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AIの基礎・活用

生成AIで作った画像を、店のチラシやSNSに使っていい?

使えます。季節のPOPの挿絵や告知画像の下地なら、今日から試せます。ただし載せる前に、使うサービスの規約と、既存の作品に似ていないかを確かめます。料理や商品の見た目を伝える写真の代わりには使いません。

この記事でわかること

  • 生成AIで作った画像は、チラシの挿絵・店内の掲示・SNSの告知画像の下地・デザインを頼む前のたたき台など、雰囲気を伝える場面で使いやすい道具です。
  • 使えるかどうかは、まずサービスの利用規約で決まります。文化庁のチェックリスト&ガイダンスは、規約で使い方が制限されている場合があるとして、事前に確かめて従うことを求めています。
  • 作風が似ているだけでは著作権侵害になりませんが、既存の作品と表現が共通していれば侵害になり得ます。作品名やキャラクター名を指示に入れず、載せる前に画像検索で確かめます。
  • 文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」は、指示がアイデアにとどまる場合、生成した画像に著作物性は認められないとしています。長く使うロゴやキャラクターは、人が手を加えて仕上げます。
  • 料理や商品の見た目を伝える画像は、実物を撮ります。実物より良く見せる表示は、景品表示法の優良誤認表示に当たるおそれがあります。

雰囲気を伝える画像なら、使いやすい

生成AIには、文章で「秋の落ち葉と温かい飲み物の、やさしい色のイラスト」のように頼むと、画像を作るものがあります。写真素材を探したり、イラストを描いたりする時間がとれない店でも、季節感や雰囲気を伝える画像なら手早く用意できます。

次は当社が考えた使い方の例です。導入事例ではありません。

季節のPOPやチラシの挿絵

「新米の季節です」「冬季休業のお知らせ」のような掲示に、文字だけでは寂しいところへ添えるイラストとして使います。店名や日付などの文字はAIに描かせず、後から自分で入れると、文言を直したいときにも作り直さずに済みます。

SNSの告知画像の下地

臨時休業・イベント・新メニュー開始などの告知で、文字を載せる背景に使います。毎回同じ写真を使い回していた店でも、投稿ごとに季節に合った画像を用意できます。

デザインを頼む前のたたき台

看板やパッケージをデザイナーや印刷会社に頼む前に、「こんな雰囲気」を伝える参考画像として何枚か作ります。言葉だけで説明するより、色や印象の食い違いが減ります。

店内の案内や手順の図

「靴はこちらでお脱ぎください」のような案内や、スタッフ向けの片付けの手順に添える簡単な絵に使います。外に出さない用途から試すと、使い方に慣れやすくなります。

1. 使うサービスの規約で、店の宣伝に使えるかを確かめる

画像を作るサービスは、無料で使えるものから会社向けの契約まであり、作った画像を商売に使ってよいか、表示しなければならないことがあるかは、サービスやプランごとに決まっています。この記事では個別のサービスの規約には触れません。使う前に、それぞれの利用規約で確かめてください。

文化庁の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)も、AIのサービスは利用規約で著作権侵害のおそれがある使い方を禁止・制限している場合があるとして(他人の著作物の入力の禁止など)、あらかじめ規約を確かめ、従って使うことを求めています。

社員がそれぞれ別のサービスを使い始めると、規約を確かめられなくなります。仕事で使うサービスを決めておく方法は、社員が生成AIを使い始めたら、何を決めておく?で紹介しています。

2. 既存の作品に似ていないかを、載せる前に確かめる

文化庁のチェックリスト&ガイダンスは、生成AIでは学習データに含まれる既存の作品と似た画像が作られることがあり、使う人がその作品を知らなくても、作ること・使うことが著作権侵害になる場合があると説明しています。

どこから似ているといえるかについて、同じ資料は、作風などのアイデアが共通しているだけでは類似性は認められず、既存の作品と創作的な表現が共通していれば、完全な複製でなくても類似性が認められるとしています。「水彩画風」「昔のポスター風」のような頼み方そのものが問題になるわけではありません。

一方で、特定の作品名やキャラクター名を指示に入れたり、他人の画像を入れて似たものを作らせたりすると、その作品を知っていたと推認されやすくなるとも書かれています。店の宣伝に使う画像では、作品名・キャラクター名・他社のロゴを指示に入れないことにしておくと迷いません。

チラシやSNSに載せる前に、画像検索で似たものが出てこないかを確かめます。文化庁の資料も、文章検索や画像検索で確かめることを挙げ、あわせて生成に使った指示の文章を残しておくことを勧めています。

3. 作った画像を、自分の店のものとして守れるとは限らない

文化審議会著作権分科会法制度小委員会の「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日)は、生成AIへの指示が表現に至らないアイデアにとどまる場合、生成された画像に著作物性は認められないと考えられるとしています。短い指示で出てきた画像は、他の人に同じような画像を使われても、著作権を理由に止められないことがあります。

同じ資料は、指示の分量や内容、出来上がりを確かめながら指示を直して試したかどうかといった要素を総合して、個別に判断するとしています。人が創作的な加筆や修正をした部分には、通常、著作物性が認められると考えられるとも書かれています。

当社の考えとしては、季節のPOPのように使い終わる画像なら、この点を深く気にする必要は少ないと思います。店のロゴや看板キャラクターのように長く使い、店の顔になるものは、AIの画像をたたき台にとどめ、人が描き起こして仕上げる方が安心です。

4. 料理や商品の写真の代わりには使わない

メニューやチラシで料理・商品の見た目を伝える画像は、実物を撮影したものを使います。AIで作った料理の画像は、盛り付けや量、具材が実物と違う見た目になりやすいからです。

消費者庁は、景品表示法第5条第1号が、商品やサービスの品質などを実際のものよりも著しく優良であると示す表示を禁止していると説明しています(優良誤認表示)。故意でなく誤って表示した場合でも、該当すれば規制の対象になるとしています。

実物より豪華に見える画像で注文を受けると、法律の問題に限らず、届いた料理を見たお客さんをがっかりさせます。AIの画像は、料理そのものではなく、背景や季節の飾りの部分に使います。

店内の掲示から試してみる

最初は、外に出さない店内の掲示やスタッフ向けの案内から試します。頼み方を何度か変えてみると、どんな言葉で頼めば思った画像に近づくかが分かってきます。

外に出す画像を作ったときは、使ったサービス、指示の文章、作った日を一緒に残しておきます。画像検索で確かめた日もメモしておくと、後で聞かれたときに説明できます。

生成AIが文章で事実と違うことを書く理由と確かめ方は、生成AIの答えが間違っているのはなぜ?で解説しています。写真を読み取って判断する側のAIについては、写真を見て判断するAIで、何ができる?で紹介しています。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

生成AIをどの作業から使うか、一緒に整理します。

チラシやSNSの画像づくりに生成AIを試してみたいが、どこまで任せてよいか分からない。そんな段階でも相談できます。資料や仕様の提出は要りません。いまの作業の流れを伺いながら、AIに任せる部分と人が仕上げる部分を分けて考えます。

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