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飲食の需要予測・AI

定食屋の日替わりは何食作るか。「何時まで出すか」を先に決めて逆算する手順

日替わりを何時まで提供したいかを先に決め、過去の時間帯別の販売数から必要な食数を見積もります。営業中の売れ行きも確認し、追加するかを判断します。昼の営業が中心の定食屋・食堂で、仕込み量と売り切れ時刻を見直したい方向けの記事です。

この記事でわかること

  • 先に「13時まで提供したい」と目標を決めます。過去の同じ曜日について、開店からその時刻までの30分ごとの平均販売数を合計し、仕込み量の目安にします。
  • 使うのは、日替わりの販売時刻と食数の記録です。レジで時刻つきのデータを取り出せるか確認します。1日の合計だけでは、時間帯ごとの売れ方は分かりません。
  • 仕込み量は少なめ・多めの2通りを見積もります。少なめの食数まで仕上げ、多めの食数まで下ごしらえしておけば、営業中に追加する余地を残せます。
  • 廃棄した分の材料費と、品切れで得られなかった粗利を比べます。売価1,000円、材料費400円なら、廃棄1食の材料費は400円、販売できなかった1食の粗利は600円です。別の定食を選んだお客さんは、販売できなかった人数から除きます。

提供終了の目標時刻から、必要な食数を見積もる

「きのう42食で足りたから、きょうも42食」と決めても、売り切れる時刻は日によって変わります。まず「きょうは13時まで提供したい」と目標を決めましょう。過去の同じ曜日の記録から30分ごとの平均販売数を出し、開店から目標時刻までを合計すると、仕込み量の目安になります。

時刻を決めると、どの時間帯のお客さんまで日替わりを提供したいのかが明確になります。ただし、予想より売れれば目標より前に売り切れることもあります。「13時まで提供」と掲示する場合は、早く売り切れる可能性も案内してください。副菜や汁物についても、日替わりに使う量と、ほかの定食に回せる量を分けて準備します。

中小企業基盤整備機構の定食店の開業ガイドは、12坪・23席の店を例に、ランチの席数回転率を1.5〜2回転、原価率を初年度40〜42%としています。23席で1.5回転なら昼の客数は35人前後、2回転なら46人です。そのうち日替わりを選ぶ人が何割かは店ごとに違うので、自店のレジで数えます。

レジの販売時刻を確認する。1日の合計だけでは時間帯別の売れ方は分からない

売上を1日の合計で記録していても、日替わりが11時台に集中した日と、13時台まで売れ続けた日の違いは分かりません。仕込み量の見直しには、帳簿とは別に、品目ごとの販売時刻と数量を確認できる記録が必要です。

残したいのは、日替わりが「何時に何食売れたか」です。レジに専用のボタンを設定できる場合は、販売時刻と数量を記録・出力できるか確認します。券売機やタブレット注文でも、取り出せる項目は機種によって異なります。手書きの店は、用意した食数・売り切れ時刻・閉店時の残数を記録するところから始め、可能なら注文時刻も残します。

30分ごとに分けるのは、昼のどの時間帯に注文が集中するかを見るためです。たとえば「金曜は12時台に多い」「雨の日は開店直後が少ない」といった違いを確認できます。区切りを細かくしても営業日数が増えるわけではないため、十分な日数の記録を集めることも必要です。

券売機・タブレット注文の店

日替わりの販売時刻と数量を記録・出力できるか、利用中の機種で確認します。

レジのボタンで打つ店

日替わり専用のボタンを設定し、販売時刻と数量が記録されるか確認します。

手書きの店

用意した食数・売り切れ時刻・閉店時の残数を、閉店後に1行で記録します。

朝の決め方。30分ごとの平均を足して、少なめと多めの2つの数にする

まず、過去の同じ曜日の記録から30分ごとの平均販売数を出します。次に、開店から目標時刻までを合計します。11時開店で13時までなら、4つの時間帯の合計です。さらに、各日の販売数のばらつきを見て、少なめ・多めの食数を見積もります。過去10日のうち8日が入る範囲を目安にする方法もありますが、今後も同じ割合で収まる保証はありません。

2つの数は、仕込みの2段階に対応させます。仕上げまで終えるのは少なめの数、下ごしらえだけ進めておくのは多めの数です。焼く・揚げる・盛るで仕上がる主菜なら、下ごしらえで止めた分は昼に足せます。煮込みのように朝のうちに全量を仕上げる主菜は、2つの数の間で1つに決めるほかないので、その主菜はばらつきの小さい曜日に当てる、という組み方もできます。

副菜や汁物は、追加にかかる時間と、ほかの定食にも使えるかを考えて準備量を決めます。主菜を追加しなかった場合の余りも見込みましょう。保存方法や提供できる時間を確認したうえで、品目ごとの仕込み量を表にしておきます。

DEMO

「何時まで出すか」を動かして、日替わりの食数を確かめる

同じ曜日の30分ごとの平均と、出す時刻、ばらつきの幅を入れると、仕上げる数(少なめ)と下ごしらえまでの数(多め)が出ます。11時半の売れ行きを動かすと、売り切れの予想時刻と、下ごしらえ分を足したときの残数・余った材料費・販売機会の損失額が変わります。

日替わりの食数の試算|出す時刻から少なめと多めを逆算し、11時半の売れ行きで売り切れ時刻を見直す

30分ごとの平均を「何時まで出すか」まで足し合わせて食数を出し、幅で少なめと多めの2つに分ける画面です。開店から30分の販売数を入れると販売ペースの倍率が出て、仕上げた分を追加しない場合と、下ごしらえ分を全部足した場合の売り切れ時刻・残数・金額が並びます。

触って動かせます
計算の中身
食数の中央は「開店から出す時刻までの30分ごとの平均の合計」です。中央から幅ぶんを引いた数が少なめ、足した数が多めです。販売ペースの倍率=開店から30分の販売数÷その時間帯の平均で、残りの時間帯の見込みに同じ倍率を掛けています。
使っている前提
時間帯ごとの平均・売価・原価率はすべて入力例です。原価率の初期値40%は中小企業基盤整備機構の定食店ガイドの初年度の目安(40〜42%)から置きました。自店の数字に置き換えてください。
確かめてほしいところ
出す時刻を13時から13時半に動かすと、食数が1コマぶん増えます。次に11時半の販売数を平均より多くしてみてください。仕上げた分だけでは目標の時刻の前に売り切れ、下ごしらえ分を足すと閉店時の残数が出る、という両側の損が同じ表に並びます。

※ 売り逃し額は「目標の時刻より前に売り切れたあと、目標の時刻までに日替わりを頼もうとした人が全員帰った場合」の上限です。別の定食に切り替えた人の分は損になりません。目標の時刻を過ぎてから売り切れるのは、狙いどおりとして数えていません。

11時半の見直し。販売ペースの倍率で、足すか止めるかを決める

営業開始後にも売れ行きを確認します。11時半に、開店から30分の販売数を同じ曜日の平均と比べます。平均8食に対して10食なら1.25倍です。残りの時間帯にもこの倍率を掛けると、売り切れ時刻を試算できます。ただし、その後も同じペースで売れるとは限りません。残数や追加にかかる時間も見て、下ごしらえした分を仕上げるか判断します。

天気も、判断時点で分かる情報を使います。朝の仕込み時と営業開始後で予報が変わっていないか確認してください。雨で客数が減る店もあれば、建物内の店などで増える場合もあります。雨の影響は一律に決めず、自店の販売数と天気を照らし合わせて確かめます。

見直した結果も残します。記録するのは、11時半の販売数、追加した食数、実際の売り切れ時刻または閉店時の残数です。目標時刻より何分早く、あるいは遅く売り切れたかを残すと、翌週の同じ曜日の仕込み量を考える際に役立ちます。

余った日と早く売り切れた日、どちらの損が重いか。原価率から金額にする

余った料理を廃棄した場合の損失は、まず材料費で把握します。売価1,000円、材料費率40%なら、1食あたり400円です。副菜や汁物も廃棄した場合は、その材料費を含めます。ほかの定食や賄いに使えた分と、実際に廃棄した分は分けて記録してください。

早く売り切れた場合は、販売できなかった分の粗利を考えます。売価1,000円、材料費400円なら1食あたり600円です。別の定食を選んでもらえた場合と、注文せずに帰った場合は分けます。売り切れ時刻と、その後に日替わりを希望した人数を記録しておくと、廃棄を減らすことだけに偏らず仕込み量を見直せます。

食品ロスに関する公的な統計は、調査ごとに対象や集計方法が異なります。自店で何食作りすぎたか、いくら分の材料を廃棄したかは、店の記録で確認します。全国の推計値と、自店の仕込み量を判断するための記録は分けて使いましょう。

余った日

実際に廃棄した食数×1食の材料費。副菜・汁物も廃棄した場合は含めます。

早く売り切れた日

「終わりました」と言った時刻と、そのあとに来た人数×(売価−材料費)。別の定食に切り替えた人は除きます。

月に1回見るもの

廃棄した材料費と、品切れで得られなかった粗利を、それぞれ月単位で合計して比べます。

記録から始める。システム化の費用は、レジとの連携や対象品目で変わる

まずは、手元のレジや紙で記録を始めます。用意した食数・売り切れ時刻・残数を残し、曜日ごとの違いを確認しましょう。専用システムを導入しなくても始められますが、レジの設定変更やデータ出力に費用がかかるかは、利用中の機種で確認してください。

3ヶ月ほど記録が集まったら、30分ごとの記録をExcelに移し、曜日別に30分ごとの平均と、少なめ・多めの2つの数を出します。ここまではExcelの平均と並べ替えで足ります。記録が日付と数量の並びになっていれば、過去の記録から将来の数量を見積もるのが需要予測です。当社が開発中の手軽に使える需要予測AIは、日付と数量の2列のCSVを入れて列を選ぶと、28日先までの見込みを幅つきで出します。リリース前のデータ確認は無料で、レジのCSVが予測に使える形かを先に見られます。

朝の仕込み表と昼の残数を画面にする場合、金額と期間を決めるのは3つです。レジの記録を自動で取り出せるか(取り出せなければ入力画面が1つ増える)、日替わり1品か定食全品か、厨房のタブレットで使うか。日替わり1品に絞った形は、当社の定食屋の日替わりランチの食数予測(開発プラン)に、設計から納品まで約2ヶ月の想定で紹介しています。

手元の道具で記録する

用意した食数・売り切れ時刻・残数を残します。レジの設定や出力にかかる費用は事前に確認します。

Excelで食数を見積もる

3ヶ月分の30分ごとの記録から、曜日別の少なめと多めの数を出します。

予測やシステム化を相談する

CSVファイル1つの確認は無料。画面は、レジの記録の取り出し・品目の範囲・使う端末の3つで金額と期間が決まります。

まとめ

日替わりの食数は、先に「何時まで出すか」を決めて、過去の同じ曜日の30分ごとの売れ数を足して出します。数は少なめと多めの2通りを見積もり、仕上げは少なめまで、下ごしらえは多めまで進めます。

使うのは、レジの販売時刻と数量の記録です。取り出せない場合は、用意した食数・売り切れ時刻・残数の記録から始めます。廃棄した材料費と、品切れで得られなかった粗利の両方を見て、仕込み量を見直しましょう。

次にやることは1つです。あすの朝、食数のほうから決めずに「何時まで出すか」を決めて、実際に売り切れた時刻との差を分で書き残すこと。それを同じ曜日で4回ぶん集めるところから始めます。

よくある質問

日替わりの食数はどうやって決めればいいですか?

先に提供終了の目標時刻を決め、過去の同じ曜日の時間帯別の平均販売数を、その時刻まで合計します。日ごとのばらつきも見て少なめ・多めの食数を見積もり、仕上げと下ごしらえを分けて準備します。営業開始後は売れ行きと残数を確認し、追加するか判断します。

「20食限定」と「13時まで」は、どちらの掲示がいいですか?

数量限定と提供時間のどちらを優先するかで決めます。時刻を掲示しても、予想より売れれば早く売り切れることがあるため、その可能性も案内してください。どちらの掲示でも、目標と実際の売り切れ時刻の差を記録すると、仕込み量の見直しに役立ちます。

予約も券売機もない小さな店でも、見込みは立てられますか?

まずは手元の記録から試せます。レジで日替わりの販売時刻と数量を出力できるか確認してください。難しければ、用意した食数・売り切れ時刻・残数を記録するところから始めます。記録が少ない間は参考値として扱い、同じ曜日や天気の記録が増えるにつれて見直します。

雨の日は日替わりを何食減らせばいいですか?

全店に当てはまる数はありません。雨で客数が減る店もあれば、増える店もあります。判断時点の予報を確認し、雨の日と晴れの日の販売数を、同じ曜日などの条件をそろえて比べてください。少ない日数だけで決めず、記録を増やしながら影響を確認します。

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この記事を書いた人

水上貴洋取締役 / 飲食DXコンサルタント

北海道札幌市手稲区の会社です。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

日替わり1品の記録で、見込みが出るかを一緒に見ます。

日替わりの食数を毎朝の感覚で決めていて、売り切れの時刻が日によって1時間ずれる。レジに日替わりの記録はあるが、曜日や時間帯で見たことがない。「何時まで出すか」から決めてみたいが、幅をどう取ればいいか分からない。そんな段階で相談していただいて大丈夫です。レジの記録かCSVファイルを1つお預かりして、日替わりの見込みに使える部分と足りない部分を分けるところから始めます。

レジの記録かCSVで日替わりの見込みを確認する (新しいタブで開きます)

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