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クリーニング店の預かり品管理は、タグ番号から何を引けるようにするか

預かり品の台帳でまず決めるのは、タグ番号から品目・仕上がり状況・保管場所・引き渡し済みかどうかを引けるようにすることです。預り証を忘れた来店と、引き取りのない品への連絡が、ここで変わります。1日数十伝票を受け付ける店舗を想定して整理します。

この記事でわかること

  • 記録の単位は伝票ではなく1点ごとにします。5点まとめて預かっても、1点だけ工場に残る日があるためです。
  • 預り証を作り直すときは、クリーニング業法第3条の2と施行規則第1条の2が定める苦情の申出先の明示を外さないようにします。店頭の掲示と、受取・引渡しの際に配る書面の両方が必要です。
  • 国民生活センターは2024年2月の見守り情報で、出すときと受け取るときに衣類の状態と処理方法を店と一緒に確認するよう呼びかけています。引き渡した日を残す理由になります。
  • Excelを続けられるかは伝票数だけでは決まりません。同時に更新する人と場所、1日に品物を探す回数、同じ内容を書き直す回数を数えます。
  • 費用と期間は、タグ番号の決まりごと、つなぐ拠点の数、残す機器、預り証の印刷、既存データの移行で変わります。

記録の単位は、伝票ではなく1点ごとにする

台帳を作るとき、最初に決めるのは1行に何を書くかです。伝票1枚を1行にすると、5点まとめて受け付けた品のうち1点だけ工場に残っている状態を表せません。店頭のラックには4点あるのに、その行を仕上がり済みとも未仕上がりとも書けなくなります。

1行は1点にします。タグ番号を行の見出しにして、品目、加工の内容、仕上がり予定日、実際に店頭へ戻った日、保管場所、引き渡した日を並べます。伝票番号は別の列に持たせ、同じ番号の行をまとめて呼び出せるようにします。

行を埋める人は工程ごとに変わります。誰がどの列を埋めるかを先に決めておけば、空欄が「まだその工程まで進んでいない」という意味になり、探さなくても状態が分かります。

受付で入る項目

お客様、タグ番号、品目、加工、しみやほつれの状態、仕上がり予定日を入れます。あとから確認できなくなる項目に絞り、受付の手を止めない範囲にします。

工場から戻ったときに入る項目

実際に店頭へ戻った日と保管場所を入れます。ここが空のままの行は、まだ工場にある品として扱えます。

引き渡しで入る項目

引き渡した日、渡した点数、対応した担当を残します。一部だけ渡したときは、残る品の行を未引き渡しのままにします。

預り証と店頭の掲示には、決まった記載がある

預り証の様式を作り直す前に、法律で決まっている記載を確認します。クリーニング業法第3条の2第2項は、洗濯物の受取及び引渡しをするに際して、利用者に苦情の申出先を明示することを営業者に義務づけています。

明示の方法はクリーニング業法施行規則第1条の2に書かれています。クリーニング所では、苦情の申出先となるクリーニング所の名称・所在地・電話番号を店頭に掲示し、あわせて受取及び引渡しをしようとする際に、その掲示事項を記載した書面を配布します。車両で受取と引渡しだけを行う無店舗取次店は、名称、クリーニング所の所在地または車両の保管場所、電話番号を記載した書面を配布します。

クリーニング業法第3条の2第1項では、受取と引渡しの前に、処理方法等について説明するよう努めることも定められています。受付票に処理方法と状態の確認欄を入れておくと、説明した内容がそのまま記録として残ります。

台帳をExcelにしても専用のシステムにしても、印刷する預り証からこれらの記載が落ちないようにします。用紙を小さくするときに真っ先に削られやすい部分です。

渡し間違いを減らすには、どこを照合するか

引き渡しの間違いは、同じ名字のお客様、1桁だけ違うタグ番号、点数の数え違いで起きます。台帳にどれだけ項目を持たせても、画面と実物を突き合わせる手順がなければ防げません。

引き渡しの前に、タグ番号と品目を1点ずつ確認し、確認できた品だけを引き渡し済みにします。5点のうち1点が工場にあるなら、渡す4点と残る1点を分けて記録し、残りの仕上がり予定日をその場で伝えます。

預り証を持たずに来店したときのために、名前、電話番号、受付日でも引けるようにします。ここで使うのは受付のときに入れた項目なので、受付票の作りとつながっています。同じ名字が複数いる店では、電話番号の下4桁や品目まで絞れると早くなります。

国民生活センターは2024年2月20日の見守り情報で、クリーニングに出すときと受け取るときに、衣類の状態や処理方法を店と一緒に確認するよう呼びかけています。同じ記事では、預けてから7か月後に申し出たところ「6か月も経過してからの苦情には対応できない」と言われた事例が紹介されています。引き渡した日を台帳に残しておけば、あとからその日付を確かめられます。

厚生労働省のクリーニング業概要は、利用者が店を選ぶ理由として仕上がり具合や価格を挙げたうえで、トラブルの発生や処理への関心も高いとしています。引き渡しの場で何を一緒に確認したかを台帳に残しておけば、あとから申し出があったときに示せる材料になります。

引き取りのない品は、何を残しておくか

仕上がってから引き取りのない品は、まずラックの置き場所を圧迫します。実際に店頭へ戻った日が台帳に入っていれば、そこからの経過日数で一覧を作れます。何日を過ぎた品を連絡の対象にするかを決めるところから始めます。

連絡は一度で終わりません。連絡した日、手段、つながったかどうか、お客様の返答を1行ずつ残します。預かり品の行に上書きしていくと、何回目の連絡なのか、次にいつかけ直すのかが追えなくなります。

保管料を受け取るか、いつまで保管するかは、店頭に掲示している内容と預り証に書いた条件で決まります。台帳の運用を決める前に、いまの掲示と預り証の文面を確認してください。条件を新しく決めたり変えたりするときは、加入している組合や専門家に確認することをお勧めします。

連絡の記録に残す項目

日付、手段、応対した担当、結果、次に対応する日。タグ番号か伝票番号で預かり品の行とつなぎます。

一覧に出す条件

店頭へ戻った日からの経過日数と、連絡済みかどうかの両方で絞ります。連絡済みの品が毎回一覧の先頭に出ると、確認が形だけになります。

Excelやスプレッドシートで足りるのはどこまでか

表は2つに分けます。1つは預かり品の台帳で、1行が1つのタグ番号。もう1つは連絡の記録で、1行が1回の連絡です。タグ番号か伝票番号でつなげば、連絡のたびに列を横へ増やさずに済みます。

同時に編集できるかは、ファイルの置き場所と契約・設定で変わります。「Excelだから同時に開けない」「スプレッドシートなら無料」とひとくくりにせず、いま使っている保存先で、2人が同じ行を同時に直したときにどうなるかを実際に試してください。試した結果が、そのまま切り替えの判断材料になります。

切り替えを考える目安は、従業員の人数ではありません。次の4つを1週間だけ数えてみると、いまの方法で足りているかが見えます。

同時に更新する人と場所

店頭と工場が別の建物なら、仕上がり日と保管場所を誰がいつ入れるかが問題になります。1日1回まとめて入れるのか、戻るたびに入れるのかで必要な仕組みが変わります。

1日に品物を探す回数と時間

預り証を忘れた来店、電話での問い合わせ、工場からの確認。1件あたり何分かかっているかまで記録します。

同じ内容を書き直す回数

受付票に書いた品目を工場への指示にもう一度書いていれば、そこが転記です。何枚に同じ内容を書いているかを数えます。

過去の行を見返す頻度

引き渡し済みの行が増えると、検索と並べ替えに時間がかかります。1年分をどこまで同じ表に置くかを決めます。

費用と期間を見積もるために、先に確認すること

市販のレジや管理システムにも、クリーニング店の受付から引き渡しまでを扱う製品があります。まず、いまのタグの付け方と受付の流れをそのまま続けられるかを製品側に確認してください。設定で足りるなら、そのほうが早く始められます。

作る側に寄せる判断になるのは、番号の決まりが店独自で製品に合わないときや、取次店と工場をまたいで同じ台帳を見たいときです。いまのタグ打ち機や印刷機を残したいという条件も、ここに加わります。1つだけなら受付の手順を少し変えて吸収できることが多く、重なるほど設定だけでは追いつかなくなります。

当社の預かり品・お渡し照合管理システムの開発プランでは、1日30伝票ほどの工場併設店を想定し、設計から運用開始まで約2〜3か月を見込んでいます。これは想定にもとづく開発プランで、実際の期間と費用は次の条件で変わります。

タグ番号の決まりごと

連番か、店ごとの番号か、年をまたいで同じ番号を使い回すか。1つに定まらない番号があると、引き当ての作りが変わります。

つなぐ拠点の数

店頭だけか、取次店と工場まで含めるか。拠点が増えるほど、権限の分け方と通信の確認が必要になります。

残す機器

いまのレジ、タグ打ち機、プリンタを使い続けるか。機器を替えると費用は上がりますが、受付の手順は変えずに済む場合があります。

印刷する書面

預り証に載せる項目と用紙の大きさ。苦情の申出先として掲示している内容を含めた形で、印字の範囲に収まるかを確認します。

既存データの移行

いまのシステムやExcelから、お客様と過去の預かり品をどこまで移すか。移す範囲で作業量が変わります。

まとめ

台帳の1行は1点にして、受付・工場から戻ったとき・引き渡しで、誰がどの列を埋めるかを決めます。空欄が「まだ戻っていない」を表すようにすると、探す手間が減ります。

預り証を作り直すときは、苦情の申出先の記載と店頭の掲示を外さないようにします。引き渡した日を残しておくと、あとからの問い合わせで日付を確かめられます。

まず1週間、預り証なしの来店と電話での問い合わせが何件あり、1件に何分かかったかを数えてください。Excelを続けるか、仕組みを作るかを決める材料になります。

よくある質問

預り証を忘れたお客様の品は、どうやって探せばよいですか?

受付のときに入れた名前・電話番号・受付日で引けるようにしておきます。同じ名字のお客様が複数いる店では、電話番号の下4桁や品目まで絞れると早くなります。本人確認の手順は店で決めたものに従い、誰が確認して引き渡したかを台帳に残します。

市販のシステムを使うのと、自社に合わせて作るのとでは、どちらがよいですか?

先に市販の製品で、いまのタグ番号の付け方と受付の流れを続けられるかを確認してください。続けられるなら市販のほうが早く始められます。番号の決まりが独自で合わない、取次店と工場で同じ台帳を見たい、いまの機器を残したいといった条件が重なるときに、作る判断になります。

タグ番号は付け直す必要がありますか?

いまの番号をそのまま使えるかは、重複と使い回しの有無で決まります。年や店舗をまたいで同じ番号が出る場合は、受付日や店舗の記号を組み合わせて1つに定まる形にします。番号の印刷方法を変えずに済むかも、あわせて確認します。

取次店と工場で同じ台帳を見られますか?

拠点をまたいで見る場合は、通信環境と、誰がどの列を直せるかを先に決めます。工場側は仕上がり日と保管場所だけ、店頭側は受付と引き渡しというように担当を分けると、同じ行を同時に直す場面が減ります。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

預かり品の記録と、引き渡しの確認をご相談ください

預り証を忘れた来店に時間がかかる、同じ名字のお客様で確認に手間取る、仕上がってから引き取りのない品がラックに残っている。こうした状態からご相談いただけます。いまの紙タグ・預り証・台帳を確認し、市販のシステムで足りるか、自社に合わせて作る必要があるかを一緒に整理します。初回にお客様の名簿や完成した仕様書を送っていただく必要はありません。

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