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イベント当日だけ使うアプリで、何ができる?

年に一度のお祭りや、一日だけのワークショップにも、アプリはあってよいものです。参加者にインストールをお願いせず、会場のQRコードから開くWebアプリにすれば、受付、会場案内、スタンプラリーのような「その日だけ」の仕組みを作れます。

この記事でわかること

  • 当日だけ使うアプリの使い道は、受付、今どこで何をしているかの案内、スタンプラリーやクイズ、投票やアンケート、スタッフ同士の連絡などです。
  • 一日だけのために参加者にストアからアプリを入れてもらうのは、手間が大きくなります。QRコードを読むだけで開くWebアプリなら、その手間がありません。
  • iPhoneには、アプリの一部だけをすぐ開けるApp Clipという仕組みもあります。ただし本体のアプリをApp Storeに出していることが前提です。
  • iPhoneへの通知は、ホーム画面に追加したWebアプリにしか送れません。当日の連絡は、アプリの画面と会場の掲示・アナウンスを組み合わせるほうが確実です。
  • 名前や連絡先を入力してもらうなら、何に使うかを入力の前に示し、イベント後にいつ消すかも決めておきます。

当日だけ使うアプリの使い道

次は当社が考えたアイデアの例で、導入事例ではありません。全部をそろえる必要はなく、イベントで一番困っていることか、参加者に一番楽しんでほしいことを1つ選ぶところから考えます。

受付・チェックイン

申込のときに発行したQRコードを入口で読み取り、来場を記録します。名簿を紙でめくって探す時間がなくなり、今何人来ているかを本部で確認できます。

会場案内とタイムテーブル

会場の地図、出店やステージの一覧、今始まっている企画を1つの画面にまとめます。時間の変更や雨天時の会場変更も、画面を書き換えれば参加者が見ている案内がそのまま新しくなります。

スタンプラリー・クイズ

各ブースに置いたQRコードを読むとスタンプがたまる、答えを選ぶと次のヒントが出る、といった回遊の仕掛けです。紙の台紙を配って回収する手間も減ります。

投票・アンケート

コンテストの人気投票や、終わった直後の感想の回収に使えます。その場で集計できるので、閉会式で結果を発表するといった使い方もできます。

整理券と呼び出し

体験コーナーや人気の出店に並ぶ代わりに番号を受け取り、順番が近づいたら画面で確かめてもらいます。列に並び続けなくてよくなります。

スタッフ用の連絡と持ち場の確認

参加者向けとは別に、ボランティアや当日スタッフが自分の持ち場と交代時間を確認し、落とし物や迷子の連絡を本部と共有する画面も作れます。

一日だけなら、ストアに出さない形が合いやすい

アプリというと、App StoreやGoogle Playからインストールするものを思い浮かべるかもしれません。ただ、当日だけ使うためにストアで検索してもらい、インストールしてもらうのは、参加者にとって手間が大きい手順です。会場で電波が弱ければ、ダウンロードで待たせることにもなります。

QRコードを読むだけでブラウザで開くWebアプリなら、インストールは要りません。ストアの審査もないので、前日に内容を直すこともできます。ホーム画面に追加して使える形(PWA)については、PWAとは? ホーム画面から開けるWebアプリで説明しています。

ストアに出す場合の審査について、Appleは平均で申請の90%を24時間以内に審査していると案内しています。ただし内容が不十分だと時間がかかったり、通らなかったりすることもあるので、イベントの日付が決まっているなら、審査が一度で通らない場合も見込んで準備します。

iPhoneのApp Clip

Appleの資料によると、App Clipはアプリの一部の機能だけを、インストールせずにすぐ開ける仕組みです。ホーム画面には置かれず、しばらく使われないと端末から自動で消えます。当日だけの用途に近い性質ですが、同じ機能以上を持つ本体のアプリを用意し、あわせてApp Storeに出すことが前提になります。

Androidの場合

Google Playにも、インストールせずに試せるInstant Appsという仕組みがありましたが、Googleは2025年12月から公開できなくなり、動作もしなくなると案内しています。Androidで同じ体験を作るなら、Webアプリで考えます。

ストアアプリが合う場合

毎年同じ参加者が集まり、イベント以外の日もお知らせを届けたい場合です。同窓会の例は同窓会アプリを作る前にで書いています。

当日の連絡を、通知だけに頼らない

「雨で会場を変えます」「次の回は満席です」のような連絡は、スマホに通知で届けたくなるところです。Appleの開発者向け資料では、iPhoneでWebアプリに通知を送れるのは、iOS 16.4以降でホーム画面に追加したWebアプリです。会場でQRコードを読んだだけの参加者には届きません。

一日だけのイベントで、参加者全員にホーム画面への追加と通知の許可をお願いするのは現実的ではありません。アプリの画面の一番上に最新のお知らせを出し、会場の掲示とアナウンスでも同じことを伝える、という組み合わせにしておくと、どの参加者にも届きます。

作り始める前に決めておくこと

アイデアを1つ選んだら、次のことを主催者の中で話しておくと、相談するときも話が早く進みます。

誰が使うか

参加者全員か、申込をした人だけか、スタッフだけか。使う人によって、ログインの要否や画面の作りが変わります。

スマホを使わない人への代わり

スマホを持っていない人や、電池が切れた人もいます。受付なら名簿での確認、スタンプラリーなら紙の台紙というように、同じことができる別の方法を残しておきます。

会場でつながるか

屋外や地下の会場では、スマホの電波が弱いことがあります。下見のときに実際にQRコードを読んで、画面が開くかを試しておきます。

集める情報と、消す日

個人情報保護法は、入力フォームのように本人から直接書面(電子的な記録を含みます)で個人情報を受け取るときは、先に利用目的を示すよう定めています(第21条第2項)。使う必要がなくなった個人データは遅滞なく消すよう努めることも定めています(第22条)。受付に名前が要らないなら番号だけにする、アンケートは匿名にする、といった集めない工夫も選べます。

いつ閉じるか

イベント後もページを開けるままにするか、結果発表や写真の案内を載せて一定期間で閉じるかを決めます。閉じたあとにQRコードを読んだ人に何を見せるかも決めておきます。

小さく始めるなら

最初の一回は、タイムテーブルとお知らせの画面だけでも十分に役立ちます。紙のチラシと同じ内容でも、変更をすぐ反映できる点が違います。使ってもらえたら、翌年に受付やスタンプラリーを足す、という育て方ができます。

出店者の申込や区画の割り当てまで事務局の作業をまとめたい場合は、マルシェの出店申込・区画・当日受付管理の開発プランが参考になります。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

イベントで試してみたいアイデアを、形にするところから。

どんなイベントで、誰に、どの場面で使ってもらいたいか。それが分かれば、Webアプリで足りるか、どの機能から作るかを一緒に考えられます。仕様書や画面の案がなくても大丈夫です。イベントの日付から逆算して、間に合う範囲と概算の費用・期間もお伝えします。

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