EvoQuest
EvoQuest Appsスマホ業務アプリ 2026.09

SCENARIO ── KAIGO TAXI CASE

帰りの迎車時刻が未定でも、
予約と次の運行への影響を確認

介護タクシーの予約と運行予定をまとめる開発プランです。通院の帰りは「呼び出し待ち」として登録し、時刻が決まったら次の予約への影響を確認します。車両3台・ドライバー3名を想定し、業務記録と請求明細にも使います。

想定領域
スマホ業務アプリ / 予約の受付・運行表・業務記録・請求
担当範囲
いまの予約票と日報の整理・操作画面の開発・使い方の説明・紙との並行運用
想定対象
車両3台、ドライバー3名、1日16件前後を運ぶ介護タクシー(福祉輸送事業限定)の事業者
想定期間
設計〜切り替え 約 2 ヶ月。運賃・料金の種類と施設へのまとめ請求の様式により調整

OVERVIEW

どんな仕組みをつくるか

電話で受けた予約を運行表に登録し、車両とドライバーの予定を共有するアプリです。通院の帰りなど迎車時刻が未定の予約も「呼び出し待ち」として残し、時刻の確定後に次の運行への影響を確認します。

札幌市内で車両3台・ドライバー3名の介護タクシーを営む事業者を想定しています。受付時に介助や車両の条件を確認し、ドライバーが乗車・降車を記録します。同じ記録を法定の業務記録と請求先ごとの明細に使う構成です。

作るのは、予約の受付票、当日の運行表、帰りの呼び出しを確定する画面、車内の業務記録、月次の請求の5つです。デイサービスの送迎のように決まった顔ぶれを毎日同じ順路で回る仕組みは デイサービスの送迎管理システム に分けてあります。こちらは1件ずつ受注し、1件ずつ料金が立つ運送を扱います。

介護タクシーは、道路運送法の一般乗用旅客自動車運送事業として許可を受けて走ります(同法第3条第1号ハ、第4条)。運賃は認可を受けたものを使い、北海道運輸局の申請の案内でも、経営許可申請書とあわせて運賃申請書と運賃料金適用方法の様式が求められています。距離制と時間制の様式が別に用意されているとおり、同じ1件の運送でも、どちらの数え方で受けるかが先に決まります。

CHALLENGE

課題

  • 01 予約の電話を走っている本人が取れない。ケアマネジャーや家族からの電話はドライバーの携帯に入るが、運転中は出られない。留守番電話を午前中に事務が折り返すので、先に他社へ回ってしまう依頼が出る。
  • 02 通院の帰りが「呼び出し待ち」のまま、どこにも書かれていない。壁のカレンダーは空白なので、その時間に別の予約を入れられるように見える。入れてしまうと、呼ばれたときに向かえるのが別の車になり、利用者は初めて会うドライバーを待つことになる。
  • 03 玄関までの条件が予約票の余白に書かれている。部屋の階数、エレベーターの有無、玄関先の段差、車いすが本人のものか貸し出しか、階段の介助に2人要るか。受けた人によって書く項目が違い、当日に現地で分かることがある。
  • 04 紙の日報を月末にもう一度打ち直している。業務記録は旅客自動車運送事業運輸規則で1年間の保存が決まっているので紙で綴じ、施設へのまとめ請求のために同じ内容を表計算ソフトへ入れ直す。数字が合わないと、複写の領収書の控えをさかのぼることになる。

APPROACH

課題への対応

予約を受ける画面を1枚にします。利用者、日付、迎えの時刻、出発地と行き先、片道か往復か、車いすの種類、階数とエレベーター、玄関先の段差、付き添いの人数、院内の付き添いが要るか、請求先。ここを選ぶ形にして、埋まっていない項目が残っている間は予約を保存できない作りにします。聞き忘れを当日の現地で見つけるより、電話を切る前に画面から聞くほうが早いためです。

往復の予約は、行きを時刻つきで確定し、帰りを「呼び出し待ち」という状態のまま同じ運行表に置きます。運行表ではその時間帯が色のついた帯で出るので、空いた時間には見えません。病院から電話が入って時刻を入れると、その運送が帯の中のどこに入るか、降ろしたあと次の予約の迎えに間に合うかが、移動の時間を含めて出ます。間に合わない場合は、別の車へ振り替えるか、次の予約の家族へ連絡するかを事務の人が選びます。決めるのは人で、画面はどちらを選んでも何分ずれるかを出すところまでを担当します。

車内の入力は業務記録の様式に合わせます。旅客自動車運送事業運輸規則 第25条第3項は、一般乗用旅客自動車運送事業者に対して、運転者の氏名、車両を識別できる表示、業務の開始と終了の地点と日時、主な経過地点と距離、休憩、事故や著しい遅延の概要に加えて、旅客が乗車した区間と、業務の開始時と終了時の走行距離計の積算キロ数を記録し、事業用自動車ごとに整理して1年間保存するよう定めています。乗車と降車の操作で記録できる項目を反映し、積算キロ数など未入力の項目を表示します。同規則 第24条の点呼の記録も同じ画面に置きます。

作らないものも決めておきます。カーナビの経路案内、車両の位置をリアルタイムで地図に出す仕組み、介護保険の請求、乗務員等台帳(同規則 第37条)は今回の範囲から外します。台帳は人が入るときと辞めるときにしか触らないので、紙のままで困っていないためです。介護保険の通院等乗降介助を算定する場合は、指定訪問介護事業所としての指定が別に要り、記録も介護保険側の様式に従います。そちらを含めるかは、いまどの利用者で算定しているかを見てから決めます。

1日の運送が数件で、電話を受ける人も走る人も同じ1人なら、共有カレンダーと表計算ソフトで足ります。専用の仕組みが役立つのは、車が2台を超えて電話を受ける人と走る人が分かれ、呼び出し待ちの時間に別の予約を入れてよいかを人の記憶で判断している段階からです。最初の相談で表計算ソフトの整理で足りると判断したら、当社からそう伝えます。

CONSULTATION

電話予約と運行表の管理からご相談ください

今の予約票・運行表・日報と施設向け請求書の様式を確認します。
呼び出し待ちと介助条件の共有、車内の入力をどこまで含めるか整理し、開発範囲を見積もります。

SCREENS

主要画面

以下は5画面のサンプルです。利用する担当者と入力・確認する内容を紹介します。表示している名称・人数・数量・金額などは想定例です。

01. 当日の運行表

3台の予約と呼び出し待ちを時間帯別に表示します。2名介助の運送は車両と応援するドライバーの両方に表示し、事務担当者が予約を受ける前に予定を確認します。

毎日開く画面
色のついた帯で置く
時刻が決まっていない運送も、空白にせず色のついた帯で置きます。空白にすると、その時間に別の予約を入れられるように見えるためです。帯の中には、待ち始めた時刻と病院から聞いている見込みが並びます。
2名介助は2つの列に出る
階段の介助や退院の迎えで2人要る運送は、動く車の列と応援に入るドライバーの列の両方に出ます。応援に入っている間はその車を使えないので、片方だけに出すと予約を二重に受けます。
見るのは事務の人
事務の人が朝からこの画面を開いたままにして、電話を受けるたびに空きを見ます。ドライバーは車内の画面で自分の列だけを見ます。

02. 予約受付・介助条件

事務担当者が、利用者・日付・迎車時刻・行き先・介助・車いす・建物の条件・請求先を確認して登録します。条件に合う車両と概算料金を表示し、未確認の必須項目がある間は保存できません。

電話を受けながら
選ぶ形にする理由
自由記述の欄に書くと、受けた人によって項目が変わります。階数とエレベーター、段差、車いすの種類、付き添いの人数は当日の段取りが変わる項目なので、選ばないと保存できない扱いにします。
使える車の判定
車いすのまま乗る予約はリフト付きの車に限られます。判定に使うのは車両ごとに登録した仕様で、迎えの時刻に空いているかと合わせて出します。空いていても仕様が合わない車は、理由つきで選べない状態にします。
概算の料金
距離制の運賃と、乗降の介助料、車いすの貸出料を足した概算を出します。認可・届出を受けた運賃と料金の表を事業者ごとに登録して、そこから計算します。当日の渋滞や待機で変わるので、電話では概算として伝える前提です。

03. 帰りの迎車時刻・運行変更

帰りの迎車時刻を入力し、自宅までの所要時間と次の予約への影響を確認します。事務担当者が別車両への振り替えか利用者への連絡を決め、変更の理由と時刻を記録します。

電話が入ったとき
遅れる分数を先に出す
間に合うか間に合わないかだけでなく、何分遅れるかを出します。10分の遅れなら家族へ連絡して待ってもらえることもあり、振り替えるかどうかの判断が変わるためです。
振り替えたときに残る記録
どの運送を、どの車から、どの車へ移したか、その理由と時刻を残します。同じ病院で毎回同じことが起きているかをあとから見られるようにするためです。
待機で受けるか、一度戻るか
呼び出しまで駐車場で待つ扱いにすると待機料が加算され、一度戻ると立ちません。どちらにするかは予約を受けるときに決めて受付票に残し、この画面ではその設定どおりに料金の欄が変わります。

04. 当日の業務記録

ドライバーが乗車と降車を記録し、業務の開始・終了、積算キロ数、休憩など必要項目を確認します。事務担当者は未入力を確認し、運賃と介助料、請求先を確定します。

車内で入れる
記録に要る項目
旅客自動車運送事業運輸規則 第25条第3項は、一般乗用旅客自動車運送事業者に、運転者の氏名、車両を識別できる表示、業務の開始と終了の地点と日時、主な経過地点と距離、休憩、事故や著しい遅延の概要に加えて、旅客が乗車した区間と業務の開始時・終了時の走行距離計の積算キロ数を記録させ、事業用自動車ごとに整理して1年間保存するよう定めています。
点呼も同じ画面に
同規則 第24条は、業務の前後に点呼を行い、酒気帯びの有無をアルコール検知器で確認し、その記録を1年間保存するよう定めています。運行管理者の選任が要るのは事業用自動車5両以上の営業所なので(同規則 第47条の9)、3台の事業者では社長が同じ画面で点呼の記録を残す形になります。
降車記録と運賃の確定
降車の入力がないと降車地点も時刻も残らないので、運賃を確定できない状態として表示します。押し忘れた運送は月末の請求の画面に残り、ドライバーへ差し戻します。

05. 月次請求・未入力確認

運送ごとに登録した請求先で月間の金額を集計します。未入力の運送と未精算を表示し、記録が不足する請求先は内容を確認してから請求書を確定します。

月末に締める
請求先を運送ごとに持つ
同じ利用者でも、通院は本人が当日払い、施設からの移送は施設へまとめて請求ということが起きます。請求先は運送ごとに登録します。
記録が欠けていると確定できない
降車の入力が漏れている運送があると、その請求先の請求書を確定できない作りにします。締めの日に差し戻す運用にすると、記録の抜けを月末までに見つけられます。
ここで作らないもの
介護保険の請求と自治体の助成券の精算はこの画面に入れていません。扱う場合は、様式と提出先を確認してから範囲に足します。

OUTCOME

この仕組みで改善したいこと

以下は導入後に想定する使い方です。実際の業務で試し、作業時間や確認漏れの変化を確かめます。

01

帰りの呼び出し待ちの時間を運行表で共有する

今の作業帰りの呼び出しを待つ時間がカレンダーに表示されず、別の予約を入れられるか判断しにくい。
導入後の使い方呼び出し待ちの時間を運行表に表示し、確保した時間の合計とその時間に対応できた運送件数を確認する。

数えるのは、呼び出し待ちで押さえた時間の合計とそこへ入れられた運送の件数です。二重に受けてしまった件数も残します。

02

迎車の遅れと振替可能な車を確認する

今の作業病院から電話が来たときに、次の予約に間に合うかを頭の中で計算する。間に合わないと気づくのが車を出したあとになることがある。
導入後の使い方時刻を入れた時点で、次の迎えに何分遅れるかと振り替えられる車が出る。振り替えた記録と理由が残る。

数えるのは、迎えの時刻に遅れた件数とその分数、振り替えた件数、家族へ連絡した件数です。同じ行き先で繰り返し起きているかも見ます。

03

乗降記録を業務日報と請求明細に利用する

今の作業業務記録は紙で綴じ、施設へのまとめ請求のために同じ内容を表計算ソフトへ入れ直す。数字が合わないと領収書の控えをさかのぼる。
導入後の使い方乗車と降車の記録を業務記録と請求明細へ反映する。積算キロ数などの必須項目が欠けている運送を確認し、補足を依頼する。

数えるのは、月末の集計にかかった時間、記録が欠けていた運送の件数、請求書を送るまでの日数です。

PROCESS

開発の進め方

いまの予約票と紙の日報、先月の施設向け請求書を確認し、予約の受付から段階的に切り替えます。以下は約2か月で切り替える場合の例です。運賃・料金の種類と施設へのまとめ請求の様式により期間を調整します。

1
MONTH 01 / 予約の受付票と運行表

聞く項目を1つに決め、紙の予約票と並べて2週間使う

いま使っている予約票、壁のカレンダー、紙の日報、先月の施設向け請求書、認可・届出を受けた運賃と料金の表を見せていただきます。玄関までの条件として何を聞いているか、書く人によってどこが抜けるかを洗い出し、選ぶ形に直します。そのうえで受付票と運行表を作り、紙の予約票と並べて2週間使い、電話を受けながら入力が間に合うかを確かめます。

  • 予約票・カレンダー・日報・請求書・運賃料金表の確認
  • 玄関までの条件と請求先の項目の整理
  • 予約の受付票・当日の運行表の開発
  • 紙の予約票との並行運用(2週間)と入力手順の調整
2
MONTH 02 / 呼び出しの確定・業務記録・月次の請求

車内の入力に切り替え、先月の請求書と突き合わせる

帰りの呼び出しを確定する画面、車内の業務記録、月次の請求の画面を作ります。移動の時間の見込みをどう出すかは、よく使う経路で実測した時間を登録するところから始めます。業務記録は、いまの紙の日報に書いている項目と並べて、規則が求める項目が欠けていないかを確認します。先月の施設向け請求書と、同じ月の運送から作った明細を突き合わせて金額が合うことを確かめ、切り替え後の最初の締めに立ち会います。

  • 呼び出しの確定・業務記録・月次請求の開発
  • よく使う経路の所要時間と運賃・料金の表の登録
  • 紙の日報との項目の突き合わせ
  • 先月の請求書との照合と最初の締めへの立ち会い

FAQ

よくある質問

  • Q1 配車アプリやタクシーの無線配車の仕組みとは違うのですか。
    違います。街を流している車へ近くの依頼を割り当てる仕組みは、当日その場で車を決めることを前提にしています。介護タクシーは前もって受けた予約が中心で、車いすのまま乗れるか、階段の介助が要るかといった条件で使える車が決まります。この開発プランは、その予約を受けるところと帰りの時刻が決まらない運送の置き方に重点を置いています。
  • Q2 表計算ソフトと共有カレンダーで足りませんか。
    1日の運送が数件で、電話を受ける人と走る人が同じなら足ります。車が2台を超えて、電話を受ける事務の人と走るドライバーが分かれたあたりから、呼び出し待ちの時間を人の記憶で持ち続けることが難しくなります。最初の相談でいまの件数と体制を見て、表計算ソフトの整理で足りると判断したら、そう伝えます。
  • Q3 介護保険の請求もできますか。
    今回の範囲には入れていません。介護保険の通院等乗降介助を算定するには、道路運送法の許可とは別に、指定訪問介護事業所としての指定が要ります。記録も介護保険側の様式に従うので、いまどの利用者で算定していて、どの様式で出しているかを確認してから、範囲に足すかを決めます。
  • Q4 業務記録を画面で残して問題ありませんか。
    電子で記録・保存する場合の扱いは、運輸支局や監査の担当者によって確認したい点が違うことがあります。作り始める前に、管轄の運輸支局へ確認するところから進めます。確認が済むまでは、画面から紙の様式で印刷できる形を用意して、紙と並べて運用します。
  • Q5 電波が届かない場所があります。
    入力した内容が端末に残り、電波が入った時点で送る作りにします。地下の駐車場や山側の住宅地では起こるので、圏外で入力できることを前提にします。事務所が代わりに入れることもでき、その場合は入れた人の名前が残ります。
  • Q6 費用はどのくらいかかりますか。
    画面の範囲を決めてから個別に見積もります。金額を左右するのは、運賃が距離制と時間制の両方か片方か、介助料や器材料が何種類あるか、請求先が何か所でそれぞれの様式が違うか、過去の予約と日報をどこまで取り込むか、そして業務記録を紙の様式で印刷する必要があるかです。介護保険の請求を含めるかどうかでも変わるので、そこは様式の確認が済んでから見積もりに足します。運用開始後の保守費は分けて説明します。

電話予約と運行表の管理からご相談ください

今の予約票・運行表・日報と施設向け請求書の様式を確認します。
呼び出し待ちと介助条件の共有、車内の入力をどこまで含めるか整理し、開発範囲を見積もります。

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