EvoQuest
EvoQuest Food洋菓子店向け予約管理 2026.09

SCENARIO ── CHRISTMAS CAKE RESERVATION CASE

予約票の束が台帳になり、
店頭ぶんの数が記録から決まる。

札幌の住宅街にある洋菓子店を想定します。店主と製造スタッフ1名、販売パート2名、12月だけ短期1名。クリスマスは予約が約260台で、店頭販売がその3割ほどです。手書きの予約票と店主の記憶で回している3日間を、受取枠つきの予約台帳と製造数表に変える開発プランです。

想定領域
洋菓子店向け予約管理 / クリスマスケーキの予約台帳・製造数表・受け渡し
担当範囲
去年の予約票の書き起こし・品目と受取枠の設計・画面設計・開発・12月の並行運用
想定対象
店主と数名で回す洋菓子店・ケーキ工房(クリスマスや誕生日の予約が電話と手書きの店)
想定期間
10月に着手、12月のクリスマスまで 約 3 ヶ月

OVERVIEW

プロジェクト概要

この店のクリスマスは、11月1日の予約受付から始まります。電話と店頭で受けた予約は複写式の予約票に書き、受取日ごとにクリップで束ねます。書くのは品目・サイズ・受取日と時刻・プレートの文字・ろうそくの本数・前金の有無です。締切の12月15日を過ぎると、店主が束を数えて品目別の台数を出し、いちごと生クリームを卸へ頼み、スポンジを焼き始めます。24日は開店前から列ができ、「4時ごろ取りに来ます」と言って帰った人が同じ時間に重なります。店頭で売るぶんの台数は去年の記憶で決めていて、残った数も売り切れた時刻も記録にありません。

農林水産省は食品ロス削減推進法を踏まえ、クリスマスケーキや恵方巻きのような季節食品について、予約販売など需要に見合った販売を食品小売業者に呼びかけています。消費者庁の白書は、予約販売の実施や当日の運営の工夫で前年より廃棄率が改善したと答えた事業者が約9割だったと紹介しています。街の洋菓子店はもともと予約が中心なので、残っている課題は予約の受け方と、予約の外側にある店頭ぶんの決め方です。この開発プランは、受取枠つきの予約台帳を毎日開く画面にし、締切の翌朝に店頭ぶんの製造数を決める画面をその奥に置く形にします。和菓子店の生菓子の製造数予測が毎朝1日ぶんを決めるのに対して、こちらは年に1回、3日ぶんをスポンジと仕上げの2段階で決めます。

CHALLENGE

課題

  • 01 予約票が手書きで、締切のあとに数え直している。品目別の台数は予約票の束を数えて出すので、締切の夜に店主が1時間かける。プレートの文字は予約票から製造の指示書へ書き写すため、「ゆいちゃん」が「ゆういちゃん」になった年がある。同じ人が電話と店頭で2回予約していたことに、24日に気づいた年もある。
  • 02 受取時刻が夕方に集中し、24日の16時台に列ができる。予約票には「4時ごろ」と書いてあるだけで、その時間に何台の受け渡しが重なるかを受付の時点で数えていない。販売2名と短期1名で1台ずつ控えと照合して箱に入れるので、列は店の外まで伸びる。待った人は来年も来るとは限らない。
  • 03 店頭ぶんの台数が去年の記憶で決まる。24日に店頭で何台売れたか、何時に売り切れたか、残った数はいくつかが記録に無い。いちごの卸売価格は1年でいちばん高い時期なので、多めに作って残すと損が大きく、少なく作ると売り切れたあとに来た人を断る。どちらが起きたかも、翌年には忘れている。
  • 04 締切の順番が店主の頭の中にある。予約の締切、いちごと生クリームの数量を卸へ伝える締切、スポンジを焼き始める日、仕上げの日。この順番は毎年同じなのに紙に無く、店主が休んだ年は製造スタッフが卸へ電話をかけられなかった。

APPROACH

アプローチ

電話と店頭で受けた予約は、受付画面にその場で入れます。品目とサイズ、受取日と30分の受取枠、プレートの文字、ろうそくの本数、前金の有無です。受取枠には店が決めた上限があり、24日の16時台のように埋まった枠は選べなくなるので、電話の途中で「16時半なら空いています」と答えられます。控えは番号つきで印刷し、店頭の人には渡し、電話の人には番号を伝えます。プレートの文字は入力したものがそのまま製造の指示書に印刷されるので、書き写しがありません。同じ電話番号の去年の予約が受付画面に出るので、「去年と同じで」にも答えられます。

12月15日の締切を過ぎた翌朝、製造数表を開きます。上段は予約で確定した品目別・日別の台数で、ここに予測はありません。下段が店頭ぶんで、去年と一昨年の店頭の売れ数と売り切れた時刻、今年の予約が去年の同じ日に比べて何割かをもとに、品目別に上限と下限の幅で出します。店主が12月16日の11時までに品目別の台数を確定すると、いちごのパック数と生クリームの本数が卸への注文書になります。幅のどこを取るかは工程で分けます。スポンジは前もって焼いて冷凍できるので幅の上限で焼き、生クリームといちごを使う仕上げは下限の台数で24日の朝に始め、店頭の売れ行きを見て午後に追加します。仕上がったケーキを入れる冷蔵庫の台数が上限になるので、その数も同じ画面に出ます。

24日は受け渡しボードを開きます。30分枠ごとに予定の台数と渡した台数が並び、控えの番号を読むと予約の行が出て、プレートとろうそくの確認が同じ画面でできます。枠より早く来た人は前の枠の余りに入れ、枠を過ぎても来ない人は電話をかける対象として残ります。店頭ぶんの残数は同じ画面の下に出て、13時の時点で残りが少なければ仕上げを追加し、多ければ止めます。閉店時に残った台数と、店頭が売り切れた時刻、そのあとに「まだありますか」と聞かれた回数を記録して締めます。効果は、24日と25日の閉店時の残数に原価を掛けた金額、売り切れたあとに断った回数、受取枠の予定時刻から渡すまでの待ち時間、予約票の書き間違いの件数で測ります。

CONSULTATION

まず、去年の予約票の束です。

24日の16時台に列ができて、何台の受け渡しが重なっていたかを数えたことがない。
店頭ぶんの台数を去年の記憶で決めていて、残った数を残していない。
去年の予約票の束を見せていただき、受取時刻の分布と書き間違いを数えるところから、ご相談ください。

SCREENS

主要画面

想定する主要画面です。11月から12月まで毎日開くのは1枚目の予約台帳で、2枚目は電話と店頭で予約を受けるとき、3枚目は締切の翌朝、4枚目は受け渡しの3日間、5枚目はクリスマスが終わった翌日に開きます。店名・お客さまの名前・台数・価格・受取枠の上限はすべて街の洋菓子店の規模感に合わせた想定例です。

01. 予約台帳(受取日別の台数と受取枠の埋まり具合)

きょう受けた予約が上に並び、品目・サイズ・受取日と枠・プレートの文字・前金の状態が1行に入る。右には受取日別と品目別の台数、24日の受取枠の埋まり具合、前金が未収の件数、締切までの日数が出る。同じ電話番号で2件入っている予約には印が付く。

毎日開く画面
設計のポイント
予約票の束を数える作業をなくす。台数は入れた瞬間に品目別・日別で集計され、締切の夜に数え直さない。
二重予約の印
同じ電話番号で2件あれば行に印が付く。家族が別々に電話した場合もあるので、消すかどうかは店の人が電話で確かめる。
前金と控え
前金を受けた予約は控えの番号で照合できる。未収の予約は締切の前日に一覧で出て、電話をかける順に並ぶ。

02. 予約の受付(受取枠を選びながら入力する)

電話を受けながら入れる画面。品目とサイズを選び、受取日を選ぶと30分ごとの枠と残りの台数が出て、埋まった枠は選べない。プレートの文字はそのまま指示書に印刷される。同じ電話番号の去年の予約が右に出るので、「去年と同じで」と言われたら写して直すだけになる。

電話と店頭で受けるとき
受取枠の上限
1枠の上限は店が決める。想定例では24日は30分に20台で、販売3名が1台ずつ控えと照合して箱に入れる速さから置いた。上限は途中で変えられる。
プレートの文字
入力した文字を復唱して確定する。製造の指示書には入力した文字がそのまま印刷され、書き写す工程が無い。
控えの番号
店頭では印刷して渡し、電話では番号を伝える。24日はこの番号で予約の行を呼び出す。

03. 製造数表(予約の確定数と、店頭ぶんの見込み)

上段は予約で確定した品目別・日別の台数。下段は店頭ぶんで、去年と一昨年の売れ数と売り切れた時刻、今年の予約の去年比をもとに、品目別に上限と下限の幅が出る。店主が台数を入れて確定すると、スポンジを焼く枚数、初回に仕上げる台数、いちごのパック数と生クリームの本数が同じ画面に出る。

締切の翌朝
予測はこの1画面だけ
予約の確定分に予測は混ぜない。幅が出るのは店頭ぶんだけで、決めるのは店主。12月16日11時の確定が卸への注文になる。
幅の使い分け
スポンジは冷凍できるので上限の枚数で焼く。生クリームといちごを使う仕上げは下限の台数で始め、24日の午後に足す。余りが出る工程を仕上げだけに寄せる。
冷蔵庫の上限
仕上がったケーキを入れる冷蔵庫の台数が、1日に仕上げられる上限になる。上限を超える組み合わせは印が付く。

04. 受け渡しボード(30分枠ごとの予定と、店頭ぶんの残数)

30分枠ごとに予定の台数・渡した台数・まだの台数が並び、いまの枠に色が付く。控えの番号を読むと予約の行が出て、品目・プレート・ろうそく・前金を確認して「渡した」を押す。下には店頭ぶんの残数と仕上げの追加が出て、13時の時点で残りを見て追加するか止めるかを決める。

受け渡しの3日間
早く来た人・来ない人
枠より早く来た人は前の枠の余りで渡す。枠を過ぎても来ない人は一覧に残り、電話をかける順に並ぶ。
店頭ぶんの追加
残数が減る速さを見て、スポンジが残っている範囲で仕上げを追加する。追加した台数と時刻は記録に残る。
断った回数
売り切れたあとに「まだありますか」と聞かれたら、レジの横のボタンを押す。来年の店頭ぶんを決めるときの材料になる。

05. クリスマスの記録(残数・売り切れ時刻・受取枠の待ち時間)

日別・品目別に、決めた台数・売れた台数・閉店時の残数・売り切れた時刻が並ぶ。予約が受付開始から何日目で何台まで積み上がったかを去年と重ねて出し、受取枠ごとの待ち時間の実績も残る。来年の受付を始めるときに、この画面の数字が製造数表の根拠になる。

終わった翌日
残した金額と断った回数
閉店時の残数に原価を掛けた金額と、売り切れたあとに断った回数を並べる。どちらに外れたかを来年の自分に残す。
予約の積み上がり
受付開始からの日数で去年と重ねる。来年は受付の途中で、去年より速いか遅いかが見える。
受取枠の見直し
枠ごとの待ち時間を見て、来年の上限を枠ごとに変える。16時台の上限を下げ、13時台を広げる、といった判断の材料になる。

OUTCOME

変わったこと

仕組みが運用に乗ったあと、この店のクリスマスが3つの点で変わる想定です。効果は、24日と25日の閉店時の残数に原価を掛けた金額、売り切れたあとに断った回数、受取枠の予定時刻から渡すまでの待ち時間、予約票の書き間違いの件数で測ります。

01

台数と枠の空きを、電話の途中で答えられる

Before予約票の束を数えないと品目別の台数が分からず、受取時刻は「4時ごろ」と聞いて書くだけだった。プレートの文字は指示書へ書き写していた。
After入れた瞬間に品目別・日別の台数が出る。受取枠の残りが見えるので、埋まった時間は電話の途中で別の枠を案内できる。プレートの文字は入力したものがそのまま印刷される。

数えるのは、予約票の書き間違い(プレート・受取日・サイズ)の件数と、電話1件にかかった時間です。仕組みを入れる前の年の予約票の束を写すときに、去年の書き間違いを先に数えておきます。

02

24日の列が、受取枠の予定どおりに流れる

Before16時台に受け渡しが重なり、列が店の外まで伸びていた。何時に何台の受け渡しがあるかは当日まで分からなかった。
After30分枠の上限で受付の時点から分散され、当日は枠ごとの予定台数が見える。控えの番号で予約の行が出るので、1台あたりの照合が短くなる。

数えるのは、受取枠の予定時刻から渡すまでの待ち時間です。控えの番号を読んだ時刻と「渡した」を押した時刻の差を枠ごとに残し、来年の枠の上限を決める材料にします。

03

店頭ぶんの台数が、記録から決まり、当日に直せる

Before店頭ぶんは去年の記憶で決めていて、残った数も売り切れた時刻も残っていなかった。仕上げは前日にまとめて済ませ、当日は直せなかった。
After去年と一昨年の売れ数・売り切れ時刻・今年の予約の去年比から幅が出て、店主が台数を決める。スポンジは上限、仕上げは下限で始め、24日の午後に残数を見て足す。

数えるのは、閉店時の残数に原価を掛けた金額と、売り切れたあとに断った回数です。最初の年は去年の数字が無いので、幅は店主の記憶を上限と下限にして置き、記録が1年ぶん残ったところで置き直します。

PROCESS

3ヶ月の進め方

札幌市内・近郊なら店へ伺い、道外はオンラインで進めます。11月1日の受付開始に間に合わせるため、10月に着手する想定です。ネットの予約受付サービスをすでに使っている店では、そこから予約を取り込み、製造数表と受け渡しボードだけを足す形も選べます。

1
MONTH 01 / 10月 ── 去年の予約票の書き起こし + 品目と枠の設計

去年の予約票の束を写して、品目・サイズ・受取時刻の分布と書き間違いを先に数える

最初に、去年の予約票の束をそのまま写して1枚の表にします。品目とサイズ、受取日と時刻、プレートの文字、前金の有無です。ここで、受取時刻が16時台に何台重なっていたか、プレートの書き間違いが何件あったか、同じ人の二重予約があったかが出ます。次に、今年の品目とサイズ、受取枠の上限、予約の締切日、卸へ数量を伝える締切日、スポンジを焼き始める日、仕上げの日を店主から聞いて、順番どおりに1枚の表にします。冷蔵庫に入る仕上がりの台数もこの月に数えます。

  • 去年の予約票の書き起こし(受取時刻の分布・書き間違い・二重予約の件数)
  • 今年の品目・サイズ・価格と、受取枠の上限の設計
  • 予約の締切・卸の数量締切・スポンジと仕上げの日程の確認
  • 冷蔵庫に入る仕上がりの台数の確認
2
MONTH 02 / 11月 ── 5画面の開発 + 受付開始からの並行運用

11月1日の受付開始から、予約票と画面の両方で受ける

5つの画面を作り、11月1日の受付開始から2週間は予約票と画面の両方で受けます。電話を受けながら入力できるか、受取枠の残りを見ながら案内できるかを、販売パートの2名が実際の電話で確かめます。ここで出るのは、たいてい受付の順番です。予約票は品目から書き始めますが、電話の相手は受取日から言うので、画面の項目の順番を電話の順に直します。控えの番号の伝え方も、この2週間で決めます。予約が積み上がる速さを去年と重ねる画面は、去年の予約票に受付日が書いてある店だけで動きます。

  • 予約台帳・受付・製造数表・受け渡しボード・記録の開発
  • 受付開始から2週間の並行運用(予約票との比較・項目の順番の修正)
  • 受取枠の上限の調整(埋まり方を見て枠ごとに変える)
  • 前金が未収の予約への電話の運用の確認
3
MONTH 03 / 12月 ── 締切から受け渡しまで + 引き渡し

締切の翌朝に店主が製造数表を確定し、24日は受け渡しボードで回す

12月15日の締切を過ぎたら、翌朝に店主と一緒に製造数表を開きます。予約の確定数を上段で確かめ、下段の店頭ぶんの幅を見て台数を決め、いちごと生クリームの数量を卸へ出すところまで、当社が横で見ます。23日から25日は受け渡しボードで回し、控えの番号での呼び出しと、13時の残数を見た仕上げの追加を実際にやってもらいます。26日に記録の画面を一緒に見て、残した金額と断った回数、受取枠ごとの待ち時間を確かめ、来年の受取枠の上限をその場で置き直して引き渡します。誕生日ケーキの予約にも同じ台帳を使えるので、1月からの通常営業での使い方もここで決めます。

  • 締切の翌朝の製造数表の確定と、卸への注文の確認
  • 受け渡しの3日間の運用(控えの番号での呼び出し・仕上げの追加)
  • 26日の記録の確認と、来年の受取枠の上限の置き直し
  • 誕生日ケーキの予約での使い方の確認と引き渡し

FAQ

よくある質問

  • Q1 クリスマス以外の、誕生日ケーキの予約にも使えますか。
    使えます。予約台帳と受付の画面は年間を通して同じで、変わるのは受取枠の上限と締切の設定だけです。誕生日ケーキは受取の3日前までといった品目ごとの締切を置けるので、電話で「あさってでも間に合いますか」に画面を見て答えられます。製造数表と記録の画面は、クリスマスのような山のある日にだけ開く形になります。
  • Q2 ネットで予約を受けられるサービスがあるのに、作る必要がありますか。
    ネットの予約受付と事前決済までなら、月額のサービスで足りる店が多いと思います。この開発プランで足しているのは、予約の外側にある店頭ぶんの製造数表と、24日の受け渡しボード、来年に残す記録の3つです。すでにネット予約を使っている店では、その予約を取り込んで、この3つだけを作る形を先にお勧めします。相談の場では、いま使っているサービスから予約の一覧が書き出せるかを最初に確かめます。
  • Q3 費用はどのくらいかかりますか。
    範囲を決めてから見積もります。金額が動くのは3か所です。1つめは予約の受け方で、電話と店頭だけならこの想定の範囲に収まり、ネット予約の取り込みを足すと増えます。2つめは製造数表まで作るか、予約台帳と受け渡しボードだけで始めるかです。3つめは複数の店舗や催事の受け渡し場所があるかどうかです。相談の場では、まず去年の予約票の束を見せていただきます。

まず、去年の予約票の束です。

24日の16時台に列ができて、何台の受け渡しが重なっていたかを数えたことがない。
店頭ぶんの台数を去年の記憶で決めていて、残った数を残していない。
去年の予約票の束を見せていただき、受取時刻の分布と書き間違いを数えるところから、ご相談ください。