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障害福祉のサービス提供実績記録票は、いつ誰が書くのか

実績記録票は、ヘルパーが訪問のたびに日付・時間・内容を記録し、利用者の確認を受ける帳票です。確認欄は押印でなくてもよく、紙でもExcelでもアプリでも作れます。まず見直すのは、月末にまとめて書く運用です。居宅介護などの訪問系事業所に向けて整理しました。

この記事でわかること

  • 省令は、サービスを提供した都度に記録し、そのたびに利用者から確認を受けることを求めています(障害福祉サービスの指定基準 第19条)。重度訪問介護・同行援護・行動援護も同じです。
  • 提供に関する記録は、提供した日から5年間保存します(同 第42条)。介護保険の訪問介護(完結の日から2年)とは起点も年数も違います。
  • いまの様式の確認欄は「利用者確認欄」で、以前の「利用者確認印」と「サービス提供者印」はありません。レ点・〇印・署名でもよいとする自治体の案内があります。
  • 手間が出るのは、月末の回収と、紙から請求ソフトへの打ち直しです。紙のままでも、回収の頻度と確認の取り方を変えるだけで減る部分があります。
  • 仕組みにするかは、ヘルパーの人数ではなく、打ち直す行数・契約支給量の確認・差し戻しの件数で決めます。

実績記録票は、誰が、いつ、何を書くのか

書くのは訪問したヘルパーで、書くタイミングは訪問のたびです。障害者総合支援法に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準の第19条第1項は、居宅介護を提供した際に、提供日、内容その他必要な事項を「提供の都度」記録するよう定めています。第2項では、その記録について利用者から確認を受けることを求めています。

同じ基準の第43条で、この2つの規定は重度訪問介護・同行援護・行動援護にも準用されます。訪問系の4つのサービスは、同じ考え方で記録を残します。

堺市は様式の案内で、この第19条を引いて「後日一括して行うのではなく、サービスの提供の都度記録を」と明記しています(堺市の案内)。月末に事務所でまとめて埋める書き方は、ここに当たります。

月の頭に入れる欄

受給者証番号、支給決定障害者等の氏名、事業所番号と事業所名、契約支給量。受給者証の内容が変わった月は、ここから確かめます。

訪問のたびに入れる欄

日付と曜日、サービス内容、計画の開始・終了時間と計画時間数、実際の開始・終了時間、算定時間数、派遣人数、加算の有無、利用者確認欄、備考。計画と実際の時間を並べて書くのが、この様式の特徴です。

月末に集計する欄

計画時間数と算定時間数の合計を、居宅における身体介護、通院介護(身体介護を伴う・伴わない)、家事援助、通院等乗降介助に分けて出します。請求の数字はここから取ります。

利用者確認欄は、押印でなければいけないのか

押印でなくても構いません。東京都が書式ライブラリーで配布している様式を比べると、平成30年4月施行版の居宅介護の記録票には「サービス提供者印」と「利用者確認印」の2つの欄がありました。令和3年3月31日施行版では、提供者印の欄がなくなり、利用者の欄は「利用者確認欄」に変わっています(東京都障害者サービス情報 書式ライブラリー)。

堺市の案内は、この改正を厚生労働省からの通知として紹介し、確認欄は利用者か保護者が確認した際に何らかの記載をするもので、記載の方法は任意としています。例として挙がっているのは、レ点、〇印、押印、署名です。

障害児のサービス(放課後等デイサービスなど)の様式では、同じ欄が「保護者等確認欄」になっています。確認をもらう相手が保護者になる点だけが違います。

記録そのものは電子で作って保存できます。同じ基準の第224条第1項は、書面で行うことになっている作成・保存を、電磁的記録で行えると定めています。ただし、タブレットの画面に入れてもらった確認を、請求や実地指導の場面でどう扱うかは、指定を受けた自治体に先に確認してください。

何年残すのか。介護保険の記録と何が違うのか

障害福祉の訪問系サービスでは、提供に関する記録を、提供した日から5年間保存します(同基準 第42条第2項)。

介護保険の訪問介護は、省令上は「その完結の日から二年間」です(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第39条第2項)。介護保険の省令は記録と保存を求めていますが、第19条に利用者の確認を受ける規定はありません。両方の事業を持つ事業所は、同じ感覚で1冊にまとめると、確認欄と保存年限がずれます。

介護保険の側の記録の中身と、自治体の条例で年数が変わる例は、訪問介護のサービス提供記録の記事にまとめています。障害福祉の側も、実際に守る年数は指定を受けた自治体の条例と案内で確かめてください。

手間と漏れは、どの工程で出ているのか

記入そのものは1行ずつなので、手間の多くは後ろの工程で出ます。月末に各ヘルパーから紙を集め、事務所で空欄と時間を確かめ、請求ソフトにもう一度打ち込む。同じ内容を2回書いているのと同じです。

漏れが出やすいのは3か所です。確認欄が空いたまま月末を迎えた行、計画の時間と実際の時間が違うのに備考に理由がない行、契約支給量を超えそうなのに月の途中で気づけなかった利用者。どれも、月末に初めて紙を見る運用だと、直すための時間が数日しか残りません。

切り替えを考える前に、1か月だけ次の4つを数えてください。仕組みにするかどうかは、この数で判断します。

打ち直す行数

紙の記録票から請求ソフトへ打ち直している行が、1か月で何行あるか。紙で運用していれば、1か月の訪問件数とほぼ同じ数になります。

確認欄が空いていた行

月末に回収した時点で、確認欄が空いていた行の数。空欄を埋めに再訪している件数も数えます。

計画と実際の時間がずれた行

開始・終了時間が計画と違った行のうち、備考に理由がなかった行の数。事務所からヘルパーに理由を聞き直した回数も一緒に数えます。

契約支給量の確認

利用者ごとの契約支給量に対して、月の途中で残りを確かめているか。確かめていなければ、超えそうだと分かるのは月末です。

紙・Excel・請求ソフト・専用アプリのどれで整えるか

最初から作り替える必要はありません。紙のままでも、回収を月末1回から週1回にし、確認は訪問の最後にその場でもらう、と決めるだけで、月末に詰まる量が減ります。

Excelで扱うときは、自治体が配布している様式をそのまま使い、記入の順番を変えないようにします。様式の列を独自に並べ替えると、自治体の記入例と照らし合わせにくくなります。

請求ソフトを使っているなら、実績を入力する画面やスマホから記録する機能があるか、ある場合は確認欄をどう扱っているかを先に確かめます。ここで足りれば、作るより早く始められます。

紙の様式のまま運用を変える

回収の頻度、確認をもらうタイミング、備考に書く理由の書き方を決めます。費用がかからず、翌月から始められます。

事務所の集計をExcelにする

ヘルパーは紙に書き、事務所で算定時間数の合計と契約支給量の残りをExcelで出します。打ち直しは残りますが、月の途中で残りを確かめられます。

請求ソフトの実績入力を使う

いまのソフトに実績の入力と出力があれば、事務所の打ち直しを1回にまとめられます。訪問先から入れられるか、確認欄をどう残すかは製品と契約で違います。

自社に合わせて作る

訪問先のスマホで時間と内容を入れ、その場で確認をもらい、事務所には請求ソフトへ渡せる形で届く仕組みです。ヘルパーが多く、打ち直しと差し戻しが毎月出ている事業所に向きます。

相談する目安と、費用・期間を見積もるために確認すること

前の節で数えた打ち直しの行数や確認欄の空欄が毎月まとまって出ていて、運用を変えても減らないなら、仕組みにする相談の目安です。逆に、利用者が数名で空欄もほとんどないなら、紙の様式のままで十分です。

当社は、いまの記録票と請求の流れを見せていただき、紙の運用で直せる部分と、仕組みにしたほうがよい部分を分けるところから支援します。居宅介護を想定した障害福祉の実績記録票と契約支給量の管理の開発プランでは、訪問の終わりにスマホで記録と利用者確認を送り、契約支給量の残りと月末の記録票を同じ記録から確かめる画面を想定例として載せています。これは開発プランで、導入実績ではありません。

数人で使う業務アプリなら、要件整理から納品まで2〜3か月が当社の目安です。初回の相談と概算見積もりは無料です。金額は、下の5つが分かれば出せます。

切り替えたあとは、打ち直す行数、月末の集計にかかる時間、確認欄の空欄の件数を、前後で比べて確かめます。

対象にするサービスの種類

居宅介護だけか、重度訪問介護・同行援護・行動援護まで含めるか。サービスごとに様式の欄と加算の種類が違います。

確認のもらい方

紙に確認をもらい続けるか、画面上で確認をもらうか。画面にするなら、自治体に扱いを確かめてから決めます。

ヘルパーの人数と端末

事業所の端末を持たせるか、個人のスマホを使うか。個人の端末を使うなら、記録を端末に残さない作りにします。

請求ソフトへの受け渡し

いまの請求ソフトが実績を取り込めるか、どの形のファイルなら受け付けるか。取り込めなければ、打ち直しを減らせる範囲が変わります。

印刷する様式と過去の記録

自治体の様式で印刷して提出や保存に使うか。5年分の保存に合わせて、過去の紙の記録をどこまで扱うかも決めます。

まとめ

実績記録票は、訪問のたびに記録し、そのたびに利用者の確認を受ける帳票です。重度訪問介護・同行援護・行動援護も同じで、記録は提供した日から5年間残します。

確認欄はいまの様式では「利用者確認欄」で、押印に限りません。画面上の確認に変える前に、指定を受けた自治体に扱いを確かめます。

まず1か月、打ち直している行数と、月末に確認欄が空いていた行数を数えてください。紙の運用を変えれば足りるのか、仕組みにするのかを決める材料になります。

よくある質問

実績記録票はExcelで作って提出してもよいですか?

東京都や堺市は、実績記録票の様式をExcelで配布しています。パソコンで記入すること自体は問題になりにくいですが、訪問の都度に記録し、利用者の確認を受けるという省令の求めは変わりません。事務所で月末にまとめて入力する使い方は避けてください。提出や保存に使う様式は、指定を受けた自治体の配布物を確かめて使います。

介護保険の訪問介護と障害福祉の居宅介護を両方やっています。記録票を1つにまとめられますか?

様式と求められていることが違うので、別に持つほうが安全です。障害福祉の側は訪問の都度に利用者の確認を受け、提供した日から5年間保存します。介護保険の訪問介護は、省令上は完結の日から2年です。入力の画面を共通にして、出力する様式と保存の扱いだけを分ける作り方はできます。

放課後等デイサービスの記録票も同じ考え方ですか?

障害児のサービスの様式では、確認欄が「保護者等確認欄」になっています。確認をもらう相手が保護者になるほか、欄の並びもサービスごとに違います。扱うサービスの様式を先に並べ、共通にできる欄と分ける欄を確かめてから整えてください。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

実績記録票の回収と打ち直しを、減らせるか確かめませんか

月末に各ヘルパーから記録票を集めて請求ソフトに打ち直している、確認欄の空欄を埋めに再訪している、契約支給量の残りを月末まで確かめられていない。こうした状態からご相談いただけます。いまの記録票と請求の流れを伺い、紙の運用で直せる部分と仕組みにしたほうがよい部分を分けて整理します。仕様書や実際の記録をご用意いただく必要はありません。

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