EvoQuest
EvoQuest FoodAI業務システム 執筆:水上貴洋(取締役) 2026.06

SCENARIO ── MENU COSTING CASE

「この料理、いくら残ってる?」に
即答できる、メニュー原価の見える化。

仕入価格はじわじわ上がるのに、メニューの値段はなんとなくで決めたまま。どの料理が儲かっていて、どれが赤字に近いのか、聞かれても即答できない。そんな個人店を想定します。レシピごとの原価計算、原価率の自動更新、値上がりのお知らせ、値付けの試算。ここまでを一つの画面にまとめる業務システムの開発プランです。勘で決めていた値付けを、数字を見て決められる状態に変えるシナリオです。

想定領域
AI業務システム / 飲食店の業務改善
担当範囲
要件整理・原価計算設計・画面設計・実装
想定対象
個人店〜小規模店 1〜数店舗
想定期間
設計〜納品 約 2〜3 ヶ月

OVERVIEW

プロジェクト概要

メニューごとに、いくら原価がかかっていて、いくら残っているのか分からない。多くの飲食店がその状態です。料理ごとの原価を自動計算し、管理画面で確認できるようにする開発プランです。レシピごとの原価計算・原価率の自動更新・仕入値上がりの影響把握・値付けの試算・売れ筋と儲け筋の整理 を一つの業務システムにまとめます。

来客予測のように「数を当てる」話ではありません。すでに手元にある仕入伝票とメニューを、料理1品ごとの原価と粗利に結びつけて、値上がりや値付けの判断材料に変える。AIに任せるのは下ごしらえだけです。新しいメニューのレシピを書き起こすと、近い既存料理から分量と原価を推定する。最後の金額は、オーナーが見て決めます。

CHALLENGE

課題

  • 01 メニューごとの原価が、頭の中にしかない。原価率の目安はあっても、唐揚げ1皿に実際いくらかかっているかを聞かれると、その場では答えられない。
  • 02 仕入は気づかないうちに上がっていく。鶏も油も少しずつ値上がりして、ある日「思ったより残ってない」と気づく。どの料理の原価が上がっているのかは、後追いでしか分からない。
  • 03 値付けが勘になっている。「これくらいかな」で決めた値段のまま何年も。原価率が30%なのか45%なのか分からないまま売り続けている看板メニューがある。
  • 04 よく出る料理と、利益を残す料理が頭の中で結びついていない。一番出ているメニューが、実は一番薄利だった。そういう見落としに気づく仕組みがない。

APPROACH

課題への対応

最初に、料理と使用する食材を登録します。いま使っている仕入伝票とメニュー表を持ち込んでもらい、料理1品ごとに「何を、何グラム使うか」を一度だけ登録する。あとは食材の仕入単価を更新すれば、その食材を使う全メニューの原価率が自動で再計算されます。「鶏もも肉の仕入単価が1kgあたり40円上がった」と登録すると、唐揚げと親子丼の原価率を再計算し、目標を超えた料理に警告を出します。そこを起点に設計します。

AIには「料理を作る」のではなく、レシピや仕入単価の入力を補助する役割を持たせます。新メニューのレシピを文章で書くと、似た既存料理から食材と分量のたたき台を出す。仕入伝票の写真から品名と単価を読み取って候補に並べる。出てきた数字は必ず人が確認してから確定する前提で、表ベースの密度の高い画面に揃えます。値付けは最後まで人の仕事です。AIは下ごしらえまで。

CONSULTATION

「この料理、いくら残ってる?」に、数字で答えられる店へ。

「メニューの原価は頭の中」「仕入の値上がりに後から気づく」「値付けは勘のまま」。
仕入価格とレシピを登録し、料理ごとの原価を確認できるようにします。
要件整理から原価計算の設計、業務画面、開発まで、同じ窓口でお手伝いします。

SCREENS

主要画面

想定する業務画面のサンプル(想定例)。どの画面も、「いま手を打つべき料理」から先に目に入る構成にしています。メニュー名・原価・売価などのデータは個人店の規模感に合わせた想定例で、実在の店舗・実績ではありません。

01. 原価のまとめ画面

店全体の平均原価率と今月の粗利を主要数値で把握。仕入値上がりで原価率が目標を超えた料理、利益を圧迫している看板メニューは「要対応」一覧から、その画面で確認できる構成。

まとめ画面
設計のポイント
「数字が良いか」より「いま直すべき料理はどれか」を右側のタスク欄に集約。
採用パターン
平均原価率 + 今月粗利 + 値上がり影響 + 要対応メニュー の構成。
数値表現
原価率は等幅の数字で右寄せ。目標超過は赤、健全は緑で色分け。

02. メニューごとの売上・利益一覧

全メニューを「売れる(提供数)× 儲かる(粗利)」の2軸に配置。よく出るのに薄利な料理、出ないが儲かる料理が一目で分かる。看板の作り直し・値付け見直しの優先順位をこの画面で決める。

分析
設計のポイント
売れ筋と儲け筋を頭の中で重ねていた判断を、1枚の図で確認し、担当者間で共有できるようにする。
独自パーツ
提供数 × 粗利 の4象限マップを新規開発。点をクリックで料理の原価内訳へ。
配色
「売れて儲かる」を青、「売れるが薄利」を警告色で、手の打ちどころを色で示す。

03. レシピ原価計算

料理をクリックすると右側にレシピの詳細が開く2分割構成。使う食材・分量・食材ごとの原価内訳を表で並べ、原価合計・原価率・粗利を自動算出。食材を1つ差し替えるだけで再計算。

一覧+詳細
設計のポイント
一覧→詳細を画面切替ではなく同時表示に。料理を見比べながら、食材と分量を確認できる。
計算の見せ方
食材ごとに「使用量 × 仕入単価 = 原価」を1行で。合計が売価に占める割合をバーで表示。
AIの下ごしらえ
新メニューはレシピ文から食材・分量のたたき台を提案。人が直して確定。

04. 値付けの試算

売価を動かすと、原価率・1食あたりの粗利・想定月間粗利がその場で変わる画面。仕入が上がったとき「いくらにすれば原価率を戻せるか」を、確定する前に試せる。

試算
設計のポイント
売価のつまみを動かすたびに3つの数字が連動。値上げ後の原価率と粗利を数字で確認できる。
判断の補助
「原価率30%に戻すなら○円」「±50円したら粗利は△円」を併記して目安に。
慎重さ
画面に出す金額はあくまで試算。実際の改定は人が決める前提を明記。

05. メニュー一覧

全メニューを原価・売価・原価率・1食粗利・今月の提供数でまとめた一覧。原価率や粗利で並べ替え・絞り込みでき、利益を残せていない料理を上に集めて見られる設計。

一覧テーブル
設計のポイント
原価率で降順に並べれば、見直すべき料理が自然と上に集まる。
画面密度
行間を細かく調整し、数十品を一画面でスクロールしても疲れにくく。
状態の表現
原価率超過は赤、目標内は緑のマーク付きラベルで、色だけに頼らず区別。

06. 食材・仕入単価

食材ごとの仕入単価を管理する画面。前回の仕入価格との差を表示し、値上がりした食材を上に集める。ここで単価を1つ直すと、その食材を使う全メニューの原価率に即反映。

マスタ
設計のポイント
「単価を更新する場所」を1か所に集約。直したら各メニューの原価に自動で反映する。
値上がりの可視化
前回比をプラス/マイナスで色分け。影響を受けるメニュー数も同じ行に表示。
AIの下ごしらえ
仕入伝票の写真から品名・単価を読み取り、更新候補として並べる想定。

07. 値上がりアラート

仕入の値上がりで原価率が目標を超えた料理を一覧表示。どの食材が、いくら上がって、各料理の原価率が何ポイント上がったかを1つの表で示し、値上げ・レシピ変更・据え置きの判断につなげる。

アラート
設計のポイント
食材の値上がりが料理ごとの原価にどう影響するかを示し、見直すメニューを確認できるようにする。
原因の表示
料理ごとに、原価率を押し上げた食材と上昇分を内訳で表示。
次の一手
各行から値付けシミュレーターへ直行。気づいた流れで対応まで進める。

08. 月次 原価・粗利レポート

月次の状況を、売上 + 平均原価率 + 粗利 + 原価率が悪化した料理 + 粗利貢献ランキングで一覧表示。月末の集計を待たず、月の途中でも今の数字を確認できる前提のレイアウト。

レポート
設計のポイント
「売れた順」だけでなく「粗利を残した順」を並べ、判断の軸を増やす。
推移の把握
平均原価率の月次推移を出し、仕入高騰がじわじわ効く様子を見える化。
文字
数値は等幅で右寄せ、ラベルは可変幅。印刷時もレイアウトが崩れない設計。

OUTCOME

導入による変化

店全体の原価率が3割で収まっていても、赤字の品は混ざります。平均では見つかりません。1品ごとの実数から作ると、値付けと原価管理が変わります。

01

料理1品にいくらかかっているかを、聞かれたその場で答えられる

Before原価率の目安はあるが、料理1品ごとにいくらかかっているかは即答できない。
After料理をクリックすれば原価内訳・原価率・粗利が出て、その場で答えられる。

店全体で「だいたい3割」が合っていても、赤字の品は混ざります。平均では見つかりません。

02

仕入が上がった影響が、単価の更新後、各料理の原価率に反映される

Before仕入はじわじわ上がり、利益が減ってから「思ったより残ってない」と気づく。
After食材の単価を直すと、影響する料理の原価率が画面で動き、超過分が警告に出る。

「気づいた時には数ヶ月分損していた」を、単価更新の瞬間に分かる状態へ。

03

値上げしたあとの原価率と粗利を、決める前に試算できる

Before「これくらいかな」で決めた値段のまま。原価率が分からず据え置いている。
After値上げ後の原価率と粗利を試算してから、根拠を持って改定できる。

売れ筋と儲け筋を1枚の図で見て、どの料理から手を入れるかを決められるように。

PROCESS

3ヶ月の進め方

オンラインでやりとりしながら、2〜3ヶ月で納品まで進めます。月末ごとに動くものを触ってもらいます。その場で出た違和感を翌月に直します。

1
MONTH 01 / 要件整理 + レシピ棚卸し

料理ごとの食材と分量、原価の計算方法を決める月。

仕入伝票とメニュー表を見せてもらい、主要な料理のレシピと食材の仕入単価を棚卸し。原価計算の考え方と、画面の骨組みを固めます。

  • 業務ヒアリング(2〜3回)
  • 主要メニューのレシピ・分量の整理
  • 食材の仕入単価の棚卸し
  • 主要3画面の下書き
2
MONTH 02 / 原価計算設計 + 画面開発

原価が連動する仕組みと画面を同時に作る月。

食材単価を起点に全メニューの原価率が自動で動く計算の設計と、主要画面の開発を同時並行で。月後半に動くサンプルを一緒に確認します。

  • 原価率を自動計算する仕組み
  • 売上・利益一覧と値付け試算画面の開発
  • 値上がりアラートの設計
  • 動くサンプルを一緒に確認
3
MONTH 03 / 検証 + 納品

実際の仕入伝票とレシピで計算結果を確かめる月。

手元の仕入伝票で原価率の計算を突き合わせ、ズレを調整。アラート・レポート・印刷対応まで仕上げて納品。運用しながら精度を上げる体制まで引き継ぎます。

  • 実データでの原価計算の検証
  • アラート・警告表示の調整
  • レポート・印刷画面
  • 納品 + 運用引き継ぎ

FAQ

よくある質問

  • Q1 原価計算はExcelでもできます。わざわざ専用の仕組みが必要ですか?
    Excelでも原価表は作れます。ただ、食材が値上がりするたびに全メニューの原価率を手で直していくと、続かなくなりがちです。この仕組みの肝は「食材の単価を1か所直せば、その食材を使う料理の原価率がすべて自動で動く」こと。値上がりの多い時期ほど、手作業との差が出ます。
  • Q2 レシピを全部登録するのが大変そうです。
    最初に主要なメニューだけ登録すれば始められます。全品をいきなり入れる必要はありません。よく出る料理・原価が気になる料理から登録し、運用しながら少しずつ増やす形を想定しています。新メニューはレシピを文章で書くと、似た料理から食材と分量のたたき台をAIが出すので、ゼロから打ち込む手間も減らせます。
  • Q3 仕入の単価は毎回手で入れるのですか?
    手入力でも回りますが、仕入伝票の写真から品名と単価を読み取って更新候補に並べる、という下ごしらえをAIに任せる設計を想定しています。読み取った数字はそのまま確定せず、人が確認してから反映します。まずは主要な食材だけ更新する運用からでも始められます。
  • Q4 値上げの判断までAIがやってくれるのですか?
    やりません。AIは原価の計算や、似たレシピのたたき台づくりまでです。「いくらにするか」は、お客さんの顔やお店の方針を知っているオーナーにしか決められません。この仕組みは、値上げ後の原価率や粗利を試算して、その判断の材料を出すところまでを担います。
  • Q5 小さな個人店でも導入できますか?
    できます。むしろ専任の経理がいない個人店ほど、原価が見えないまま値付けが据え置きになりがちです。1店舗・主要メニューだけの小さな範囲から始められます。想定では設計から納品まで約2〜3ヶ月、要件が固まっていない段階からご相談いただけます。
  • Q6 仕入伝票をスマホで撮って取り込んだら、紙の伝票は捨ててよいのですか?
    国税庁が定めたやり方(電子帳簿保存法のスキャナ保存)に沿って保存していれば、紙は捨てられます。始めるのに税務署への手続きは原則いりません。条件は4つです。受け取ってからおおむね7営業日以内に取り込むこと。解像度200dpi相当以上のカラーで取り込むこと。取引年月日・取引金額・取引先で検索できるようにすること。訂正や削除の履歴が残る仕組み、または訂正も削除もできない仕組みを使うこと。社内で手順を定めた規程を作れば、取り込みまでの期間を最長2か月とおおむね7営業日まで延ばせます。原価の更新と伝票の保存が同じ操作で終わる形にすれば、経理担当者が同じ伝票を取り込み直す手間を減らせます。
  • Q7 既製のクラウドサービスを試してから決めたいのですが。
    その順番でいいと思います。レシピを登録して原価率が自動で動くところまでなら、既製のサービスで回ることもあります。試すときは、いちばん出ているメニューと、いちばん原価が気になるメニューを両方入れてみてください。詰まるのはたいてい単位のところです。仕入は1ケース、レシピは1本、盛り付けは何グラム。この換算を自店の呼び方のまま入れられるかどうかで、続くかどうかが決まります。作る相談に進むのは、ここで詰まったときか、複数店の数字を並べたくなったときです。
  • Q8 見積もりを出してもらうには、何が決まっていればよいですか?
    3つあれば出せます。登録するメニューが何品か。仕入先が何社か。店舗が1店か複数か。この3つで画面の数と作る量がほぼ決まります。金額の幅がいちばん動くのは、仕入伝票の取り込みを入れるかどうかです。手入力から始めれば安く収まり、あとから足せます。最初の打ち合わせでこの3つを埋めて、概算をお出しします。
  • Q9 無料の原価計算アプリでは足りませんか?
    メニューが20品ほどで、仕入先が1〜2社、単価の更新が月に数回なら、無料のアプリや表計算で回ります。足りなくなる境目は3つです。食材の単価を直したときに、その食材を使う全メニューの原価率まで自動で動くか。仕入の単位(1ケース・1kg)とレシピの単位(1本・何グラム)の換算を、自店の呼び方のまま登録できるか。登録したレシピと仕入の履歴を、あとから外に書き出せるか。無料の範囲でこの3つが揃うなら、そのまま使い続けてください。どれかが欠けて、手で直す作業が戻ってきたら、有料のサービスか自作を考える時期です。
  • Q10 皮や骨を除く食材や、仕込みで減る分(歩留まり)は原価に入りますか?
    入れます。鶏1羽や魚1尾を仕入れて使えるのが7割なら、1皿に使う量に仕入単価を掛けただけでは3割分が抜け落ちます。この開発プランでは食材ごとに歩留まり率の欄を持ち、仕入単価を「使える量あたりの単価」に直してからレシピに当てます。歩留まりは店の仕込み方で変わるので、最初は主要な食材だけ実測して入れ、残りは仕入のまま100%で始めて構いません。揚げ油やタレのように1皿あたりの量を測りにくいものは、1日の使用量を提供数で割った概算を1つの材料として登録します。厳密さより、毎月同じ条件で数字が出ることを優先します。
  • Q11 「AIでメニューを最適化する」とは、何を決めることですか?
    この開発プランで扱うのは、どの料理を残すか、どの料理の値段や分量を見直すか、どの料理を外すかの3つです。判断の材料になるのは、提供数と1食あたりの粗利を並べた図です。よく出るのに薄利な料理と、出ないが粗利の厚い料理が、この図で分かれます。AIが担うのは、新メニューのレシピから原価のたたき台を出すことと、仕入の値上がりで目標を超えた料理を先に並べることまでです。看板メニューを値上げするか、量を減らすか、外すかは、お客さんの顔を知っているオーナーが決めます。AIがメニューを決める仕組みにはしません。

「この料理、いくら残ってる?」に、数字で答えられる店へ。

「メニューの原価は頭の中」「仕入の値上がりに後から気づく」「値付けは勘のまま」。
仕入価格とレシピを登録し、料理ごとの原価を確認できるようにします。
要件整理から原価計算の設計、業務画面、開発まで、同じ窓口でお手伝いします。

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