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飲食の需要予測・AI

焼肉店の肉は部位ごとに何キロ頼むか。皿数をキロに戻す手順

部位ごとに頼むキロは、次の便までに出る皿数の見込みに1皿のグラムを掛け、掃除後に残る割合で割って、冷蔵庫の残りを引いた数です。見込みが要るのは皿数だけで、あとの3つは店で測れば出ます。席数30〜60の焼肉店の経営者向けに書きました。

この記事でわかること

  • 部位ごとのキロは「皿数の見込み × 1皿のグラム ÷ 掃除後に残る割合 − 冷蔵庫の残り」で出ます。4つのうち見込みが要るのは皿数だけです。
  • 品書きの「カルビ」「ロース」は店の呼び名で、卸の伝票には載りません。皿と部位をつなぐ対応表を、式より先に作ります。
  • 格付の「A5」のAは枝肉の歩留等級で、店で筋と脂を落としたあとに残る割合とは別の数字です。店の歩留まりは、届いたブロックを3本量れば出ます。
  • 余った肉は切り落としや盛り合わせに振れるので、廃棄としては表に出ません。振ったときの単価差を金額で残さないと、発注は多めに寄ったまま止まりません。

部位ごとのキロは、皿数の見込みから4つの数字で戻す

卸への注文書に書くのは部位の名前とキロ数です。ところがレジに残っているのは、どの皿が何皿出たかという数字です。頼むキロを出すには、次の便までに出る皿数の見込みに1皿のグラムを掛けると、掃除後の肉が何グラム要るかが出ます。それを掃除後に残る割合で割ると、届いたときの重さで何キロ要るかになります。最後に冷蔵庫の残りを引きます。

例で置きます。木曜に頼んで金曜に届き、次の便が月曜だとします。金・土・日の3日でカルビが90皿出る見込みで、1皿が80グラムなら、掃除後の肉は7.2キロ要ります。届いたブロックから筋と脂を落として75%が残る店なら、届いた重さで9.6キロです。冷蔵庫にばらが2.5キロ残っていれば、足りないのは7.1キロで、1本4キロ前後のブロックなら2本を頼みます。

式の中で見込みが要るのは、皿数の1つだけです。1皿のグラムは店が決めている数で、掃除後に残る割合は何本か量れば出て、冷蔵庫の残りは数えれば分かります。同じ部位から何品も取る店は、品ごとにこの計算をしてから部位で足します。

皿数の見込み

次の便までの営業日に出る皿数。4つのうち、ここだけが見込みです。予約で確定している分は先に引きます。

1皿のグラム

品書きの品ごとに店が決めている量。決めていない品は、いま出している皿を量って書き出します。

掃除後に残る割合

届いたブロックの重さに対して、筋と脂を落としたあとに残る重さの割合。部位ごと、店ごとに違います。

冷蔵庫の残り

部位ごとの残りを、届いたときの重さの単位で数えます。切ってある分は掃除後の重さなので、割合で戻してから足します。

「カルビ」は卸の伝票に無い。皿と部位の対応表を先に作る

東京都中央卸売市場の「お肉の基礎知識」では、牛肉の部位は、かた、かたロース、リブロース、サーロイン、ヒレ、ばら、もも、そともも、らんぷの9つに分けて説明されています。ばらは、かたばらとともばらの2か所からなるとあります。品書きの「カルビ」も「上カルビ」も、この9つのどこから取るかは店が決めていて、卸の伝票に載るのは部位の側の名前です。

だから式より先に、品と部位をつなぐ対応表を作ります。品ごとに、どの部位から取るか、1皿が何グラムか、第一希望の部位が入らない日に何で代えるかを1行ずつ書きます。出数の多い品と、切り出しに手間がかかる品から埋めれば、頼むキロの大半は決まります。

対応表が要るのは、皿と部位が一対一で並ばないからです。同じ部位から何品も取り、同じ品を日によって別の部位から取ることがあります。皿数の合計にまとめて1つの割合を掛けると、ロースが出た日にカルビが余る形が式の中で消えます。品ごとに部位へ戻してから、部位で足す順番にします。

歩留まりは「A5」のAとは別物。自店で3本量る

牛肉の格付は、公益社団法人日本食肉格付協会が牛枝肉取引規格にもとづいて行い、歩留等級A〜Cと肉質等級5〜1を組み合わせた15段階で表されます。東京都中央卸売市場の説明では、枝肉を決まった位置で切り開いた断面から算式で格付するとあります。つまり「A5」のAは、枝肉から部分肉がどれだけ取れるかの等級です。届いたブロックを掃除して何グラム使えるかとは別の数字です。

店で要るのは後者です。届いたブロックの重さと、掃除したあとの重さを、部位ごとに3本量れば割合が出ます。同じ部位でも、脂を厚めに残す店と薄く落とす店では割合が変わるので、世間の目安を借りずに自店の数字を使います。

もう1つ、注文書を書く前に見ておくのが納品伝票の実重量です。ブロックは1本ごとに重さが違い、注文書に書いたキロと届いたキロは同じになりません。伝票の重さを在庫の正本にして、冷蔵庫の残りはそこから引いていきます。注文は最後に本数へ丸めるので、キロの見込みが多少ずれても本数は変わらない週が大半です。

格付の歩留等級

枝肉から部分肉がどれだけ取れるかの等級。仕入れ値に効きますが、店の掃除後の割合とは別です。

店の歩留まり

届いたブロックの重さに対する掃除後の重さ。部位ごとに3本量り、仕入先か掃除の仕方を変えたときに量り直します。

納品伝票の実重量

在庫は注文書のキロで持たず、届いた重さで持ちます。1本ごとの差が分かると、本数に丸めるときの余裕が決めやすくなります。

皿数の見込みは、予約を先に引いてから曜日で立てる

皿数のうち、コースと宴会の予約が入っている分は先に確定分として引きます。1人あたり何グラム出ているかは、過去の予約の伝票と当日の皿数を突き合わせれば自店の数字が出ます。団体の入った週ほど、見込みに任せる皿数は狭くなります。

残りの皿数は、直近4〜8週の同じ曜日の出数を品ごとに並べると、曜日の差が見えてきます。見込みは1つの数字ではなく「80〜100皿」のように幅で持ち、幅の下側と上側でそれぞれ本数を出します。両端で本数が同じ週は、それ以上考えることがありません。本数が変わる週だけ、余ったときと足りないときに何が起きるかを比べます。

曜日と季節のように記録に表れる傾向は、過去の並びから先を見込む計算で拾えます。当社が開発中の需要予測AI「EvoQuest Iramepakari」は、日付と数量の2列のCSVを入れて列を選ぶと、28日先までの予測を幅つきで出す作りです。焼肉店なら、品ごとの日付と皿数の2列で試せます。部位に戻す計算は、その先に対応表を置けば足ります。

DEMO

皿数と歩留まりを入れると、部位ごとに何本頼むことになるか

品ごとの皿数の見込みと1皿のグラム、部位ごとの掃除後に残る割合と冷蔵庫の残りを入れると、部位ごとに頼むキロと本数が出ます。幅の両端で本数が同じなら迷わない週、違えば境目の週です。

部位別の発注量の試算|皿数をキロに戻して本数にする

3品を2つの部位に戻す想定の画面です。品ごとに皿数の見込みを幅で持ち、1皿のグラムを掛けて掃除後の量にし、部位ごとの割合で割って届いた重さに戻し、冷蔵庫の残りを引いてブロックの本数に切り上げます。予約で確定した皿数は幅の外に置きます。

触って動かせます
計算の中身
品ごとに「(見込みの皿数+予約の確定皿数)×1皿のグラム」を出して部位で足し、掃除後に残る割合で割って届いた重さに戻し、冷蔵庫の残りを引いて、1本の目安の重さで割って切り上げています。幅の下側と上側で別々に本数を出し、同じなら迷わない週と判定します。
使っている前提
数字はすべて入力例です。掃除後に残る割合と1本の目安の重さは店と仕入先で違うので、自店で量った数に置き換えてください。
確かめてほしいところ
カルビの見込みの幅を10%から30%に広げてみてください。皿数の幅が広がっても本数が変わらない部位と、境目に入る部位が分かれます。

※ 冷蔵庫の残りは届いたときの重さで入れる前提です。切ってある分は、掃除後に残る割合で割ってから足してください。余ったブロックは翌週の在庫になるため、金額の損としては数えていません。

頼む量と切る量は、別の判断にする

消費者庁が示す食品別の規格基準では、食肉は10℃以下で保存しなければならないと定められています。細切りした食肉を凍結させて容器包装に入れたものは、−15℃以下です。期限の表示は、東京都保健医療局の説明によると、製造業者・加工業者・販売業者が科学的な根拠にもとづいて設定するもので、食肉は品質の劣化が速い食品として消費期限が付く側に挙げられています。

店で使う日数は、卸や加工業者の案内で確かめます。ブロックのまま置く日数と、スライスにしてから使い切る日数が別に案内されているなら、頼む量と切る量は別の判断に分けられます。木曜に決めるのは、次の便までに要る総量と冷蔵庫に置ける上限です。その日に何キロ切るかは、朝の予約を見て決めます。

納品の便が違う品や、期限の案内が短い品は、同じ表に混ぜません。正肉と別の行にして、頼む頻度も別に決めます。1枚の表にまとめると、いちばん日持ちの短い品に合わせて全部を少なめに頼むことになります。

余った肉は捨てないから、損が帳簿に出ない

農林水産省と環境省が2026年6月30日に公表した推計では、2024年度の食品ロスは461万トンで、うち外食産業は70万トンです。事業系の合計237万トンは前年度より6万トン増えました。国は2000年度比で2030年度までに60%減らす目標を置いています。

焼肉店の余りは、この数字に表れにくい形で出ます。余ったブロックは切り落としや盛り合わせに振れるので、捨てた量としては残りません。振った時点で1皿の売価は下がっているのに、その差は月末の原価率の中に溶けます。振ったキロに単価差を掛けた金額を、週に1回書き出します。

反対側も記録します。売り切れて断った皿は、レジのどこにも残りません。断った時刻と品名だけをその場で書き、週の終わりに、格落ちに振った金額と断った皿の数を同じ表に並べます。片側だけが伸びていれば、翌週の幅の使い方を動かします。

格落ちに振ったキロ

振り先の単価との差を掛けて金額にします。捨てていなくても、損として同じ強さで残します。

断った皿

時刻と品名を書きます。金額にするなら、出せなかった皿数に1皿の粗利を掛けます。

週に1回並べる

同じ部位が両側に出ている週は、量よりも切る時刻のほうに原因があります。

紙1枚から始める順番と、費用を決める3つ

最初は紙1枚で足ります。縦に出数の多い品を並べ、横に「見込みの皿数」「1皿のグラム」「部位」「掃除後に残る割合」の4列を作ります。品ごとに掃除前のキロを出し、部位ごとに足して、冷蔵庫の残りを引き、ブロックの本数に丸めます。誰が書いても同じ本数になるなら、そこで止まって構いません。

紙がつらくなるのは、品が増えて対応表を毎回引き直しているときと、曜日と予約が重なる週の見込みを手で直しているときです。そこから先は、レジの品別の皿数を日付と一緒に書き出して見込みを自動で出し、木曜の画面に部位ごとの本数を2択で載せる仕組みが向きます。判断は店長に残り、仕組みが出すのは皿数の幅とキロへの換算までです。この画面の形は焼肉店の部位別の発注表と切り出し表の開発プランに書いています。

見積もりに要るのは3点です。対応表に載せる部位と品の数、レジの皿数を自動で取るか手で入れるか、卸への注文書の送信まで画面に入れるか。開発プランでは、対応表を店と一緒に作る工程を含めて、設計から納品まで約3ヶ月を目安にしています。Iramepakariのリリース前でも、レジの書き出しを1本お預かりして皿数の見込みに使えるかを確かめる無料相談を受けています。

紙1枚で始める

品ごとの4列と、部位ごとの合計、冷蔵庫の残り。木曜の夕方に10分。

見込みを自動にする

品ごとの日付と皿数の2列を書き出せば、Iramepakariで28日先までの幅つきの予測を試せます。データ確認は無料です。

発注の画面まで作る

部位と品の数、レジとのつなぎ方、卸への送信の有無で金額が決まります。目安は約3ヶ月。

まとめ

部位ごとに頼むキロは、皿数の見込みに1皿のグラムを掛け、掃除後に残る割合で割って、冷蔵庫の残りを引いた数です。見込みが要るのは皿数だけです。

品書きの名前は卸の伝票に載りません。皿と部位の対応表を先に作り、品ごとに部位へ戻してから足します。歩留まりは、格付の等級を借りずに自店で量った割合を使います。

次にやることは1つです。次に届くブロックを1本、掃除の前と後で量ってください。その割合が式の分母になり、そこから先は店にある記録で埋まります。

よくある質問

一頭買いやセットで仕入れている店でも、同じ式で決められますか?

式の向きが変わります。買う単位がセットだと、決めることが「何キロ頼むか」から「入ってきた部位をどの皿に振るか」に移ります。皿と部位の対応表はそのまま使えて、出数の見込みは、注文書の代わりに品書きの構成や日替わりの組み方に使います。

注文したキロと届いたキロがずれます。どちらで在庫を持てばいいですか?

届いた重さです。ブロックは1本ごとに重さが違うので、納品伝票の実重量を在庫の正本にして、そこから使った分を引いていきます。注文書のキロは本数に丸めるための途中の数字で、在庫には使いません。

掃除後に残る割合は、毎回量るのですか?

最初に部位ごとに3本ほど量れば足ります。毎回は量りません。量り直すのは、仕入先を替えたときと、脂の落とし方を変えたときです。この割合は発注のキロと1皿の原価の両方に効くので、一度量る手間の割に効きます。

記録は何ヶ月分あれば皿数の見込みに使えますか?

曜日の差は4〜8週の記録で見えてきます。季節の差を自店の数字で見るには1年ぶん要ります。Iramepakariは3ヶ月分ほどの記録から試せますが、季節まで反映するなら1年分あるほうが確かです。記録がレジに残っていない店は、品ごとの皿数を日付つきで残すところから始めます。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市手稲区の会社です。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

レジの品別の皿数で、部位ごとの見込みが出るかを先に確かめられます。

木曜の発注を店長の頭の中から出したい。ロースが出た週にばらが余る回数が月に何度もある。余った肉を切り落としに振った分を、金額で見たことがない。レジの書き出しはあるが、品ごとの皿数がどの列か分からない。そんな段階で相談していただいて大丈夫です。CSVを1本お預かりして、品ごとの日付と皿数の2列が取れるかを見るところから始めます。

レジの記録で部位別の見込みが出るか確認する (新しいタブで開きます)

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