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EvoQuest Apps業務DX支援 2026.08

SCENARIO ── TRUCKING RECORDS CASE

荷待ちと荷役の時刻を記録し
料金の試算と拘束時間の確認に使う

運送会社向けに、ドライバーがスマートフォンで到着・荷役開始・荷役終了・出発を記録するアプリを作ります。運行管理者が記録漏れと拘束時間を確認し、事務担当者が荷主別の待機時間を集計する想定です。約2ヶ月で開発します。

想定領域
荷待ち・荷役の記録アプリ / 運送業の業務記録と運賃交渉
担当範囲
作業と記録の確認・管理画面の開発・導入時の説明
想定対象
トラック11台・ドライバー12名の一般貨物運送事業者(2トン車が半数)
想定期間
設計〜納品 約 2 ヶ月

OVERVIEW

どんな仕組みをつくるか

貨物自動車運送事業輸送安全規則の第8条は、荷主の都合で集貨地点等に待機したとき、到着した日時、荷主から指定されていた到着日時、積込みや取卸しの開始と終了の日時、出発した日時を記録して1年間保存するよう定めています。荷役作業と附帯業務の記録も同じ条文の中にあります。令和7年4月1日から、この記録の対象が「車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上」の車両から全車両に広がりました。2トン車しか持っていない会社も、現在は記録の対象です。

いっぽう、瞬間速度と運行距離と運行時間を運行記録計で残す義務は、同じ規則の第9条で車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上のままです。記録義務と機器の設置義務で対象車両が異なります。4トン車と10トン車にはデジタコが載っていて、作業の種別を押せば待機時間が残ります。2トン車6台には義務がなく、載っていません。国土交通省のITツール活用ガイドブックは車載端末を1台あたり数万円から数十万円と示していて、義務のない車両に載せる判断は費用面から簡単にはできません。この想定では、半数を占める2トン車の記録が、紙の日報とドライバーの記憶に頼る形で残っています。

同じガイドブックには、運行管理システムなら荷待ち料金のような実績にもとづく請求もある程度まで自動で計算できるという記載があります。請求額を計算する仕組みはあっても、そのもとになる到着や出発の時刻が残っていないという課題があります。この開発プランは配車表の置き換えを後回しにして、令和7年4月に増えた記録だけを先に画面にします。

CHALLENGE

課題

  • 01 車両によって記録方法が異なる。2トン車6台は荷待ちの記録が必要ですが、運行記録計の設置義務はありません。デジタコを使う4トン車以上と紙の日報を使う車両の記録を、同じ集計にまとめる必要があります。
  • 02 帰社後に時刻を思い出して日報を書いている。到着や待機の正確な時刻が分からず、大まかな時刻が記録として1年保存され、料金の説明にも使われる状態を想定しています。
  • 03 待機時間料を説明する記録が不足している。標準的運賃では小型車の待機時間料は30分までごと1,680円ですが、実際の請求は契約によります。何月何日の何時から何時まで待ったかを示す記録が必要です。
  • 04 拘束時間のうち荷待ちが占める時間が、月末まで分からない。改善基準告示の拘束時間には手待ち時間が含まれる。荷主の構内で待った1時間も、走った1時間と同じように月284時間の枠を減らす。減り方が分かるのが給与計算のあとでは、配車の組み替えが間に合わない。

APPROACH

課題への対応

毎月5日を、荷主別の集計を確定する日とします。先月ぶんの待機と荷役の時間を荷主ごとに確定し、請求書に載せる分、交渉の材料にする分、今回は見送る分の3つに仕分けます。この想定では、月末締めの請求書を翌月10日までに荷主へ出す手順があり、そこに間に合う最後の日が5日だからです。ここを過ぎると、先月の待機は数字としてはあっても、その月の請求書作成に間に合わなくなります。

時刻の取り方はボタン4つに絞ります。集貨地点等に到着・荷役開始・荷役終了・出発。ドライバーのスマートフォンには次に押すボタンだけが大きく出て、それ以外は表示しません。位置情報と時刻から候補の時刻が先に入っていますが、ドライバーが内容を確認してボタンを押すと、記録として確定します。機械が自動で決めた時刻を記録にすると、構内の外で待っている場合や荷主の指示で並び直した場合に実態とずれます。荷主の確認が得られたか得られなかったかも、規則が記録項目に挙げているのでその場で選びます。

打刻を忘れた場合に備え、誰がいつ確認するかを決めておきます。帰社後の業務後点呼のときに、運行管理者が当日の記録を1画面で確認します。時刻が未入力の運行には、位置情報の滞在時間から出した候補が薄く入っていて、ドライバーに聞いて確定します。この確認を当日にするのは、記憶が残っているのがその日だけだからです。3日以上前の記録漏れは埋めずに、空欄のまま「記録なし」として残します。あとから思い出して書いた時刻を請求の根拠にはできません。

計算結果をそのまま請求確定額として扱うことはしません。画面は標準的運賃の単価を使って計算しますが、出てくるのは請求できると確定した金額ではなく、荷主との交渉に使う試算額です。待機時間全体から30分を差し引くこと、到着から2時間を超えた部分は上がった単価を使うことなど、国土交通省がQ&A集で示している計算の順序をそのまま実装します。ドライバーが自分で積み込んだ場合の積込料は待機時間とは別の単価になるため、荷役の記録から分けて出します。荷主との契約で別途決めている場合は、その単価を登録して使います。

同じ記録から、拘束時間のうち荷待ちに使った時間も集計します。荷待ちの時間は改善基準告示の拘束時間に入るので、記録が揃った時点で「今月このドライバーの拘束時間のうち何時間が荷待ちか」が分かります。月284時間の線と、12か月ぶんを足すと年3,300時間を超えてしまう関係を画面に並べ、月の途中で見られるようにします。配車を機械が組み替えることはしません。拘束時間の上限に近づきそうなドライバーを、配車を調整できる時期に運行管理者が確認できるようにします。

効果は書類が減ったことでは測りません。記録が揃った運行の割合、荷主都合で30分を超えた待機の回数と金額、そのうち請求できた金額と交渉中の金額、日報を書き起こしていた事務の時間、拘束時間が月270時間を超えたドライバーが分かった日。この5つを月次で並べます。1年たてば、どの荷主にどれだけ待たされているかが12か月ぶんの数字になります。

CONSULTATION

現在の運転日報をもとに相談できます

車両ごとの記録方法と、荷主別の待機時間をどう確認しているかをお聞かせください。
運転日報の様式を確認し、時刻の記録・集計・料金の試算に必要な機能をご提案します。

SCREENS

主要画面

想定する画面のサンプル。ドライバーのスマートフォンと事務所のパソコンで見る画面の組み合わせです。会社名・荷主名・時刻・金額はすべて想定例で、実在の運送会社・荷主・実績ではありません。

01. 到着・荷役・出発の時刻を記録する

ドライバーが1日に何度も開く画面です。きょうの配送先が上から順に並び、いま向かっている先だけが開きます。到着・荷役開始・荷役終了・出発の4つが順番に1つずつ出て、押した時刻がその場で記録されます。荷役をドライバー自身がやったのか荷主側がやったのか、荷主の確認が得られたかどうかも、その場で選びます。

運行記録
使い方のポイント
手袋のまま片手で押せる大きさにする。次の1つだけを出し、選択肢を並べない。入力欄は最後まで出さない。
候補と確定を分ける
位置情報から出した候補の時刻は薄く入れておくが、ドライバーが確認してボタンを押すと、記録として確定する。ずれていればその場で直せる。
荷主の確認
規則が記録項目に挙げているので、得られた場合と得られなかった場合の両方を残せるようにする。

02. 帰社後に当日の記録漏れを確認する

運行管理者が夕方に開く画面です。きょうの全運行が1行ずつ並び、4つの時刻が揃っていない運行に印が付きます。位置情報の滞在時間から出した候補が薄く入っているので、ドライバーに確認して確定します。3日以上前の記録漏れは候補を出さず、記録なしとして残ります。業務後点呼の記録と同じ画面から続けて入れる作りです。

当日の記録確認
使い方のポイント
当日の点呼で記録漏れを確認し、ドライバーに時刻を確かめてもらう。時間がたってから記憶だけで補う運用を避ける。
埋めない範囲を決める
3日以上前は空欄のまま残す。あとから書いた時刻を請求の根拠にはできないので、無理に埋めない。
既存の様式
いま使っている運転日報の様式をそのまま印刷できるようにしてから移す。運輸支局への説明で困らないため。

03. 荷主ごとの待機時間と料金の試算を並べる

毎月5日に確定する画面です。荷主ごとに、荷主都合で30分を超えた待機の回数、平均と合計の時間、標準的運賃の単価をあてた金額が並びます。行ごとに請求済みか交渉中かを選んでから確定します。前月までの推移が横に並ぶので、待機が伸びている荷主と話し合いのあと短くなった荷主が見分けられます。

荷主別集計
使い方のポイント
待機の回数・時間・試算額を荷主ごとに同じ行にまとめ、交渉時に確認しやすくする。
5日という締切
月末締めの請求書を翌月10日に出す段取りから逆算した日。過ぎると、その月の請求書作成に間に合わなくなる。
見送りの記録
今回は請求しないと決めた分も金額のまま残す。積み上がると、契約を見直す相談の材料になる。

04. 運行ごとの待機時間と料金計算を確認する

荷主に出す明細のもとになる画面です。運行1件ごとに、到着から出発までの時刻、待機時間、そこから30分を差し引いた計算、2時間を超えた部分に上がった単価をあてた計算が、上から順に並びます。ドライバーが自分で積み込んだ場合の積込料は別の行になります。荷主の確認が得られなかった運行には印が付き、その状態のまま出せます。

請求明細
使い方のポイント
合計金額だけを出さない。差し引く30分と2時間を境に変わる単価を、計算の途中まで見せる。
単価の扱い
標準的運賃は届出をして用いるもの。契約で別の単価を決めている荷主は、その単価を登録して使う。
積込料との区別
荷主側が積む時間は待機、ドライバーが積む時間は積込料。荷役の記録から自動で振り分ける。

05. 拘束時間と荷待ちの内訳を確認する

運行管理者が週に一度開く画面です。ドライバーごとに、今月ここまでの拘束時間とそのうち荷待ちが占める時間が並びます。月284時間の線と、このペースで12か月続けた場合に年3,300時間をいつ超えるかが同じ画面に出ます。配車の組み替え案は出しません。拘束時間の上限に近づきそうなドライバーを、配車を調整できるうちに確認できます。

拘束時間の確認
使い方のポイント
月ごとに284時間へ収めても、12か月続けると年の3,300時間を超える。月と年を同じ画面に並べる。
荷待ちの内訳
拘束時間に含まれる手待ち時間を走行時間と分けて表示し、荷主との交渉や配車の調整に使う。
決めるのは人
上限に近づきそうなドライバーと担当便を表示する。誰にどの便を割り当て直すかは、運行管理者が決める。

OUTCOME

この仕組みで改善したいこと

荷主別の待機時間と料金の試算、記録の入力状況、拘束時間を確認する使い方を想定しています。

01

2トン車の待機が、記録として残るようになる

今の作業デジタコの載った4トン車以上は作業の種別まで残るのに、2トン車6台は手書きの日報だけ。同じ会社の中で、記録の詳しさが車両の種類によって異なっていた。
導入後の使い方車両の種類を問わず、荷待ちと荷役に関する4つの時刻をスマートフォンから記録する。令和7年4月に対象が広がった業務記録の義務への対応を補助する。

運行記録計そのものの義務は最大積載量4トン以上のまま変わりません。この仕組みが置き換えるのは業務記録で、デジタコの代わりにはなりません。

02

荷主別の待機時間と料金の試算を確認する

今の作業待機が多い荷主は把握していても、回数や時間を集計して運賃交渉に使える記録が不足していた。
導入後の使い方月5日の集計に、荷主別の回数と時間と金額が並ぶ。想定例では、ある荷主への配送が月18回、平均1時間10分の待機で、小型車の単価をあてると月6万480円になる。

標準的運賃は届出をしたうえで用いるもので、試算額がそのまま認められるとは限りません。記録と集計は運賃交渉の資料として使う想定です。

03

月の途中で
拘束時間が上限に近づくドライバーを確認する

今の作業拘束時間を給与計算時に集計するため、上限を超えるおそれに月末後に気づき、その月の配車を調整できない。
導入後の使い方週に一度、ドライバーごとの拘束時間と荷待ちの内訳が見える。荷待ちの長い便が特定の人に続いていれば、月の半ばで振り分けを変えられる。

配車を組み替えるのは運行管理者です。この画面が出すのは、拘束時間の上限を超えるおそれがあるドライバーと担当便と、その原因が走行と荷待ちのどちらにあるかまでです。

PROCESS

開発の進め方

札幌近郊なら営業所へ伺い、道外はオンラインで進めます。作る範囲を記録と集計に絞っているので、2ヶ月の想定です。配車表そのものの置き換えは含めず、いまの表をそのまま使い続ける前提で組みます。

1
MONTH 01 / 業務の確認・日報様式の照合

現在の日報に記録している項目を一つずつ確認する

営業所で半日、点呼から帰社後の日報までの流れを確認します。ドライバー2名への同乗では、荷主構内の待機場所と電波状況を確認します。運転日報・業務記録と規則の記録項目を照合し、入力が必要な項目を整理します。荷主ごとの契約書も確認し、荷役作業の記載がある契約とない契約を区別します。

  • 営業所での半日の見学と点呼・日報の流れの確認
  • ドライバー同乗による構内の待機場所と電波状況の確認
  • 現行様式と規則の記録項目の突き合わせ表の作成
  • 荷主別の契約内容の確認(荷役作業の明記の有無)
2
MONTH 02 / 記録アプリと集計画面の開発・並行運用

2トン車3台で2週間試し、実際の業務で記録できるか確認する

記録アプリと当日の記録確認、荷主別集計、請求明細、拘束時間の確認を開発します。できた時点で2トン車3台に入れ、手書きの日報を続けながら2週間並行して使います。押し忘れの多い場面と候補の時刻がずれる荷主を洗い出して、ボタンの出し方と滞在の判定を直します。既存の日報様式をそのまま印刷できることを確認してから、全車両へ広げて引き継ぎます。

  • 記録アプリ・当日の記録確認・荷主別集計・請求明細・拘束時間の確認の開発
  • 2トン車3台での並行運用(2週間)
  • 押し忘れと候補時刻のずれの反映
  • 既存様式での出力確認と全車両への展開・引き継ぎ

FAQ

よくある質問

  • Q1 デジタコを入れるのと、どちらが安いですか?
    台数と車両の種類によります。国土交通省のITツール活用ガイドブックは車載端末を1台あたり数万円から数十万円としていて、4トン車以上は運行記録計の義務があるので、そもそも入れることになります。判断が要るのは義務のない2トン車の側です。この仕組みは車載機器を足さずにドライバーのスマートフォンを使うため、台数が増えても機器の費用は増えません。いっぽうデジタコは速度や運行距離まで自動で残るので、記録の手間はこちらより少なくなります。どちらか一方に寄せる必要はなく、4トン車以上はデジタコ、2トン車はスマートフォンという分け方でも、集計は1つの画面にまとまります。
  • Q2 記録をスマートフォンで残しても、監査で通りますか?
    規則は記録すべき事項と保存期間を定めていて、紙に限る書き方はしていません。ただし実際の扱いは所轄の運輸支局の指導にもよるため、置き換える前に運輸支局や顧問の先生にご確認ください。当社が作る場合は、いまお使いの運転日報と業務記録の様式をそのまま印刷できる形にしてから画面を作ります。1ヶ月目に現行様式と規則の項目を突き合わせる作業を入れているのは、そのためです。並行運用の期間も、手書きの日報を止めずに続けていただきます。
  • Q3 標準的運賃の金額が、そのまま請求できるということですか?
    いいえ。標準的運賃は届出をしたうえで用いるもので、実際にいくら収受できるかは荷主との契約によります。画面が出すのは、記録に単価をあてた場合の金額です。これは請求できると確定した数字ではなく、荷主と話すときに手元に置いておく材料です。国土交通省のQ&A集も、待機時間料の対象は荷主都合による待機であることを前提にしていて、渋滞などで運行が長引いた分は原則として対象外としています。実態に合わない金額を出すと交渉が続かないので、対象になる待機とならない待機を画面の側で分けます。
  • Q4 ドライバーの入力忘れにはどう対応しますか?
    押し忘れは起きる前提で組みます。当日の確認画面に記録漏れを表示し、帰社後の点呼のときに運行管理者が一緒に埋めます。それと、ボタンを4つに絞って次の1つだけを大きく出すのは、荷主の構内で片手で押せるようにするためです。2ヶ月目の並行運用を2トン車3台から始めるのも、どの場面で押し忘れが起きるかを先に見るためです。記録が待機時間料の交渉にどう使われたかをドライバーにも共有し、入力する目的が伝わるようにします。最初の説明の場には当社も同席します。
  • Q5 配車表もこのアプリに移せますか?
    移せますが、この2ヶ月には入れていません。配車表を作り直すとなると、車両・荷主・ドライバー・運賃をすべて登録する話になり、規模が数倍になります。まず令和7年4月に増えた記録だけを画面にして、荷主別の待機が金額で見えるところまでを2ヶ月で作り、配車表はホワイトボードやExcelのまま続けるという順番をお勧めしています。記録が貯まってから配車を扱うほうが、拘束時間の確認まで載せられて配車の判断に使いやすくなります。

現在の運転日報をもとに相談できます

車両ごとの記録方法と、荷主別の待機時間をどう確認しているかをお聞かせください。
運転日報の様式を確認し、時刻の記録・集計・料金の試算に必要な機能をご提案します。

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