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決まった人だけに配るアプリ、ストアに公開しないと配れない?

検索で誰でも見つけられる形にしなくても配れます。iPhoneにはリンクを知っている人だけが入れられる「限定公開」があります。ただ審査や開発者の登録は残るので、配る相手と人数から方法を選びます。

この記事でわかること

  • iPhoneには、App Storeの検索や一覧に出さず、リンクを知っている人だけが入れられる「限定公開(Unlisted)」があります。審査は通常どおり受けます。
  • 配る先が特定の会社や団体なら、Apple Businessを通してその組織だけに見せる「カスタムApp」の配り方もあります。受け取る側にもApple Businessの準備が要ります。
  • TestFlightは公開前の試用のための仕組みです。外部の人は最大1万人まで招待できますが、1つの版は90日で使えなくなるので、ずっと使う配布には向きません。
  • Androidはストアを通さずにアプリのファイルを渡して入れてもらう方法があります。ただGoogleは、ストア外で配るアプリも含めて開発者の登録を求める仕組みを国ごとに広げています。
  • インストールの手間をかけたくない相手には、URLで配れるPWA(ホーム画面に追加できるWebアプリ)も選択肢です。

「ストアに出す」と「誰でも見つけられる」は別のこと

スタッフの日報アプリや教室の会員アプリを作りたいとき、「App Storeに並ぶと関係ない人まで入れてしまうのでは」と心配になる方がいます。iPhoneの場合、ストアを通して配ることと、ストアの検索で誰でも見つけられることは分けて選べます。

一方で、ストアの検索に出さない方法を選んでも、Apple Developer Programへの登録とAppleの審査はほとんどの場合に必要です。「限られた人に配るから審査も登録も要らない」とはならない点を、最初に押さえておきます。登録料や審査にかかる日数は札幌でアプリを作るといくらかかるのかで整理しています。

iPhoneで、決まった人だけに配る方法

Appleの開発者向け資料に書かれている配り方のうち、決まった相手に配るときに候補になるのは次の3つです。ふつうのApp Store公開とあわせて、Apple Developer Programの登録で使えます。

限定公開(Unlisted)

App Storeのカテゴリ・おすすめ・ランキング・検索結果のどこにも表示されず、専用のリンクからだけ開けるアプリにする方法です。Appleはパートタイムの従業員、フランチャイズ加盟店、取引先、大学の学生、イベントの参加者といった限られた相手への配布や、従業員の私物の端末に入れてもらう用途を例に挙げています。審査に提出してから申請する決まりで、試作段階のアプリは申請を断られます。

カスタムApp(Apple Business経由)

特定の会社や団体だけが見られるようにして配る方法です。作る側は配る先の組織ID(Organization ID)を指定し、その組織はApple Businessの管理画面からアプリを受け取ります。組織の中では、端末を一括で管理する仕組み(MDM)か、引き換えコードで配ります。受け取る組織がApple Businessを使っていることが前提になります。

TestFlight(テスト配布)

公開前の版を試してもらうための仕組みです。開発チームの中の人は最大100人、外部の人は最大1万人まで招待でき、メールのほか公開リンクでも誘えます。外部の人に配る最初の版はAppleの確認を受けます。1つの版を試せるのは90日までなので、試用期間には便利ですが、ずっと使ってもらう配布の代わりにはなりません。

社員向けの専用プログラムは、ほとんどの会社には当てはまらない

「社内アプリならApple Developer Enterprise Programがある」と聞くことがあります。これは自社で作った社内向けのアプリを、自社の従業員だけに配るためのプログラムです。Appleは対象を従業員100人以上の組織に限り、従業員だけがダウンロードできる仕組みを持っていることも求めています。

さらに、ふつうのApp Store公開、Apple Businessのカスタム、Ad Hoc配布(登録した端末に入れる方法)、TestFlightのどれでも足りない場合に限るとしていて、申し込むとその点を確認されます。取引先や会員に配るアプリ、従業員100人未満の会社のアプリは、上の3つの方法から選ぶことになります。

Androidは、ストアを通さずに配る方法がある

Androidでは、アプリのファイル(APK)をWebサイトに置いたりメールに添付したりして、直接入れてもらう方法があります。Googleの開発者向け資料は、この配り方を「Google Play以外での配布」として説明しています。受け取った人は、端末の設定で提供元不明のアプリのインストールを許可する操作が要ります。数人に配るなら手軽ですが、相手が多いと案内とサポートの手間が増えます。

もう一つ知っておきたいのが、Googleが進めている開発者の登録(デベロッパー認証)です。Googleは、認定を受けたAndroid端末で使われるアプリについて、作った開発者の身元を登録する仕組みを広げています。2026年9月30日にブラジル、インドネシア、シンガポール、タイで始まり、2027年に世界へ広げる予定と公表しています。日本での開始日は、確認した資料には書かれていません。

学生や先生、趣味でアプリを作る人向けには、最大20台の端末に配れる「限定配布アカウント」も用意されています。仕事で使うアプリをストアの外で配るなら、こうした登録を前提に計画しておくと、あとで慌てずに済みます。Google Playの中にも限られた人に配る機能がありますが、細かな条件は今回確認できた資料の範囲外のため、作る前に最新のヘルプで確かめます。

配る相手から選ぶ

次は当社が想定した組み合わせの例で、導入事例ではありません。人数や端末の種類、相手の組織の状況によって変わります。

アルバイトや会員など、所属がばらばらの人に配る

iPhoneは限定公開、Androidはストアでの公開を軸に考えます。リンクを知っていれば誰でも入れられるので、アプリの中でログインを用意し、知らない人が使えないようにします。Appleも、許可していない人の利用を防ぐ仕組みをアプリに入れるよう勧めています。

取引先の会社や加盟店に、その組織の端末で使ってもらう

相手がApple Businessで端末を管理しているなら、カスタムAppが候補です。相手の担当者に組織IDを教えてもらう必要があるので、早めに話を通しておきます。

正式に配る前に、何人かに試してもらう

iPhoneはTestFlightで、Androidはファイルを直接渡す方法などで試してもらいます。90日の期限があるので、試用の期間と、正式に配るときの方法を最初に決めておきます。

アプリを入れる手間そのものを減らしたい

日報や予約、出欠の連絡のように画面で入力するだけなら、URLで配れるPWAで足りる場合があります。PWAとは?で、通知が送れる条件や端末のデータが消えることがある点を説明しています。

相談の前に分かっているとよいこと

配り方は、作り始めてから変えると申請や設定のやり直しが出ます。次の3つを伝えてもらえると、配り方を先に決められます。何人に配るか、相手はiPhoneとAndroidのどちらが多いか、相手の端末は会社の支給品か本人の私物か、です。

正確でなくても大丈夫です。「スタッフ30人くらい、たぶん半分はiPhone、私物のスマホ」くらいの分かり方で、選べる方法はかなり絞れます。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

配る相手に合った配り方を、作る前に一緒に決めます。

何人に、どんな端末で、どれくらいの期間使ってもらうか。それが分かれば、限定公開にするか、組織向けに配るか、Webアプリにするかを一緒に考えられます。仕様書がなくても大丈夫です。必要な登録や準備の順番、概算の費用と期間もお伝えします。

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