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飲食の需要予測・AI

仕込み量は前日の何時に確定するか。営業開始からさかのぼる締切の決め方

仕込み量の確定時刻は、品目ごとに違います。営業開始から、仕込みにかかる時間と漬け込みや解凍で待つ時間をさかのぼった時刻が、その品目の締切です。締切の前に見られる最後の材料が前日17時の予報か当日5時の予報かで、見込みの立て方が変わります。個人店から数店舗の飲食店の経営者向けです。

この記事でわかること

  • 締切は「営業開始の時刻から、仕込みにかかる時間と、手を離れて待つ時間を引いた時刻」です。この計算で品目は、前夜に確定するもの、当日の朝に確定するもの、営業中に足せるものの3つに分かれます。
  • 気象庁の天気予報は毎日5時・11時・17時に出ます。前夜に確定する品目は17時の予報、朝に確定する品目は5時の予報が、締切の前に見られる最後の材料です。
  • 食品衛生法施行規則は「販売量を見込んで適切な量を仕入れること」を営業者に求めています。余った分を何日持ち越せるかは、品目ごとに店で決めて表に書きます。
  • 締切が早い品目ほど見込みの幅は広くなります。持ち越せる品目は幅の上寄り、持ち越せず営業中に足せる品目は下寄りで確定し、確定した量と出た量を締切の時刻ごとに残すと、次の見込みの材料になります。

確定の時刻は品目ごとに違う。営業開始からさかのぼると決まる

仕込み量を確定する時刻は、「前日の閉店後にまとめて」と店で1つに決めるものではありません。品目ごとに、営業開始の時刻から、仕込みそのものにかかる時間と、漬け込みや解凍のように手を離れて待つ時間を引いた時刻が締切です。11時開店の店で、煮込みに3時間、前の晩の漬け込みに8時間かかる品目なら、締切は前日の閉店前です。切って盛るだけの品目なら、当日の朝に厨房へ入ってからで間に合います。

この計算をすると、品目は3つに分かれます。前夜に確定する品目、当日の朝に確定する品目、営業中に足せる品目です。締切が違えば、確定の時点で手に入る情報も違います。前夜に確定する品目は、明日の予約の最終形も、当日の朝の天気も見られません。

まず紙1枚に、品目・仕込みにかかる時間・待つ時間・締切・余った分を持ち越せる日数を書き出します。「うちは全部前夜に仕込んでいる」という店ほど、この表で朝や営業中に回せる品目が見つかります。締切を遅らせられる品目は、見込みの材料が増えるぶん外れにくくなります。

前夜に確定する品目

煮込み、漬け込み、解凍が要る品目、手打ちの麺のように仕込みの単位が大きい品目。締切は前日の閉店前で、材料は前日17時の予報と、その時点の予約です。

当日の朝に確定する品目

切りもの、炊飯、下ごしらえだけで済む揚げ物。締切は厨房に入る時刻から開店までで、当日5時の予報と朝までに入った予約が使えます。

営業中に足せる品目

茹でる、揚げる、盛るだけの品目。最初の量を少なめに置き、昼の出足を見て足します。締切はありませんが、足すのにかかる時間だけは表に書きます。

締切の前に見られる最後の材料は、前日17時の予報か、当日5時の予報か

気象庁の天気予報は、毎日5時・11時・17時に発表されます。対象は今日・明日・明後日で、明日までは6時間ごとの降水確率が10%単位、最高・最低気温が1℃単位で出ます。前夜に確定する品目にとって、17時の予報の「明日の6時間ごとの降水確率」が締切前に見られる最後の材料です。朝に確定する品目なら、5時の予報で昼の6時間の降水確率まで見てから決められます。

週間天気予報は毎日11時ごろと17時ごろの発表で、翌日から7日先までです。3日目以降の降水の有無には、当たりやすさと変わりにくさを表す信頼度がA・B・Cの3段階で付きます。週に1回まとめて頼む冷凍品や乾物の量は、この信頼度を見ながら決める品目です。さらに先の2週間気温予報は毎日14時30分ごろの発表で、8日先から12日先を中心にした5日間の平均気温が出ます。鍋物や冷たい麺のように、気温で出数が入れ替わる品目の仕入れを切り替える時期の目安になります。

予約台帳も同じ考え方で扱います。前夜に確定する品目は、閉店時点の予約人数で決めるしかありません。朝に確定する品目は、朝までに入った変更を数えてから決められます。宴会の人数変更を何日前まで受けるかは、品目ごとの締切から逆に決める話で、宴会の人数変更の締切の記事に書いています。

「見込んで仕入れる」は法令に書いてある。持ち越せる日数は店で決める

食品衛生法施行規則の別表第17は、営業者が守る衛生管理の基準を並べた表です。その「販売」の項に、「販売量を見込んで適切な量を仕入れること」とあります。仕込み量と発注量を見込みで決めるのは、店の都合だけでなく、衛生管理の基準として求められている作業です。同じ表の「運搬」の項には、調理した食品を配送して提供する場合は飲食に供されるまでの時間を考慮すること、とあります。仕出しや弁当を出す店は、作ってから食べるまでの時間も締切の計算に入ります。

同じ表には、同一の食品を1回300食または1日750食以上調理して提供する営業者は、原材料と調理済みの食品を保存し、提供先・提供時刻・提供した数量を記録して保存すること、とあります。給食や大きな宴会場に当たる規模ですが、「いつ、いくつ出したか」を残す作業が基準に組み込まれている点は、個人店が仕込みの記録を残すときの手本になります。

余った分を翌日に回せるかどうかは、法令の数字ではありません。東京都保健医療局は冷蔵庫の温度の目安を10℃以下、冷凍庫を−15℃以下としていますが、「この品目は何日持ち越せるか」は保存の温度と、店で決めた品質の線で決まります。品目ごとの持ち越し日数を表に書き、決めた根拠を添えておくと、見込みの幅のどこを取るかを決める材料になります。

締切が早い品目ほど幅は広い。持ち越せるかで、幅のどこを取るかが決まる

前夜に確定する品目は、明日の朝の予報も、朝までに入る予約の変更も見られません。見込みは1つの数ではなく、少なめと多めの幅で持ち、どこで確定するかを持ち越しの可否で決めます。翌日に回せる煮込みや漬け込みなら、幅の上寄りで仕込んでも、余った分は翌日の仕込みから引けます。持ち越せない刺身や揚げたての品目は、下寄りで確定し、営業中に足す道を残します。持ち越せず、営業中にも足せない品目だけが、幅の真ん中で決めるほかない品目です。

外れの損は、どちら側に外れたかで見え方が違います。農林水産省の推計では、2024年度の食品ロスは461万トン、そのうち事業系が237万トンで、外食産業は70万トンです。多めに外れた分は、この捨てた量として数えられます。少なめに外れた分は品切れで、どこにも数字が残りません。仕込み表に「品切れの時刻」の欄を1つ足しておくと、少なめの外れも記録できます。

幅の上寄り・下寄りをどこまで振るかは、余裕の置き方の問題です。届くまでに使う数に、品目ごとの余裕を足して発注量にする考え方は、発注量を決める3つの数字の記事に書きました。仕込み量では「届くまで」が「次の締切まで」に置き換わるだけで、余裕の決め方は同じです。

DEMO

品目ごとの締切と、幅のどこで確定するかがどう出るか

営業開始の時刻と、品目ごとの仕込みにかかる時間・待つ時間・持ち越し日数を入れると、締切の時刻と、その前に見られる最後の予報、前夜・朝・営業中のどれで確定するかが出ます。見込みの幅を動かすと、持ち越しの可否で仕込む量が上寄り・下寄りに分かれます。

仕込みの締切表|営業開始からさかのぼって品目を3つに分ける

品目ごとの仕込み時間と待つ時間から締切を計算し、1日の時間の上に17時・5時・11時の予報の発表時刻と並べる画面です。見込みの中央と幅を入れると、持ち越せる品目は上寄り、営業中に足せる品目は下寄りで仕込む量が出ます。

触って動かせます
計算の中身
締切は「営業開始の時刻-仕込みにかかる時間-手を離れて待つ時間」です。締切が前日の閉店より前なら前夜に確定、朝に厨房へ入る時刻より後なら当日の朝に確定、仕込み時間が短く営業中に足せる品目は営業中の区分にしています。
使っている前提
品目・時間・数量はすべて入力例です。予報の発表時刻(5時・11時・17時)は気象庁の天気予報の解説にもとづいています。持ち越し日数と品質の線は店ごとに違うので、自店の数字に置き換えてください。
確かめてほしいところ
待つ時間を0にしてみてください。締切が前夜から朝に移り、見られる予報が17時から5時に変わります。次に持ち越し日数を0にすると、同じ幅でも仕込む量が上寄りから下寄りに動きます。

※ 幅の上寄り・下寄りは「持ち越せるか」と「営業中に足せるか」だけで決めています。原価の高い品目は、持ち越せても下寄りに置く判断がありえます。その線は店長が決めるもので、この画面は判断の材料を並べるところまでです。

確定した量と出た量を締切の時刻ごとに残すと、次の見込みの材料になる

表に書くのは、日付、品目、締切の時刻、確定した量、実際に出た量、余った量か品切れの時刻の6つです。品目ごとに1行なので、閉店後に数分で書けます。3ヶ月ほどたまると、金曜の煮込みは木曜の1.5倍出る、雨の日の冷たい麺は晴れの日の6割、といった差が数として見えてきます。

この記録は、日付と数量の並びです。過去の並びから先の日々の数量を見込む計算が需要予測で、当社が開発中の需要予測AI「EvoQuest Iramepakari」は、日付と数量の2列のCSVを入れて列を選ぶと、28日先までの見込みを幅つきで出し、CSVで書き出せます。前夜に確定する品目は、その日の夕方に出した翌日の見込みをそのまま仕込み表に写します。朝に確定する品目は、同じ幅を5時の予報で上下に寄せて決めます。

締切の置き方が違う店の例を、当社の開発プランとして書いています。手打ちそば店は、粉1.5kgの鉢という単位でしか増やせないそばを前夜に何鉢打つかで決めます。定食屋の日替わりは朝7時半に何食作るかを決め、昼の出足で見直します。旅館の朝食は前夜の名簿から翌朝の食数を出します。締切が前夜か朝か営業中かで、画面に出す情報が変わります。

紙1枚から始められる。表を仕組みにする費用は、品目数と締切の数で決まる

最初の1週間は、品目・仕込みにかかる時間・待つ時間・締切・持ち越し日数の表を紙1枚で作り、締切を1つでも遅らせられる品目を探すだけで足ります。費用はかかりません。次に、閉店後の6項目の記録をExcelに移します。ここまでで、締切ごとの外れ方が見えてきます。

見込みまで出したいなら、その記録のCSVを1本お預かりして、予測に使えるかを確かめるところから始めます。Iramepakariはリリース前で、データの確認と試験予測の相談は無料です。費用がかかる場合は、始める前に金額をお伝えします。

仕込み表そのものを画面にする場合、金額と期間を決めるのは3つです。品目の数、締切の時刻の数(前夜・朝・営業中のいくつを使うか)、レジや予約台帳のデータをつなぐかどうか。来客の見込みから仕込み量と発注までをひとつの画面にまとめた形は、飲食店向けの開発プランに書いています。

紙1枚の締切表

費用は0円。品目ごとの締切と持ち越し日数を書き、前夜に仕込んでいる品目のうち朝や営業中に回せるものを探します。

Excelの記録

費用は0円。閉店後に6項目を1行ずつ残します。3ヶ月で曜日と天気の差が数になります。

見込みを出す・画面にする

CSV1本の確認は無料。画面を作る場合は、品目数・締切の数・つなぐデータの3つで金額と期間が決まります。

まとめ

仕込み量の締切は、営業開始から仕込みにかかる時間と待つ時間を引いた時刻で、品目ごとに違います。前夜・当日の朝・営業中の3つに分かれ、前夜の品目は17時の予報、朝の品目は5時の予報が最後の材料です。

見込みで仕入れることは食品衛生法施行規則に書かれた基準で、持ち越せる日数は店で決めます。持ち越せる品目は幅の上寄り、営業中に足せる品目は下寄りで確定します。

次にやることは1つです。品目ごとの締切と持ち越し日数を紙1枚に書き出し、前夜に仕込んでいる品目のうち、朝か営業中に回せるものを1つ見つけること。その品目から、確定した量と出た量の記録を始めます。

よくある質問

仕込み量はどうやって決めればいいですか?

品目ごとに締切を先に決めます。営業開始の時刻から、仕込みにかかる時間と漬け込みや解凍で待つ時間を引いた時刻が締切です。締切の時点で見られる予約と天気予報を材料に、少なめと多めの幅で見込み、持ち越せる品目は上寄り、営業中に足せる品目は下寄りで確定します。確定した量と出た量を残していくと、幅そのものが狭くなっていきます。

仕込み表には何を書けばいいですか?

先に作る表は、品目・仕込みにかかる時間・待つ時間・締切・持ち越し日数の5項目です。毎日書く表は、日付・品目・締切の時刻・確定した量・実際に出た量・余った量か品切れの時刻の6項目で、閉店後に品目ごとに1行ずつ残します。この6項目のうち日付と数量の2列が、先の見込みを出すときにそのまま使えます。

天気予報は何時のものを見て仕込みを決めればいいですか?

気象庁の天気予報は毎日5時・11時・17時に出ます。前夜に仕込む品目は17時の予報の「明日の6時間ごとの降水確率」が最後の材料です。朝に仕込む品目は5時の予報で昼の時間帯まで見てから決められます。週に1回まとめて頼む品目は、翌日から7日先までの週間天気予報と、3日目以降に付く信頼度A・B・Cを見ます。

仕込んだものは何日まで持ち越せますか?

法令に「何日まで」という数字はありません。東京都保健医療局が示す冷蔵庫の目安は10℃以下、冷凍庫は−15℃以下で、その温度で保存したうえで、品目ごとに店が品質の線を決めます。決めた日数と根拠を締切表に書いておくと、見込みの幅のどこで確定するかを毎日迷わずに済みます。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市手稲区の会社です。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

仕込み表の6項目で、見込みが出るかを一緒に見ます。

全部の品目を前夜に仕込んでいて、朝の予約変更や天気で外れている。品目ごとの締切を書き出してみたが、幅のどこで確定すればいいか迷っている。閉店後の記録はあるが、見込みに使えるかは分からない。そんな段階で相談していただいて大丈夫です。仕込み表かレジのCSVを1本お預かりして、締切ごとに見込みの材料になる部分を分けるところから始めます。

仕込み表かCSVで締切ごとの見込みを確認する (新しいタブで開きます)

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