業務アプリ・DX
ホームページとWebアプリは何が違う?
どちらもブラウザで開きますが、誰が開いても同じ内容を見せるのがホームページ、開いた人ごとに違う内容を出したり、入力を保存して使ったりするのがWebアプリです。予約や会員ページを付けたいときは、サイトに何を保存するかで、作り方と公開後の手間が変わります。
この記事でわかること
- ホームページは会社やお店のことを伝えるためのもので、誰が開いても同じページが出ます。Webアプリは、入力された予約や注文、ログインした人の情報を保存し、それをもとに画面の中身を変えます。
- 問い合わせフォームのように、送られた内容をメールで受け取るだけなら、ホームページの一部として作られることが多くあります。空き状況を出す予約、会員だけのページ、ネット注文は、データを保存する仕組みが要ります。
- 会員や予約の一覧をサイトに保存するなら、個人情報保護法の安全管理の対策が要ります。ログインの仕組み、ソフトの更新、データの控えなど、公開後の作業も増えます。
- 予約や注文は、既存のサービスへリンクする方法で始められることもあります。お店独自の受け方や記録があるときは、足りない機能だけをWebアプリとして作る方法もあります。
- 相談の前に「誰が使うか」「何を入力して、何を見たいか」「今どこに記録しているか」を書き出すと、ホームページの手直しで足りるかが分かりやすくなります。
見せるのがホームページ、使うのがWebアプリ
「ホームページに予約の機能を付けたい」「会員さんだけが見られるページがほしい」。こうした相談では、頼む先がホームページ制作なのかアプリ開発なのかで迷う方が多くいます。どちらもスマホやパソコンのブラウザで開くので、見た目では区別がつきにくいからです。
分かれ目は、開いた人によって画面の中身が変わるかどうかです。会社案内、メニュー、営業時間、地図のページは、誰が開いても同じ内容が出ます。これがホームページです。
一方、自分の予約一覧、ポイントの残り、注文した商品の発送状況のように、開いた人ごとに違う内容が出る画面は、入力されたデータを保存して呼び出す仕組みで動いています。これをWebアプリと呼びます。
実際のサイトでは、ホームページの中に一部だけWebアプリの機能が入っていることがよくあります。お店のホームページに「予約する」ボタンがあり、押すと予約の画面に移る、という形です。
ホームページ
会社・お店・商品のことを伝えます。内容を書き換えるのはサイトを管理する側で、見る人は読むだけです。
Webアプリ
見る人が入力し、その内容が保存されます。ログインした人や入力した内容によって、画面に出るものが変わります。
よくある機能は、どちらに入るか
次の機能は、ホームページの相談でよく出てくるものです。作り方によって扱いが変わるので、目安として見てください。
問い合わせフォーム
名前と相談内容を送ってもらい、お店がメールで受け取る形なら、ホームページの一部として作られることが多い機能です。送られた内容をサイトの中で一覧にしたり、返信したかを管理したりし始めると、Webアプリに近づきます。
予約
希望の日時を送ってもらい、お店が電話やメールで確定するならフォームで足ります。空いている時間をその場で表示して予約を確定させるには、予約の枠と入った予約を保存する仕組みが要ります。
会員ページ・マイページ
ログインした人だけに見せるページは、会員の情報を保存し、本人かどうかを確かめる仕組みが必要です。Webアプリの代表的な機能です。
ネット注文・ネットショップ
商品の在庫、注文、支払い、発送の状況を保存して扱うので、Webアプリの仕組みで動きます。
お知らせ・ブログ
お店の人が書いて、見る人は読むだけなので、ホームページの機能です。書くための管理画面があっても、使うのはお店の側だけです。
Webアプリになると増えること
サイトがデータを保存するようになると、作る量だけでなく、公開してからの手間も増えます。見積もりの金額や、頼む会社に確かめることにも関わります。
いちばん大きいのは、お客さんの情報を預かることです。個人情報保護法では、個人情報を検索できるように整理した集まりを「個人情報データベース等」、それを構成する個人情報を「個人データ」と呼びます。会員や予約の一覧をWebアプリに保存するのは、この個人データを扱うことにあたります。
同法の第23条は、個人データの漏えいなどを防ぐために必要で適切な対策をとるよう、個人情報を扱う事業者に求めています。個人情報保護委員会のガイドラインは、従業員100人以下の中小規模事業者にもこの対策が必要としたうえで、規模に合わせた方法の例を示しています。システムについては、扱える人をIDとパスワードなどで限ること、ソフトを最新の状態に保つこと、通信を暗号化することなどが例に挙がっています。
ログインの仕組み
パスワードを忘れた人への対応や、退会した人のデータの消し方まで決めておきます。
ソフトの更新
Webアプリが使っている部品やサーバーのソフトは、公開後も更新が続きます。誰が担当するかを先に決めます。
データの控え
保存した予約や会員の情報が消えたときに戻せるよう、控え(バックアップ)の取り方を決めます。
外部に任せる範囲
保守を開発会社に任せるなど、個人データの扱いを外部に委託する場合は、同法の第25条により、委託した先を監督する必要があります。
作る前に、既存のサービスで足りるか考える
予約やネット注文のような機能は、すでに多くのサービスが用意されています。ホームページからそうしたサービスの予約ページや注文ページへリンクする方法なら、データを保存する仕組みを自分で持たずに始められます。サービスによっては、ホームページの中に予約の画面を埋め込めるものもあります。
ただ、既存サービスの画面や入力項目は決まっているので、お店のやり方に合わないこともあります。予約と一緒に人数ごとのコースを選んでもらう、会員ごとに通った回数を記録する、といった独自の決まりがあるなら、Webアプリとして作るほうが合う場合があります。
既存サービスが合うとき
予約や注文の受け方が一般的で、まず早く始めたいとき。
作るほうが合うとき
お店独自の受け方や記録があり、既存サービスの項目では足りないとき。今使っているExcelや紙の台帳とつなげたいとき。
組み合わせるとき
ホームページはそのまま残し、足りない機能だけをWebアプリとして作って、ホームページからリンクする方法もあります。
相談の前に書き出しておくこと
次の3つが分かると、ホームページの手直しで足りるか、Webアプリが要るかを判断しやすくなります。決まっていない項目があっても相談はできます。
誰が使うか
お客さんか、会員か、スタッフか。ログインして使う人がいるかも書きます。
何を入力して、何を見たいか
「予約の日時と人数を入れてもらい、お店は1日の予約一覧を見たい」のように、入力するものと見たいものを1行ずつ書きます。
今どこに記録しているか
電話で受けてノートに書いている、Excelにまとめている、などです。今の記録の形が、作る範囲を決める手がかりになります。
自分で確かめてみるなら
自社のホームページや、よく使うお店のサイトを開き、ページごとに「誰が開いても同じか」を見てみてください。ログインの画面、予約の空き状況、買い物かごのように、人や時間で中身が変わるところがWebアプリの部分です。
その部分がお店のために作られたものか、外部の予約サービスやネットショップのサービスかも見てみると、作る方法と借りる方法の違いがつかみやすくなります。予約ボタンを押したときにアドレス欄のドメインが変わるなら、外部のサービスを使っていることが多いです。
ホームページで足りるか、アプリが要るかから一緒に整理します。
誰が使い、何を入力して、何を見たいか。それが分かれば、今のホームページの手直しで足りるか、Webアプリとして作るかと、必要な機能・概算の費用と期間をお伝えできます。仕様書や画面の案がなくても大丈夫です。
