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飲食の需要予測・AI

宴会の人数変更は何日前まで受けるか。品ごとの仕込みから締切を決める手順

宴会の人数変更の締切は、店が決めます。決め方は、コースの品ごとに「もう戻せなくなる時点」を書き出して、いちばん早い品に合わせることです。予約ページの「3日前まで」の一本線は、その表から引き直します。座敷や個室で宴会を受ける飲食店の経営者向けに書きました。

この記事でわかること

  • 締切は一本の線から、品ごとの表に変わります。お造りは市場へ発注する2日前、下味は前日の夕方、〆の麺は茹でる直前。戻せなくなる時点が品ごとに違うからです。
  • 減った人数ぶんをいただけるかは消費者契約法第9条が決めています。同種の契約で店に生じる平均的な損害を超える部分は無効で、説明を求められたら算定根拠の概要を説明するよう努める義務があります。品ごとの表が、その根拠になります。
  • 農林水産省の平成27年度の調査では、宴会の食べ残しは提供量の14.2%(飲料を除くと18.9%)でした。食堂・レストランの3.6%の4倍近くです。減った人数ぶんを全部損と見る前に、もとから残る量を見ます。
  • 予約人数と当日人数の差を宴会ごとに記録すると、団体の種類ごとの減り方が見えてきます。宴会の外側で入る客数は、過去の日付と数量の並びから見込めます。仕込みは確定分と見込み分を分けて置きます。

「3日前まで」の一本線は、品ごとの表に変わる

予約ページに「人数変更は3日前まで」と書いている店は多いはずです。ただ、その3日という日数が自店の工程から出てきたものかを聞くと、予約サービスの初期設定や近くの店の真似だったという答えが返ってきます。締切を実際に決めているのは、規約の文言より、厨房と発注の段取りのほうです。

決め方は1つです。コースの品を1つずつたどり、「この時刻を過ぎると、人数を減らしても材料や手間が戻らない」という時点を書き出します。たとえば、お造りの鮮魚は市場へ発注する2日前の昼、揚げ物の下味は漬け込みを始める前日の夕方、鍋の出汁は当日の朝、先付と〆の麺は盛り付けや茹でる直前まで人数を直せる、という具合です。品名も時刻も店ごとに違うので、この表は店でしか作れません。

表ができると、締切は2つに分かれます。1つは、いちばん早い品の時点で、予約ページに書く日数はここから決めます。もう1つは、それより後に連絡が来たときに「何がもう戻らないか」を即答するための、品ごとの線です。締切を過ぎた連絡を断る必要はありません。受けたうえで、戻る品は人数を直し、戻らない品は仕込み済みとして扱えます。

表に書く4列

品名、戻せなくなる時点(発注か仕込みの開始時刻)、その理由、1人ぶんの原価。原価の列があると、減った人数ぶんの金額がその場で出ます。

予約ページの日数

いちばん早い品の時点に合わせます。表の例なら「2日前の昼まで」です。品を差し替えれば日数も動きます。

締切のあとの連絡

断らずに受け、表を見て「もう引いてある品」と「直せる品」に分けて答えます。幹事さんへの説明が、その場でできます。

DEMO

人数変更の連絡が来た時点で、いくら分がもう戻らないか

予約人数、変更後の人数、連絡が来た時点を動かすと、品ごとに「もう引いてある」「まだ戻せる」が分かれ、戻らない原価の合計が出ます。予約ページに書いている割合で計算した額と並べて、差を見られます。

人数変更の締切表|品ごとの締切と戻らない原価を試す

架空の居酒屋のコース6品に、戻せなくなる時点と1人ぶんの原価を置いた画面です。品ごとの時点と原価は表の中で書き換えられます。幹事さんにその場で伝える一文も、条件に合わせて変わります。

触って動かせます
計算の中身
減った人数に、連絡の時点で締切を過ぎていた品の1人ぶんの原価を掛けて足しています。割合の額はコース料金×割合×減った人数です。
使っている前提
品名・時刻・原価・コース料金はすべて入力例です。原価には人件費と席の分を入れていないので、損害のうち幹事さんに説明できる部分だけを出しています。
確かめてほしいところ
連絡の時点を「2日前の昼」から「前日の夕方」に動かしてみてください。お造りと下味が戻らない側に移り、戻らない原価が一気に増えます。締切表の日数はこの段差で決まります。

※ 表の品目と時刻は、座敷のある居酒屋を想定した架空の例です。自店の工程に合わせて、品名・時点・原価を入れ替えてください。

減った人数ぶんをいただけるか。決めているのは消費者契約法第9条

前日に3人減ったとき、その3人ぶんのコース料金をいただけるかどうか。この線を引いているのは消費者契約法第9条です。第1号は、契約の解除にともなう損害賠償の予定や違約金を定めた条項のうち、同種の契約の解除で事業者に生じる平均的な損害の額を超える部分を無効としています。規定しているのは上限で、平均的な損害の範囲なら、あらかじめ定めておけます。

同じ条の第2項は、事業者が違約金を請求するとき、消費者から説明を求められたら算定根拠の概要を説明するよう努めなければならない、と定めています。「コース料金の50%」という割合だけでは、なぜ50%なのかを説明できません。品ごとの表があれば、「お造りと下味は3人ぶん仕込み済みで、原価にしていくら」と、根拠を数字で示せます。

無断キャンセルについては、2018年11月1日に経済産業省が「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」の公表を発表しています。作成したのは平成29年度の経済産業省委託調査事業として設けられた有識者勉強会で、弁護士、消費者契約法の研究者、日本フードサービス協会と全国飲食業生活衛生同業組合連合会、消費者団体、予約ツールの事業者が委員に入り、経済産業省・農林水産省・消費者庁がオブザーバーで参加しました。発表資料は、国内のNo show被害額を推計で年間2,000億円とし、No show発生時に飲食店はキャンセル料を請求できること、損害は予約の手法に応じて分けて整理することを報告しています。人数が減る変更は無断キャンセルとは別の話ですが、「請求できる。ただし根拠は損害から出す」という筋は同じです。

減った3人ぶんは、全部が損なのか。宴会はもとから2割近くが残っている

農林水産省の食品ロス統計調査(外食調査)は、調査員が飲食店に出向いて食べ残しを実際に量った調査です。最後の調査になった平成27年度の結果では、宴会の食べ残しは提供量の14.2%、飲料を除くと18.9%でした。食堂・レストランは3.6%(飲料を除いて3.5%)、結婚披露宴は12.2%(同13.4%)です。宴会は、皿に盛った料理の2割近くが残る業態だという数字です。

品ごとに見ると差があります。宴会で残る割合がいちばん高いのは麺が主体の料理で37.1%、次が魚介が主体の料理の21.9%です。〆の麺は人数どおり出しても4割近くが残り、お造りや焼き魚も2割が残ります。減った3人ぶんの〆を減らしても、足りなくなる心配はまずありません。逆にお造りは、仕込み済みなら人数どおり出しても残る側の品です。

この数字は10都市の470食を対象にした2015年の調査で、自店の数字ではありません。使い方は2つです。1つは、減った人数ぶんを「全部が損」と考えずに、もとから残る量を差し引いて金額を見ること。もう1つは、当日に人数を直せる品(〆、先付、小鉢)を最初から多めに持ち、早く決めなければならない品を少なくしておくことです。持ち帰りについては、消費者庁が2024年12月25日に「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」を公表しています。仕込み済みの品を人数どおり出して持ち帰りを案内する、という選択肢も店にはあります。

予約人数と当日人数の差を記録すると、次の仕込み人数が決められる

締切の表は、いま入っている予約の人数を守るための道具です。もう1つ、先の宴会の仕込みを決める材料があります。宴会ごとに、受付日、予約人数、変更の日時と人数、当日の人数、団体の種類(歓送迎会、忘年会、町内会、法事など)を1行で残した記録です。

3ヶ月ほどたまると、団体の種類ごとの動き方が見えてきます。たとえば、歓送迎会は前日に増える、町内会は当日に2〜3人落ちる、忘年会は幹事さんが多めに押さえて前日に減らす。こうした傾向が自店の記録に表れれば、仕込み人数を「予約人数そのまま」から、「予約人数に過去の当日率をかけた数」に置き換えられます。早く決めなければならない品だけを予約人数の9割で仕込み、当日に直せる品は予約人数のまま持つ、といった使い分けです。

宴会の外側の席はどうか。座敷が25人で埋まる金曜でも、カウンターとテーブルにはフリーで入るお客さんがいます。そちらは予約の記録には残らず、レジの日別の客数と出数の並びに残ります。曜日と季節の波は、過去の日付と数量の並びから先を見込む計算で拾えます。当社が開発中の需要予測AI「EvoQuest Iramepakari」は、日付と数量の2列のCSVを入れて列を選ぶと、28日先までの予測を幅つきで出す作りで、3ヶ月分ほどの記録から試せます。宴会の確定分を先に引き、見込みは残りの席にだけ使う。この分け方は生ビールの樽の本数を決める記事と同じです。

記録の6列

受付日、予約人数、変更の日時と人数、当日人数、団体の種類、飲み込んだ金額。1宴会1行で、Excelで足ります。

確定分

締切を過ぎた宴会の人数。仕込みは迷わずこの数で決めます。

見込み分

締切前の宴会の減り方と、フリーで入る席。過去の記録から幅で持ち、多め・少なめは店主が決めます。

Excelの表2枚で始められる。仕組みにする費用は3つを決めれば出る

最初に要るのは、品ごとの締切表と、宴会の記録の2枚です。どちらもExcelで足ります。締切表は一度作れば、コースの品を替えるときだけ直します。記録は宴会が終わるごとに1行足すだけです。この2枚で、幹事さんからの電話に即答でき、3ヶ月後には自店の減り方が見えてきます。

Excelがつらくなるのは、変更の連絡が電話・LINE・ネット予約の3つに分かれて届き、予約ノートを直しても厨房のホワイトボードと発注控えが元の人数のまま残るときです。受けた瞬間に厨房と発注の人数が揃い、品ごとの締切と戻らない金額が同じ画面に出る形は、仕組みにしたほうが向いています。

費用は3つを決めると見積もれます。予約の受付経路(電話・LINE・ネット予約サービス)をどこまで取り込むか、コースと品目の数、厨房の仕込み表や発注控えへの反映まで作るかどうか。当社の宴会人数の変更管理の開発プランでは、工程の聞き取りから納品まで約3ヶ月を目安にしています。宴会の外側の席の見込みは、レジのCSVを1本お預かりして予測に使えるかを確かめる無料相談から始められます。

試す

締切表と記録の2枚をExcelで作る。費用はかかりません。3ヶ月分の記録を持って相談に来ていただくのがいちばん早いです。

作る

予約台帳に品ごとの締切と原価を持たせ、人数を直すと厨房と発注控えに反映する画面まで。金額は受付経路と品目数で決まります。

見込む

レジの日別客数から、宴会の外側の席を幅つきで見込む。CSVのデータ確認は無料です。

まとめ

人数変更の締切は、品ごとに「戻せなくなる時点」を書き出した表で決まります。予約ページの日数は、いちばん早い品に合わせます。

減った人数ぶんをいただくなら、消費者契約法第9条の「平均的な損害」の範囲で、説明を求められたら根拠を示せる形にしておきます。根拠になるのは割合ではなく、品ごとの原価です。

次にやることは1つです。いま出しているコースの品を1つずつたどり、発注と仕込みの開始時刻を書き出すこと。コースが1つなら、その日のうちに終わります。予約ページの日数は、その表から決まります。

よくある質問

お客さんから「人数変更はいつまでですか」と聞かれたら、何と答えればいいですか?

表のいちばん早い品の時点を伝えます。「2日前の昼までなら、すべて人数どおりに直せます。それ以降でも連絡をいただければ、直せる品は直します」のように、締切と、締切後も連絡してほしいことを一緒に伝えます。連絡なしに当日減るより、店にとって扱いやすい形になります。

居酒屋の人数変更の締切は、何日前が相場ですか?

相場の日数はここには書きません。締切は仕込みと発注の工程で決まり、鮮魚を市場に発注する店と、当日に仕入れる店では時点が違うからです。他店の日数を真似るより、自店の品ごとの表から出した日数のほうが、幹事さんに説明できます。

人数が増える変更は、いつまで受けられますか?

減る変更より遅くまで受けやすいです。仕込み済みの品を人数ぶん足せるかは、材料の在庫と席の数で決まります。増える側についても、表に「追加で用意できる時点」の列を足しておくと、電話口で即答できます。

減った人数ぶんのキャンセル料を請求すると、お客さんが離れませんか?

請求するかどうかは店が決めることで、この記事はその判断まで踏み込みません。表があると変わるのは、いただくか飲み込むかを金額を見て決められることと、飲み込んだ金額が記録に残ることです。飲み込んだ額が月にいくらになるかが見えると、締切の引き直しや、コースの品の入れ替えを数字で判断できます。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市手稲区の会社です。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

宴会の人数管理から、残った席の見込みまで。

予約ページの「3日前まで」を、自店の工程に合わせて引き直したい。前日に減った人数ぶんをいただくかどうかを、その場の空気で決めている。予約ノートと厨房のホワイトボードの人数がいつも食い違う。そんな状態で相談していただいて大丈夫です。コースの品書きと、あれば宴会の記録を見ながら、締切表の作り方から一緒に整理します。

締切表の作り方から相談する (新しいタブで開きます)

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