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AIの基礎・活用

話した言葉を文字にするAIで、何ができる?

話した言葉を文字にするAIは、スマホのキーボードの音声入力から今日試せます。手が離せない現場の記録、打ち合わせのメモ、電話の聞き取りなど、書く時間がとれない作業に向いています。ただし話していない言葉が混ざることもあるため、残す前に人が読み直します。

この記事でわかること

  • 使い方は、話しながらその場で入力する、録音した音声を後で文字にする、文字にしたものを生成AIで要約や表に整える、の3つに分けると選びやすくなります。
  • 両手がふさがる作業の記録や、打ち合わせ・電話の内容を残す作業など、書く手間が負担になっている場面が試しどころです。
  • 公開されている音声認識AI「Whisper」の説明書は、実際には話されていない言葉が文字になることや、同じ言葉の繰り返し、言語やなまりによる精度の差を制限として挙げています。
  • 同じ説明書は、本人の同意なく録音した会話を文字にする使い方に注意を促しています。録音する前に、相手へ伝えておきます。
  • 最初は、毎日書いている短い記録を1つ選び、1週間だけ声で入力して、直す手間と書く手間を比べます。

声を文字にする方法は、大きく3つ

話した言葉を文字にする技術は、音声認識や文字起こしと呼ばれます。仕事で使うときは、いつ文字にするかで次の3つに分けて考えると、合う道具を選びやすくなります。

話しながら、その場で入力する

スマホやパソコンに向かって話すと、その場で文字が入力されます。iPhoneのキーボードには音声入力があり、Appleの開発者向け資料も、キーボードの音声入力が音声認識で言葉を文字に変えていると説明しています。ほかのスマホやパソコンでは、使っているキーボードやアプリの説明で確かめてください。

録音した音声を、後で文字にする

打ち合わせや取材を録音しておき、終わってから文字にします。会議用のアプリや文字起こしのサービスに、この使い方を受け付けるものがあります。

文字にしたものを、生成AIで整える

文字起こしの結果は、話した順にそのまま並ぶため、そのままでは読みにくいことがあります。文章を作る生成AIに渡して、要点や決まったこと、次にやることを書き出してもらうと、記録として使いやすくなります。

書く時間がとれない場面で使うアイデア

次は、当社が考えた使い方の例です。導入事例ではありません。どれも、文字になった内容を担当者が読んで直してから残す前提です。

両手がふさがる現場で、その場の記録をとる

点検や清掃、調理の途中で、気づいたことを声で残します。作業が終わってから思い出して書くより、抜けが減ります。手袋を外さずに済む使い方も考えられます。

打ち合わせの後に、決まったことだけを書き出す

お客さんとの打ち合わせを、了解を得て録音して文字にし、生成AIに「決まったこと」「次に確かめること」を箇条書きにしてもらいます。担当者が読んで直したものを、お客さんへの確認メールの下書きにします。

電話で聞いた注文や依頼を、聞き漏らさずに残す

電話の後すぐ、聞いた内容を自分の声で吹き込み、品名・数量・日時の形に整えます。通話そのものを録音して文字にする場合は、相手への伝え方を先に決めておきます。

教室や講座の話を、受講生向けのまとめにする

料理教室や趣味の講座で、先生が話したコツを文字にし、受講生に配るまとめの下書きにします。話し言葉のままだと読みにくいため、生成AIで手順の形に整えてから、先生が仕上げます。

聞き違いは、どんな形で起きるか

OpenAI社が公開している音声認識AI「Whisper」の説明書(モデルカード)は、制限として次の点を挙げています。どの音声認識でも同じとは限りませんが、起きうる誤りの形を知っておくと、読み直すときの目の付けどころが分かります。

一つめは、音声の中で実際には話されていない文字が出てくることがある点です。説明書は、言葉の知識をもとに次の言葉を予測しようとすることが原因と考えられる、と書いています。二つめは、同じ言葉を繰り返して出力しやすい点です。三つめは、言語によって精度に差があり、同じ言語の中でも、なまりや方言によって誤りが増えることがある点です。

実際の使い方では、数字・日付・人名・商品名を重点的に確かめます。言い間違いや聞き違いがあっても、文章としては自然に読めてしまうことがあるため、元の音声と照らし合わせる時間を決めておきます。

専門用語や自社の商品名が多い場合は、言葉を登録できる道具もあります。Appleの開発者向け資料には、アプリを作る側が特定の分野の語彙を追加できるしくみが載っています。使うサービスに同じ機能があるかは、それぞれの説明で確かめてください。

録音する前に決めておくこと

Whisperの説明書は、本人の同意なく録音した会話を文字にする使い方に注意を促し、精度の不足が結果に大きく影響する判断の場面での利用も勧めないとしています。打ち合わせや電話を録音するときは、録音して文字にすることを最初に相手へ伝えます。

録音や文字起こしの結果を外部のサービスに送る場合は、お客さんの名前や連絡先が含まれることがあります。社内で使ってよいサービスと、入力しない情報を決めておきます。決め方は社員が生成AIを使い始めたら、何を決めておく?で紹介しています。

文字にした記録をどこに保存し、元の録音をいつ消すかも、あらかじめ決めておくと迷いません。

今日できる最初の一歩

毎日書いている短い記録を1つ選びます。日報、作業メモ、仕込みのメモなど、数行で済むものが向いています。1週間だけ、それをスマホの音声入力で書いてみて、直した箇所と、かかった時間をメモしておきます。

書く手間より直す手間の方が小さければ、声で残す方法が合っている作業です。直す箇所がいつも同じ言葉なら、その言葉を登録できる道具を探すか、言い方を変えて試します。1週間という期間は当社の目安で、効果を判断するための基準ではありません。

録音した打ち合わせを自社の書式の議事録にまとめたい、文字起こしを業務のシステムにつなげたい、といった段階になったら、作業の流れに合わせて組み立てる方法もあります。

AIの種類の違いは機械学習と生成AIは何が違う?で、写真を使う例は写真を見て判断するAIで、何ができる?で紹介しています。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

声で残す記録を、どの作業から始めるか一緒に考えます。

文字起こしを試してみたいが、どの作業に合うか分からない。そんな段階でも相談できます。資料や仕様の提出は要りません。いまの記録の付け方を聞きながら、声で残すと楽になる作業と、人が確かめる場面を一緒に整理します。

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