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飲食の需要予測・AI

ピークタイムに何人置くか。シフト作成AIに渡す時間帯ごとの必要人数を、来客数と対応できる客数から決める手順

ピークの人数は「その時間帯に来る客数÷1人が1時間に対応できる客数」で決まります。シフト作成AIはこの数字を出しません。来客数は日ごとの見込みにピークの割合を掛け、対応できる客数は自店の記録で測ります。スタッフ5〜20人の飲食店の経営者向けです。

この記事でわかること

  • 必要人数の式は1つだけです。時間帯の来客数を、1人が1時間に対応できる客数で割って切り上げます。ホールとキッチンでは割る数が違うので、別々に出します。シフト作成AIや既製のシフト管理サービスは、この数字を渡してはじめて枠を埋められます。
  • 時間帯ごとの来客数は、レジの伝票の時刻から出せます。4週ぶんを1時間刻みで数えると、12時台や19時台が1日の何割かという比率は日によってあまり動きません。日ごとの客数の見込みにこの比率を掛けたものが、その時間帯の見込みです。日ごとの見込みは、過去の日付と客数の並びから幅で出せます。
  • 1人が対応できる客数は、自店で測ります。世間の目安は借りません。提供が遅れず断りも出なかった日のピーク1時間の客数を、その時間にいたホールの人数で割った値です。新人が入る日は下がります。
  • 休憩は労働基準法第34条で、6時間を超える勤務に45分以上、8時間を超える勤務に1時間以上を勤務の途中に入れると決まっています。飲食店は「一斉に与える」原則の適用除外なので、ピークを外して順番に取れます。時間帯ごとに「いる人数」から「休憩に入っている人数」を引いた数で足りるかを見ます。
  • ピークに1人1時間厚くする費用は時給で分かります。北海道の最低賃金は2026年10月1日から1,131円です。薄くしたときの損(待たせた組、断った組、提供の遅れ)は帳簿に残らないので、日付と時間帯つきで記録し、見込みの幅の上側で置くか下側で置くかを決める材料にします。

ピークの人数は、時間帯の来客数と対応できる客数の割り算で決まる

式は1つです。その時間帯に来る客数を、1人が1時間に対応できる客数で割り、切り上げる。想定例で言うと、12時台に36人来る店で、ホールの1人が1時間に8人まで対応できるなら、36÷8=4.5で5人です。13時台が24人なら3人です。時間帯ごとにこの割り算をした結果の並びが、シフト表に書く「必要人数」になります。

ホールとキッチンでは割る数が違います。ホールは案内・注文・提供・会計で1人が回せる客数、キッチンは1人が1時間に出せる料理の数が上限です。定食のように1人1皿の店ならキッチンも客数で割れますが、居酒屋のように1人が3〜5品を頼む店は、客数に1人あたりの品数を掛けてから、1人が1時間に出せる品数で割ります。レジや洗い場を専任で立てている店は、それも別の役割として1行足します。

シフト作成AIの記事に書いたとおり、AIが自動でやるのは希望を集めて枠を埋めるところまでで、枠の数字そのものは店が渡します。既製のシフト管理サービスに時間帯ごとの必要人数を入れる欄があるなら、そこに入れるのがこの割り算の結果です。多くの店はこの欄を「金曜のディナーはホール3人」のように曜日で固定していて、その3人の出どころを説明できないまま使っています。この記事は、その数字の出どころを作る手順です。

ホールの割る数

1人が1時間に対応できる客数。テーブル数や注文の取り方(口頭かタブレットか)で変わります。

キッチンの割る数

1人が1時間に出せる品数。仕込みの済み具合とメニューの構成で変わります。客数に1人あたりの品数を掛けてから割ります。

兼務の人

ホールもキッチンも入れる人は、どちらか片方の1人として数えます。両方に0.5人ずつ数えると、ピークにどちらも足りなくなります。

時間帯ごとの来客数は、レジの伝票の時刻から出せる

時間帯の来客数は、レジの伝票に時刻が残っていれば出せます。会計の時刻でも注文の時刻でも構いませんが、どちらかに決めて揃えます。直近4週ぶんを1時間刻みで数え、曜日ごとに並べると、たとえば「平日は12時台が1日の28%、13時台が15%、19時台が14%」のような比率が見えてきます。この比率は、その店の営業時間とメニューでほぼ決まるので、日によって大きくは動きません。

動くのは1日の合計のほうです。同じ金曜でも給料日の翌日と連休明けでは客数が違います。だから時間帯の見込みは、日ごとの客数の見込みに、その店の時間帯の比率を掛けて出します。日ごとの客数が32〜40人と幅で見込めていれば、12時台(28%)は9〜11人、その店のホールの1人が1時間に6人まで対応できるなら2人で足り、上側で置いても2人です。人数は切り上げで決まるので、見込みが多少ずれても答えが変わらない時間帯が多く、変わる境目の時間帯だけを気にすれば済みます。

日ごとの客数を先まで見込む方法は、来客予測の記事シフトの確定日の記事に書きました。当社が開発中の需要予測AI「EvoQuest Iramepakari」は、日付と数量の2列のCSVから28日先までの日ごとの見込みを幅つきで出す作りで、レジの日別客数がそのまま「数量」の列になります。時間帯の比率は店の側で掛けます。予約が入っている日は比率が崩れるので、予約の人数はその時間帯に先に足してから、残りの見込みに比率を掛けます。

集計の刻み

1時間刻みで足ります。30分刻みにすると数字が細かくなるわりに、シフトの区切りは1時間単位の店がほとんどです。

比率の出し方

曜日ごとに4週ぶんの合計で出します。1日ずつ出すと、たまたま客の少なかった日の比率に引きずられます。

予約の扱い

予約の人数は見込みに含めず、その時間帯に先に足します。団体が入る日ほど、比率で出した数字は外れます。

1人が対応できる客数は、自店の記録で測る。世間の目安を借りない

「ホール1人で何人まで見られるか」は、店の形で大きく違います。券売機のある店と口頭で注文を取る店、水をセルフにしている店とテーブルに運ぶ店、2人掛けが多い店と6人掛けが多い店では、同じ1人でも対応できる客数が違います。世間で言われる目安の数字を借りてくると、自店では足りないか余るかのどちらかになります。

測り方は割り算の逆です。提供が遅れず、待たせもせず、断りも出なかった日のピーク1時間の客数を、その時間に働いていたホールの人数で割ります。たとえば12時台に33人来て、ホールが3人いて問題なく回ったなら、1人あたり11人です。同じ条件の日を3〜4回集めると、9〜12人のような幅で見えてきます。忙しすぎて回らなかった日の数字は、限界を超えた数なので上限には使いません。

この数は一定ではありません。新人が入った日は下がりますし、メニューを増やした月やタブレット注文に変えた月も動きます。四半期に1回、直近の回った日で測り直すくらいでちょうどよく、毎週見直す必要はありません。売上で見る店なら、この客数に客単価を掛けたものが「1人1時間あたりの売上」で、業界で人時売上高と呼ばれる数字と同じものです。ここでは人数を決めるのが目的なので、客数のまま扱います。

回った日の定義

提供の遅れ、案内の待ち、入店の断りのどれも出なかった日。この定義を先に決めないと、忙しかった日の数字が混ざります。

新人がいる日

入って1か月の人は、慣れた人の半分ほどで数えておき、その日の必要人数を1人多く見ます。数字は店で決めて構いません。

測り直す頻度

四半期に1回。メニューの改定、注文方法の変更、レイアウトの変更があった月は、その翌月に測り直します。

DEMO

来客数と対応できる客数を動かすと、時間帯ごとの人数がどう変わるか

1日の客数の見込みと、ホール・キッチンそれぞれの対応できる客数を動かすと、時間帯ごとの必要人数が変わります。見込みの幅の上側と下側で人数が変わる時間帯と、休憩を寄せられる時間帯、ピークに1人足したときの月の費用を並べます。

ピークタイムの必要人数の試算|時間帯ごとのホール・キッチンの人数と、休憩を寄せる時間帯

架空の店の1日で試す画面です。1日の客数の見込み、幅、ホールとキッチンの対応できる客数、時給を動かすと、11時台から21時台までの必要人数が変わります。幅の上側と下側で人数が変わる時間帯には印がつきます。

触って動かせます
計算の中身
時間帯の客数=1日の見込み×その店の時間帯の比率(架空の入力例)。必要人数=時間帯の客数÷対応できる客数(切り上げ)。キッチンは客数に1人あたりの品数を掛けてから割っています。
使っている前提
時間帯の比率は、昼と夜に山のある架空の店の入力例です。時給の初期値は2026年10月1日発効の北海道最低賃金1,131円、月の営業日数は25日にしています。
確かめてほしいところ
幅を広げても人数が変わらない時間帯が多いことと、変わるのが境目の1〜2時間帯だけであることを見てください。対応できる客数を1人ぶん変えると、ピークの人数のほうが大きく動きます。

※ 店・客数・比率・対応できる客数はすべて架空の入力例です。休憩を寄せる時間帯は、必要人数が少ない時間帯を機械的に示したもので、勤務時間が6時間を超える人がいるかどうかは見ていません。

休憩の時間は、ピークにいる人数から引いて数える

必要人数を時間帯ごとに置いても、休憩を忘れると当日に崩れます。労働基準法第34条は、労働時間が6時間を超える場合に少なくとも45分、8時間を超える場合に少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に与えるよう定めています。11時に入って19時に上がる人は、途中で45分以上、店の外れる時間があります。その45分がピークにかかると、置いたはずの人数が1人減ります。

同じ条の第2項に「一斉に与える」原則がありますが、労働基準法施行規則第31条で、別表第一第14号の事業(旅館、料理店、飲食店、接客業、娯楽場)はこの原則の適用が除外されています。飲食店は労使協定を結ばなくても、休憩を1人ずつずらして与えられます。つまり、ピークを外した時間帯に順番に回せる業種です。ランチの山が12〜13時台なら14時台と15時台に、ディナーの山が19〜20時台ならその前の17時台に、休憩を寄せられます。

数え方は簡単で、時間帯ごとに「その時間にいる人数」から「休憩に入っている人数」を引いた数が、働いている人数です。この数が必要人数を下回っていないかを、ピークの前後2時間ぶんについて見ます。注意したいのは、休憩は自由に使わせる時間(第34条第3項)だという点です。電話が鳴ったら出る、呼ばれたら戻る、という待機の時間は休憩に数えられません。ピークの直後にレジ番をしながら食事をとる形は、休憩を与えたことになりません。

休憩の長さ

6時間を超える勤務に45分以上、8時間を超える勤務に1時間以上。勤務の途中に入れます(労働基準法第34条第1項)。

順番に取れる

飲食店は一斉付与の原則の適用除外です(施行規則第31条、別表第一第14号)。ピークを外して1人ずつ回せます。

休憩にならない時間

呼ばれたら戻る前提の待機や、レジ番をしながらの食事は休憩ではありません。休憩は自由に利用させる時間です(第34条第3項)。

1時間厚くする費用は分かる。薄くした損は記録しないと残らない

ピークに1人1時間厚くする費用は、時給そのものです。北海道の最低賃金は2026年10月1日から時間額1,131円で、道内の飲食店で働く人にはこの額が適用されます。12時台に毎日1人足す店なら、月25営業日で28,275円が人件費に乗ります。この数字は締める前から分かります。

薄くしたときの損は、帳簿に残りません。案内を待たせて帰った組、電話で断った予約、提供が遅れて次の注文が入らなかった卓は、売上が立たなかっただけなので数字になりません。だから、待たせた組数、断った組数、提供が遅れた時間帯を、日付と時間帯つきで記録します。1か月ぶん集まると、上の28,275円と比べる相手ができます。

見込みが幅で出ているなら、上側で置くか下側で置くかはこの比較で決まります。予約が入っている日や新人が多い日は、足りない損のほうが大きいので上側です。人件費率が目標を超えている月や、当日に応援を呼べる人がいる日は下側です。どちらで置くかは店長が決めます。見込みは、境目の時間帯を教えるところまでです。

費用と期間は3段で考えます。最初はExcelで足ります。レジの時刻を1時間刻みで数えて比率を出し、日ごとの客数を掛けて必要人数を並べるだけなら、費用はかかりません。次に、既製のシフト管理サービスを使っている店なら、その必要人数の欄に日ごとの数字を入れる運用に変えます。見込みをレジの記録から機械で出す段階は、CSVを1本お預かりするところからで、Iramepakariのリリース前でも記録が使えるかの確認は無料で受けています。

時間帯ごとの過不足を画面に出すところまで作る場合は、当社のシフト作成・人件費管理の開発プランで、スタッフ5〜15名の個人店を対象に設計から納品まで約2〜3ヶ月を目安にしています。費用は、時間帯を何本に割るか、役割をいくつ分けるか、レジと予約台帳のどちらをつなぐかの3つを決めると見積もれます。

Excelで出す

伝票の時刻を1時間刻みで4週ぶん数え、曜日ごとの比率を出す。日ごとの客数を掛けて対応できる客数で割る。費用はかかりません。

既製サービスに入れる

必要人数の欄を曜日固定から日ごとの数字に変える。見込みは別に出して並べる形なら、開発は要りません。

画面まで作る

見込み、比率、休憩の位置、時間帯ごとの過不足を1つの画面に。時間帯の本数、役割の数、つなぐデータの3つで費用が決まります。

まとめ

ピークの人数は、時間帯の来客数を1人が対応できる客数で割って切り上げた数です。来客数はレジの時刻から出した比率に日ごとの見込みを掛け、対応できる客数は回った日の記録で測ります。シフト作成AIに渡すのはこの数字です。

休憩は6時間超で45分、8時間超で1時間を勤務の途中に入れる決まりで、飲食店は一斉付与の原則の適用除外です。ピークを外して順番に回し、時間帯ごとに「いる人数」から「休憩中の人数」を引いた数で足りるかを見ます。

次にやることは1つです。直近4週のレジの伝票を1時間刻みで数えて、12時台と19時台が1日の何%かを出してみてください。その比率と、回った日のピークの人数があれば、この記事の割り算はすぐにできます。

よくある質問

シフト作成AIを入れれば、ピークタイムの必要人数も自動で決まりますか?

決まりません。シフト作成AIや既製のシフト管理サービスがやるのは、渡された必要人数の枠にスタッフの希望を当てはめる作業です。枠の数字は店が出します。出し方は、時間帯ごとの来客数を1人が1時間に対応できる客数で割って切り上げるだけで、来客数はレジの伝票の時刻から、対応できる客数は回った日の記録から出せます。

ホールとキッチンで職種が分かれています。必要人数はどう分けますか?

別々に割り算します。ホールは時間帯の客数を1人が対応できる客数で割り、キッチンは客数に1人あたりの品数を掛けてから、1人が1時間に出せる品数で割ります。どちらにも入れる人は片方の1人として数え、0.5人ずつには分けません。レジや洗い場を専任で立てる店は、それも1行足します。

ピークの人数を減らすと、お客さんの満足度が下がりませんか?

対応できる客数を超えた人数で回すと、案内の待ちと提供の遅れになって、そのままお客さんに届きます。だから対応できる客数は、待たせも断りも出なかった日の記録から測り、忙しすぎた日の数字は使いません。見込みが幅で出ているなら、予約のある日や新人の多い日は上側で置き、待たせた組数と断った組数を記録して、上側と下側のどちらが損だったかを月ごとに見ます。

休憩の取り方に決まりはありますか?ピークを避けて取らせても大丈夫ですか?

労働基準法第34条で、6時間を超える勤務に45分以上、8時間を超える勤務に1時間以上を勤務の途中に与えると決まっています。一斉に与える原則もありますが、飲食店は施行規則第31条で適用除外なので、1人ずつずらして取らせて構いません。ただし、呼ばれたら戻る前提の待機や、レジ番をしながらの食事は休憩になりません。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市手稲区の会社です。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

レジの時刻の記録と、いまのシフト表を見せてもらうところから。

必要人数を「金曜のディナーはホール3人」のように曜日で固定していて、その3人の根拠を説明できない。既製のシフト管理サービスは入れたが、必要人数の欄に何を入れればいいか分からない。ピークに足りない日と余る日が交互に来ている。そのどれかに当てはまるなら、レジの記録を1本お預かりして、時間帯の比率と日ごとの見込みが出るかを確かめるところから始められます。北海道内は訪問、道外はオンラインで対応します。

記録から必要人数が出るか確認する (新しいタブで開きます)

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