01. 当日の清掃割当
清掃担当者を客室ごとに割り当てます。チェックアウトと連泊の室数、清掃員の作業時間を確認し、リーダーが必要に応じて割り当てを変更します。
SCENARIO ── HOUSEKEEPING CASE
予約状況から清掃量を見積もり、翌週の出勤人数と毎朝の担当を決める開発プランです。清掃員がスマホで進捗を記録し、フロントも客室の状態を確認します。客室48室・清掃員5名のホテルを想定しています。
OVERVIEW
作るのは、客室清掃の「今日の割当」と「来週の人数」を1つの予約台帳から出す部分です。同じ予約台帳から朝食の食数を出す側は 旅館の朝食食数予測の開発プラン に、飲食店のシフトの組み方は シフト作成・人件費管理の開発プラン に分けてあります。このプランでは、予約状況から清掃量を見積もり、日ごとの出勤人数を検討できるようにします。
清掃量を見積もるには、今後の予約日程と客室ごとの清掃・シーツ交換の記録を使います。宿泊者名簿は宿泊した方の記録であり、将来の予約や実際の交換日を確認できるとは限りません。まず、現在の予約管理ソフトから必要な情報を取り出せるか、別に記録する項目があるかを確認します。
厚生労働省の衛生等管理要領では、シーツなどは宿泊者が替わるごとに交換し、同じ宿泊者でも少なくとも3日に1回交換することが示されています。交換予定は到着日だけで固定せず、実際の交換日を記録して更新します。地域の条例・保健所の指導・施設の交換方針を確認して運用を決め、清掃不要のお申し出がある場合はフロントが交換方法や入室時間をご案内・調整する設計です。
CHALLENGE
APPROACH
最初に決めるのは、清掃の種類ごとの所要時間です。チェックアウトした部屋の清掃、連泊で滞在中の部屋の清掃、そのうちシーツ交換が入る部屋の3つを1ヶ月ぶん実際に計り、中央値を基準にします。画面サンプルでは、チェックアウト後の清掃(アウト清掃)を1室26分、連泊中の清掃(ステイ清掃)を10分、シーツ交換を追加8分と仮定しています。翌週の各日について、予約台帳からアウト室数・ステイ室数・交換が入る室数を出し、清掃時間の合計を1人の実働(9時30分から14時30分、準備と片付けを除いて270分)で割って切り上げた数が、その日の必要人数です。現時点の予約から分かる清掃量を基準にします。予測幅には、確定日から当日までの追加予約・キャンセル・延泊・早めのチェックアウトによる増減を反映します。
決定は週に1回、毎週水曜16時、翌週7日ぶんの出勤人数を日ごとに確定してシフト表を出す運用を想定します。水曜16時はこの開発プランで設定した運用例です。厚生労働省のシフト制の留意事項は、水曜確定を指定しているわけではありません。シフトの通知期限・方法や、確定後の変更の期限・手続きを労使で話し合い、あらかじめ定めることを示しています。実際の期限は、従業員の予定の立てやすさと、施設の予約・人員手配の状況を踏まえて決めます。確定したあとに減らす変更は労働条件の変更にあたり、本人との合意が要ります。使用者の都合で休ませれば、労働基準法第26条の休業手当の対象になります。このプランでは、確定後に不足が出た場合は本人の合意を得た増員などで対応し、施設の都合で出勤を減らす変更は原則として行わない運用を想定します。確定後の変更に頼らずに済むよう、予約が増えた場合に備える人数と応援体制を検討します。
必要人数は、清掃時間を1人の実働時間で割って切り上げます。この想定例では、予測幅の下限と上限で必要人数が変わる日は週に1〜2日です。例えば必要人数が4〜5名と見込まれる日は、リーダーが勤務条件と応援体制を確認して人数を決めます。このように人数の判断が分かれる日を画面では「境目」と表示します。早いチェックインや団体のチェックアウトが重なる日は、上限の5名を基準に検討します。フロントからの応援を確保できる日などは下限の人数も検討します。客室の提供時刻や衛生管理に支障がないことを確認して判断します。人数を決めた理由を残し、翌週は清掃の遅れや作業後の余裕時間を振り返ります。必要人数の幅が小さい日も、希望休や勤務条件を確認してからシフトを確定します。
毎朝9時30分の割当は予測を使いません。前夜までに確定したチェックアウト予定で組み、当日の退出状況に合わせて更新します。連泊の部屋には、前回の交換日と施設の交換方針に基づいて交換予定の印を表示します。清掃不要のお申し出がある場合は「フロント調整待ち」とし、対応内容を確認してから割当を更新します。予測と実績の差に加え、日々の清掃が予定どおり終わったかを確認します。15時の時点で清掃が終わっていない室数、最後の部屋が終わった時刻、確定後に足した人数、上限の人数を配置した日の作業後の余裕時間を日ごとに残し、週に1回並べます。清掃の遅れや追加対応を記録し、曜日ごとに固定していた人数を見直す材料にします。
CONSULTATION
予約状況に合わせて清掃の出勤人数を見直したい。
毎朝の割当が紙で、フロントが内線で完了を聞いている。
予約台帳から日ごとのアウト室数が出せるかを確かめるところからご相談ください。
SCREENS
以下は5画面のサンプルです。利用する担当者と入力・確認する内容を紹介します。表示している名称・人数・数量・金額などは想定例です。
清掃担当者を客室ごとに割り当てます。チェックアウトと連泊の室数、清掃員の作業時間を確認し、リーダーが必要に応じて割り当てを変更します。
清掃員が開始・完了をスマホで記録します。フロントは清掃状況と点検、シーツ交換の実施記録を確認し、客室の案内に使います。
予約台帳と清掃・交換の記録から、翌週の日別の清掃量と必要人数を見積もります。追加予約・キャンセル・日程変更の見込みも確認し、水曜16時にリーダーが人数を確定します。
清掃量に応じた必要人数と希望休を表示します。リーダーが担当者を割り当て、通知期限と変更ルールを確認してシフトを共有します。
予定した人数と実際の人数、清掃が終わった時刻、応援、作業後の余裕時間を確認します。翌週の配置と清掃時間の基準を見直すための画面です。
OUTCOME
以下は導入後に想定する使い方です。実際の業務で試し、作業時間や確認漏れの変化を確かめます。
数えるのは、見込みの人数と実際の人数の差と、確定後に足した回数です。仕組みを入れる前の1ヶ月で、いまのシフトのまま日ごとのアウト室数を並べ、人が余った日と足りなかった日を先に数えておきます。
未完了室数は「15時の時点で完了ボタンが押されていないアウトの部屋」で数えます。待ってもらった組数はフロントが1件ずつ入れる想定で、入れ忘れが出るので、未完了室数のほうを主な指標にします。
厚生労働省の要領と地域の条例・保健所の指導を確認し、施設の交換方針に合わせて設定します。入室や交換の調整をした場合も、対応内容と実際の交換日を残します。
PROCESS
札幌市内・近郊なら施設へ伺い、道外はオンラインで進めます。客室48室・清掃員5名で、予約台帳からは日ごとのCSVを取り込む範囲なので、設計から納品まで3ヶ月の想定です。
朝9時30分から3日間、清掃に同行します。アウト清掃・ステイ清掃・シーツ交換つきの3種類について、1室ごとの時間をその場で計り、階の移動と備品の補充にかかる時間も残します。同時に、直近3ヶ月の予約台帳を日ごとのアウト室数とステイ室数に直し、いまのシフトの人数と並べて、人が余った日と足りなかった日を数えます。この月のうちに、紙の割当表に「清掃の種類」「開始・完了時刻」「中断」の欄を足し、同行期間を含む1ヶ月の記録から基準時間を確認します。
当日の清掃割当、客室の清掃状況、清掃員のスマホの完了ボタンの3つを先に作り、紙と並行で2週間使います。確かめるのは、リーダーが初期値の割当を直した回数、完了ボタンの押し忘れの回数、フロントが内線で聞いた回数の3つです。予約台帳からのCSVの取り込みは、この月に毎日の手順として固めます。連泊のシーツ交換予定が実施記録に応じて更新されることと、フロントでの調整内容が共有されることを確かめます。
翌週の清掃量・必要人数、シフト表、清掃実績の週次確認を作り、水曜16時の確定を3回行います。1回目は当社が同席し、幅の根拠と必要人数が変わる日の判断方法を一緒に確かめます。2回目と3回目はリーダーだけで確定し、翌週の振り返りで上限・下限の人数を選んだ日の結果を見ます。通知の期限と変更のルールは、就業規則等に入れる文言を施設側で決めてもらい、画面にはその文言をそのまま載せます。
FAQ
RELATED
予約状況に合わせて清掃の出勤人数を見直したい。
毎朝の割当が紙で、フロントが内線で完了を聞いている。
予約台帳から日ごとのアウト室数が出せるかを確かめるところからご相談ください。