01. 翌日の製造数と必要な餅米を決める
毎日の製造数を決める画面。品目ごとに、予約や納品の確定数、店頭ぶんの予測の幅、きのうの結果が並び、右端の製造数を確定します。製造数を確定すると、あすつく餅米の浸水量が升で出ます。少なめ・多めに作る方針の説明が日付ごとに付き、平日は少なめ、行事の日は多めが基本です。
SCENARIO ── WAGASHI DAILY BATCH CASE
和菓子店向けに、予約・納品予定と販売予測から生菓子の製造数を決めるシステムを作ります。店主が前日16時半に数量を確定し、販売担当者が残数と売り切れ時刻を記録する想定です。秋の彼岸での確認を含め、約3ヶ月で開発します。
OVERVIEW
この開発プランでは、前日の夕方に翌日の製造数を決め、当日中に売り切る和菓子店を想定しています。レジに残る販売数に加え、予約や行事の記録を確認し、「あす、いくつ作るか」を品目別に決められる画面を設計します。
朝生菓子の製造数を決めるときは、材料の保存期間と行事の日程を考える必要があります。あんは炊いてから数日もつので、まとめて炊けます。餅は当日限りなので、毎朝つきます。そして餅米は一晩水に浸けてから蒸すので、必要な米の量は前日の夕方に決めます。また、彼岸や節句などの行事には注文が集中します。彼岸のおはぎ、節句の柏餅、正月の餅。行事の時期はあらかじめ分かっていても、その日の販売数のデータは年に1、2回ぶんしか貯まりません。
この設計のゴールは2つです。米を研ぎ始める前の16時半までに翌日の品目別の製造数を決めること。そして年に数回の行事の日に、去年と一昨年の記録が数字で手元にあることです。
CHALLENGE
APPROACH
設計の要は、前日16時半の一度の決定です。品目別の製造数を製造指示書で確定すると、夕方に研ぐ米の量を計算します。締切を16時半に置くのは画面の都合ではなく、米を水に浸け始める時刻に合わせるためです。餅米は一晩浸けるので、米を浸け始めたあとの増量は難しくなります。決めるのは店主で、画面には品目ごとの予約数や販売予測を示し、16時半までの確定を促します。
予測の前に、確定している数量を反映します。法事やお祝いの予約、お寺と茶道教室への納品数、彼岸のおはぎの予約。受け付けた数量を指示書に緑で表示し、幅のある予測を当てるのは店頭に並べるぶんだけにします。行事の前は予約を早めに受け付け、必要な数を把握します。おはぎの予約受付を1週間前から店頭とチラシで案内し、締切を中日の2日前に置く。予約数は確定分として扱い、店頭販売の予測数と分けて足し合わせます。
行事の日はデータの少なさを別の材料で補います。ひとつは行事台帳です。同じ行事の過去の記録を中日の曜日・天気・製造数・売り切れ時刻・残数まで1枚に並べます。彼岸の販売数は、去年の9月の平均と比べても手がかりになりません。比べる相手は去年の彼岸そのものなので、暦の行事ごとに記録をまとめておきます。もうひとつは予約の積み上がりです。受付開始からの累計を去年の同じ経過日数の時点と重ねれば、当日の1週間前に予約の増え方を比較できます。店頭ぶんの予測は、この2つを根拠にします。
製造数を少なめにするか多めにするかは日によって変えます。この例では、普段の日は廃棄を抑えるために少なめに、行事の日は当日に必要な品を買えないお客様を減らすために多めにします。品目ごとに廃棄と売り切れの影響を比べ、店主と決めた方針を指示書に書いておきます。予測は幅で示し、店主はその場で数を書き換えられて、書き換えた事実と結果は台帳に残します。
効果は金額と割合で測ります。閉店時に品目別の残数を打てば、原価を掛けた廃棄額が毎日出ます。売り切れた日は、その時刻と以降のレジの客数、通常の同じ時間帯の販売実績をもとに、売り切れがなければ売れたと考えられる数を推計します。それから、行事の売上のうち予約で確定していた割合。この3つを月次レポートに並べ、予測の幅と製造数を決める方針を毎月直していきます。
CONSULTATION
レジの販売記録・予約の控え・品目ごとの原価を確認します。
前日に決める数量と行事ごとに残したい記録を整理し、必要な画面をご提案します。
SCREENS
想定する画面のサンプル。前日の夕方に確定する製造指示書を中心に、店舗のパソコンとレジ横のタブレットで使う前提の構成です。店名・品目・個数・金額はすべて想定例で、実在の店舗・実績ではありません。
毎日の製造数を決める画面。品目ごとに、予約や納品の確定数、店頭ぶんの予測の幅、きのうの結果が並び、右端の製造数を確定します。製造数を確定すると、あすつく餅米の浸水量が升で出ます。少なめ・多めに作る方針の説明が日付ごとに付き、平日は少なめ、行事の日は多めが基本です。
レジ横のタブレットで見る画面。品目ごとの残り数が並び、売り切れたらボタンひとつで時刻が残ります。閉店後には残数をまとめて打ち、その日の廃棄額が確定します。売り切れ後のレジの客数も自動で数え、買えなかった数の推計に使います。
予約と納品予定の一覧に、行事の予約数の推移を表示する画面です。受付開始からの累計を去年の同じ経過日数の時点と比べ、当日の1週間前に店頭ぶんの参考にします。受付の締切は中日の2日前。締切を過ぎた電話は、店頭ぶんの枠から引き当てます。
彼岸・節句・盆・正月ごとに、過去の記録を一覧にまとめた画面です。中日の曜日・天気・製造数・予約数・売り切れ時刻・残数が年ごとに並び、期間中の日別の売れ方も見られます。今年の計画はこの画面から立て、終わった行事の結果は自動でこの台帳に記録されます。
月に一度見る画面です。品目別の廃棄額、売り切れた日数と平均の時刻、売り切れ後に来た客からの推計、予約で確定していた割合が並びます。少なめに作る平日と多めに作る行事の日で、それぞれ廃棄や売り切れがどの程度起きたかを確かめ、翌月の製造数の決め方を見直します。
OUTCOME
仕組みが運用に乗ったあと、店の決め方が3つの点で変わる想定です。
行事は年に1、2回しか来ないので、十分な記録を集めるには時間がかかります。まずは今年の数を残し、翌年の製造数を決める際に参照します。
予約が増えても、店頭で売れる数が同じだけ減るとは限りません。予約数と店頭販売数を別々に記録し、翌年の計画に使います。
廃棄額と売り切れ後の販売機会の損失をあわせて確認します。損失は推計として扱い、翌日の製造数を見直す材料にします。
PROCESS
秋の彼岸で試す場合は、7月に確認を始めて9月末に納品する約3ヶ月を想定します。月ごとに操作できる画面を確認し、店で試して調整します。札幌市内では店舗訪問、道外ではオンラインで対応します。
1年分の品目別売上と、ノート・予約の控えに残る行事の記録を確認します。品目ごとの原価と餅・あん・粉の材料を一覧にし、前日の夕方に数量を変更できる品とできない品を分けます。16時半の確定時刻は、米の浸水など実際の作業を確認して店主と決めます。記録がない年の数量は推測で埋めません。
曜日と確定分から店頭ぶんを幅で出す予測を組み、製造指示書・当日の残数記録・予約受付・行事台帳・月次レポートの5画面を開発します。後半の2週間は、画面の提案と店主のいつもの決め方を並べて記録する並行運用にして、夕方の作業の中で16時半までに製造数を決められるかを確かめます。
秋の彼岸で予約受付の前倒しと行事台帳を実際に使います。中日の製造数を指示書で確定し、売り切れ時刻と残数を記録して、結果を台帳に1行追加します。彼岸明けに予測の幅と製造数を決める方針を調整し、月次レポートの初回を一緒に見てから納品します。
FAQ
RELATED
レジの販売記録・予約の控え・品目ごとの原価を確認します。
前日に決める数量と行事ごとに残したい記録を整理し、必要な画面をご提案します。