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AIの基礎・活用

写真を見て判断するAIで、何ができる?

写真を見るAIは、スマホで撮った1枚から試せます。写っているものの説明、文字の読み取り、決めた種類への仕分けが代表的な使い方です。まず生成AIに自社の写真を見せ、うまくいく写真といかない写真を分けると、専用のAIが要るかも判断できます。

この記事でわかること

  • 写真を見るAIの使い方は、写っているものを説明する、写真の中の文字を読み取る、決めた種類に分ける、場所を示したり数えたりする、の大きく4つです。
  • 文章を作る生成AIには、写真も受け付けるものがあります。自社の写真を見せて質問するだけで、使えそうかを試せます。
  • Anthropic社の公式資料は、画質の悪い写真・回転した写真・とても小さい写真では誤りが出ること、数えた数はおおよその値であることを制限として挙げています。
  • 同じ判定を毎日大量に繰り返し、良し悪しの基準が自社独自なら、自社の写真で学習させた専用のAIを検討します。
  • お客さんや従業員が写る写真は個人情報になり得ます。利用目的を決め、撮影していることが分かるようにしておきます。

写真を渡すと、何が返ってくるか

写真を見て判断するAIは、一般に画像認識と呼ばれます。総務省の情報通信白書(平成28年版)は、深層学習(ディープラーニング)によって、画像認識などで注目すべき特徴をコンピューターが自ら作り出せるようになったと説明しています。人が見分け方を細かく書かなくても、大量のデータから学ばせる方法が実用になりました。

仕事で使う場面から見ると、AIに頼めることは次の4つに分けられます。

写っているものを説明する

「この写真に写っているものを箇条書きで」「前の写真と違うところは」のように、文章で答えを返します。

写真の中の文字を読み取る

手書きのメモ、納品書、ホワイトボード、商品のラベルなどを撮って、文字を書き起こします。表にまとめ直すよう頼むこともできます。

決めた種類に分ける

「良品か、傷ありか」「AかBかCか」のように、あらかじめ決めた分類のどれに当たるかを返します。

場所を示す・数える

写真のどこに何があるか、いくつあるかを返します。ただし、後で述べるとおり、位置や数は確かめてから使います。

スマホの写真で試せる使い方のアイデア

次は、当社が考えた使い方の例です。導入事例ではありません。どれも、手元のスマホで撮った写真を、写真を受け付ける生成AIに見せるところから試せます。

手書きの記録を表に起こす

紙の点検表や注文メモを撮り、「日付・品名・数量の表にして」と頼みます。読み取った文字は元の紙と照らし合わせてから転記します。

作業の前後を写真で残し、報告の下書きを作る

清掃や修理の前後の写真を並べて見せ、「変わったところを箇条書きで」と頼みます。報告書の文章は担当者が手直しして仕上げます。

陳列や棚の写真を、決めた基準と比べる

「この写真と見本の写真で、並び方が違う場所は」と聞きます。見本を1枚決めておくと、毎回の確認の観点がそろいます。

趣味や教室で、写真に一言を返す

盆栽や料理の教室で、生徒が撮った作品の写真に、先生が決めた観点でのコメントの下書きを返す仕組みも考えられます。最後に先生が読んで送れば、返信の手間を減らしつつ先生の言葉で届けられます。

苦手なことを先に知っておく

写真を見るAIは万能ではありません。例として、生成AI「Claude」を提供するAnthropic社の公式資料(Vision)は、次の点を制限として挙げています。ほかのサービスでも、どこまでできるかは各社の資料で確かめてください。

画質の悪い写真、回転した写真、200ピクセル未満のとても小さい写真では、誤った説明をしたり間違えたりすることがある。写真の中の物の数はおおよそ数えられるが、小さな物がたくさん写っているときはとくに正確とは限らない。位置の答えもおおよそのもので、使う前に確かめる必要がある。

同じ資料は、写真に写った人物の名前を答える使い方はできないこと、AIが作った画像かどうかは判定できないこと、CTやMRIのような診断用の画像の読影を目的に作られていないことも明記し、重要な用途では人が確かめるよう求めています。

試すときは、明るい場所で、見てほしい物を大きく、まっすぐ撮るところから始めます。文字を読ませるなら、小さな文字が潰れていないかを撮った写真で確かめます。

生成AIで試すか、専用のAIを作るか

写真の中身が毎回違い、答えが文章で返れば十分な作業は、生成AIで始められます。手書きメモの書き起こしや、作業前後の違いの説明がこれに当たります。

一方、同じ種類の写真を毎日たくさん判定し、良し悪しの基準が自社独自の場合は、自社の写真に正解を付けて学習させた専用のAIを検討します。たとえば、自社製品の傷の有無のように、見分け方を言葉で伝えにくい判定です。必要な写真の枚数は、見分けたい違いの細かさや写真の撮り方がそろっているかで変わるため、先に一部の写真で試してから決めます。

生成AIと、自社の記録で学習させる機械学習の関係は、機械学習と生成AIは何が違う?で整理しています。写真の場合も、まず生成AIでうまくいく写真といかない写真を分けておくと、専用のAIを作るかどうかの判断材料になります。

人が写る写真を扱うとき

お店の入口や作業場にカメラを置いて写真を撮る場合、お客さんや従業員が写ることがあります。個人情報保護委員会のQ&A(Q1-13)は、カメラで特定の個人を識別できる画像を取得する場合は個人情報を扱うことになるとして、利用目的をできる限り特定し、その範囲内で使うよう求めています。

同じQ&Aは、撮られていることを本人が容易に分からない場合は分かるようにする措置が必要とし、例として、カメラが作動中であることを入口や設置場所に掲示することを挙げています。このQ&Aは防犯カメラについてのものです。防犯以外の目的で写真をAIに使うときは、目的の決め方を含めて個人情報保護委員会の資料で確かめてください。

撮った写真を外部の生成AIに送る場合は、社内で決めた使ってよいサービスと入力しない情報のルールに従います。ルールの作り方は社員が生成AIを使い始めたら、何を決めておく?で紹介しています。

最初の一歩は、自社の写真10枚から

試したい作業を1つ決め、その作業で実際に撮る写真を10枚ほど用意します。きれいに撮れた写真だけでなく、暗い写真や斜めから撮った写真も混ぜておきます。

社内で使ってよいと決めた生成AIに1枚ずつ見せ、毎回同じ聞き方で質問します。答えが正しかった写真と、間違えた写真を分けて記録します。10枚という枚数は結果の傾向をつかむための当社の目安で、この枚数で精度を判断できるわけではありません。

間違えた写真に共通点があれば、撮り方を変えるか、聞き方を変えるかで改善できるかを試します。それでも足りなければ、専用のAIを作る価値があるかを検討する段階です。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

写真で試したいことを、一緒に整理します。

生成AIで試してみたがうまくいかない、自社の写真で見分けられるか知りたい。そんな段階でも相談できます。写真や仕様の提出は要りません。どんな作業を楽にしたいかを聞きながら、生成AIで足りそうか、専用のAIを検討する価値があるかを一緒に考えます。

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