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飲食・食品の業務

常連さんに喜んでもらう仕組みは、ポイントカード以外にもある

ポイントカードは、来た回数や使った金額に応えるしくみです。常連さんがうれしいのは、覚えてもらえる、先に知らせてもらえる、店づくりに加われる、といったことかもしれません。紙のメモから試せるアイデアを6つと、始める前に確かめる決まりを2つまとめました。

この記事でわかること

  • ポイントカードは来店回数や金額に特典を返す形です。常連さんとの関係づくりには、それ以外の形も選べます。
  • 名前と好みを覚える、限定品を先に案内する、新メニューの感想を聞くなど、紙とペンで始められるアイデアが多くあります。
  • 来店した人にもれなく渡すおまけは、景品表示法の「総付景品」に当たることがあります。上限は取引価額1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2です。
  • お客さんの名前や連絡先を控えるなら、何に使うかを本人に伝えるか公表しておくことが、個人情報保護法で求められています。
  • まず1つを1か月試し、続いたものだけを予約台帳や顧客管理の仕組みに移すと無理がありません。

ポイントカードが応えているのは「回数」と「金額」

ポイントカードは、来た回数や使った金額に応じて特典を返すしくみです。お客さんにも店にも分かりやすく、続ける手間も見積もりやすい方法です。

一方で、カードを持ち歩かない人や、割引より「顔を覚えていてくれた」ことをうれしく感じる人には届きにくいところがあります。常連さんが通い続ける理由は店ごとに違い、料理の味、店主との会話、席の居心地、季節の品などさまざまです。どれに応えたいかで、合う仕組みも変わります。

ここから挙げるのは想定のアイデアで、当社が効果を確かめた事例ではありません。自分の店で何が喜ばれそうかを考える材料として読んでください。

ポイントカード以外に試せる6つのアイデア

どれも紙のメモと声かけから始められます。道具を買う前に、店の雰囲気に合うかを先に考えてください。

名前と「いつもの」を覚えておく

好きな席、よく頼む一品、苦手な食材。スタッフ全員が同じメモを見られれば、担当が替わっても同じように迎えられます。アレルギーは料理の安全に関わるので、メモがあっても注文のたびに本人に確かめます。

限定品や季節の品を先に知らせる

数の少ない仕入れや季節だけのメニューを、常連さんに一足先に案内します。予約や取り置きとつなげると、何人分用意するかを決める手がかりにもなります。

新メニューの感想を聞く

正式に出す前の料理を少しだけ出して、感想を聞きます。店づくりに加わってもらう形で、割引とは違う特別さがあります。無料で出すなら、下で説明するおまけの上限も確認してください。

記念日にひと言添える

予約のときに聞いた誕生日や結婚記念日に、メッセージを添えた一皿を出すなど。聞いた日付を控えておく場所と、当日に誰が気づくかを決めておかないと続きません。

しばらく来ていない人に便りを出す

メニュー替えや季節の仕込みの知らせを、連絡先を預かっている人に送ります。送る回数を先に決めておくと、しつこくなりません。

常連さん同士が知り合える会を開く

生産者や酒蔵の人を招いた会、仕込みの見学など、少人数の集まりです。通常営業の日に席を分けるか、休みの日に会費制で開くかで、準備と値段の決め方が変わります。

もれなく渡すおまけには、金額の上限がある

消費者庁の説明では、景品表示法の「景品類」は、お客さんを引きつける手段として、事業者が自分の商品やサービスの取引に付随して提供する物品や金銭などの経済上の利益を指します。来店した人にもれなく渡すものは「総付景品」と呼ばれ、先着順で渡すものも含まれます。

総付景品の上限は、取引価額が1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2です。たとえば1人2,000円ほどの食事に付けるなら、景品の価額は400円までが目安です。価額は、同じものが市販されていれば、受け取る人がふつうに買うときの価格で数えます(景品類の価額の算定基準)。

くじや抽選で当たる形は「懸賞」になり、上限が別に決まっています。取引価額5,000円未満なら20倍まで、5,000円以上なら10万円までで、景品の総額にも売上予定総額の2%という制限があります。

一方で、景品類を指定する告示は、正常な商慣習に照らして値引と認められる経済上の利益は景品類に含まないとしています。次回使える割引のように値引として扱えるものか、おまけに当たるものかで扱いが変わります。判断に迷う企画は、始める前に消費者庁の相談窓口などで確かめてください。

名前や連絡先を控えるなら、使い道を伝える

個人情報保護法は、個人情報を扱う事業者に、利用目的をできる限り特定することを求めています(第17条)。取得したときは、あらかじめ公表している場合を除いて、速やかに本人に通知するか公表します。申込用紙など書面で本人から直接受け取るときは、あらかじめ本人に利用目的を明示します(第21条)。

店でいえば、会員登録の用紙に「季節のメニューのご案内に使います」と書いておく、店内やホームページに掲示しておく、といった形です。

利用目的を変えられる範囲にも決まりがあり、変更前の目的と関連性があると合理的に認められる範囲を超えてはならないとされています(第17条第2項)。予約の連絡のために預かった電話番号に、あとから案内を送りたくなることはよくあります。案内にも使うなら、預かる時点でそう伝えておくのが確実です。

好みや苦手な食材のメモも、名前と結びつけば個人情報として扱います。書く項目は、実際に接客で使うものだけに絞っておくと、管理の手間も減ります。

1か月だけ試してみる

6つを全部やる必要はありません。1つを選んで1か月続け、常連さんの反応とスタッフの負担を見てから次を決めます。

続けることを1つ決める

店の強みに近いものを選びます。会話が好きな店なら「名前と『いつもの』を覚える」、仕入れにこだわる店なら「限定品を先に知らせる」が始めやすいはずです。

記録は紙1枚から

呼び名、来店日、好み、次に伝えたいことの4欄ほどで足ります。閉店後に誰が書くかまで決めておくと、1か月後に中身が残ります。

続いたものだけを仕組みにする

紙で回らなくなってきたら、既製の予約台帳や顧客管理のサービスで足りるかを先に見ます。予約や取り置きと一緒に管理したいなど、既製品の流れに合わない部分があるときに、作ることを考えます。

仕組みにするときの参考

常連さんの予約や取り置きを台帳にまとめる形は、当社の開発プランでも紹介しています。パン屋の予約・取り置き管理システムは、電話や店頭で受けた予約と焼き上がりの時刻をタブレットで確かめる想定です。洋菓子店のクリスマスケーキ予約台帳は、受取枠つきの予約から製造数を決めるまでを扱っています。どちらも想定の開発プランで、導入実績ではありません。

Excel・クラウドサービス・個別開発のどれにするかの比べ方は、顧客管理を相談する前ににまとめています。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

常連さんとのやりとりを、店の流れに合わせて形にできます。

紙のメモが増えてきた、予約と取り置きと常連さんの好みを一か所で見たい、会員アプリを考えているが既製品で足りるか分からない。そんな段階でも相談できます。何をやるか決まっていなくても、いまの接客の流れを聞きながら、紙のままでよい部分と仕組みにする部分を一緒に整理します。

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