01. 当日の運行表
3台の予約と呼び出し待ちを時間帯別に表示します。2名介助の運送は車両と応援するドライバーの両方に表示し、事務担当者が予約を受ける前に予定を確認します。
SCENARIO ── KAIGO TAXI CASE
介護タクシーの予約と運行予定をまとめる開発プランです。通院の帰りは「呼び出し待ち」として登録し、時刻が決まったら次の予約への影響を確認します。車両3台・ドライバー3名を想定し、業務記録と請求明細にも使います。
OVERVIEW
電話で受けた予約を運行表に登録し、車両とドライバーの予定を共有するアプリです。通院の帰りなど迎車時刻が未定の予約も「呼び出し待ち」として残し、時刻の確定後に次の運行への影響を確認します。
札幌市内で車両3台・ドライバー3名の介護タクシーを営む事業者を想定しています。受付時に介助や車両の条件を確認し、ドライバーが乗車・降車を記録します。同じ記録を法定の業務記録と請求先ごとの明細に使う構成です。
作るのは、予約の受付票、当日の運行表、帰りの呼び出しを確定する画面、車内の業務記録、月次の請求の5つです。デイサービスの送迎のように決まった顔ぶれを毎日同じ順路で回る仕組みは デイサービスの送迎管理システム に分けてあります。こちらは1件ずつ受注し、1件ずつ料金が立つ運送を扱います。
介護タクシーは、道路運送法の一般乗用旅客自動車運送事業として許可を受けて走ります(同法第3条第1号ハ、第4条)。運賃は認可を受けたものを使い、北海道運輸局の申請の案内でも、経営許可申請書とあわせて運賃申請書と運賃料金適用方法の様式が求められています。距離制と時間制の様式が別に用意されているとおり、同じ1件の運送でも、どちらの数え方で受けるかが先に決まります。
CHALLENGE
APPROACH
予約を受ける画面を1枚にします。利用者、日付、迎えの時刻、出発地と行き先、片道か往復か、車いすの種類、階数とエレベーター、玄関先の段差、付き添いの人数、院内の付き添いが要るか、請求先。ここを選ぶ形にして、埋まっていない項目が残っている間は予約を保存できない作りにします。聞き忘れを当日の現地で見つけるより、電話を切る前に画面から聞くほうが早いためです。
往復の予約は、行きを時刻つきで確定し、帰りを「呼び出し待ち」という状態のまま同じ運行表に置きます。運行表ではその時間帯が色のついた帯で出るので、空いた時間には見えません。病院から電話が入って時刻を入れると、その運送が帯の中のどこに入るか、降ろしたあと次の予約の迎えに間に合うかが、移動の時間を含めて出ます。間に合わない場合は、別の車へ振り替えるか、次の予約の家族へ連絡するかを事務の人が選びます。決めるのは人で、画面はどちらを選んでも何分ずれるかを出すところまでを担当します。
車内の入力は業務記録の様式に合わせます。旅客自動車運送事業運輸規則 第25条第3項は、一般乗用旅客自動車運送事業者に対して、運転者の氏名、車両を識別できる表示、業務の開始と終了の地点と日時、主な経過地点と距離、休憩、事故や著しい遅延の概要に加えて、旅客が乗車した区間と、業務の開始時と終了時の走行距離計の積算キロ数を記録し、事業用自動車ごとに整理して1年間保存するよう定めています。乗車と降車の操作で記録できる項目を反映し、積算キロ数など未入力の項目を表示します。同規則 第24条の点呼の記録も同じ画面に置きます。
作らないものも決めておきます。カーナビの経路案内、車両の位置をリアルタイムで地図に出す仕組み、介護保険の請求、乗務員等台帳(同規則 第37条)は今回の範囲から外します。台帳は人が入るときと辞めるときにしか触らないので、紙のままで困っていないためです。介護保険の通院等乗降介助を算定する場合は、指定訪問介護事業所としての指定が別に要り、記録も介護保険側の様式に従います。そちらを含めるかは、いまどの利用者で算定しているかを見てから決めます。
1日の運送が数件で、電話を受ける人も走る人も同じ1人なら、共有カレンダーと表計算ソフトで足ります。専用の仕組みが役立つのは、車が2台を超えて電話を受ける人と走る人が分かれ、呼び出し待ちの時間に別の予約を入れてよいかを人の記憶で判断している段階からです。最初の相談で表計算ソフトの整理で足りると判断したら、当社からそう伝えます。
CONSULTATION
今の予約票・運行表・日報と施設向け請求書の様式を確認します。
呼び出し待ちと介助条件の共有、車内の入力をどこまで含めるか整理し、開発範囲を見積もります。
SCREENS
以下は5画面のサンプルです。利用する担当者と入力・確認する内容を紹介します。表示している名称・人数・数量・金額などは想定例です。
3台の予約と呼び出し待ちを時間帯別に表示します。2名介助の運送は車両と応援するドライバーの両方に表示し、事務担当者が予約を受ける前に予定を確認します。
事務担当者が、利用者・日付・迎車時刻・行き先・介助・車いす・建物の条件・請求先を確認して登録します。条件に合う車両と概算料金を表示し、未確認の必須項目がある間は保存できません。
帰りの迎車時刻を入力し、自宅までの所要時間と次の予約への影響を確認します。事務担当者が別車両への振り替えか利用者への連絡を決め、変更の理由と時刻を記録します。
ドライバーが乗車と降車を記録し、業務の開始・終了、積算キロ数、休憩など必要項目を確認します。事務担当者は未入力を確認し、運賃と介助料、請求先を確定します。
運送ごとに登録した請求先で月間の金額を集計します。未入力の運送と未精算を表示し、記録が不足する請求先は内容を確認してから請求書を確定します。
OUTCOME
以下は導入後に想定する使い方です。実際の業務で試し、作業時間や確認漏れの変化を確かめます。
数えるのは、呼び出し待ちで押さえた時間の合計とそこへ入れられた運送の件数です。二重に受けてしまった件数も残します。
数えるのは、迎えの時刻に遅れた件数とその分数、振り替えた件数、家族へ連絡した件数です。同じ行き先で繰り返し起きているかも見ます。
数えるのは、月末の集計にかかった時間、記録が欠けていた運送の件数、請求書を送るまでの日数です。
PROCESS
いまの予約票と紙の日報、先月の施設向け請求書を確認し、予約の受付から段階的に切り替えます。以下は約2か月で切り替える場合の例です。運賃・料金の種類と施設へのまとめ請求の様式により期間を調整します。
いま使っている予約票、壁のカレンダー、紙の日報、先月の施設向け請求書、認可・届出を受けた運賃と料金の表を見せていただきます。玄関までの条件として何を聞いているか、書く人によってどこが抜けるかを洗い出し、選ぶ形に直します。そのうえで受付票と運行表を作り、紙の予約票と並べて2週間使い、電話を受けながら入力が間に合うかを確かめます。
帰りの呼び出しを確定する画面、車内の業務記録、月次の請求の画面を作ります。移動の時間の見込みをどう出すかは、よく使う経路で実測した時間を登録するところから始めます。業務記録は、いまの紙の日報に書いている項目と並べて、規則が求める項目が欠けていないかを確認します。先月の施設向け請求書と、同じ月の運送から作った明細を突き合わせて金額が合うことを確かめ、切り替え後の最初の締めに立ち会います。
FAQ
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呼び出し待ちと介助条件の共有、車内の入力をどこまで含めるか整理し、開発範囲を見積もります。