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需要予測・AI

商品別・店舗別の発注量は、どこまで細かく分けて見込むか

発注は品目ごとに出すので、見込みも品目ごとに要ります。ただし全品目を同じ細かさで見る必要はありません。売上の大きい品目は品目別に、数量の小さい品目は商品群でまとめて見込み、群の中は直近の比率で割り振る方法を説明します。

この記事でわかること

  • 細かく分けるほど、1品目あたりの1日の数量は小さくなります。本文の試算例では、1日240個・12品目の店で、上位3品目は1品目あたり44個、残り9品目は12個です。1個の違いが平均に占める割合は、前者が約2%、後者が約8%になります。
  • 売上構成比の高い順に品目を並べ、上位の品目だけを品目別に見込みます。中小企業基盤整備機構の手引きでは、累計シェア50%までをA、80%までをB、それ以外をCとする区分の例が示されています。
  • まとめて見込んだ商品群は、群の合計を先に出し、直近の販売実績の比率で各品目へ割り振ります。比率は季節や品揃えの変更に合わせて見直します。
  • 発注が1ケース単位の品目では、見込みを1個単位まで細かくしても、頼む数は単位に丸められます。細かく見込む意味があるのは、発注単位より数量が十分に大きい品目です。
  • 店舗ごとに発注するなら、店舗ごとに見込みます。合計だけを見ていると、片方の店の品切れともう片方の店の売れ残りが打ち消し合って見えなくなります。

分ける単位は発注の単位に合わせる。ただし全品目を同じ細かさで見込まない

発注書は品目ごとに数量を書くので、見込みも最後は品目ごとの数字になります。分ける単位を発注の単位より粗くすると、結局は現場で割り振ることになります。

ただし、全品目を同じ手間で見込む必要はありません。売上の大半を占める数品目と、1日に数個しか出ない品目とでは、数量を外したときの金額が違います。売上の大きい品目は品目別に数量を見込み、小さい品目は近い商品どうしをまとめた群で見込んでから各品目へ割り振ります。

店舗別も考え方は同じです。店ごとに発注するなら店ごとに見込みます。合計の数量は月ごとの傾向を確かめるときに使い、発注そのものには店ごとの数字を使います。

品目別に見込む商品

売上構成比の高い品目と、品切れや廃棄になったときの金額が大きい品目です。

商品群でまとめる商品

1日に数個しか出ない品目、まとめ買いされる関連商品、発注が1ケース単位の品目です。群の合計を見込んでから割り振ります。

店舗別に分ける単位

発注を店ごとに出すなら店ごとに見込みます。倉庫から各店へ配分する形なら、まず全体を見込み、次に店ごとの比率で配分します。

細かく分けるほど、1個の違いが占める割合は大きくなる

分けると、1品目あたりの数量そのものが小さくなります。試算例として、惣菜と弁当を12品目扱い、1日に合計240個売れる店を考えます。上位3品目で合計の55%を占めるなら、上位は1品目あたり44個、残り9品目は1品目あたり12個です。

44個の品目で1個外しても、平均に対しては約2%です。12個の品目では約8%になります。品目をさらに24に増やして1品目あたり10個にすれば、1個の違いは10%です。数量が小さい品目ほど、同じ1個の差が大きく効きます。

ばらつきの大きさは、平均からどれだけ離れた日があるかで測ります(総務省統計局「データの散らばりを見る」で、偏差と標準偏差の考え方が説明されています)。品目別の数量は平均が小さいので、同じ日のできごとでも、割合で見ると大きく振れて見えます。この性質は予測の方法を変えても消えません。

発注単位も同じ方向に働きます。1ケース6個の品目で1日12個の見込みが出ても、頼めるのは2ケースか3ケースです。1ケースの違いは平均の50%にあたります。この品目で見込みを1個単位まで細かくしても、発注書に書く数は変わりません。

DEMO

品目の分け方を変えると、1品目あたりの数量がどう変わるか

1日の合計販売数、品目数、上位品目のシェア、発注単位を入れると、分け方ごとの1品目あたりの平均と、1個・1単位の違いが平均に占める割合を表示します。実際の販売数のばらつきを計算する画面ではありません。

品目の分け方と1品目あたりの数量|上位品目・その他・全品目の比較

合計240個・12品目・上位3品目で55%という試算例を初期値にしています。数字を変えると、品目別に見込む価値がある範囲がどう動くかを確認できます。

触って動かせます
計算の中身
1品目あたりの平均は、合計販売数に各区分のシェアを掛けて品目数で割った値です。「1個の違いの割合」は1をその平均で割った百分率、「1単位の違いの割合」は発注単位をその平均で割った百分率です。
使っている前提
区分ごとの品目は同じくらい売れるものとして平均で割っています。実際には同じ区分の中でも数量に差があります。割合の目安(10%・25%)は当社が表示を分けるために置いた線で、統計上の基準ではありません。
確かめてほしいところ
初期値では、上位3品目が1品目あたり44個で1個の違いは約2%、残り9品目は12個で約8%です。発注単位を6にすると、その他の品目は1単位の違いが50%になります。品目数を24に増やすと、その他の品目は1品目あたり5.1個になり、1個の違いが約19%になります。

※ この画面は数量の大きさだけを比べています。実際に見込みが外れる幅は、品目ごとの売れ方や曜日の差によって変わります。品目別の予測を試すときは、手元の記録で確かめてください。

どの品目を品目別に見込むかは、売上構成比の順に並べて決める

品目を選ぶ手順は、レジの記録から作れます。期間を決めて品目ごとの売上を集計し、大きい順に並べ、合計に対する比率と、その累計を書き出します。中小企業基盤整備機構の小売店のABC分析表の手引きでは、累計シェアで上位50%までをA、そこから80%までをB、それ以外をCとする区分の例が示されています。品目数が多い場合は商品群として把握し、群の中で改めて分析する方法も同じ手引きにあります。

この並べ方をそのまま見込みの細かさに使います。Aの品目は日別・品目別に数量を見込みます。Bの品目は群でまとめ、週単位の数量から割り振ります。Cの品目は、そもそも在庫を置く品か、取り寄せにするかを先に決めます。

発注の方法も品目によって変わります。同機構の小売業の在庫費用削減策では、出入りの激しい売れ筋には決まった量を不定期に頼む定量発注方式、量のあまり出ない商品には一定間隔で頼む定期発注方式、在庫を持ちたくない高額商品には都度発注方式が挙げられています。定期発注や都度発注にした品目は、日別の見込みを出しても使い道がありません。品目ごとの管理方法は発注点と安全在庫の記事にまとめています。

A(売上構成比の高い品目)

品目別に日単位で見込みます。品切れも廃棄も金額が大きいため、記録を日別に残す価値があります。

B(中位の品目)

近い商品どうしを群にまとめ、群の合計を見込んでから割り振ります。発注は一定間隔にそろえます。

C(数量の小さい品目)

在庫を持つか、注文を受けてから取り寄せるかを先に決めます。数量の見込みより、置くかどうかの判断が先です。

まとめた群の数量を、各品目へ割り振る手順

群でまとめると、群の合計は品目別より安定します。合計240個の店で、飲み物6品目を1つの群にして1日60個と見込み、その60個を品目へ割るという順番です。

割り振る比率は、直近の販売実績から出します。過去4週間の同じ曜日で、群の合計に対する各品目の比率を計算し、その比率を今回の群の見込みに掛けます。60個の見込みで、直近の比率が40%・25%・15%・10%・6%・4%なら、24個・15個・9個・6個・3.6個・2.4個です。小数は発注単位に合わせて丸めます。

比率は固定しません。品揃えを変えた週、値引きをした週、新商品を入れた週は比率が動きます。比率を見直す間隔を決めておき、群の合計が合っているのに個々の品目が外れる状態が続くなら、その品目を群から出して品目別に見込みます。新しく入れた品目の最初の数量は、比率の材料がないため別の置き方になります。手順は新商品・新店の最初の発注量の記事にまとめています。

店舗別に分けると数量は小さくなるが、合計だけでは品切れが見えない

2店舗で1日240個、A店160個・B店80個という分かれ方なら、B店の数量はA店の半分です。同じ1個の違いでも、B店のほうが割合としては大きくなります。だからといって合計だけで発注量を決めると、A店に余ってB店で切れている状態が、合計の数字の上では釣り合って見えます。

店ごとに発注書を出すなら、店ごとに見込みます。そのうえで、数量の小さい店は余裕を厚めに取る、店舗間で融通できる品目を決めておく、といった手当てを別に用意します。日持ちする品目なら、B店の不足をA店の在庫から回すほうが、両店で多めに持つより在庫は少なく済みます。

店舗ごとの記録が残っていない場合は、まず全店の品目別の数量を見込み、次に店ごとの売上比率で配分します。配分は近似なので、品切れと売れ残りの起きた店を記録し、比率を直していきます。

店ごとに発注する場合

店ごとに見込みます。数量の小さい店は余裕を厚めに取り、融通できる品目を決めておきます。

倉庫から配分する場合

全体を見込んでから店ごとの比率で配分します。比率は品切れと売れ残りの記録で直します。

店別の記録が無い場合

売上比率で配分し、当たらなかった店から記録を増やします。全店合計だけでは、店ごとの過不足は分かりません。

紙とExcelで始める範囲と、仕組みにするときに決めること

最初にやることは、品目を売上の大きい順に並べる集計です。レジから品目別の売上が出るなら、1ヶ月ぶんを書き出して累計シェアの列を足すだけで、どの品目を品目別に見込むかが決まります。ここまでは表計算ソフトで足ります。

手作業が続かなくなるのは、品目数が増えたときと、集計の頻度が上がったときです。200品目を毎週、店舗別に並べ替えるとなると、転記と確認だけで時間が取られます。比率の見直しが止まり、古い比率で割り振ったまま発注が続くようなら、仕組み化を検討する段階です。

当社が開発中の手軽に使える需要予測AIは、日付と数量の2列があるCSVから28日先までの予測を幅つきで出します。商品名や店舗名の列を割り当てると、予測が商品別・店舗別に分かれます。リリース前のため、手元のデータで使えるかを確かめるデータ確認と試験予測の相談は無料です。品目が多い場合は、どこまでを品目別に出し、どこからを群でまとめるかも一緒に決めます。

見込みを毎日の発注表として画面にする場合、見積もりに必要なのは、品目数と店舗数、レジから品目別の販売数を出せるかどうか、発注の締切や在庫の残数まで画面に入れるかどうかの3点です。品目別の出数を仕込み指示まで通した形は居酒屋の品目別出数予測の開発プランに、店舗ごとの惣菜の製造量を扱う形はスーパー惣菜の需要予測の開発プランに書いています。

表計算ソフトで足りる範囲

品目を売上順に並べ、累計シェアでA・B・Cに分けるところまで。月1回、20〜30品目なら手作業で回せます。

仕組み化を考える目安

品目数が増えて並べ替えが月末の作業になった、比率の見直しが止まった、といった状態です。

データ確認と試験予測

リリース前の相談は無料です。手元のCSVで、品目別にどこまで分けられるかを確かめてからご判断いただけます。

まとめ

分けるほど1品目あたりの数量は小さくなり、同じ1個の違いが占める割合は大きくなります。発注単位が大きい品目では、細かく見込んでも頼む数は変わりません。

売上構成比の順に並べ、上位は品目別、中位は群でまとめて割り振り、下位は在庫を置くかどうかを先に決めます。店舗別は発注の単位に合わせ、数量の小さい店には余裕と融通の手当てを用意します。

まず、直近1ヶ月の品目別の売上を大きい順に並べ、累計シェアが50%に届くまでに何品目あるかを数えてください。その品目数が、日別に見込む価値のある範囲の目安になります。

よくある質問

全部の商品を品目別に予測してもらうことはできますか?

品目別に出すこと自体はできます。ただし、1日に数個しか出ない品目は、1個の違いが平均に対して大きな割合になり、数量を細かく出しても発注単位に丸められます。売上構成比の高い品目を品目別に、それ以外を商品群でまとめる形にすると、確認する数字が減って運用が続きます。どこで線を引くかは、手元の記録を見ながら決められます。

品目別だと当たりにくいなら、まとめて見込んだほうがいいのでしょうか?

まとめた数量のほうが日々の動きは安定します。ただし発注書は品目ごとなので、まとめた数量は最後に割り振る必要があります。群の合計を見込んでから直近の比率で割る手順にすると、安定した数字を使いながら品目ごとの数量を出せます。群の合計は合うのに特定の品目だけ繰り返し外れるなら、その品目を群から出します。

店舗ごとの販売数が分かれていません。全店の合計しかない場合はどうなりますか?

まず全店の品目別の数量を見込み、店ごとの売上比率で配分する形になります。配分は近似なので、品切れと売れ残りが起きた店と品目を記録し、比率を直していきます。レジの設定を変えれば店別に出せる場合もあるため、どの記録が取り出せるかを先に確認します。

季節商品や催しのときだけ出る品目は、どの区分に入れますか?

年間の売上構成比で並べると下位に入りますが、出る時期には数量が集中します。通年の区分とは別に扱い、催しの期間だけ品目別に見込む形にします。期間中の数量の見込み方は、特売・催し・季節行事の発注量の記事で扱っています。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

品目が多くて手が回らない、という状態から相談できます

品目が200を超えていて全部は追えない、売れ筋だけ見ているが線引きの根拠がない、店舗別の集計が月末にまとめて発生している。そんな状態で相談していただいて大丈夫です。レジから書き出したCSVを見て、品目別に見込む範囲と、群でまとめる範囲を分けるところから始めます。資料をそろえてからでなくて構いません。

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