01. 翌日の配車表・勤務時間の確認
自社10台と協力会社の枠が縦に並び、荷主・現場・積む場所と降ろす場所・開始時刻・契約の単位・ドライバーが1行に入る。行ごとに前日の終業からの休息期間、あすの拘束時間の見込み、当月の累計が出て、改善基準告示の数値を外れる組み合わせに印が付きます。右に未割当の依頼が残り、17時の確定ボタンで全員へ届く。
SCENARIO ── DUMP TRUCK DISPATCH CASE
受け付けた運送依頼を配車表に登録し、前日17時の確定から運行指示、荷主・協力会社への書面、実運送体制管理簿に反映する開発プランです。配車担当と事務が同じ情報を確認します。
OVERVIEW
札幌近郊で土砂・砕石・舗装材を運ぶ、10tダンプ8台と4tダンプ2台、ドライバー10名の会社を想定しています。専務1名が受け付けた依頼を配車表に登録し、車両の割当、協力会社への依頼、ドライバーへの通知を事務担当と共有します。日単位と往復回数など荷主ごとに違う契約条件を残し、運行実績から月末の請求を集計する構成です。
運送の手配では、配車に加えて必要な書面の管理も行います。令和7年4月1日に施行された改正貨物自動車運送事業法は、運送契約を結ぶときに役務の内容と対価を書いた書面を荷主と相互に交付すること(第12条)と、協力会社に運送を頼むときに同じ書面を交付すること(第24条第2項)を義務にしました。国土交通省のQ&Aは、電話だけの運送依頼は書面交付義務違反になると明記しています。さらに、1.5トン以上の貨物を荷主から引き受けて他の運送事業者に頼んだときは、実運送事業者の名称・貨物の内容と区間・請負階層を書いた実運送体制管理簿を運送ごとに作り、1年間営業所に備え置くこと(第24条の5)が求められます。10tダンプの1台分はこの重さを毎回超えます。この開発プランは、電話で受けた手配をその場で1行にし、前日17時に確定した配車表から、通知・書面・管理簿の3つを出す仕組みです。荷待ちの時刻を残す 荷待ち・荷役記録アプリの開発プラン が「着いてから出るまで」を扱うのに対して、こちらは「誰をどこへ行かせるかを決めて伝える」側です。
CHALLENGE
APPROACH
電話とメールで受けた依頼を共通の受付画面に登録します。入れるのは荷主・現場・積む場所と降ろす場所・車格と台数・開始時刻・契約の単位・附帯業務の有無で、受付の行を確定した時点で荷主へメールが出ます。メールの本文には運送の役務の内容、対価のもとになる単価表の番号、附帯業務の有無、支払方法、送った日付が入り、施行規則第13条の3が求める写しは1年残ります。Q&Aは、法定の事項が基本契約書と依頼書に分かれていても、書面の上で互いに関連付けられていれば問題ないとしているので、日々のメールに単価表の番号を書く形にしました。荷主の側にも相互交付の義務があるため、返信がそのまま荷主側の書面になります。
毎日いちばん開くのは配車表です。縦に自社の10台と協力会社の枠が並び、各行にあすの運行予定が表示され、右に未割当の依頼が残ります。依頼を車両に割り当てると、その車のドライバーの前日の終業時刻からの休息期間、あすの拘束時間の見込み、当月の拘束時間の累計が同じ行に出て、改善基準告示の数値を外れる組み合わせには印が付きます。前日17時に専務が「確定」を押すと、ドライバー10名のスマートフォンと協力会社へ同じ内容が届き、届いた印が行に残ります。確定後の変更は「変更」として受け、変更前の内容も履歴として残ります。翌朝5時の中止連絡も同じ手順で通知するので、誰に届いて誰に届いていないかが配車表の上で分かります。専務が休みの日は事務が確定できる権限を持ち、翌日に専務が確認します。
協力会社への依頼は、配車表の協力会社の枠に置いた行から出します。第24条第2項の書面として役務の内容と対価を書いたメールが出て、同じ行が実運送体制管理簿の1行になります。国土交通省のQ&Aは、管理簿に決まった様式は無く、必要事項が書かれていれば既存の配車表を活用でき、電磁的記録での作成と保存も可能だと答えているので、管理簿への転記を不要にします。ドライバーの当日の往復は、スマートフォンの「積んだ」「降ろした」で数え、日報の回数の欄がそこから埋まります。効果は、専務以外が受けて割り当てた依頼の割合、確定後に休息期間9時間を割った割当の件数、依頼のうち書面が出た割合、月末の請求集計に要した営業日数で測ります。
CONSULTATION
今の依頼受付・配車表・単価表・運行日報を確認します。
荷主と協力会社への連絡や書面の扱いを整理し、配車担当と事務が共有する仕組みを考えます。
SCREENS
この開発プランで想定する画面を紹介します。担当者が入力する内容と確認できる情報をご覧ください。表示しているデータは説明用の想定例です。
自社10台と協力会社の枠が縦に並び、荷主・現場・積む場所と降ろす場所・開始時刻・契約の単位・ドライバーが1行に入る。行ごとに前日の終業からの休息期間、あすの拘束時間の見込み、当月の累計が出て、改善基準告示の数値を外れる組み合わせに印が付きます。右に未割当の依頼が残り、17時の確定ボタンで全員へ届く。
電話で受けた内容をその場で入力する画面。荷主・現場・積む場所と降ろす場所・車格と台数・開始時刻・契約の単位・附帯業務の有無を入れて確定すると、荷主へ役務の内容と単価表の番号を書いたメールが表示されます。荷主の返信が届くと行に印が付き、写しは1年残る。
17時に確定した内容が、現場・積む場所・降ろす場所・開始時刻・現場担当の連絡先・注意する箇所の順に表示されます。当日は「積んだ」「降ろした」の記録から往復の回数を集計し、日報の回数の欄がそこから埋まる。変更が入ると画面の上に赤い帯が出て、確認を押すまで消えない。
配車表の協力会社の枠に置いた行が一覧になり、協力会社ごとに依頼のメール(第24条第2項の書面)が表示されます。同じ行から荷主ごとの実運送体制管理簿に実運送事業者の名称・貨物の内容と区間・請負階層が入る。承諾の返信・走った車番・当日の往復が行に戻ってくる。
荷主別・現場別に、1台1日で数える行と回数で数える行が分かれて並び、ドライバーの往復記録と協力会社の請求書との差がある行に印が付きます。右にはドライバーごとの当月の拘束時間と翌月の割当に影響する残り時間が表示されます。
OUTCOME
仕組みが運用に乗ったあと、この会社の配車まわりが3つの点で変わる想定です。効果は、専務以外が受けて割り当てた依頼の割合、依頼のうち書面が出た割合、確定後に休息期間9時間を割った割当の件数、月末の請求集計に要した営業日数で測ります。
専務以外が受付・割当した割合と、変更が伝わらず現場への出欠が変わった件数を比較します。導入前1ヶ月は電話回数も記録し、導入後と比べます。
書面交付率100%と管理簿の別途作成時間0を目標に実績を比較します。荷主の閲覧依頼に応じて必要な記録を出せるか、月1回確認します。
休息期間9時間を下回った割当と月の上限を超えた人数は0を目標に記録します。請求集計は現在5日から翌営業日を目安とし、実際の日数を比較します。
PROCESS
札幌市内・近郊なら事務所へ伺い、道外はオンラインで進めます。デジタコや運行管理システムが入っている会社では、そこから取れる時刻は取り込み、配車表と書面の部分だけを足す形も選べます。設計から納品まで3ヶ月の想定です。
最初に、直近1か月の手帳とホワイトボードの写真から、荷主・現場・積む場所と降ろす場所・契約の単位・協力会社を1枚の表にします。ここで、同じ荷主でも現場ごとに単位や附帯業務が違うことと、専務にしか分からない略称が出ます。同時に、荷主ごとの基本契約書を開き、法定の事項のうち基本契約書に書いてあるものと、日々の依頼で決まるものを分けます。改善基準告示の数値は、会社の36協定に合わせて1か月284時間か310時間かを決めて設定します。電話の回数はこの月から手帳の脇に書いてもらいます。
5つの画面を作り、先に荷主3社と協力会社1社だけで手帳と画面を並べて2週間使ってもらいます。17時の確定を手帳と画面の両方でやり、翌朝の変更がどちらで先に全員へ届いたかを記録します。この期間に電話で受けた依頼の入力方法を確かめます。現場担当が専務の携帯にかけてくる習慣は変わらないので、専務が運転中に受けた依頼を誰がいつ入力するかをこの2週間で決めます。荷主へのメールは、Q&Aが書いている「一度の承諾で以後の承諾は不要」に沿って、初回に承諾を取ってから始めます。
全荷主と全協力会社に切り替え、ホワイトボードは残したまま手帳への二重記録を終了するか判断します。確かめるのは3つです。17時の確定でドライバー10名と協力会社に届いた印が付くか、翌朝の中止が変更として通って届いていない人が分かるか、協力会社の行から実運送体制管理簿が出て荷主から求められたときに見せられるか。月の後半に専務が不在の場合を想定した操作確認を1回行い、事務担当者が受付と確定を進められるか確認します。最初の月次の締めは一緒に見て、単位ごとの締め方と協力会社の請求書との突き合わせを引き継ぎます。
FAQ
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