業務アプリ・DX
公開したアプリを直したら、すぐ全員に届く?
ストアに出すアプリは、直した版をもう一度審査に出し、利用者の端末が更新して初めて届きます。全員がそろうまでには時間差があります。Webアプリはサーバーを直せば次に開いたときから新しくなります。どこを後から変えたいかで、作り方を選べます。
この記事でわかること
- ストアに出すアプリは、直すたびに新しい版を審査に出します。Appleの案内では、半数以上が24時間以内、9割が48時間以内に審査されています。
- 審査を通っても、全員の手元が一度に新しくなるわけではありません。自動アップデートをオンにしている人から届き、オフの人は自分で更新するまで古い版のままです。
- 古い版が残る前提で、アプリの中で新しい版を案内する仕組みを入れておく方法があります。Androidには、そのための仕組みがGoogleから用意されています。
- ブラウザで開くWebアプリは、サーバー側を直せば次に開いたときから新しい画面になります。ホーム画面に追加して使う形では、古い画面を閉じるまで切り替わらない作り方もあります。
- お知らせや料金表のように頻繁に変える内容は、サーバーに置いてアプリから取りに行く形にしておくと、アプリを更新せずに変えられます。
ストアに出すアプリは、直すたびに審査がある
App Storeに出すアプリでは、最初の公開だけでなく、誤字の修正や不具合の対応で出す新しい版も審査を受けます。Appleの審査の案内には、アプリだけでなくアプリの更新もすべて審査すると書かれています。
かかる時間について、同じ案内では、提出の半数以上を24時間以内に、9割を48時間以内に審査しているとしています。目安なので、直した版が数時間で公開できることもあれば、2日ほど待つこともあると考えておくと安心です。審査で問題を指摘されれば、直して出し直す時間がさらに加わります。
重大な不具合を直すときや、関わっているイベントの開始に間に合わせたいときは、審査を急いでもらうよう依頼する窓口があります。不具合の修正で依頼する場合は、今の版で不具合を再現する手順を添えるよう求められています。
Androidでも、ストアを通して配る点は同じです。直した版を作り手がGoogle Playに出して、配信の手続きをします。
審査を通っても、全員の手元が一度に変わるわけではない
新しい版を公開したあと、利用者のスマホに入っているアプリが置き換わるのは、端末が更新したときです。端末の設定で自動アップデートをオンにしている人には順に届き、オフにしている人は自分でストアを開いて更新するまで、古い版を使い続けます。
そのため、公開したあとしばらくは、新しい版と古い版を使う人が混ざります。たとえば会員アプリで受付の手順を変えた場合、古い版のまま来店した人には、前の手順の画面が表示されているかもしれません。
Appleには、自動アップデートの対象者へ7日間かけて少しずつ届ける段階的な配信の設定もあります。途中で問題が見つかれば配信を止められ、止めておける期間は合計30日までです。ただし、段階的な配信のあいだでも、自分でApp Storeを開いて更新する人には新しい版がすぐ届きます。
古い版が残る前提で、アプリの中で更新を案内する
全員に新しい版へ移ってほしいときは、アプリの中で「新しい版があります」と知らせる仕組みを入れておく方法があります。
Androidには、Googleがこのための仕組みを用意しています。使いながら裏で新しい版をダウンロードしてもらう方法と、更新するまで画面を先に進めないようにする方法の2種類があり、後者はアプリの中心の機能に関わる更新のときに向くとされています。Android 5.0以降のスマホ・タブレットなどで使えます。
iPhone向けには、新しい版があることをアプリの画面で伝え、App Storeのページへ案内する画面を作り手が用意します。どの版より古ければ案内を出すかを、サーバー側で後から変えられるようにしておくと、急ぎの修正のときに使えます。
どちらの場合も、この案内は最初の版から入れておく必要があります。後から入れると、案内の仕組みが入った版に更新してくれた人にしか効きません。
ブラウザで開くWebアプリは、次に開いたときから新しくなる
ブラウザで開くWebアプリは、画面の中身がサーバーに置かれています。サーバー側を直すと、利用者が次にページを開いたときから新しい画面になります。ストアの審査も、利用者が更新ボタンを押す手順もありません。誤字の修正なら、直したその日のうちに全員の画面へ反映できます。
ホーム画面に追加して使うWebアプリ(PWA)では、電波がなくても開けるように、画面の部品を端末にためておく作り方があります。この作り方では、新しい版は裏で準備されますが、MDN(ブラウザの技術資料)によると、古い版を使っている画面がすべて閉じられるまで切り替わらないのが基本の動きです。
開きっぱなしにしがちな業務用のタブレットなどでは、直したはずの画面がなかなか変わらないことがあります。新しい版が届いたら「画面を開き直してください」と出す、すぐ切り替えるなど、どう動かすかを作るときに決めておきます。
ストアに出すアプリ
直した版をもう一度審査に出す。届くのは利用者の端末が更新してから。古い版を使う人がしばらく残る。
ブラウザで開くWebアプリ
サーバーを直せば、次に開いたときから新しい画面。審査や利用者の更新操作は要らない。
ホーム画面に追加したWebアプリ
端末に画面をためる作り方なら、古い画面を閉じてから切り替わるのが基本。いつ切り替えるかを作るときに決める。
後から変えたい内容は、アプリの外に置いておく
ストアに出すアプリでも、更新が要らない変更があります。お知らせの文、メニューや料金表、営業日のカレンダーのように、画面の形は同じで中身だけが変わる内容は、サーバーに置いてアプリが開くたびに読み込む作り方ができます。こうしておけば、管理画面で中身を書き換えるだけで、アプリの更新なしに全員の画面へ反映できます。
反対に、ボタンを増やす、入力の手順を変えるといった画面そのものの変更は、アプリの更新が必要です。最初に「よく変えそうなもの」を挙げておくと、どこをアプリの外に置くかを決めやすくなります。
ストアに出すか、URLで開くWebアプリにするかの選び方はPWAの記事に、公開後に毎年かかる対応はアプリ開発費用の記事にまとめています。
作る前に考えておくこと
次のことが分かっていると、更新の届き方まで含めて作り方を決めやすくなります。決まっていなくても相談はできます。
よく変えそうな内容
お知らせ、メニュー、料金、営業日、案内の文など。週に1回変えるのか、年に数回なのか。
古い版が残ると困るか
受付や支払いの手順のように、全員が同じ版でないと困る機能があるか。あるなら、更新を案内する仕組みを最初の版から入れます。
急ぎで直す場面があるか
イベント当日に使う、毎日の業務で止まると困るなど。ストアの審査を待てない場面が多いなら、Webアプリにする方法も比べます。
公開したあとの直し方まで考えて、作り方を決めます。
何をよく変えそうか、古い版が残ると困る機能があるか。それが分かれば、ストアに出すか、Webアプリにするか、どこを後から変えられるようにするかを一緒に決められます。仕様書がなくても大丈夫です。
