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AIの基礎・活用

生成AIのAPIとは?

APIは、自社のホームページやアプリ、業務の仕組みから生成AIを呼び出すための窓口です。人が画面で使うチャットの月額プランとは別の契約で、料金は使った量(トークン数)で決まるのが一般的です。違いを知っておくと、開発の見積もりや毎月の費用の話が分かりやすくなります。

この記事でわかること

  • チャットの月額プランは、人がブラウザやスマホのアプリでAIと会話するための契約です。APIは、プログラムからAIを呼び出すための契約で、多くの場合は別に申し込み、別に請求されます。
  • APIの料金は「トークン」という文章の単位で数え、AIに渡した分(入力)と返ってきた分(出力)で単価が分かれています。同じ文章でも、モデルによってトークンの数え方が変わります。
  • モデルごとの単価の差は大きく、2026年10月9日に確認したAnthropicの料金表では、最新の主なモデルの間で入力の単価に100倍の開きがありました。用途に合う小さめのモデルで足りるかを試すと、毎月の費用を抑えられます。
  • 開発を頼む前に、APIをどの名義で契約するか、月の上限をいくらにするか、AIに渡す情報に個人情報が含まれるかを決めておくと、見積もりと運用の話が進めやすくなります。

APIは、プログラムからAIを呼び出す窓口

ChatGPTやClaudeのような生成AIは、多くの人がブラウザやスマホのアプリで使っています。質問を入力し、返ってきた文章を読む使い方です。

一方、自社のホームページに問い合わせの下書きを作る機能を付けたい、予約の仕組みに届いた要望を自動で分類させたい、という場合は、人が画面に入力するのではなく、プログラムがAIに文章を渡して答えを受け取ります。このときに使う窓口がAPI(エーピーアイ)です。

APIを使うには、AIの提供元で開発者向けの契約を作り、「APIキー」と呼ばれる合い言葉のような文字列を発行します。プログラムはこのキーを付けてAIを呼び出し、使った分が契約した名義に請求されます。

チャットの月額プランとAPIは、別の契約になることが多い

チャットで有料プランを使っていると、そのまま自社の仕組みにも使えると思われがちです。実際には別の契約になっていることが多くあります。

たとえばClaudeの提供元であるAnthropicのヘルプ(有料プランとAPIの請求について)は、チャットの有料プランと開発者向けのConsoleは目的の違う別の製品で、APIは別に請求されると説明しています。同じページには、MaxプランとTeamプランにはAPIの月ごとのクレジットが含まれるとも書かれています。プランによって扱いが違うため、使っているサービスの最新の説明を確かめてください。

チャットの月額プラン

人が画面で会話するための契約です。料金は月額の定額で、使える量にはプランごとの上限があります。自社のホームページや業務の仕組みから呼び出す使い方は、基本的に想定されていません。

API

プログラムから呼び出すための契約です。料金は使った量に応じて決まり、使う量が少ない月は少なく、利用者が増えればその分だけ増えます。

料金は「トークン」で数える

APIの料金表は、文字数ではなく「トークン」という単位で書かれています。トークンは、AIが文章を細かく区切って扱うときの単位です。料金は「100万トークンあたり何ドル」のように示され、AIに渡した文章(入力)と、AIが返した文章(出力)で単価が分かれています。

Anthropicの料金表を2026年10月9日に確認したところ、主なモデルでは出力の単価が入力の5倍でした。長い資料を読ませて短い答えを返させる使い方と、短い指示で長い文章を書かせる使い方では、同じ回数でも費用が変わります。

同じページには、新しい世代のモデルは以前のモデルに比べて、同じ文章でもトークンの数がおよそ3割多くなるという注記もあります。文字数から費用を正確に換算することはできないため、実際の文章で試して、1回あたりのトークン数を確かめるのが確実です。

どのモデルを使うかで、単価は大きく変わる

同じ会社のAPIでも、複数のモデル(AIの種類)が用意されています。同じ料金表で最新の主なモデル4つを比べると、最も安いモデルと最も高いモデルの入力の単価に100倍の差がありました。料金表の説明でも、安いモデルは分類や抜き出しのように量の多い処理向け、高いモデルは複雑な判断を伴う長い作業向けとされています。

問い合わせを「予約」「質問」「苦情」に分ける、届いた文章から日付と人数を抜き出す、といった決まった作業なら、小さめのモデルで足りることがあります。まず実際のデータで複数のモデルを試し、結果が業務に使える水準かを人が確かめてから選ぶことを当社はすすめています。

開発費・保守費を含めたAI開発全体の費用の考え方は、AI開発の費用はどう決まるかで説明しています。

開発を頼む前に決めておきたいこと

次の4つは、当社が開発を受けるときに最初に確認している項目です。決まっていなくても相談はできますが、話し合っておくと見積もりと運用の話が進めやすくなります。

APIの契約を誰の名義にするか

開発会社の名義で契約すると、請求の確認や、開発会社を変えるときの引き継ぎが難しくなります。会社の名義で契約し、開発会社には必要な範囲で使ってもらう形にしておくと、費用と管理の責任がはっきりします。

月の上限をいくらにするか

Anthropicの利用制限の説明では、管理画面で月の利用額の上限を自分で設定でき、上限に達するとそれ以上は使えなくなります。お客さん向けに公開する仕組みでは、想定外の利用で費用が増えないよう、最初に上限を決めておきます。

APIキーを誰が管理するか

APIキーを知っている人は、その契約でAIを呼び出せます。ホームページの見える場所やメールに書かない、担当者が替わったら作り直す、といった扱いをパスワードと同じように決めておきます。

AIに渡す情報に、個人情報が含まれるか

開発者向けの契約は、チャットとは別の規約で入力内容の扱いが決められていることがあります。Anthropicの商用利用規約には、APIなどのサービスで受け取った顧客の内容をモデルの学習に使わない旨が書かれています。それでも、お客さんの氏名や連絡先を渡すかどうかは、利用目的と社内のルールに照らして決めます。社内で生成AIを使うときのルールは社員が生成AIを使い始めたら、何を決めておく?にまとめています。

まずはチャットで試し、仕組みにするかを決める

自社の仕組みにAIを組み込む前に、チャットの画面で同じ作業を試すと、AIに向く作業かどうかを早く確かめられます。たとえば過去の問い合わせを10件ほど貼り付けて分類させ、人の分け方と比べます。個人情報は消してから試してください。

チャットで毎日同じ指示を繰り返している、件数が多くて貼り付けが追いつかない、ほかの仕組みと自動でつなぎたい、という段階になったら、APIで仕組みにすることを考える時期です。社内の資料をもとに答えさせたい場合は、社内の資料をもとに答えるAIとは?も参考にしてください。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

自社の仕組みに生成AIを組み込めるか、整理するところから。

どの作業をAIに任せられそうか、APIで仕組みにする必要があるのか、チャットのままで足りるのかを一緒に整理します。最初の相談でデータやAPIキーを用意していただく必要はありません。いまチャットでどんな使い方をしているかを伺います。

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