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飲食の需要予測・AI

シフトは何日前に確定できるか。忙しい日が先に見えると、月末の組み方から何が変わるか

「何日前までに確定する」という日数は法律にありません。期限は店とスタッフで決めておくものです。1か月単位の変形労働時間制を使う店は、月が始まる前に各日の労働時間を決めておく必要があります。忙しい日が先に見えれば、確定は2〜4週間前に前倒しできます。スタッフ5〜20人の飲食店の経営者向けです。

この記事でわかること

  • 法律に「何日前」の定めはありません。厚生労働省の留意事項は、確定したシフトを通知する期限と方法、変更を申し出る期限を、あらかじめ店とスタッフで話し合って決めておくよう求めています(2022年1月作成、2026年6月19日改正)。
  • 1か月単位の変形労働時間制を使う店は、期間中の労働日と各日の労働時間を、期間が始まる前の一定の期日までに決めてシフト表を作る必要があります。月ごとに組む店なら、締切は前月の中に置くことになります。
  • 厚生労働省の取組事例には「シフトは○○日前までに決める」というルールを作った店や、2か月分を先に貼り出して1か月前に再確認する店が載っています。確定が前日になることが、スタッフの不満として挙がっています。
  • 忙しい日が見える範囲は材料で違います。週間天気予報は7日先、2週間気温予報は12日先まで。曜日と季節の波は過去の記録に表れるので、日付と人数の並びから28日先までを幅で見込めます。確定前に使えるのは記録と予約、天気は確定後の当日調整の材料です。
  • 確定を早めると変わるのは、必要人数を「毎週同じ」から「日ごと」に置き換えられることと、希望を集める前に厚くする日と薄くする日を決められることです。誰をどこに入れるかの判断は店長に残ります。

「何日前まで」は法律に書いていない。書いてあるのは手続き

労働基準法には、シフトを何日前に確定しなければならないという条文がありません。定めがあるのは、雇うときに始業と終業の時刻や休日を書面で示すこと(第15条、施行規則第5条)と、常時10人以上を雇う店が就業規則にそれらを書いて届け出ること(第89条)です。厚生労働省の留意事項は、労働条件通知書や就業規則に「シフトによる」とだけ書くのでは足りず、原則の始業・終業時刻を書いたうえで一定期間分のシフト表を渡すか、基本の時刻を定めたうえで「具体的にはシフトによる」と書くよう求めています。

同じ留意事項は、シフトの決め方を店が一方的に決めるのは望ましくないとして、あらかじめ店とスタッフで話し合って決めておく事項を例示しています。シフト表を作る前にスタッフの意見を聴くこと、確定したシフト表を通知する期限と方法、期間が始まる前と始まった後のそれぞれで変更を申し出る期限と手続きです。一度確定したシフトを変えることは労働条件の変更にあたり、店とスタッフ双方の合意が要ります。

日数を実質的に決めているのは、1か月単位の変形労働時間制(第32条の2)です。留意事項は、この制度をシフト制のスタッフに使う場合、適用期間中の労働日と各日の労働時間を、制度の導入時か一定の期日までに具体的に定めたうえでシフト表を作る必要があると書いています。月ごとに組む店なら、就業規則に始業・終業時刻のパターンとその組み合わせの考え方、シフト表の作成手続きと周知方法を定め、月が始まる前に全日を確定することになります。締切は自動的に前月の中に置かれます。

通知の期限と方法

「毎月20日までに翌月分を確定し、アプリで通知する」のように、日と手段を決めて書面で確認しておきます。

変更の申し出

期間が始まる前と始まった後で分けて、誰がいつまでにどう申し出るかを決めます。就業規則にまとめて書く方法も示されています。

変形労働時間制の店

期間の起算日を就業規則等で明らかにし(施行規則第12条の2)、期間が始まる前に各日の労働時間を決めてシフト表を作ります。

前日に決まる店と、2か月前に貼り出す店の差はどこにあるか

厚生労働省が2023年3月にまとめた取組事例には、スタッフ側の不満として「シフトの決まる日が遅れることが多い」「遅いときには決まるのが勤務日の前日」「予定がある日にシフトを入れられてしまう」が挙がっています。それに対する店側の取り組みとして、「シフトは○○日前までに決める」というルールを作ること、2か月分のシフトを先に作って掲示し、1か月前にスタッフが再確認する運用、先のシフトを仮で入れておくことでスタッフ同士の融通がしやすくなった例が載っています。

急な欠員への備えも同じ資料にあります。各スタッフが出勤できる日とできない日を早めに把握しておき、欠員が出たらその中から打診する。これだけで「予定がある日に急に出てほしいと言われる」ことが減ったと書かれています。

確定が早い店に共通するのは、先の忙しさをある程度見込んだうえで、仮の表を早く出していることです。前日に決まる店は、忙しさが分からないから決められないのではなく、決める材料を前日まで待っています。厚生労働省の労働経済動向調査(2026年5月1日現在)では、宿泊業・飲食サービス業のパートタイム労働者について、不足と答えた事業所が47%、過剰が5%で、差し引き42ポイントの不足超過です。従業員30人以上の事業所が対象の調査なので個人店にそのまま当てはまりませんが、確定の遅さが人の定着に響く業種であることは数字に出ています。

忙しい日は何日先まで見えるか。天気は7日、気温は12日、記録は28日

確定を早めるには、確定する時点で忙しい日が見えている必要があります。何が何日先まで見えるかは、材料ごとに決まっています。気象庁の週間天気予報は発表日の翌日から7日先までで、毎日11時ごろと17時ごろに更新されます。降水の有無には信頼度A・B・Cが付き、Cは翌日に予報が変わる可能性がBより高い日です。2週間気温予報は毎日14時30分に発表され、8日先から12日先までは5日間平均の気温として出ます。

つまり、2週間以上前にシフトを確定する店は、天気を確定の材料に使えません。天気は確定した後、当日の応援を頼むか帰りを早めるかを決める材料です。確定の前に使えるのは、曜日や季節の波と、すでに入っている予約です。給料日や連休の影響も過去の日付と人数の並びに表れているので、記録があれば先まで見込めます。

当社が開発中の需要予測AI「EvoQuest Iramepakari」は、日付と数量の2列のCSVを入れて列を選ぶと、28日先までの予測を幅つきで出す作りです。レジの日別の客数か伝票の枚数があれば、それが「数量」の列になります。3ヶ月分ほどの記録から試せます。来客数を仕込みや発注につなぐ考え方は、飲食店の来客予測の記事に書いています。

確定の前に使える材料

曜日と季節の波に、入っている予約と過去の記録からの見込み。4週間前でも手元にあります。

確定の後に使える材料

週間天気予報(7日先)、2週間気温予報(12日先)、直前の予約。当日の応援と早上がりを決める材料です。

見込みは幅で受け取る

「金曜は80〜110人」のように幅で出れば、上側で人を置くか下側で置くかを店長が決められます。1点の数字で決めると外れた日の責任が数字に向きます。

DEMO

確定日を動かすと、余る人時と足りない人時がどう変わるか

シフトを営業日の何日前に確定するかを動かすと、その時点で使える材料が変わります。曜日固定で組んだ場合と、記録からの見込みで日ごとに組んだ場合について、28日間の余る人時と足りない人時、その金額を並べます。

シフト確定日の試算|材料の見える範囲と、余る人時・足りない人時

架空の店の28日間で試す画面です。確定日、1人が1時間に受け持てる客数、時給を動かすと、曜日固定と日ごとの見込みのそれぞれで余る人時と足りない人時が変わります。確定日の時点で天気・気温・記録のどれが使えるかも表示します。

触って動かせます
計算の中身
日ごとの来客の見込みを1人1時間あたりの客数で割って必要人時を出し、曜日固定の配置と日ごとの配置のそれぞれについて、見込みとの差を余りと不足に分けて足しています。
使っている前提
来客数は架空の店の入力例で、曜日の差と給料日の翌日、予約の入った日を含めています。時給の初期値は2026年10月1日発効見込みの北海道最低賃金1,131円です。
確かめてほしいところ
確定日を7日前と21日前で切り替えてみてください。使える材料の欄が変わり、曜日固定の余りと不足はどちらでも同じ数字のまま残ります。

※ 店・来客数・必要人数はすべて架空の入力例です。足りない人時の金額は、足りなかったぶんを同じ時給で埋めたとみなした額で、提供の遅れや断った予約の損は含んでいません。

忙しい日が先に見えると、組み方の何が変わって何が残るか

変わるのは、必要人数の置き方です。多くの店は「金曜のディナーはホール3人」のように曜日で固定して組んでいます。日ごとの見込みがあれば、同じ金曜でも給料日の翌日は4人、連休明けは2人と、日ごとに置き換えられます。時間帯ごとの必要人数の決め方はシフト作成AIの記事に書いたとおりで、ここではその人数を日ごとに動かす話です。

順番も変わります。希望を集めてから空いた日に人を当てはめる組み方だと、厚くしたい日に希望が集まらないことに、締めてから気づきます。先に厚くする日と薄くする日を決めて、その日を示したうえで希望を集めると、締切の前に足りない日が分かります。取組事例にあった「2か月前に仮の表、1か月前に確定」の2段は、この順番を前提にしています。

残るのは、誰をどこに入れるかの判断と、当日の調整です。見込みの幅の上側で人を置くか下側で置くかは、足りない日の損(提供の遅れや断った予約)と余る日の損(人件費)を比べて店長が決めます。人が余った日の損は時給に人時を掛ければ分かりますが、足りない日の損は帳簿に残りません。断った組数と待ち時間を日付と一緒に記録しておくと、翌月の幅の使い方を決める根拠になります。

上側で置く日

予約が入っている日や、新人が多くて1人あたりの受け持ちが減る日。足りない損のほうが大きい日です。

下側で置く日

当日に応援を頼める人がいる日や、人件費率が目標を超えている月。余る損のほうが大きい日です。

外れた日に残す記録

断った組数、提供が遅れた時間帯、早上がりした人時。日付と一緒に残すと、見込みの幅をどちらに寄せるかの材料になります。

費用と期間は何を決めれば出るか。紙に貼るところから始めてよい

最初の一歩に費用はかかりません。通知の期限と変更の申し出の期限を決めて、書面で確認するだけです。次に、レジの日別の客数を4週ぶん曜日ごとに並べます。Excelで足りますし、この表があるだけで「毎週同じ人数」から「日ごとの人数」に変えられます。

見込みを機械に出させる段階は、CSVを1本お預かりするところからです。Iramepakariのリリース前でも、手元の記録で予測に使えるかを確かめる相談を無料で受けています。既製のシフト管理サービスで希望の収集と確定の通知を回し、見込みだけを別に出して並べる形なら、開発は要りません。

見込みをシフト表の画面に載せるところまで作る場合、費用は3つを決めると見積もれます。期間の単位(週で組むか月で組むか)、必要人数の刻み(時間帯を何本に割るか)、つなぐデータ(レジ、予約台帳、希望収集)です。当社のシフト作成・人件費管理の開発プランでは、スタッフ5〜15名の個人店で設計から納品まで約2〜3ヶ月を目安にしています。

決めて貼る

通知の期限、変更の申し出の期限、期間の起算日。費用はかからず、留意事項が求めている手続きはここで満たせます。

並べて見る

レジの日別客数を曜日ごとに4週ぶん並べる。Excelで足ります。必要人数を日ごとに置く土台になります。

見込んで載せる

記録から28日先を幅で見込み、シフト表と並べる。既製サービスと組み合わせるか、画面まで作るかで費用が分かれます。

まとめ

シフトを確定する日数は法律に無く、店とスタッフで決めて書面にする手続きだけが求められています。1か月単位の変形労働時間制を使う店は、月が始まる前に各日の労働時間を決める必要があります。

確定を早めるには、確定の時点で忙しい日が見えている必要があります。天気は7日先まで、気温は12日先までしか見えないので、2週間以上前の確定に使えるのは、曜日や季節の波と、予約や過去の記録です。

次にやることは1つです。レジの日別の客数を4週ぶん曜日ごとに並べて、いま「毎週同じ」で置いている必要人数のうち、日ごとに動かせる日がどれだけあるかを数えてみてください。

よくある質問

シフトの確定は何日前が普通ですか。法律で決まっていますか?

法律に日数の定めはありません。厚生労働省の留意事項は、確定したシフトを通知する期限と方法を店とスタッフで話し合って決めておくよう求めているだけです。取組事例には「○○日前までに決める」というルールを作った店や、2か月分を先に掲示して1か月前に再確認する店が載っています。1か月単位の変形労働時間制を使う店は、月が始まる前に各日の労働時間を決めておく必要があります。

早く確定すると、忙しさが分からずに人が足りなくなりませんか?

天気は確定の材料にならないので、そこは当日の調整に回します。確定の前に使えるのは曜日と季節の波、予約、過去の記録です。記録から出した見込みを幅で受け取り、足りない損が大きい日は上側、余る損が大きい日は下側で人を置くと決めておけば、外れた日の対応も先に決まります。急な欠員に備えて、出勤できる日を早めに把握しておく運用も取組事例に載っています。

確定したあとに店の都合で減らしたいときはどうすればいいですか?

一度確定したシフトの労働日や労働時間を変えることは労働条件の変更にあたるため、店とスタッフ双方の合意のうえで行うことになります。留意事項は、期間が始まる前と始まった後のそれぞれについて、変更を申し出る期限と手続きをあらかじめ決めておくよう勧めています。就業規則にまとめて書く方法も示されています。

レジに日別の客数が残っていません。何から始めればいいですか?

伝票の枚数か、予約台帳の組数でも代わりになります。日付と数量の2列があれば見込みの材料になるので、まず今日から日付と客数を1行ずつ残してください。3ヶ月分たまれば曜日の差が見えてきます。足りるかどうかは、記録を見て無料でお伝えしています。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市手稲区の会社です。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

いまのシフト表と、レジの日別の客数を見せてもらうところから。

確定が前日や3日前になっていて早めたいが、忙しい日が見えずに踏み切れない。曜日固定の必要人数を日ごとに変えたいが、根拠になる数字が手元にない。既製のシフト管理サービスは入れたが、見込みの数字は別のところにある。そのどれかに当てはまるなら、レジの記録を1本お預かりして、見込みが出るかを確かめるところから始められます。北海道内は訪問、道外はオンラインで対応します。

記録で見込みが出るか確認する (新しいタブで開きます)

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