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造園業の見積は、現調から返事待ちまでを1件1行の台帳で追う

造園業の見積管理は、受付日・現調日(現地調査の日)・見積提出日・次の連絡日・結果の日付を1件1行に並べる台帳から始めます。空いている日付の位置で、出していない見積と返事待ちの見積が分かります。剪定や冬囲いの手入れから植栽工事まで扱う、職人数名の造園業を想定しています。

この記事でわかること

  • 台帳は1件の依頼を1行にし、日付を入れる人を工程ごとに決めます。空欄が「まだその工程に進んでいない」という意味になります。
  • 見積の明細は1本の木・1つの作業を1行にし、現地調査の写真と同じ番号を付けます。一部だけ受注したときも、行ごとに印を付ければ受注金額と翌年に案内する木が分かります。
  • 植栽や園路などの造園工事は建設業法の建設工事で、請負契約は書面にして交付します。剪定だけの手入れがどちらに当たるかは、北海道の建設業許可の窓口に確認してください。
  • 案件台帳・見積明細・月別集計をまとめたExcelのひな形を、会員登録なしでダウンロードできます。
  • 仕組みにするかは、転記の回数、現場から入力したい人の数、写真と過去の単価を探す時間で判断します。

見積の台帳には、1件1行で日付を並べる

見積の管理で困るのは、現調を終えたのに見積を出していない案件と、出した見積の返事が止まっている案件が、どこにも一覧にならないことです。記録がノート、スマホの写真、見積のExcelファイルに分かれていると、案件ごとの進み具合を探して回ることになります。

台帳は1件の依頼を1行にし、受付日・現調日・見積提出日・次の連絡日・結果(受注か見送り)と結果の日を並べます。空いている日付の位置が、そのまま状態になります。現調日だけ入っていれば見積これから、提出日が入って結果が空なら返事待ちです。

日付を入れる人は工程で分かれます。電話を受けた人が受付日、現調に行った担当が現調日、見積を送った人が提出日を入れます。誰がどの列を埋めるかを決めておくと、空欄を見るだけで止まっている工程が分かります。

止まっている日数を数える起点

返事待ちは提出日から、見積これからは現調日から、現調これからは受付日から数えます。何日たったら声をかけるかの目安は、自社で決めて台帳の上に書いておきます。

手入れと工事を分ける列

剪定や冬囲いなどの手入れか、植栽や園路などの工事かを区分の列で分けます。後の節で説明するとおり、工事は契約の書面の扱いが決まっているためです。

現地調査の記録と見積の明細は、木ごとの番号でつなぐ

見積の明細は、1本の木・1つの作業を1行にします。樹種、高さ、作業(剪定・刈込・伐採など)、数量と単価を並べ、現地調査で撮った写真にも同じ番号を付けます。見積を作る人が現調に行っていなくても、どの写真がどの行の木かで迷わずに済みます。

単価に影響する現場の条件は、現調のその場で記録します。トラックを横付けできるか、枝葉を何メートル手で運ぶか、電線の近くで作業するかといった条件です。事務所に戻ってから思い出そうとすると抜けやすい項目なので、明細の行に条件の欄を設けます。

お客様が見積の一部だけを依頼することもあります。たとえば3本のうち2本だけ今年剪定し、残りは来年にする場合です。明細の行ごとに受注したかどうかの印を付けておくと、受注金額と、翌年に案内する木が台帳から分かります。

植栽工事と剪定の手入れでは、契約の書面の扱いが変わる

造園工事は、建設業法が定める29の建設工事の種類の1つです。国土交通省の業種区分の資料では、造園工事の例示として植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事、緑地育成工事が挙げられています。

建設業法第19条は、建設工事の請負契約の当事者に、工事内容、請負代金の額、着手と完成の時期などを書面に記載し、署名または記名押印をして相互に交付するよう求めています。内容を変えるときも書面にします(同条第2項)。相手の承諾を得れば、電子的な方法に代えられます(同条第3項)。

同じ資料は「緑地育成工事」を、樹木・芝生・草花などを育成する建設工事で、土壌改良や支柱の設置等を伴って行う工事と説明しています。例示に剪定という語は出てきません。剪定や冬囲いだけの手入れがどちらに当たるかは自社で決めつけず、北海道の建設業許可の窓口に確認してください。台帳の区分は、確認した結果に合わせて付けます。

国土交通省の建設業の許可とはによると、1件の請負代金が500万円未満(消費税込み)の工事だけを請け負う場合は、許可を受けなくても営業できます。許可を受けた建設業者には、材料費や労務費などの内訳を書いた見積書を作るよう努める規定(第20条)もあります。見積書の内訳と保存の扱いはリフォーム業の原価管理の記事で詳しく整理しています。

返事待ちの見積は、次に連絡する日を決めて残す

見積を出したあと返事を待つだけにすると、どの見積が何日止まっているか分からなくなります。提出した日に、次に連絡する日も台帳に入れます。連絡日を過ぎた行を毎朝確かめれば、その日に声をかける相手が決まります。

連絡の内容は案件の行に上書きせず、別の記録に1回1行で残します。日付、手段、話した相手、返答を書いておけば、何回目の連絡か、次にいつかけ直すかを後から追えます。

見積書に有効期限を書いている場合は、期限が近い見積から連絡します。期限を過ぎた見積は、単価や作業の時期を見直して出し直すか、見送りとして結果の日を入れます。

冬囲いや毎年の剪定のように同じ庭で繰り返す仕事は、前の年に受注した行と明細が今年の見積の下書きになります。受注した行を年ごとに消さずに残しておけば、案内を出す先の一覧も台帳から作れます。

見積台帳のExcelひな形で、何ができるか

この記事の台帳を、当社でExcelのひな形にしました(見積台帳のひな形をダウンロード。会員登録は不要です)。シートは「使い方」「案件台帳」「見積明細」「月別集計」の4枚で、記入例の行はすべて架空のデータです。

白いセルに入力し、灰色のセルは数式です。案件台帳に日付と結果を入れると、状態(現調これから・見積これから・返事待ち・受注・見送り)と止まっている日数が出ます。提出日が現調日より前になっている行には「日付を確認」と出ます。

見積明細の金額は案件番号ごとに合計され、案件台帳の見積金額に入ります。受注対象に○を付けた行があれば、その行の合計だけを受注金額にします。月別集計は開始月から12か月分の件数と受注率を出し、受注も見送りも無い月の受注率は空欄にします。現調と提出が月をまたいだ案件は、それぞれの日付の月で数えます。

変えてよいところ

提出と連絡の目安日数、区分と結果の選択肢、列の幅。行を増やすときは、灰色の列の数式を下の行へコピーします。

入っていないもの

消費税の計算、お客様に渡す見積書の様式、写真の貼り付け。台帳は見積の進み具合を追うためのもので、契約書の代わりにはなりません。

確認した環境

Microsoft Excelでの利用を想定し、当社ではLibreOffice Calcで計算結果を確かめています。Googleスプレッドシートでの動作は確認していません。複数人で同時に編集できるかは保存先と契約・設定で変わるので、使う保存先で試してください。

Excelで足りなくなるのは、どんなときか

台帳を使い始めたら、2〜4週間、次の4つを数えてください。Excelを続けるか仕組みにするかは、事務所の人数だけでは決まりません。

仕組みにしたあとも同じ数字で比べます。現調から提出までの日数、返事待ちのまま連絡日が決まっていない件数、同じ内容を書き直した回数です。導入前の数字がなければ、変わったかどうかを確かめられません。

転記の回数

現調のノート、写真、見積のExcel、見積書の様式に、同じ木と作業を何回書いているか。

現場から入力したい人の数

現調先から担当が入れたいのか、事務所で1人がまとめて入れるのか。現場から入れる人が増えると、スマホからの入力と、誰が何を直せるかの分け方が必要になります。

写真を探す時間

見積を作るときに、どの写真がどの木かを探すのに何分かかっているか。

過去の単価を探す回数

「去年はいくらだったか」を確かめるために、過去の見積ファイルを開いた回数。

仕組みにする場合、費用と期間は何で決まるか

当社の造園業の見積管理システムの開発プランでは、現調の記録、案件の一覧、見積作成、写真つきの見積書、冬囲いの案内リストまでを想定し、設計から納品まで約2〜3ヶ月を見込んでいます。これは想定にもとづく開発プランで、導入の実績ではありません。費用と期間は次の条件で変わります。

初回のご相談と概算のお見積もりは無料です。現調の画面と案件の一覧だけを先に使い始め、運用を確かめてから見積作成を足す進め方も選べます。その場合は段階ごとにお見積もりします。

現調をスマホで入力するか

庭先で番号・写真・作業を入れるなら、スマホの画面と、電波が弱い場所での保存の扱いを作ります。事務所だけで入力するなら、この部分は要りません。

見積書の様式

今の見積書の書式に合わせるか、写真のページを付けるか。印刷とPDFのどちらで渡すかでも作業が変わります。

過去の見積の移行

過去のExcelから単価や顧客をどこまで移すか。ファイルごとに書式が違うと、整える作業が増えます。

使う人と権限

見積金額を誰が見られるか、誰が直せるか。職人は現調の記録だけ、事務所は金額までと分けるかで、画面の数が変わります。

まとめ

見積の台帳は1件1行にし、受付日・現調日・見積提出日・次の連絡日・結果の日付を並べます。空いている日付の位置で、出していない見積と返事待ちの見積が分かります。

明細は木ごとに番号を付け、現調の写真と同じ番号にします。植栽などの工事と剪定の手入れは区分を分け、判断に迷う作業は建設業許可の窓口に確認します。

まず2〜4週間、ひな形か今の台帳で、現調から提出までの日数と転記の回数を数えてください。Excelを続けるか、仕組みにするかを決める材料になります。

よくある質問

剪定だけの仕事でも、契約の書面は必要ですか?

建設業法第19条の書面の規定がかかるかは、その作業が建設工事に当たるかで変わります。剪定や冬囲いだけの手入れがどちらに当たるかは、北海道の建設業許可の窓口に確認してください。どちらの場合も、木ごとの作業と金額を書いた見積を残しておくと、翌年の見積の下書きに使えます。

ひな形はGoogleスプレッドシートでも使えますか?

当社ではGoogleスプレッドシートでの動作を確認していません。取り込んで使う場合は、記入例の行で状態・止まっている日数・月別集計が、使い方シートの説明どおりに出るかを確かめてから使ってください。

市販の見積ソフトと、自社に合わせて作るのとでは、どちらがよいですか?

先に、今の見積書の書式と木ごとの明細を、製品の設定で作れるかを確かめてください。作れるなら市販のほうが早く始められます。現調の写真と明細の番号をつなぎたい、過去の単価を樹種と作業で呼び出したいといった条件が製品に合わないときに、作る判断になります。

台帳は誰が管理すればよいですか?

日付を入れる人は工程ごとに分け、連絡日を過ぎた行を毎朝確かめる人を1人決めます。確かめる人が決まっていないと、要対応の表示が出ていても誰も連絡しないまま日数だけが増えます。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

見積の台帳を整えるところから、ご相談ください

現調を終えた見積がいくつ残っているか分からない、出した見積の返事を追えていない、去年の金額を探して過去のファイルを開いている。こうした状態からご相談いただけます。今のExcelや見積書を見ながら、残す部分と直す部分を整理し、市販のソフトで足りるか、現調や見積の仕組みを作るかを一緒に確認します。初回に完成した仕様書や過去のデータをご用意いただく必要はありません。

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