EvoQuest
EvoQuest Food業務システム 2026.06

CASE STUDY ── RESTAURANT PROFIT & LOSS MANAGEMENT

「今月、儲かってる?」に
その場で答えられる、飲食店の損益管理。

株式会社Bluendless様が札幌市内で営む飲食店向けに、日々の納品書入力から、週次・月次の損益、確定PL、損益分岐点、売上予測までを一つにまとめた損益管理アプリを開発しました。月末の集計を待たなくても、今の売上・原価・人件費・営業利益がその場で分かる。数字を締めてから振り返るのではなく、動いている最中に手を打てる状態を目指しました。

領域
飲食店DX / 損益管理
担当範囲
要件整理・損益設計・開発・改善
提供形態
Webアプリ(React / Firebase)
状況
運用中・継続改善

OVERVIEW

プロジェクト概要

株式会社Bluendless様が札幌市内で営む飲食店の損益管理を、日々の入力から経営判断までひとつなぎにするWebアプリとして開発した案件です。これまで伝票やExcelに分かれていた 納品書の記録・売上の集計・原価と人件費の把握・損益の確定 を一つの画面にまとめ、月末を待たずに今の利益が見える状態にしました。

飲食店の利益は、食材原価(Food)と人件費(Labor)の合計=FLコストで大きく決まります。そのFLコストや損益分岐点、来週の売上見込みまでを、経理の知識がなくても画面の数字を見るだけで追える構造にしています。

CHALLENGE

課題

  • 01 「今月儲かっているか」が、締めるまで分からない。売上はレジ、仕入は伝票の束、人件費は別管理。営業利益が見えるのは、月末の集計が終わってから。
  • 02 FLコスト(食材原価+人件費)が感覚頼り。原価率・人件費率が適正なのか、どちらが利益を圧迫しているのかを、その場で数字で言えない。
  • 03 「あといくら売れば黒字か」が分からない。損益分岐点や必要な日商を出す手間が大きく、目標が感覚的になりがち。
  • 04 納品書・売上・確定PLが 別々のツールに散らばっている。転記が多く、入力漏れや二重計上に後から気づく。

APPROACH

アプローチ

最初にやったのは、派手な機能ではなく毎日の入力を軽くすることです。納品書は取引先・日付・税込金額を入れるだけで、税抜と消費税を自動計算。入れた数字がそのまま 週次・月次の損益と、業者別の仕入集計に自動で反映 されるようにしました。日々の一手間を、経営の数字に直結させる設計です。

その上に、飲食店の判断軸をそのまま画面にしました。FLコスト率・損益分岐点・安全余裕率・売上予測——専門用語のままにせず、「適正の60%を何pt超えているか」「あと1日いくら売れば黒字か」という形で表示します。確定PLは勘定科目を店に合わせて設定でき、自動集計との差で入力漏れにも気づける構造です。

CONSULTATION

「今月、儲かってる?」に、その場で数字で答えられる店へ。

「損益は締めるまで分からない」「FLコストは感覚」「あといくら売れば黒字か曖昧」。
そういう飲食店の経営こそ、日々の入力が損益に直結する仕組みに置き換えられます。
要件整理・損益設計・アプリ開発・運用の定着まで、一貫してお手伝いします。

SCREENS

主要画面

実際に開発した画面のUIサンプルです。各画面で「今の損益」と「次に見るべき数字」が一目で分かる構成にしています。掲載している金額・取引先名はすべてサンプルで、実際の経営数値ではありません。

01. 損益ダッシュボード

今月の売上・営業利益・原価率・FLコスト率を主要数値で把握。科目別の損益と前月比、コスト構造、損益分岐点達成率まで、店の今の状態を1画面に集約。

ダッシュボード
設計のポイント
「数字が良いか」だけでなく「今どこに手を打つか」が分かるよう、要チェック指標を右に集約。
採用パターン
売上 + 営業利益 + 売上原価率 + FLコスト率 の4指標を上段に固定。
数値表現
金額は等幅で右寄せ。改善は緑、コスト超過は赤で色分け。

02. 週次損益

1週間の売上・仕入・人件費・粗利・営業利益を、前週比つきで把握。日別売上の棒グラフと業者別の仕入シェアを並べ、週単位で異変に早く気づける構成。

週次
設計のポイント
月次より短い「週」で見ることで、原価や人件費の異変にその週のうちに気づける。
独自パーツ
日別売上グラフ + 業者別仕入シェアを新規開発。仕入の偏りが一目で分かる。
数値表現
前週比を緑/赤で表示。営業日数で割った平均日商も併記。

03. 確定PL明細

売上高から原価・粗利・販管費・営業利益までを、勘定科目ごとに縦に並べた損益計算書。構成比と前月比を各行に表示し、自動集計と確定値の差で入力漏れも検知。

明細
設計のポイント
会計に馴染みのある縦型PLの見た目に寄せ、経営の振り返りや税理士との共有にそのまま使える。
計算の見せ方
各科目に構成比(対売上)と前月比を併記。売上総利益・営業利益を強調表示。
確認の仕組み
自動集計と手入力の確定値の差を表示し、入力漏れ・二重計上に気づける。

04. 損益分岐点分析

実績売上と損益分岐点売上を棒で並べ、達成率・安全余裕率を表示。変動費率・貢献利益率・固定費の内訳から、「あと1日いくら売れば黒字か」を日商換算で示す。

分析
設計のポイント
損益分岐点を計算式のままにせず、達成率メーターと日商換算で直感的に。
判断の補助
目標利益から必要売上高・必要日商を逆算し、目標を数字で置ける。
配色
実績はブランド色、分岐点はグレーの網掛けで、超過分の余裕を色で示す。

05. 納品書入力

取引先・納品日・税込金額を入れるだけで、税抜と消費税を自動計算。登録すると週次・月次の損益と業者別集計に即反映。右側に直近の仕入履歴と表示中合計を表示。

入力
設計のポイント
毎日の入力を最小の手数に。ここが軽いほど、損益の数字が続く。
自動化
税込金額から税抜・消費税を自動算出。伝票の写真からの読み取りにも対応する設計。
つながり
一度の入力が損益・業者別集計まで流れ、転記と二重入力をなくす。

06. 売上予測

過去の日次売上から曜日・季節・トレンドを見て、明日以降7日間の売上を予測。信頼度と予測根拠、業者別の仕入推奨額、予測精度(平均誤差率)まで表示。

予測
設計のポイント
予測を「当てる」ためでなく、仕込み・発注の目安にするための画面。
根拠の明示
基準額・曜日調整・季節調整と平均誤差率を出し、数字をそのまま信じ込まない前提に。
慎重さ
予測はあくまで目安。最終判断は人が行うことを画面に明記。

OUTCOME

変わったこと

数字が「締めてから振り返るもの」から「動いている最中に見て手を打てるもの」に変わりました。

01

「今の利益」が
「月末待ち」から「その場で確認」へ。

Before営業利益が見えるのは、月末の集計が終わってから。
After納品書と売上を入れれば、週の途中でも今の営業利益が分かる。

締めを待たず、原価や人件費の異変にその月のうちに気づける。

02

経営の判断軸が
「感覚」から「共通の数字」へ。

BeforeFLコストや損益分岐点が感覚頼りで、話が人によってブレる。
AfterFLコスト率・損益分岐点・安全余裕率が同じ画面に並び、同じ数字で話せる。

「あと1日いくら売れば黒字か」が日商換算で見えるように。

03

バラバラの入力が
「転記」から「ひとつなぎ」へ。

Before納品書・売上・確定PLが別管理で、転記が多い。
After一度の入力が週次・月次・業者別集計まで自動で流れる。

自動集計と確定値の差で、入力漏れにも気づける。

PROCESS

進め方

実際の店舗運営に合わせて、要件整理 → 開発 → 定着・改善を、使いながら段階的に進めました。各段階で必ず触れる成果物を残し、現場の声を次の開発に反映していく進め方です。

1
STEP 01 / 要件整理 + 損益の設計

「何の数字で経営を見るか」を決める。

店の勘定科目・仕入先・FLの考え方を棚卸しし、どの数字を毎日・毎週・毎月見るかを整理。損益計算のロジックと主要画面の骨組みを固めました。

  • 業務・勘定科目のヒアリング
  • 納品書・売上の入力設計
  • 損益計算ロジックの設計
  • 主要画面の下書き
2
STEP 02 / 開発 + 実データで検証

入力から損益・分析までを作り込む。

納品書入力・週次/月次損益・確定PL・損益分岐点・売上予測を順に開発。実際の店舗データで計算を突き合わせ、数字のズレを調整しました。

  • 納品書入力と自動集計
  • 週次・月次・確定PLの画面
  • 損益分岐点・売上予測の実装
  • 実データでの検証
3
STEP 03 / 定着 + 継続改善

使いながら、現場に合わせて磨く。

実際の運用に乗せ、日々の使い勝手や指標の見せ方を継続的に改善。要望を反映しながら、店の判断に根づくアプリに育てています。

  • 運用開始・操作の定着
  • 指標・画面の改善
  • 予測精度の調整
  • 継続的な機能追加

FAQ

よくある質問

  • Q1 会計ソフトやExcelがあれば、損益は分かるのでは?
    月次の損益は会計ソフトでも出ます。ただ、多くは締めた後に見えるもので、「今週儲かっているか」を営業中に確認するのは苦手です。このアプリは、日々の納品書と売上から週次・月次の損益をその場で組み立てるのが狙いで、締めを待たずに手を打てる点が会計ソフトとの違いです。
  • Q2 数字が苦手でも使えますか?
    使えます。FLコストや損益分岐点といった言葉を専門用語のままにせず、「適正の60%を何pt超えているか」「あと1日いくら売れば黒字か」という形に翻訳して表示します。入力も、納品書は取引先・日付・金額を入れるだけで、税抜と消費税は自動計算です。
  • Q3 うちの店の勘定科目や仕入先に合わせられますか?
    はい。勘定科目や仕入先は店に合わせて設定できます。確定PLは自動集計を土台にしつつ手入力の確定値も持て、両者の差で入力漏れに気づける構造です。掲載画面の項目・取引先名はサンプルで、実際は店ごとに設定します。
  • Q4 1店舗の個人店でも導入できますか?
    できます。むしろ専任の経理がいない店ほど、損益が締めるまで見えず、経営判断が感覚になりがちです。1店舗・主要な入力からでも始められます。
  • Q5 売上予測はどのくらい当たりますか?
    過去の日次売上から、曜日・季節・トレンドを見て翌日以降を予測します。データが貯まるほど精度は上がり、平均誤差や精度も画面で確認できます。予測はあくまで仕込み・発注の目安で、最終判断は人が行う前提です。

「今月、儲かってる?」に、その場で数字で答えられる店へ。

「損益は締めるまで分からない」「FLコストは感覚」「あといくら売れば黒字か曖昧」。
そういう飲食店の経営こそ、日々の入力が損益に直結する仕組みに置き換えられます。
要件整理・損益設計・アプリ開発・運用の定着まで、一貫してお手伝いします。