EvoQuest
EvoQuest FoodAI業務システム 執筆:水上貴洋(取締役) 2026.06

SCENARIO ── SHIFT & LABOR CASE

希望休と忙しい時間帯を見ながら、
人件費まで分かるシフトの作り方。

月末になると、紙とExcelでスタッフのシフトを組む。希望休はLINEでバラバラに届いて、勤務できる曜日や時間帯を、店長が個別に確認している。シフトを貼り出してから、金曜の忙しい時間帯に一人足りないと気づく。シフトを組む段階では、人件費を試算しにくい。そんな個人店向けに、シフトの編成・時間帯ごとの過不足・人件費の見える化までを一つの画面にまとめる業務システムの設計案です。希望休とスタッフの時給を反映し、配置と費用を確認しながらシフトを組めるようにします。

想定領域
AI業務システム / 飲食店の労務・シフト
担当範囲
要件整理・シフト編成設計・画面設計・実装
想定対象
個人店〜小規模店 スタッフ5〜15名
想定期間
設計〜納品 約 2〜3 ヶ月

OVERVIEW

プロジェクト概要

シフトを組むのに毎月半日かかる。人件費は締めてみないと分からない。急に休まれると誰に頼むか迷う。こうした負担を減らすため、シフトの作成と人件費の計算をまとめる開発プランです。希望休の集約・時間帯ごとの人数の過不足の確認・週と月の人件費の自動計算・残業や打刻ズレの早期発見 を一つの業務システムにまとめます。

メニューの原価が「F(食材費)」なら、これは「L(人件費)」の話です。仕入伝票とレシピを原価に結びつけるのと同じ発想で、スタッフの時給とシフトを人件費に結びつける。AIは必要人数・希望休・勤務条件をもとに来週のシフト案を作り、希望休と重なる配置がないかを確認します。誰をどこに配置するかは、店長が最終判断します。

CHALLENGE

課題

  • 01 シフトを組むのに、毎月の集計と調整に時間がかかる。スタッフの希望休をLINEやノートからExcelに書き写し、必要人数と見比べながら、何度も入力し直す。希望が変わるたびに、ほかのスタッフの配置も確認する。
  • 02 人件費が、月末まで見込みを把握しにくい。「だいたいこれくらい」で組んだシフトが、月末に給料を計算してみると思ったより高い。曜日ごとの人件費を確認するには、改めて集計が必要になる。
  • 03 人数不足に、シフトを貼り出してから気づく。金曜のディナーが一人足りないことに、シフト表を壁に貼ってから気づく。代わりに勤務できるスタッフを探し、個別に連絡している。
  • 04 予定外の残業や早退で、実際の人件費がシフト作成時の見込みとずれる。忙しい時間帯に残業が発生したり、体調不良で早退したりしても、予定と打刻を照合するのは給与計算のときになっている。

APPROACH

課題への対応

最初に、LINEやノートに散らばっている希望休を一か所に集めます。スタッフには専用の画面から希望休を提出してもらいます。締切を過ぎても出していない人がひと目で分かるようにして、シフトを組む前に勤務できない日を確認します。

そのうえで、シフトを組むと右端に各スタッフの週の合計勤務時間と給与の目安、下に日別の人件費がその場で出る。勤務時間を1時間増減すると人件費も変わるので、「今月いくらになるか」を組みながら確認できる。さらに、曜日×時間帯の必要人数と実際の配置を並べた帯を用意します。金曜19時が一人足りない、土曜の仕込み時間は人が余っている。その過不足を色で見せます。AIは、必要人数・希望休・勤務条件をもとにシフト案を作ります。誰を入れるかは、スタッフの事情を知っている店長が決めます。

CONSULTATION

「今月の人件費、いくら?」に、組んだ時点で答えられる店へ。

「シフト作りに毎月半日」「人件費は締めるまで分からない」「人数不足は貼り出してから気づく」。
シフトを組みながら人件費も確認できるようにして、表の作り直しや集計を減らします。
要件整理からシフト作成の手順と画面の設計、開発まで、まとめて引き受けます。

SCREENS

主要画面

業務画面のサンプルです。どの画面も、開いてすぐ「確認や調整が必要な項目」が分かる構成にしています。店名・スタッフ名・時給・シフトなどのデータは個人店の規模感に合わせた想定例で、実在の店舗・人物ではありません。

01. 人件費ボード

編成中の週の人件費・人件費率・人時売上高を主要数値で把握。人数が不足する時間帯、希望休の未提出、残業が増えそうなスタッフは「確認・調整する項目」一覧から、その画面で確認できる構成。

まとめ画面
設計のポイント
人数不足や希望休の未提出など、対応が必要な項目を右側にまとめる。
採用パターン
今週の人件費 + 人件費率 + 人時売上高 + 欠員・未提出 の構成。
数値表現
曜日ごとの人件費率を等幅の数字で右寄せ。目標超過は赤、目標以内は緑で色分け。

02. 週間シフト表

スタッフ×曜日の格子に、各スタッフの勤務時間をバーで配置。右端に週の合計時間と給与の目安、下に日別の人件費を自動表示。勤務時間を変更すると、給与と人件費がその場で再計算される設計。

編成グリッド
設計のポイント
シフトを組みながら人件費の見込みを確認し、スタッフに共有する前に調整できる。
独自パーツ
ホール・キッチン・店長を色で分けたシフトバー。希望休は斜線で配置不可を明示。
画面の工夫
名前列と合計列を固定。横にスクロールしても、誰が何時間働く予定かを見失わない。

03. 時間帯の過不足

曜日×営業時間の帯で、必要人数と実際の配置の差を色で表示。赤いマスが「足りない時間」。金曜19時の人数不足や、土曜の仕込み時間の余剰人員を一目で確認できる画面。

時間帯別の配置
設計のポイント
必要人数と出勤人数を比べて、人手が足りない時間帯を色で示す。
必要人数の根拠
同じ曜日・時間帯の来客数や作業量、スタッフの対応実績から目安を検討。店長が休憩や担当者の経験も確認して調整。
配色
不足は赤、ちょうどは青、余裕ありは温色。色だけに頼らず人数も併記。

04. AIシフト下書き

必要人数と希望休を入れると、AIが来週のシフトのたたき台を作る画面。希望休と勤務時間の上限、連勤、休憩など、設定した条件に合わせて配置案を作成。人数不足が残る時間帯は「要確認」として店長に残す。

条件を順に入力
設計のポイント
AIは「たたき台づくり」まで。誰を入れるかの最終判断は店長が行う。
守る条件
希望休、勤務時間の上限、連勤、休憩などを確認し、店舗の勤務制度に合わせて条件を設定。
慎重さ
条件を満たすスタッフが足りない時間帯は「要確認」と表示し、店長が応援の依頼や配置の変更を検討する。

05. 希望休・希望シフト

スタッフごとの希望休の提出状況を一覧で表示。未提出の人がひと目で分かり、選ぶと右側に本人の入れる曜日・時間帯の傾向が開く2分割構成。シフトを確定する前に、勤務できる日と時間帯を確認する画面。

一覧+詳細
設計のポイント
LINEでバラバラに来ていた希望を1か所に集約。未提出を編成前に催促できる。
詳細の見せ方
一覧と選んだスタッフの詳細を同時に表示。本人の過去の勤務実績を見ながら声をかけられる。
希望シフトの入力補助
過去の勤務実績から提出のたたき台を作り本人に送付。本人が直して確定する想定。

06. スタッフ

全スタッフを区分・担当・時給・今週の予定時間・今月の累計・残業でまとめた一覧。週40時間に近づいている人、残業が増えている人を上に集めて見られる設計。

一覧テーブル
設計のポイント
勤務時間が集中している人、上限に近い人を状態ラベルで先に見せる。
画面密度
行間を細かく調整し、十数名を一画面で見渡せるように。
状態の表現
週の予定時間に応じたラベルと色で区別。時間数の表示だけで、勤務条件全体の適否を判断しない。

07. 勤怠・打刻ズレ

シフト(予定)と実際の打刻を突き合わせ、差が大きい順に表示。打刻漏れ・予定外の残業・早退を区分して、締めの前に確認・承認できる画面。差を承認すると人件費に反映。

予定と実績の照合
設計のポイント
「予定どおり」だと思っていた人件費が、実は残業で増えていたことを締め前に発見。
区分の表示
打刻漏れ・残業・早退・ほぼ予定どおりを色とラベルで仕分け。
確認後の操作
各行で勤務時間を確認・承認し、人件費の集計に反映できる。

08. 月次 人件費レポート

月次の状況を、人件費 + 人件費率 + 人時売上高 + 予定外の残業 + 曜日別の人件費 + スタッフ別の勤務時間で一覧表示。締めを待たず、月の途中でも今の数字を確認できる前提のレイアウト。

レポート
設計のポイント
合計額と曜日別の人件費を並べ、配置を見直す曜日を判断しやすくする。
推移の把握
人件費率の月次推移を出し、時給の変更や残業の増減による影響を確認できるようにする。
文字
数値は等幅で右寄せ、ラベルは可変幅。印刷時もレイアウトが崩れない設計。

OUTCOME

導入による変化

シフトを組んでいる途中で人数の過不足と人件費を確認できるようにし、次のような作業の改善を目指します。

01

希望休をExcelに書き写して何度も修正する手間を減らす。

Before希望休をExcelに書き写し、必要人数と見比べて入力し直す。半日仕事になる。
After集めた希望休を反映してたたき台を作り、店長は手直しと最終判断に時間を使える。

希望休の転記や確認にかかる時間を減らし、人員配置や人件費の調整に使えるようにします。

02

勤務時間を変更するたびに、週の給与と月の人件費見込みが更新される。

Before作成時のシフトと実際の勤務時間が変わり、給与計算時に想定より高いと分かる。翌月のシフト作成まで調整できない。
After勤務時間を変更するたびに週の給与と日別人件費が再計算され、月の人件費見込みを組みながら確認できる。

人件費の見込みと予算を、シフトの作成中に比較できるようにします。

03

金曜が一人足りないことに、貼り出す前に気づける。

Before金曜が一人足りないことに、貼り出してから気づいて慌てて連絡する。
After時間帯の過不足が色で見えるので、足りない時間を編成中に埋めておける。

予定外の残業や打刻の差も締め前に確認し、人件費の見込みを更新できるようにします。

PROCESS

3ヶ月の進め方

オンライン中心で、設計から納品まで2〜3ヶ月を見ています。月の終わりごとに、実際に触れるものをお見せします。そこで出た意見を翌月に反映します。

1
MONTH 01 / 要件整理 + 現在のシフト作成方法の確認

現在のシフト作成方法を確認し、画面案を決める

今のシフト表・希望休の集め方・必要人数の決め方を見せてもらい、作業を整理します。スタッフの時給と区分、曜日ごとの必要人数の考え方と、画面の骨組みを固めます。

  • 業務ヒアリング(2〜3回)
  • スタッフ・時給・区分の整理
  • 曜日×時間帯の必要人数の整理
  • 主要3画面の下書き
2
MONTH 02 / 編成・人件費設計 + 画面開発

シフトと人件費が連動する仕組みと画面を作る

勤務時間の変更に合わせて週の給与と日別人件費を再計算する仕組みと、主要画面を作ります。月後半に動くサンプルを一緒に確認します。

  • 人件費の自動計算ロジック
  • 週間シフト表・時間帯の過不足画面の開発
  • AIシフト下書きの設計
  • 動くサンプルを一緒に確認
3
MONTH 03 / 検証 + 納品

実際の希望休とシフトで動作を確認する

手元の希望休とシフトで計算を突き合わせ、ズレを調整。勤怠の照合・レポート・印刷対応まで仕上げて納品。運用開始後に必要人数の設定を見直す手順も引き継ぎます。

  • 実データでの人件費計算の検証
  • 必要人数・過不足表示の調整
  • 勤怠照合・レポート・印刷画面
  • 納品 + 運用引き継ぎ

FAQ

よくある質問

  • Q1 シフトはExcelやLINEでも組めています。わざわざ専用の仕組みが必要ですか?
    ExcelやLINEでも組めます。ただ、希望休をLINEから書き写して、必要人数と見比べて、人件費は締めるまで分からない。この往復が毎月続くと、半日ほどかかる店もあります。この仕組みでできるのは「希望休を一か所に集めて、シフトを動かすと人件費がその場で出る」こと。スタッフが増えるほど、手作業との差が出ます。
  • Q2 シフトを全部AIに任せられるのですか?
    AIが配置案を作り、店長が確認して確定する設計です。必要人数・希望休・勤務時間の条件を反映し、人数が足りない時間帯を示します。新人と指導担当を一緒に配置するなど、店舗ごとの条件も相談できます。勤務条件やスタッフの事情が正しく反映されているかを、確定前に確認します。
  • Q3 ホールやキッチンなど、職種ごとに必要な人数を設定できますか?
    設定できます。曜日と時間帯ごとに、ホール・キッチン・仕込みなどの必要人数を決め、実際の配置と見比べる形を想定しています。単に合計人数を見るのではなく、「金曜19時はホールが一人足りない」のように、職種ごとの不足をシフト確定前に確認できます。
  • Q4 人件費を抑えることで、接客の質が下がりませんか?
    人を減らすことだけが目的ではありません。忙しい時間帯の人数不足と、落ち着く時間帯の余りを先に見つけ、必要な場所へ人を配置するための仕組みです。ピーク時間の待ち時間やスタッフの負担を減らしながら、無理のない人件費に整えることを目指します。
  • Q5 スタッフの時給がバラバラで、社員もいます。計算できますか?
    スタッフごとの時給に対応する設計です。月給のスタッフは、配置の費用を比較するために時間あたりの目安を表示する方法があります。実際の給与計算とは区別し、割増賃金などの法令上の要件と就業規則を確認して計算方法を決めます。どの費用を人件費に含めるかも、開発前に整理します。
  • Q6 小さな個人店でも導入できますか?
    できます。むしろ専任の事務がいない個人店ほど、シフト作りと人件費の把握が店長一人に集中しがちです。スタッフ5〜6名・1店舗の小さな範囲から始められます。想定では設計から納品まで約2〜3ヶ月、要件が固まっていない段階からご相談いただけます。
  • Q7 タイムカードや勤怠の打刻とつなげられますか?
    想定しています。打刻のデータを取り込んで、シフト(予定)と突き合わせ、残業や早退、打刻漏れを締めの前に拾う画面を用意します。お使いの打刻の仕組みがあれば、そこからの取り込みを検討します。なければ、まずはシフトと手入力の勤務時間からでも始められます。
  • Q8 「シフト編成」と「シフト作成」は違うものですか?
    このページでは、どちらもスタッフの勤務日と時間帯を決める作業を指します。希望休と勤務できる時間を集め、職種別の必要人数を確認して配置案を作り、店長が調整・確認して確定します。
  • Q9 店長の仕事は、具体的にどこが楽になりますか?
    減るのは3つです。LINEやノートに届いた希望休をExcelに書き写す作業。1人の休みが出るたびに全体を組み直す作業。締めるまで分からなかった人件費を、電卓で試算する作業。残るのは、曜日と時間帯ごとに何人必要かを決めること、誰をどこに入れるかの最終判断、確定前の確認の3つです。短くなる時間は、いま希望休を集めるのにどれだけ手間がかかっているかで店ごとに違うので、最初のヒアリングで現在の所要時間を測ってから見込みをお伝えします。
  • Q10 費用はどのくらいかかりますか?
    範囲を決めてから見積もります。金額を左右するのは、希望休の提出と週間シフト表だけにするか、時間帯の過不足・AIのたたき台・勤怠の照合まで入れるかという範囲、店舗が1つか複数か、打刻や給与計算のソフトとつなぐかどうかの3つです。まず希望休の提出・週間シフト表・人件費の自動計算に絞れば、範囲も期間も小さくなります。ヒアリングで範囲を固めたうえで、概算をお出しします。
  • Q11 コンビニや小売店のシフトでも使えますか?
    コンビニや小売店向けにも設計できます。希望休の集約、時間帯ごとの配置確認、人件費の試算という基本の流れは共通です。レジ・品出し・検品などの担当区分や、時間帯ごとの作業量、勤務条件を確認し、その店舗に合わせて調整します。必要人数の目安を出す場合は、客数や売上だけでなく、各作業にかかる時間も確認します。

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