらいの工務店・リフォーム会社を対象にしています。要件が固まっていない段階からご相談いただけ、まずは今の見積Excelと現場のお金の流れの棚卸しから始めます。

現場の原価が紙とExcelに散らばる状態を、案件ごとに見える仕組みに。

「一つの現場にいくらかかったか、完工するまで分からない」「追加工事の請求を入れ忘れる」「いつお金が入るか社長の頭の中にしかない」。
そういう現場の事務こそ、見積から入金までを案件でつなぐ業務システムで仕組みに置き換えられます。
業務整理・画面設計・開発・定着支援まで、一貫してお手伝いします。