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飲食・食品の業務

飲食店のメニューにアレルギー表示は義務?

店内で食べる料理と出前には、食品表示基準によるアレルゲン表示の義務はありません。持ち帰りも、注文を受けてから容器に詰めて渡すなら同じです。表示が要るのは、容器に入れて売り場に並べて売るときで、店で作ったものでもアレルゲンは省けません。

この記事でわかること

  • 食品表示基準は、レストランや食堂などが店内で食べさせる場合と出前には適用されません(生食用牛肉の掲示を除く)。メニューへのアレルゲン表示は法律上の義務ではありません。
  • 持ち帰りは、いつ容器に入れるかで変わります。注文を受けてその場で詰める売り方は、表示の対象外です。
  • 店で作って容器に入れ、売り場に並べて売るときは表示が要ります。同じ場所で作って売るなら原材料名などは省略できますが、アレルゲンは省略できる項目に入っていません。
  • 表示が義務になるのは、えび・カシューナッツ・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生の9品目です。
  • 義務のない店内の料理でも、消費者庁の通知はメニューなどを通じた自主的な情報提供が望ましいとしています。

店内で食べる料理と出前は、表示の義務の対象外

食品の表示のルールを決めているのは、食品表示法と、その中身を定めた食品表示基準です。食品表示基準の第1条は、加工食品や生鮮食品を「設備を設けて飲食させる場合」には、生食用牛肉の注意書き(第40条)を除いて適用しないと定めています。

消費者庁の食品表示基準Q&A(総則-4)は、これをレストラン、食堂、喫茶店などの外食事業者による食品の提供と説明し、店で出す状態の料理を自宅へ届ける出前も含むとしています。同じQ&A(総則-5)は、容器包装に入っているかどうかにかかわらず、適用はないと答えています。

つまり、店内のメニュー表やホームページにアレルゲンの一覧を載せていなくても、食品表示基準に反することにはなりません。ただし、義務がないことと、お客さんから聞かれないことは別の話です。答える準備は4つ目の見出しで扱います。

持ち帰りは「いつ容器に入れるか」で扱いが変わる

食品表示基準の第3条が表示を求めているのは「容器包装に入れられた加工食品」を売るときです。持ち帰りの弁当や惣菜は、この言葉に当てはまるかどうかで分かれます。消費者庁の「弁当・惣菜に係る表示」のQ&Aをもとに、よくある売り方を並べました。

注文を受けてから容器に詰めて渡す

Q&A(弁当-16)は、客の注文に応じてその場で容器に詰めて売る行為は、容器包装に入れられた加工食品の販売に当たらないとしています。生食用牛肉の注意書きを除き、表示は要りません。店内の料理を持ち帰り用の容器に入れて渡す形も、この考え方に沿って整理できます。

対面で売る分を、混む時間に備えて先に詰めておく

Q&A(弁当-17)は、対面販売で繁忙時に備え、その日の販売見込み量をあらかじめ容器に入れておくことは、注文に応じて詰めるのと同じと考えられるとしています。この場合も表示は要りません。

店で作って容器に入れ、売り場に並べて売る

容器包装に入れた加工食品の販売になり、表示が要ります。ただしQ&A(弁当-18)は、店内やバックヤードなど同じ場所で調理して売る場合、作った人がお客さんに直接説明できることから一部の表示は要らないとしています。食品表示基準の第5条で省略できるのは、原材料名、内容量、栄養成分の量と熱量、事業者の氏名と住所、原料原産地名などです。アレルゲンは、この省略できる項目に入っていません。

別の場所の厨房で作って運び、店で売る

Q&A(弁当-18)は、別の場所にあるセントラルキッチンから配送されたものを売る場合は、作った人が直接説明できないため、第3条と第4条の表示が必要になるとしています。

並べて売るときに見落としやすいところ

Q&A(総則-3)によると、ホチキスや輪ゴムで閉じただけのパックや、両端が開いた簡易な包装も「容器包装に入れられた」に当たります。ふたを輪ゴムで留めて棚に並べる惣菜も、表示の対象として考えます。

弁当の原材料は、外から見て分かるおかずを「おかず」「その他おかず」とまとめて書く簡略化が認められています。それでも消費者庁のQ&A(弁当-3)は、アレルゲンと添加物の表示は一切省略できず、まとめたおかずに含まれるものも抜き出して書く必要があるとしています。

売り方がどれに当たるか迷うときは、始める前に保健所や自治体の食品表示の相談窓口で確かめてください。容器に入れて並べる売り方を始めると、仕入れ品ごとのアレルゲンの把握とラベルの作り直しが日々の作業に加わります。

表示が義務になる9品目と、できるだけ表示する20品目

食品表示基準の別表第十四と消費者庁の通知(別添 アレルゲン関係)が、表示を義務づけている「特定原材料」は次の9品目です。えび、カシューナッツ、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)。カシューナッツは改正で加わった品目で、令和10年(2028年)3月31日までに製造された加工食品などは、改正前の表示のままでもよいという経過措置があります。

同じ通知は、次の20品目を「特定原材料に準ずるもの」とし、含む場合は可能な限り表示するよう努めることとしています。アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、ピスタチオ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン。

店内のメニューで一覧を作るときも、この9品目と20品目を列に並べると、お客さんが見慣れた項目と揃います。

義務がなくても、聞かれたときに答えられるように

消費者庁の通知(別添 アレルゲン関係)は、容器包装に入れないで売る食品や外食について、特定原材料の表示義務を課すものではないとしたうえで、品書きやメニューなどを通じ、事業者の規模や業態に応じた自主的な情報提供を進めることが望ましいとしています。どこまで載せるかは店が決められます。準備しておくと答えやすくなるのは、次のようなことです。

仕入れ品の表示を控えておく

ソース、たれ、ドレッシング、パン粉、冷凍の加工品には、店で足していない小麦や乳、卵が入っていることがあります。納品された商品の表示を見て、含まれる特定原材料を仕入れ品ごとにメモしておくと、料理ごとの一覧がそこから作れます。

料理ごとの一覧を1枚にする

料理を行、9品目と20品目を列にした表を1枚作ります。レシピの材料表がある店なら、材料ごとのメモを積み上げるだけで埋まります。

仕入れ先や配合を変えたら直す

同じマヨネーズでもメーカーが変われば中身が変わることがあります。誰が、どのタイミングで一覧を直すかを決めておかないと、表が古いまま残ります。

答える人と答え方を決めておく

一覧で分かる範囲と、揚げ油や調理器具を他の料理と共用しているかどうかのように一覧に書いていないことを分けて伝えます。分からないことは分からないと答え、厨房に確かめる流れにしておきます。常連さんの好みをメモしている店でも、アレルギーは注文のたびに本人に確かめます。

一覧やラベルを仕組みにするときの参考

容器に入れて並べる持ち帰りを始めると、仕入れ品の表示の登録、原材料名の並べ替え、アレルゲンの拾い上げ、ラベルの発行が毎日の作業になります。この流れを画面にした例として、惣菜・弁当店の表示ラベル管理(開発プラン)をまとめています。想定の開発プランで、導入実績ではありません。

レシピごとの材料と分量を登録しておく形は、飲食店の原価計算アプリ(開発プラン)で扱っています。材料の一覧がすでにある店は、それがアレルゲンの一覧を作るときの土台になります。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

メニューのアレルゲン一覧やラベルづくりを、店の流れに合わせて整えられます。

持ち帰りを並べて売る形に広げたい、仕入れ品が変わるたびに一覧を直すのが追いつかない、どこまで載せればよいか決めかねている。そんな段階でも相談できます。いまのメニューと仕入れの流れを伺いながら、紙や表計算のままでよい部分と、仕組みにすると楽になる部分を一緒に整理します。表示が基準に合っているかの最終的な判断は、保健所など所管の窓口で確かめていただく前提です。

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