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EvoQuest DX業務システム / 業務効率化 2026.07

SCENARIO ── NURSERY ALLERGY CHECK CASE

アレルギー児8人分の献立チェックを、
蛍光ペンの目視だけに預けない園にする。

定員90名・アレルギー児8名・自園調理の認可保育園向けに、生活管理指導表の台帳、翌月献立との突合、調理室と担任の受け渡しチェック、新規食材の家庭へのお願いまでを一つの業務システムで支える設計を、こう考えます。献立を作るAIの話ではありません。献立はいままで通り栄養士が組み、園がやってきた確認の仕事を、目視と記憶の負担が軽くなる形に組み直すシナリオです。

想定領域
業務システム / 給食アレルギー対応
担当範囲
要件整理・画面設計・開発・定着支援
想定対象
定員90名・アレルギー児8名前後の認可保育園
想定期間
設計〜運用開始 約 3 ヶ月

OVERVIEW

プロジェクト概要

保育園の給食は、アレルギー対応の書類と手順が最初から決まっている世界です。入園時に主治医が書く生活管理指導表、園長・栄養士・担任がそろう面談、そして「完全除去が原則」というガイドラインの線引き。毎月20日すぎに翌月の献立表が固まると、栄養士は指導表の内容を写した台帳と見比べながら、児童ごとにコピーした献立表へ蛍光ペンを引いていきます。1枚30分として8人分で月4時間。これは作業時間の話で、本当に重いのは「引き漏れていないか」を確かめる手段が、もう一度目視するしかないことです。

この想定シナリオで作るのは、献立作成AIではありません。献立は市の統一献立でも自園の栄養士でも、いままで通り。作るのは台帳と献立の突合、当日の調理室と担任への伝達、受け渡しチェックの記録、新規食材の家庭へのお願いという「確認の仕事」を支える仕組みです。チェックの回数を増やすのではなく、その日そのクラスに必要な確認だけが手元に出てくる状態にします。

CHALLENGE

課題

  • 01 月末の蛍光ペン突合が、栄養士1人の目にかかっている。翌月の献立表を8人分コピーし、台帳と見比べて該当メニューに線を引く。納品の都合で献立が差し替えになれば、8枚とも引き直し。終わっても「漏れていない」ことは誰にも証明できない。
  • 02 当日の伝達が、調理室のホワイトボードと配膳カードと口頭。朝おやつ・昼食・午後おやつで1日3回、8人分なら受け渡しは毎日24回になる。いつもの担任が休みの日、誕生会でおやつが特別な日ほど、この口頭の流れが崩れる。
  • 03 声出し・指差しの確認は、その場で消えていく。トレイの色を変え、二人で唱和して渡していても、記録は残らない。ヒヤリとしたとき、どこで途切れたのかをたどれない。監査や巡回指導に出す書類は、それとは別に手書きで作っている。
  • 04 新入園児の食材チェック表と、指導表の更新期限が宙に浮く。0〜2歳児は「家庭で2回以上食べた食材だけ園で出す」約束のため、家庭に書いてもらう食材チェック表と翌月献立の突き合わせがもう一つの目視作業になる。年1回の指導表更新は、事務室のカレンダーの書き込みが頼り。

APPROACH

アプローチ

最初に決めるのは、作らないものです。献立作成はこのシステムに持ち込みません。園には市の統一献立や長年の献立のかたちがあり、そこを触ると導入が「給食の作り替え」になってしまう。もう一つ、部分除去を細かく設定できる作りにもしません。ガイドラインが完全除去を原則にしているのは、対応が複雑になるほど事故に近づくからで、画面の側がその複雑さを呼び戻すわけにはいかない。台帳に持つのは、指導表に書かれた原因食材と、園として決めた対応(除去・代替・弁当持参)だけです。

そのうえで、突合は機械の仕事、判断は人の仕事に分けます。翌月の献立を取り込めば、台帳との照合は全日程まとめて終わり、栄養士が見るのは引っかかった日だけ。当日の配膳は、チェック項目を増やすのではなく、そのクラスのその回に必要な確認だけを担任のスマホに出し、調理と担任の二人が受け渡しでタップした事実が、監査に出せる記録としてたまっていきます。費用も同じ考え方で絞ります。最初に作るのは台帳・突合・当日の伝達まで。保護者向けの配信や帳票の自動作成は、この運用が回ってから足すかを一緒に判断します。

CONSULTATION

蛍光ペンの突合と口頭の伝達、仕組みで支えられます。

「月末の献立チェックが栄養士1人の目にかかっている」「受け渡しの確認が記録に残らない」「食材チェック表との突き合わせまで手が回らない」。
献立の作り方は変えずに、確認の仕事だけを軽くする小さな仕組みから始められます。
要件整理から画面設計、開発、紙と並行のひと月まで、途中で分業させずにお手伝いします。

SCREENS

主要画面

想定する主要画面と、設計で大事にしている考え方です。栄養士が使うPC画面を中心に、調理室には当日ボード、担任には配膳チェックのスマホ画面という3つの持ち場に分かれた構成。園名・児童名・献立はすべて定員90名規模の認可保育園に合わせた想定例です。

01. 献立とアレルギー台帳の突合(栄養士のPC画面)

児童ごとにコピーして蛍光ペンを引いていた翌月の献立表を、そのまま画面にした月間ビュー。台帳と照合して引っかかった日にだけ印が付き、日付をクリックすると右側にその日の料理・原因食材・対象児・決めた対応が開く構成。献立が差し替えになったら、影響のある児童だけ再確認の列に並ぶ。

献立突合
看板の考え方
紙の献立表と同じ月間の並びから始める。蛍光ペンの代わりに、照合で引っかかった料理が塗られる。
見る量を減らす
全日を見直すのではなく「引っかかった14日分」だけ確認すれば済む形に。確認済みは塗りが薄くなる。
差し替えの扱い
献立の変更は8枚の引き直しではなく、影響が出た児童×日付だけの再確認リストになる。

02. アレルギー児童の台帳(生活管理指導表の管理)

生活管理指導表の内容を児童ごとに写した台帳。原因食材と対応(除去・代替・弁当持参)、面談の記録、指導表の提出日と次回更新の期限が1人1枚にまとまる。更新が近い児童・解除の相談が進んでいる児童は一覧の上に浮かぶ構成。

児童台帳
設計のポイント
台帳の中身は指導表に書いてあることだけ。園の判断で除去を増やしたり緩めたりする余地を画面に作らない。
期限の管理
年1回の指導表更新を、カレンダーの書き込みではなく台帳側が数えて知らせる。新年度の一斉更新にも使う。
解除の流れ
医師の指示による解除は「相談中 → 書類待ち → 解除」の段階で持ち、口頭の「もう食べられるらしい」で台帳を触らせない。

03. 今日の給食ボード(調理室のタブレット)

調理室のホワイトボードを置き換える当日画面。朝おやつ・昼食・午後おやつの回ごとに、対象児・対応・トレイの色がクラス別に並ぶ。登園の欠席連絡が入ると対象児がその場で消え、作らなくていい除去食が朝の時点で分かる構成。

当日ボード
設計のポイント
調理室で3メートル離れても読める文字の大きさ。今日と今の回だけを大きく、先の回は控えめに。
欠席との連動
朝の欠席連絡が入った児童は回ごとの一覧から外れ、「今日は7人分」が数え直しなしで分かる。
配膳カード
トレイに載せる配膳カードはこの画面から印刷。手書きの書き写しをなくし、台帳と食い違う余地を残さない。

04. 受け渡しのダブルチェック(担任のスマホ画面)

調理から担任へ除去食を渡す瞬間の確認を、スマホの2人チェックにした画面。名前・原因食材・今日の対応を読み上げて、調理側と担任側がそれぞれタップ。おかわり・お残しのメモまで残せて、1回の給食がそのまま提供記録になる構成。

配膳チェック
設計のポイント
声出し・指差しの唱和はやめない。唱和した事実が記録に残るように、タップを唱和のあとに置く。
崩れる日のため
担任が休みでも、画面に名前と対応が出るから代わりの職員が同じ確認をできる。誕生会などの特別メニューの日も同じ流れ。
記録の使い道
タップの記録が提供記録として残り、監査・巡回指導のときに手書きで作り直さなくていい。

05. 新規食材と家庭へのお願い(栄養士のPC画面)

翌月の献立に初めて登場する食材を拾い出し、0〜2歳児それぞれの食材チェック表と突き合わせる画面。「家庭でまだ試していない児童×食材」だけが残り、そのまま保護者へのお願いの文面になる。園で初めて食べる食材をなくすための構成。

新規食材
設計のポイント
「全員分の食材チェック表を毎月見直す」のではなく、翌月の献立に出てくる食材だけに絞って突き合わせる。
家庭とのやりとり
お願いの文面は児童ごとに自動でまとまり、連絡帳に貼る紙でもアプリ連絡でも、いまの園の伝え方で出せる。
提供の止め方
試し終わっていない食材がある日は、その児童の欄に「未食のため提供しない」が当日ボードまで通る。

OUTCOME

変わったこと

仕組みがひと月の運用に乗ったあと、蛍光ペンとホワイトボードと口頭に分かれていた確認の仕事が、3つの軸で変わる想定です。

01

月末の突合が
「8枚の蛍光ペン」から「引っかかった日だけの確認」へ。

Before献立表を8人分コピーし、台帳と見比べて1枚ずつ線を引いていた。差し替えが入れば最初から。
After照合は取り込んだ瞬間に全日程終わり、栄養士は印の付いた日だけを見て対応を決める。

目視をゼロにするのではなく、目視する対象を「機械が引っかけた場所」に絞るのが狙い。

02

当日の伝達が
「ホワイトボードと口頭」から「持ち場ごとの画面」へ。

Before調理室のホワイトボードを朝書き換え、クラスへの伝達は配膳カードと口頭に頼っていた。
After調理室には当日ボード、担任には自分のクラスのその回の確認だけが出る。欠席も朝のうちに反映される。

情報を増やさず、届く範囲を絞る。担任に園全体の表を見せない設計が、見落としを減らす。

03

受け渡しの確認が
「その場で消える唱和」から「監査に出せる記録」へ。

Before声出し・指差しで確認していても記録は残らず、監査用の書類は別に手書きしていた。
After二人のタップが提供記録になり、ヒヤリとした日も、どの回のどの受け渡しかをたどれる。

記録のための入力を新設しない。確認の動作そのものが記録になる形だけを作る。

PROCESS

3ヶ月の進め方

オンラインでも進められますが、札幌市内・近郊なら園に直接おじゃまして始めます。給食の時間帯を実際に見せてもらいながら、設計 → 開発 → 並行運用の3ヶ月で進める想定です。

1
MONTH 01 / 要件整理 + 現物の確認

指導表・献立表・配膳カードを、現物のまま見せてもらう月。

生活管理指導表の写し、蛍光ペンを引いた献立表、配膳カード、食材チェック表を原本のまま見せてもらい、突合と受け渡しの流れを給食の時間に立ち会って確認します。突合画面の下書きをその場で作り、最初に作る範囲を「台帳・突合・当日の伝達」に絞って合意します。

  • 園長・栄養士・調理員・担任へのヒアリング
  • 指導表・献立表・配膳カード・食材チェック表の現物確認
  • 給食と配膳の時間帯の立ち会い
  • 最初に作る範囲と、後回しにする機能の線引き
2
MONTH 02 / 台帳 + 突合 + 当日画面の開発

栄養士のPCと、調理室・担任の画面を同時に作る月。

児童台帳・献立突合・当日ボード・配膳チェックを並行して開発します。いまの台帳がExcelなら取り込んで初期データにし、市の統一献立の取り込み方もこの月に確定。月の後半には調理室と1クラスで実際の給食に沿って試してもらいます。

  • 児童台帳・献立突合の開発
  • 当日ボード・配膳チェックの開発
  • 既存Excel台帳・献立表の取り込み
  • 調理室と1クラスでの試用
3
MONTH 03 / 並行運用 + 運用開始

紙と二本立てでひと月回してから、紙を外す月。

最初のひと月は蛍光ペンの献立表・ホワイトボードと並行で運用し、食い違いが出たら画面の側を直します。監査に出す提供記録の様式もこの月に仕上げ、栄養士・調理員・担任の全員が「画面だけで回る」と言ってから紙を外します。新年度の指導表一斉更新の段取りまで引き継いで運用開始です。

  • 紙と画面の並行運用(ひと月)
  • 提供記録・監査向け出力の仕上げ
  • 全職員での運用確認と紙の切り離し
  • 新年度の一斉更新の段取りづくり

FAQ

よくある質問

  • Q1 費用はどのくらいかかりますか?保育園に払える金額ではない気がします。
    最初のヒアリングのあと、「台帳・突合・当日の伝達」だけの構成と、配膳チェックの記録・監査向け出力まで含めた構成の2案を金額付きでお出しします。高くする方向の提案はしません。むしろ保護者向け配信や帳票の自動作成など、なくても回るものを最初から作らないことで抑えます。保育所のICT化には自治体の補助事業が使える場合があるので、園のある市町村の募集状況も一緒に確認します。
  • Q2 献立は市の統一献立です。それでも使えますか?
    使えます。というより、統一献立の園こそ突合の仕組みが合っています。市から届く献立表がExcelでもPDFでも、毎月の取り込み方を最初に設計して、取り込み作業そのものが新しい負担にならない形にします。献立を園側で作り変える機能は入れないので、市の献立はそのまま、園がやるのはアレルギー台帳との照合結果を確認することだけです。
  • Q3 登降園管理の保育ICTはもう入っています。二重になりませんか?
    ぶつからない範囲に絞って作ります。このシナリオが扱うのは給食室まわりの確認業務だけで、登降園・指導計画・写真販売のような保育ICTの領域には踏み込みません。朝の欠席情報は、いまお使いのシステムから出せるならCSVなどで受け取り、無理なら朝の1回だけ手で反映する運用から始めます。連携のために高い改修費を払うより、まず回る形を優先します。
  • Q4 導入すれば誤配膳はゼロになりますか?
    ゼロを約束する道具ではありません。最後に食器を子どもの前に置くのは人で、そこは変わらないからです。仕組みが受け持つのは、確認が要る場面を漏れなく手元に出すことと、確認した事実を記録に残すことまで。声出し・指差しの唱和はいままで通り続けてもらいます。そのうえで、いつもの担任が休みの日や行事の日のように「流れが崩れる日」に強くなることが、この仕組みの一番の価値だと考えています。
  • Q5 新年度に間に合わせたいのですが、いつから始めればいいですか?
    4月に新体制で始めたいなら、1月には着手する計算です。設計から並行運用まで約3ヶ月かかるのと、3月は生活管理指導表の一斉更新と入園面談が重なって園がいちばん忙しいので、その前に画面を固めておきたいからです。年度の途中から入れる場合は、翌月の献立突合から先に使い始めて、配膳チェックは月を分けて広げる段階的な進め方もできます。

蛍光ペンの突合と口頭の伝達、仕組みで支えられます。

「月末の献立チェックが栄養士1人の目にかかっている」「受け渡しの確認が記録に残らない」「食材チェック表との突き合わせまで手が回らない」。
献立の作り方は変えずに、確認の仕事だけを軽くする小さな仕組みから始められます。
要件整理から画面設計、開発、紙と並行のひと月まで、途中で分業させずにお手伝いします。