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飲食・食品の業務

スマホで注文するしくみは、小さな飲食店に合う?

合うかどうかは店の規模より、会計をいつするか、ホールに何人いるか、メニューをどれくらい変えるかで決まります。スマホ注文・タブレット・券売機の違いと、お酒を出す店が先に決めておくこと、導入前に紙で試す方法をまとめました。

この記事でわかること

  • 注文の受け方は、口頭、お客さんのスマホで注文するQRコード注文、席に置くタブレット、券売機の4つに大きく分けられます。
  • 先に払ってもらう店は券売機やスマホでの先払い、食べ終わってから払う店はQRコード注文やタブレットが候補になります。
  • スマホ注文でも、スマホを持たない人や操作が苦手な人の注文は受けます。口頭で受ける道を残すかどうかを先に決めます。
  • お酒を出す店には、年齢の確認その他の必要な措置を講ずることが法律で求められています。対面で注文を受けない分、誰がいつ確かめるかを決めておきます。
  • いきなり機械を入れず、席に置く紙の注文票で1週間ほど試すと、自分の店で注文の聞き取りがどれくらい減るかを先に確かめられます。

注文の受け方は大きく4つ

「モバイルオーダー」「セルフオーダー」という呼び方は製品やサービスによって指す範囲が違います。ここでは、誰が何を使って注文を入れるかで4つに分けます。どの方式でも、厨房への伝え方(伝票の印刷か、厨房の画面か)とレジとのつなぎ方は製品ごとに異なるので、検討するときは個別に確かめてください。

口頭(スタッフが聞いて伝票に書く、またはハンディ端末に入れる)

いちばん柔軟で、おすすめを伝えたり量の相談に乗ったりできます。そのかわり、混む時間はホールの人手が注文の聞き取りに取られます。

QRコード注文(お客さんのスマホで注文)

席のQRコードを読み取り、お客さんが自分のスマホで注文します。ブラウザで開く形のものもあれば、アプリや会員登録を通す形のものもあります。店が端末を用意しなくてよい一方、スマホの電池や通信、操作に慣れているかはお客さん次第です。

タブレット(店が席に置く端末で注文)

同じ画面を全員が使うので、スマホを持っていない人も注文できます。端末の台数分の用意、充電、壊れたときの予備を店で受け持ちます。

券売機(入口で先に買う)

注文と支払いが同時に終わるので、会計の手間と食い逃げの心配がありません。メニューが少なく、1人で来て短い時間で食べる店に向きます。追加注文のたびに席を立ってもらう形になります。

どれが合うかは、3つのことで決まる

席数や売上の大きさより、次の3つのほうが選び方に効いてきます。ここに書く向き不向きは当社の見方で、店によって当てはまらないこともあります。

会計をいつするか

先に払ってもらう店(そば・うどん・ラーメン・カフェのカウンターなど)は、券売機かスマホでの先払いが流れに合います。食べ終わってからまとめて払う店(居酒屋・焼肉など)は、追加注文が何度も入るので、席で何度でも注文できるQRコード注文やタブレットが候補になります。

ホールに何人いるか

混む時間にホールが1〜2人の店ほど、注文の聞き取りと席への往復が負担になります。注文を席で入れてもらえれば、その時間を配膳や片付けに回せます。反対に、会話そのものが店の良さになっている店では、口頭の注文を残したほうがよい場合もあります。

メニューをどれくらい変えるか

日替わりや季節の品、品切れが多い店は、画面の品目を毎日直す作業が増えます。券売機はボタンの差し替えや売り切れの表示の手順、QRコード注文やタブレットは管理画面での品切れ設定を、誰が何時に行うかまで考えておきます。

スマホ注文にする前に決めておくこと

どの製品を選ぶ場合でも、入れる前に店の中で決めておくことがあります。

スマホで注文できないお客さんをどうするか

スマホを持っていない、電池が切れた、操作が分からない。そうしたお客さんの注文をスタッフが口頭で受けるのか、タブレットを1台置いておくのかを決めます。お店の側で決めておかないと、その場の判断がスタッフごとにばらつきます。

アレルギーを聞かれたときの答え方

店内で食べる料理のアレルゲン表示は法律上の義務ではありませんが、消費者庁は自主的な情報提供が望ましいとしています。注文画面に載せるか、スタッフが答えるかを決めておきます。詳しくは飲食店のメニューにアレルギー表示は義務?にまとめています。

会員登録や連絡先の入力を求めるか

注文のときに名前やメールアドレスの入力を求める方式では、個人情報の利用目的を本人に伝えるか、公表しておく必要があります。考え方は常連さんに喜んでもらう仕組みの後半で整理しています。登録なしで注文できる方式もあるので、何のために集めるのかを先に考えます。

お酒を出す店は、年齢の確かめ方を決めておく

二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律は、お酒を売ったり出したりする営業者に、二十歳未満の人が飲むと知りながらお酒を出すことを禁じています(第1条第3項)。違反すると50万円以下の罰金で(第3条)、従業員が店の業務として違反したときは店を営む法人や個人も罰せられます(第4条)。

同じ第1条の第4項は、営業者に、年齢の確認その他の必要な措置を講ずることを求めています。口頭で注文を受けていれば、そのときにお客さんの様子を見られます。スマホやタブレットで注文が入ると、スタッフが最初にお客さんと向き合うのはお酒を席に運ぶときになります。

どう確かめるかは製品の機能ではなく、店の決めごとです。たとえば、お酒の最初の注文はスタッフが席で確認してから出す、若く見えるお客さんには身分証をお願いする、といった手順を決めて、全員が同じように動けるようにしておきます。注文画面に年齢を確かめる表示を出せるかどうかは製品によって違うので、導入前に確かめてください。

機械を入れる前に、紙の注文票で試す

QRコード注文やタブレットで楽になるのは、主に「注文を聞きに行く往復」と「聞き間違い」です。この2つがどれくらい減るかは、紙でも先に確かめられます。

席にメニューと数量欄の付いた注文票を置く

お客さんに数量を書いてもらい、書けたら呼んでもらうか、スタッフが取りに行きます。品名を書く手間がなくなり、聞き間違いも減ります。

混む時間だけ1週間試す

ランチの山や金曜の夜など、ホールが回らない時間に絞ります。スタッフに、注文の往復が減ったか、書き方で迷うお客さんがどれくらいいたかを聞いておきます。

結果を見てから方式を選ぶ

紙で十分に回るなら、そのまま続けてもかまいません。追加注文が多くて紙の回収が追いつかない、厨房への転記が手間、という結果なら、QRコード注文やタブレットを検討する理由がはっきりします。

既製品で足りるか、店のアプリにするか

QRコード注文もタブレットも、飲食店向けの既製サービスが多くあります。料金の形(月額・初期費用・決済の手数料)や、使っているレジとつながるかは製品ごとに違うので、候補の資料で直接確かめるのが確実です。

予約・注文・会員・ポイントを自分の店のアプリにまとめたいなど、既製品の流れに合わない部分がはっきりしてきたら、作ることも選択肢になります。お客さんにインストールしてもらわず、QRコードからブラウザで開く形にする方法はPWAとは?で説明しています。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

注文の受け方を、店の流れに合わせて考えられます。

既製のサービスで足りるか分からない、レジや予約とまとめて使いたい、紙の注文票で試した結果を見てほしい。そんな段階でも相談できます。どの方式にするか決まっていなくても、いまの注文から会計までの流れを聞きながら、何を仕組みにするかを一緒に整理します。

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