EvoQuest
EvoQuest Appsスマホ業務アプリ 2026.07

SCENARIO ── DAY SERVICE TRANSPORT CASE

朝8時の欠席電話で崩れる送迎表を、
その場で組み直せるボードに変える。

定員25名規模のデイサービス向けに、毎月コピーして手直しするExcelの送迎表・ホワイトボードの配車・車に積む紙のルート表を、生活相談員が触る送迎ボードとドライバーのスマホ運行画面につなぐ送迎管理アプリを、こう設計します。ルートの並べ替えは人の判断のまま、変更の伝達と運行記録をアプリが受け持つシナリオです。

想定領域
スマホ業務アプリ / 送迎管理
担当範囲
要件整理・画面設計・開発・公開後改善
想定対象
定員25名前後・送迎車3台規模のデイサービス
想定期間
設計〜公開 約 3 ヶ月

OVERVIEW

プロジェクト概要

通所介護(デイサービス)の送迎は、迎えと送りで1日4便前後。車が3台あれば、1日十数回の運行になります。誰をどの車に何番目に乗せるかを決める送迎表は、多くの事業所でExcelとホワイトボードの二重管理になっていて、朝の欠席電話が1本入るたびに両方を直し、ドライバーには口頭で伝え直す——この想定シナリオでは、その流れを相談員が触る送迎ボードと、ドライバーが見るスマホの運行画面の2つに置き換えます。

ルートを自動で最適化するAIは、最初からは作りません。どの家が玄関先まで入れるか、誰と誰を同じ車にしない方がいいか——並べ替えの判断材料は、地図データより現場が持っているからです。アプリが受け持つのは「今の送迎表はどれか」を一つにすること、変更を電話なしで届けること、走った記録を勝手にためること。この3つに絞ります。

CHALLENGE

課題

  • 01 送迎表が「送迎表_7月.xlsx」とホワイトボードの二重管理。毎月コピーして手直しするうちに、印刷した紙とExcelの中身が食い違い、どれが最新か誰も言い切れない。
  • 02 朝8時の欠席電話1本で、1便の順番が崩れる。ホワイトボードは書き直せても、もう車に積んであるドライバーの紙のルート表までは差し替えられない。
  • 03 「あの家は玄関に横付けできない、裏の砂利側に停める」。停め方や乗降介助のコツをいつものドライバーしか知らず、代役が走る日は朝の口頭引き継ぎが頼りになる。
  • 04 車両ごとの運行記録が手書きの日誌のまま。3台×朝夕4便で1日12運行、月にすると300行近く。実地指導(運営指導)の前に、まとめて揃え直すことになる。

APPROACH

アプローチ

最初に作るのは配車のAIではなく、「送迎表の正本を1枚にする」ボードです。便×車両の格子に利用者のカードを並べる、Excelの送迎表と同じ見た目から始めます。画面の形が今の帳票と同じなら、相談員は初日から使えます。欠席の電話を受けたらカードを1回タップするだけで、ボードとドライバーのスマホの両方から外れる——直す場所を一つにすることが、この設計の中心です。

ドライバー側は「見るだけで済む」ことを優先します。停車順と目印、家ごとの停め方のメモ、乗せたら押すボタン。それ以上は載せません。かわりに、出発・帰着を押した記録がそのまま車両運行記録になり、月末の日誌の清書と実地指導前のまとめ直しをなくします。家族送迎に切り替わった日を画面が覚えておき、送迎減算の確認を月末の突合にしない——制度まわりの記録も、運行と同じ場所に持たせます。

CONSULTATION

朝の欠席電話で崩れる送迎、ボード1枚に変えられます。

「Excelとホワイトボードの二重管理」「変更の伝達が口頭頼み」「運行日誌の清書が月末に山になる」。
送迎だけに絞った小さなアプリで、正本を1枚にするところから始められます。
要件整理・画面設計・開発・公開後の改善まで、一貫してお手伝いします。

SCREENS

主要画面

想定する主要画面と、設計で大事にしている考え方です。相談員が触るPCのボードと、ドライバーが持つスマホの2本立ての構成で、データはすべて小規模デイサービスの規模感に合わせた想定例です。

01. 送迎ボード(相談員のPC画面)

便×車両の格子に利用者カードを並べる、Excelの送迎表をそのまま画面にしたボード。車椅子枠の残りと乗車人数を車両ごとに表示し、今朝の欠席連絡は「ボードに反映」の1操作で便から外れる構成。

送迎ボード
設計のポイント
今の送迎表と同じ見た目から始め、相談員が初日から迷わず使える形に。
例外の扱い
欠席・時間変更・家族送迎への切替は、消すのではなく状態として残す。
車両の制約
リフト車の車椅子枠や定員の超過は、保存する前に画面が知らせる。

02. 今日の便(ドライバーのスマホ)

迎え1便の停車順が上から並ぶ運行画面。次に向かう家の目印・停め方・介助の有無を大きな文字で出し、「乗車した」を押すと次へ進む。欠席になった家は順番ごと外れ、電話も紙の差し替えもいらない構成。

運行画面
設計のポイント
運転の合間に見るものなので、1画面に1つの判断だけ。ボタンは親指の大きさに。
変更の伝達
ボード側の変更がそのまま反映され、古い紙のルート表が車に残らない。
記録
出発と帰着のタップがそのまま運行記録になり、手書きの日誌を書かずに済む。

03. 利用者ごとの送迎メモ

停め方・乗降介助・声かけの注意を利用者ごとにためる画面。「玄関横付け不可、裏の砂利側」「歩行器・上がりかまち1段は手引き」——いつものドライバーだけが覚えていたコツを、代役の日も同じように読める形にする構成。

送迎メモ
設計のポイント
住所と地図だけでなく「現地に着いてからどうするか」を残すことが主目的。
書き手の負担
定型の選択肢+ひと言メモの2段構えで、送迎から戻って30秒で書ける量に。
家族との取り決め
「玄関まで」「居宅内介助あり(目安15分)」など送迎範囲の約束も同じ場所に。

04. 当日変更の通知(ドライバーのスマホ)

「佐藤ハルさん本日欠席。2番目を飛ばして、次は伊藤ヨシコさんです」——ボードで欠席を反映すると、担当ドライバーのスマホに変更の内容と新しい順番が届く画面。確認ボタンを押すと、相談員側に既読が返る構成。

変更通知
設計のポイント
変更は「誰が」「どう変わったか」だけを、読み上げられる文で1画面に。
既読の確認
ドライバーの確認がボードに返り、「伝わったか」を確かめる電話をなくす。
運転中の安全
走行中は通知音のみ。内容は停車してから開く前提で設計する。

05. 車両運行記録・月次の確認(相談員のPC画面)

出発・帰着のタップからたまった運行記録を、車両×日で一覧する画面。帰着の押し忘れは行ごとに警告し、家族送迎に切り替わった日には送迎減算の確認印が付く。実地指導用の様式でそのまま印刷できる構成。

運行記録
設計のポイント
記録のための入力を増やさない。運行のタップの副産物として帳票がたまる形に。
抜けの扱い
未入力は月末にまとめて直すのではなく、翌朝の画面に出して当日中に埋める。
制度への備え
送迎減算・居宅内介助の記録を運行と同じ行に持ち、突合を月末作業にしない。

OUTCOME

変わったこと

ボードとスマホが現場に定着したあと、Excelと電話とホワイトボードに分かれていた送迎が、3つの軸で変わる想定です。

01

送迎表が
「Excelとホワイトボードの二重管理」から「ボード1枚」へ。

Before毎月コピーしたExcelを直し、朝はホワイトボードを書き直し、車には印刷した紙を積んでいた。
After直すのはボードの1箇所だけ。ドライバーのスマホには、常に今の順番が出ている。

「どれが最新か」を考えること自体をなくす。正本を1枚にするのが、この設計の出発点。

02

当日の欠席が
「電話と伝言のリレー」から「タップ1回」へ。

Before欠席の電話を受けたらボードを直し、該当する車のドライバーを捕まえて口頭で伝えていた。
Afterカードを欠席にすれば便から外れ、ドライバーには新しい順番が通知で届き、既読も返る。

「伝えたはず」をなくす設計。送迎では、伝達の確実さは安全の話でもある。

03

運行の記録が
「月末の手書きまとめ」から「走った分だけたまる」へ。

Before手書きの運行日誌を月300行分、実地指導の前にまとめて清書・突合していた。
After出発・帰着のタップが記録になり、月次はでき上がったものを確認して印刷するだけ。

送迎減算や居宅内介助の記録も運行と同じ行に。制度対応を月末の残業にしない。

PROCESS

3ヶ月の進め方

オンラインでも進められますが、札幌市内・近郊なら送迎の朝に直接おじゃまして始めます。設計 → 開発 → 公開を3ヶ月で区切り、毎月の終わりに必ず触れる画面を残して、現場の感想を翌月に反映する進め方です。

1
MONTH 01 / 要件整理 + 送迎の朝の見学

「今の送迎表と運行日誌」をそのまま持ち寄って、画面にする月。

使っているExcelの送迎表・運行日誌・利用者ごとの送迎メモを原本のまま見せてもらい、便の組み方と乗せ替えのルールを聞き取ります。ボードの格子をその帳票の形に合わせて設計し、最初に作る範囲を「ボード+運行画面」に絞って合意します。

  • 相談員・ドライバーへのヒアリング(送迎の朝の見学を含む)
  • 送迎表・運行日誌・送迎メモの現物確認
  • ボード画面の下書きと乗せ替えルールの整理
  • 最初に作る範囲と、後回しにする機能の線引き
2
MONTH 02 / ボード開発 + スマホ運行画面

相談員のボードとドライバーのスマホを、同時に作る月。

PCの送迎ボードとスマホの運行画面を並行して開発します。月の後半には実際の朝の送迎に持ち込み、紙のルート表と二本立てで走らせて、順番の見え方・ボタンの押しやすさを現場で確かめます。

  • 送迎ボード(便×車両・欠席反映・通知)の開発
  • スマホ運行画面・変更通知の開発
  • 利用者名簿の既存Excelからの取り込み
  • 朝の送迎での並走テスト(紙と併用)
3
MONTH 03 / 検証 + 運行記録・公開

記録と帳票まで仕上げて、紙を外す月。

並走テストで出た声を画面に反映し、車両運行記録・月次の確認・実地指導用の印刷まで仕上げます。紙のルート表を外すのは、ドライバー全員が「なくても走れる」と言ってから。公開後も、使いながら直す体制を引き継ぎます。

  • 並走テストの声を反映した画面調整
  • 車両運行記録・月次帳票・印刷の仕上げ
  • 送迎減算・居宅内介助の記録欄の確認
  • 公開 + 使いながら改善する体制づくり

FAQ

よくある質問

  • Q1 費用はどれくらいかかりますか?
    作る範囲で変わりますが、考え方は決めています。全部入りの介護ソフトを置き換えるのではなく、送迎に絞って作るぶん、範囲を小さく抑えます。最初のヒアリングのあと、「ボード+運行画面」だけの構成と、運行記録・帳票まで含めた構成の2案を金額付きでお出しし、そこから削る相談をします。IT導入補助金など使えそうな制度があれば、対象になるかの確認も一緒にやります。
  • Q2 今のExcelの送迎表からの移行はどうなりますか?
    利用者の名簿と曜日ごとの利用パターンは、今のExcelから取り込んで初期データにします。最初の1〜2週間は紙のルート表と二本立てで走らせて、ドライバー全員が「なくても走れる」と言ってから紙を外します。移行日を決めて一斉に切り替えるやり方は、送迎では事故のもとになるので取りません。
  • Q3 ルートの自動最適化はできますか?
    技術的にはできますが、最初からは作らない判断をよくします。どの家が玄関先まで入れるか、体調の波で乗車時間を短くしたい人は誰か——並べ替えの判断材料は、地図データより現場が持っているからです。まず並べ替えは人の手に残し、アプリは伝達と記録を確実にする。運用が安定して「毎朝の並べ替え自体が重い」となった段階で、たたき台を出すAIを足すかを一緒に判断します。
  • Q4 ドライバーが60代でスマホに慣れていなくても使えますか?
    そこを前提に設計します。運行画面は1画面に1つの判断だけ、ボタンは親指のサイズ、文字は老眼鏡なしで読める大きさから調整します。それでも不安が残る間は、ボードから紙のルート表を印刷して併用できる形にします。アプリを使えない人が一人いた瞬間に送迎が止まる、という設計にはしません。
  • Q5 今使っている介護ソフト(請求ソフト)は置き換えることになりますか?
    置き換えません。国保連請求や利用票の管理は今のソフトのまま、送迎だけを隣に置く構成にします。利用者名簿はCSVで取り込み、二重入力が増えないようにします。請求まわりに手を入れないことで、導入の影響範囲を送迎の中に閉じ込めるのが狙いです。

朝の欠席電話で崩れる送迎、ボード1枚に変えられます。

「Excelとホワイトボードの二重管理」「変更の伝達が口頭頼み」「運行日誌の清書が月末に山になる」。
送迎だけに絞った小さなアプリで、正本を1枚にするところから始められます。
要件整理・画面設計・開発・公開後の改善まで、一貫してお手伝いします。