01. 朝の仕込み量を決める
店主が朝7時半に提供したい時刻を選び、必要な食数の予測を確認します。朝に仕上げる分と下ごしらえだけ済ませる追加分を分けて確定し、厨房の仕込み表に反映します。
SCENARIO ── DAILY LUNCH FORECAST CASE
昼営業の定食店向けに、日替わりランチの販売数を30分ごとに予測するシステムを作ります。店主が朝7時半に提供したい時刻を決め、朝の仕込み量と昼の追加分を確認する想定です。廃棄や売り切れの記録も含め、約2ヶ月で開発します。
OVERVIEW
日替わりが早く売り切れる日もあれば、閉店前まで残る日もあります。ところが、何時に売り切れたか、何食残ったかを記録していないと、月末に分かるのは全体の原価率だけです。「どの日に、どれだけ作りすぎたか」「何食足りなかったか」を振り返れません。しかも定食は、主菜だけでなく副菜と汁物も同じ食数に合わせてまとめて仕込むため、日替わりを8食多く作れば、小鉢や味噌汁も8食ぶん余ります。
この店には予約がないので、朝の時点で確定している食数はありません。頼りになるのは、これまで何時に何食売れたかという自分の店の記録です。1日の合計だけでは、昼前に集中したのか、13時以降まで続いたのかが分かりません。そこで販売数を30分ごとに記録し、曜日や天気によって売れ方がどう変わるかを見ます。時間ごとの流れが分かれば、きょうは何時ごろ売り切れそうかまで予測できます。
朝はまず「きょうは13時まで日替わりを出したい」と目標の時刻を決めます。食数は過去の売れ方から逆算して出します。営業中も実際の売れ行きを見て、追加で仕上げるか、そのまま終えるかを判断できます。売り切れた時刻と残った数も毎日記録するため、翌朝の食数を少しずつ店の実情に合わせられます。
CHALLENGE
APPROACH
予測の単位から決めます。学習の単位を30分ごとに取り、11時台・12時台・13時台の売れ行きをそれぞれ予測します。材料は自分の店のレジ記録、曜日、祝日や地域の行事、天気、それに近所の事情。時間帯ごとの販売数を比べ、曜日や天気によって昼前・ピーク時・昼過ぎの売れ方がどう変わるかを調べます。
予測は1つの数字にしません。過去の似た条件の日が中央からどれだけ散ったかを見て、38食から46食のような幅で出します。幅の作り方は「10日のうち8日はこの中に収まる」という置き方で、記録が少ない間は余裕を持たせ、実績とのずれを検証しながら幅を見直します。そして予測は朝の1回では終わりません。11時半と12時20分に、その日の販売状況を材料に足して予測し直します。けさの販売状況が平常の1.27倍なら、残りの時間帯もその倍率で引き延ばす。朝の予測と昼の予測は別物として扱います。
必要な食数は提供したい時刻から逆算します。朝7時半に店主が選ぶのは「きょうは13時まで出す」という目標時刻です。食数はそこから逆算して出る数字という扱いにします。時間帯ごとに予測しているので、目標の時刻を13時半に動かせば必要な食数も入れ替わる。その幅を朝に確定する分と、途中まで仕込んで昼に仕上げて追加できる分に分けます。主菜の下ごしらえは上限の46食ぶんまで進めておいて、仕上げは38食ぶんで止める。11時半の見直しで出が早ければ、そこから足せる。予測の幅に合わせて朝に仕上げる量と追加用の量を分けることで、売れ行きに合わせて仕上げる量を調整できます。
効果の測り方は、当たった外れたの採点にはしません。予測そのものの確かめ方としては、予測の幅に実績が収まった日の割合を見ます。10日のうち8日に収まっていれば、幅の作り方は狙いどおり。目標より高い割合が続く場合は、記録を増やして確かめたうえで、幅を狭められるか検討します。そのうえで、店として見るのは2つです。1つは廃棄した分の金額で、主菜だけでなく副菜と汁物まで含めて日ごとに積み上げます。もう1つは「日替わり終わりました」と言った時刻と、そのあとに入ってきた人数。前者だけを見ていると余りを減らそうとして仕込み量を下げすぎ、早い時間に売り切れるおそれがあります。両方を並べて初めて、きょうの予測が低すぎたのか高すぎたのかが分かる。予測が外れた日には理由を一言だけ残してもらいます。「向かいのビルの改修が終わった」「雨、うちは通りに面しているので減る側」。この一言が貯まると、雨の日にこの店の食数が増えるのか減るのかが、自分の記録から出てきます。
CONSULTATION
現在の仕込み量・売り切れ時刻・余った食数の記録を確認します。
販売予測と、朝・営業中に確認したい情報を整理し、必要な画面をご提案します。
SCREENS
想定する画面のサンプル。朝の仕込み表は厨房のタブレット、昼の残数はレジ横の同じ端末で見る前提の作りです。店名・食数・金額はすべて想定例で、実在の店舗・実績ではありません。
店主が朝7時半に提供したい時刻を選び、必要な食数の予測を確認します。朝に仕上げる分と下ごしらえだけ済ませる追加分を分けて確定し、厨房の仕込み表に反映します。
提供終了の目標時刻を変えると、必要な食数を再計算します。過去12回の似た条件の日の販売数を30分ごとに表示し、昼のどの時間帯に多く売れるかを確認できます。
レジの販売数から残数を計算し、売り切れ時刻の目安を表示します。担当者が朝に下ごしらえした分を確認して追加数を入力し、提供終了時は店頭掲示を変更する案内を表示します。
主菜・副菜・汁物の廃棄額と、日替わりの提供終了時刻、終了後の来店人数を並べて確認します。予測の範囲に実績が収まった割合も表示し、仕込み量の見直しに使います。
曜日・天気・地域の行事が予測に与えた影響と、店主が記録した変更理由を確認します。雨の日に販売数が増えるか減るかも、その店の記録から確認します。
OUTCOME
提供したい時刻を決めてから必要な食数を予測し、仕込み量を判断する流れに変えます。
時刻の目安は店で決めていただきます。13時か、13時半か、その日の予定で動かして構いません。画面はそれに合わせて食数を出し直します。
予測範囲は10日のうち8日が収まる設定を想定します。実績が想定した範囲を超える割合が高い場合は、記録を増やして設定を見直します。下ごしらえだけでは保存できない主菜は、朝に数量を確定する品目として扱います。
30分より細かく分けると区間ごとの件数が少なくなるため、このプランでは昼営業3時間を30分単位で確認する想定です。
廃棄と品切れの両方を表示します。数量を増やすか減らすかは、店主が営業方針に合わせて決めます。
記録が少ない間は、天気などの影響を十分に判断できません。3ヶ月ほど貯まってから見ていただくのが現実的です。
PROCESS
日替わりの1品を対象に、約2ヶ月での開発・納品を想定しています。月ごとに操作できる画面をご確認いただき、朝の仕込みで試して調整します。札幌市内では店舗訪問、道外ではオンラインで対応します。
朝の段取りを一つずつたどります。何時に仕込みを始めて、どの品からどの順に火を入れ、どこを過ぎると量を動かせなくなるか。そこから朝の締切時刻を決めます。並行して、レジから時刻つきの記録が取り出せるかを確かめ、30分刻みに整えたうえで予測の試作を作ります。できた予測は、いまの店主の見込みと2週間並べて見比べます。
朝の仕込み表・時刻からの逆算・昼の残数・廃棄した分と提供終了時刻の記録を開発します。厨房のタブレットは手が濡れたまま触ることになるので、文字の大きさとボタンの間隔を実際の置き場所で調整します。予測が外れた日の一言をどう残すかも、この月に運用として決めます。
FAQ
RELATED
現在の仕込み量・売り切れ時刻・余った食数の記録を確認します。
販売予測と、朝・営業中に確認したい情報を整理し、必要な画面をご提案します。