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AIの基礎・活用

機械学習と生成AIは何が違う?

生成AIは、機械学習の手法の一つである深層学習を土台に生まれた、文章や画像を作るAIの総称です。二者択一の関係にはありません。仕事で使い分けるなら、新しく文章などを作りたいのか、自社の過去の記録から数量や分類を出したいのかで考えると分かりやすくなります。

この記事でわかること

  • 機械学習は、データから規則性を学ばせる技術の総称です。生成AIは、その手法の一つである深層学習を土台にした、テキスト・画像・音声などを作るAIの総称です(総務省 情報通信白書 令和6年版)。
  • 仕事で比べると、生成AIは文章や画像を新しく作り、予測・分類のAIは「明日は何食」「これは見積もり依頼」のように数量やラベルを返します。
  • 生成AIは普段の言葉で指示するだけで使い始められます。自社の売上や来客に合った予測は、自社の過去の記録を使って作ります。
  • 生成AIは事実と違う内容をもっともらしく書くことがあり、予測は数字が外れることがあります。どちらも、最後に確かめる人を決めて使います。
  • 予測した数量を生成AIで連絡文にまとめるなど、両方を組み合わせる使い方もあります。

生成AIは、機械学習の中から生まれた

機械学習は、コンピュータにデータを与えて、その中の規則性を学ばせる技術の総称です。人がルールを一つずつ書く代わりに、過去の例から傾向を見つけさせます。

総務省の情報通信白書(令和6年版)は、2000年代以降のAIの広がりを「機械学習の時代」と呼び、機械学習の手法の1つとしてディープラーニング(深層学習)を挙げています。そのうえで、ディープラーニングを基盤とする技術によってAIの性能が向上し、さまざまなコンテンツを生成できるAIが誕生したと説明しています。同じ白書は「生成AI」を、テキスト、画像、音声などを自律的に生成できるAI技術の総称としています。

生成AIと機械学習は、並べて比べる別々の技術というより、大きな枠とその中の一部分の関係です。それでも「どちらを使うか」という疑問が出るのは、ChatGPTのように文章を作るAIと、売上や来客数を予測する仕組みが、仕事の中でまったく違う使われ方をしているからです。この記事では、この2つを仕事の場面で比べます。

仕事で比べると、違うのは「出てくるもの」と「使うデータ」

ここからは、文章や画像を作るサービスを「生成AI」、自社の記録から数量や分類を出す仕組みを「予測・分類のAI」と呼んで比べます。

出てくるもの

生成AIは、指示に応じて文章、画像、要約などを新しく作ります。予測・分類のAIは、「明日のランチは何食」「この問い合わせは見積もり依頼」のように、数量やラベルを返します。

使い始め方

白書は、生成AIを、利用者側の調整やスキルがなくても普段の言葉で指示するだけで使えるものと説明しています。提供されているサービスに登録すれば、その日から試せます。予測・分類のAIは、自社の売上や来客の記録で学習させるのが基本で、記録が何か月分あるか、欠けている日がないかを先に確かめます。

自社の事情の入れ方

生成AIは一般的な大量のデータで学習を済ませてあるため、店や会社の事情は、指示の文章の中で伝えます。予測・分類のAIは、自社の記録そのものから曜日や季節の傾向を学ぶので、同じ仕組みでも店ごとに結果が変わります。

間違い方

白書は、生成AIが事実に基づかない誤った情報をもっともらしく生成することがあり(ハルシネーション)、完全には抑えられないため、出力が正しいかを利用者が確認することが望ましいとしています。予測・分類のAIは、数字が外れる、分類を誤るという形で間違います。どちらも、使う前に誰が確かめるかを決めておきます。

場面ごとに、どちらが向いているか

次は当社が想定した使い方の例で、導入事例ではありません。

生成AIが向いている作業

お知らせ文や求人票の下書き、長いメールや会議メモの要約、問い合わせへの返信案。文章を一から書く時間を減らしたい作業です。

予測・分類のAIが向いている作業

翌日の仕込み量や発注量の見込み、曜日ごとの来客数、問い合わせの種類分け。同じ判断を何度も繰り返してきて、その記録が残っている作業です。

両方を組み合わせる作業

予測した翌週の食数を、生成AIで取引先への連絡文にまとめる。問い合わせを種類分けしたうえで、種類ごとの返信案を生成AIに作らせる。数字や分類を出す部分と、言葉にする部分で役割を分けます。

同じ作業を、どちらでもできることがある

問い合わせの種類分けは、生成AIに「次の文面を、見積もり依頼・予約・その他に分けて」と指示して行うこともできます。件数が少なく、分け方をあとから変えたいなら、この方法で十分な場合があります。

件数が多く、毎回同じ基準で分けたい、分けた理由を過去の例で確かめたい、という場合は、過去の分類結果から学習させる方法も選べます。どちらが合うかは、件数、分け方がどれだけ決まっているか、間違えたときの影響で変わります。

数量の予測は、生成AIに質問して数字を答えさせるより、自社の売上や来客の記録から計算する仕組みのほうが、根拠をたどりやすくなります。予測に必要な記録の期間は需要予測に必要なデータ期間で解説しています。

生成AIに入れる前に確かめること

白書が紹介する「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」は、生成AIで目立つようになったリスクの一つに、個人情報や機密情報がプロンプト(指示の文章)として入力され、AIの出力などを通じて流出するおそれを挙げています。

お客さんの名前や連絡先、取引先との契約内容を貼り付ける前に、使うサービスが入力内容をどう扱うか、学習に使わない設定があるかを確かめてください。個人情報保護委員会の注意喚起については、賃貸仲介の反響対応にAIはどこまで使えるかで取り上げています。

どちらから試すか

生成AIは、お知らせ文の下書きのように、外に出す前に人が読んで直せる作業から試すのが始めやすい方法です。個人情報を含まない文面で、使い心地を確かめられます。

予測・分類のAIは、手元にある記録の確認から始めます。POSやExcelに何か月分の記録があるか、休業日や特売日が分かるかを見れば、試せるかどうかの見当がつきます。作る場合の費用の分け方はAI開発の費用はどう決まるかにまとめています。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

自社の仕事で、どちらのAIが使えるかを一緒に整理します。

生成AIを試してみたが仕事にどう使えばいいか分からない、手元の記録で予測ができるのか知りたい。そんな段階でも相談できます。決まった仕様やデータの提出は要りません。いまの仕事の流れを聞きながら、生成AIで足りる作業、自社の記録を使うと良さそうな作業、人が判断を続ける作業を分けて考えます。

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