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AIの基礎・活用

生成AIは最新の情報を知っている?

生成AIが前もって学んだ知識は、学習に使った文章の時期までで止まっています。最近変わった料金や制度を聞くと、古い情報のまま答えることがあります。ウェブ検索の機能を使えば新しいページを調べて答えますが、そのときも引用元のページを開いて日付と中身を確かめます。

この記事でわかること

  • 生成AIの知識には、学習に使った文章の時期で決まる期限があります。開発元はこれを知識のカットオフと呼び、モデルごとに公開しています。
  • 期限より後の出来事や、料金・営業時間・制度のように変わる情報は、学習した時点の内容のまま答えたり、もっともらしく補ったりすることがあります。
  • ウェブ検索の機能を持つサービスでは、AIが質問の内容から検索するかどうかを決め、引用元を付けて答えます。
  • 検索した答えでも、引用元のページを開き、ページの日付と、答えの内容がそこに書かれているかを確かめます。
  • 変わる情報を聞くときは、いつ時点の情報が欲しいか、調べてから答えてほしいこと、どのページを優先するかを書き添えます。

生成AIの知識には「いつまで」の期限がある

生成AIは、大量の文章を前もって学習して答えを書きます。学習に使った文章には集めた時期の終わりがあるため、AIが知っていることにも期限があります。この期限を知識のカットオフ(knowledge cutoff)と呼びます。

生成AIのClaudeを開発するAnthropic社は、モデルの一覧(Models overview)に、知識が最も豊富で信頼できる時点(Reliable knowledge cutoff)と、学習に使ったデータの範囲(Training data cutoff)を分けて載せています。2026年10月19日に確認した時点では、現行のモデルはどちらも2026年6月でした。

ほかの会社の生成AIにも同じような期限があり、モデルごとに違います。同じサービスでも、使うモデルが変われば期限も変わります。

期限より後のことや、変わる情報を聞いたとき

学習した知識だけで答えるとき、AIは期限より後に起きたことを知りません。期限より前のことでも、料金・営業時間・担当窓口・補助金の条件・法令のように、あとから変わる情報は学習した時点の内容のままです。

次は当社が想定した例で、実際の相談事例ではありません。取引先のサービスの月額料金を生成AIに聞いたところ、去年の改定前の金額が、いまの料金であるかのように書かれていたとします。知らないことを、もっともらしい文章で補ってしまうこともあります。この理由は生成AIの答えが間違っているのはなぜ?で説明しています。

反対に、計算の方法、文章の書き方、渡した資料の要約のように、時期によって変わらない作業では、知識の期限を気にする場面はあまりありません。

ウェブ検索の機能を使うと、新しいページを調べて答える

生成AIのサービスには、答える前にインターネットを検索する機能を持つものがあります。Anthropic社の開発者向けの説明(Web search tool)は、この機能によって知識の期限より後の情報も使って答えられるようになり、答えには引用元が付くと書いています。

同じページによると、検索するかどうかはAIが質問の内容から決めます。最近の出来事、いまの価格や数値、変わった可能性のある会社・人・商品の情報、そして「調べて」と頼まれたときは検索します。確立した知識や計算、文章の創作、会話に渡した資料の分析では、検索せずに答えます。

Claudeのアプリについてのヘルプ(Enable and use web search)は、検索している間は画面に表示が出て、検索を使った答えには引用元のリンクが付くと説明しています。チームで契約している場合は、管理者が先に機能を有効にする必要があります。新しい画面では切り替えのボタンがなく、役立つときにAIが検索すると書かれています(いずれも2026年10月19日に確認)。

ほかの会社のサービスでは、検索の機能があるか、どのプランで使えるか、切り替えられるかが違います。使っているサービスのヘルプページで確かめてください。

検索した答えも、引用元を開いて確かめる

検索した答えでも、まとめる段階で誤りが入ることはあります。ここからは当社が整理した確かめ方です。特に、金額や締切のように、間違えると困る数字が入った答えで行います。

答えの内容が、引用元のページに本当に書かれているか

引用元のリンクを開き、答えに出てきた金額や日付をページの中で探します。リンク先に同じ数字が見つからないときは、その部分を使わずに、元のページの内容で判断します。

ページの日付が新しいか

検索で見つかるページには、何年も前のお知らせや、更新されていない紹介記事も混ざります。ページの公開日や更新日を見て、知りたい時点の情報かを確かめます。

情報を出している本人のページか

料金なら提供している会社の料金ページ、制度なら省庁や自治体のページが元の情報です。紹介記事やまとめサイトが引用元になっていたら、元のページを探して開きます。

変わる情報を聞くときに書き添えること

頼み方を少し変えるだけで、確かめる手間が減ります。これも当社が整理した使い方で、特別な設定は要りません。

1つ目は、いつ時点の情報が欲しいかです。「最新の」と書くより「2026年10月時点の」と書くほうが、答えと引用元のページの日付を照らし合わせやすくなります。

2つ目は、調べてから答えてほしいことです。先に紹介した説明のとおり、「調べて」と頼むことは検索する理由の一つになります。あわせて「引用元のURLを付けて」と書いておくと、確かめる先がはっきりします。

3つ目は、優先するページです。「提供会社の公式ページを優先して」「省庁や自治体のページをもとに」のように書きます。頼み方全体の考え方は生成AIにうまく頼むには?にまとめています。

自社の仕組みに組み込むなら、検索先を絞れる

問い合わせへの返信の下書きのように、自社の仕組みの中で生成AIに検索させることもできます。Anthropic社のAPI(自社の仕組みから生成AIを呼び出す窓口)では、検索するサイトを指定したサイトに限る、特定のサイトを除く、1回の依頼で検索する回数に上限を設ける、といった設定ができると説明されています。

料金は、文章の量に応じた通常の料金に加えて、検索1,000回あたり10ドルです(2026年10月19日に確認)。APIの料金の考え方は生成AIのAPIとは?で説明しています。

自社のメニューや料金表、社内の規程のように、ウェブに載っていない情報や、自社で最新の状態を管理している情報をもとに答えさせたいなら、ウェブ検索より、自社の資料を探して渡す仕組みが向いています。社内の資料をもとに答えるAIとは?で紹介しています。

最近変わったことを1つ選んで聞いてみる

自分の仕事に関係していて、最近変わったことを1つ選びます。仕入れ先の料金、使っている制度の申請期限、取引先の営業時間などです。答えを自分で知っているものを選ぶと、正しいかどうかをすぐに判断できます。

生成AIに聞き、検索したか、引用元が付いたか、引用元のページの日付と中身が答えと合っているかを見てください。どんな質問なら任せられて、どんな質問は自分で元のページを確かめるべきかの目安になります。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

生成AIに調べものをどこまで任せられるか、一緒に考えます。

使い始めたばかりの段階でも相談できます。データや資料の提出は要りません。いま生成AIに聞いている内容を伺い、使い方の工夫で足りるのか、検索先を絞った仕組みや自社の資料をもとに答える仕組みを作る価値があるのかを一緒に整理します。

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