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需要予測・AI

発注は多めにするか、少なめにするか。見込みの「幅」の見方と、幅が広すぎる日にやること

発注量に迷うときは、売れそうな数量の範囲と、余った場合・足りなかった場合の対応を分けて考えます。翌日も使えるか、当日に追加できるかを品目ごとに整理すると、多め・少なめを選ぶ目安になります。毎日の発注や仕込み量を決める店の経営者向けの記事です。

この記事でわかること

  • 予測範囲のどの数量を目安にするかを、品目ごとに決めます。余っても翌日に使えるか、足りない日に追加できるかを確認しましょう。
  • 過去の同じ曜日や似た条件の日の販売数は、予測範囲を考える材料になります。4週の販売数が9・12・10・15なら、まず9〜15を参考にできます。ただし、過去の最小・最大と、AIなどが計算する予測範囲は同じものではありません。
  • 実際の販売数が予測範囲を外れることもあります。外れた日の条件を記録し、同じ傾向が続く場合は予測方法や発注量を見直します。
  • 判断しにくいときは、記録を増やす、確定時刻を見直す、特別な日を分ける、の3点を確認します。追加調達ができる品目なら、少なめに発注して営業中に補う方法もあります。

予測範囲と品目の条件から、多め・少なめの目安を決める

発注時には「どのくらい売れそうか」と「余った場合、足りない場合にどう対応するか」の両方を考えます。これらを分けて整理すると、毎回の感覚だけに頼らず、品目ごとの基準で発注量を決めやすくなります。

見込みは、範囲で確認します。「金曜のこの品目は9から15」のように、下側と上側のある数です。そのうえで、余っても翌日に持ち越せる品目か、足りなくなった日に近くで買い足せる品目か、の2つで幅のどちら側を取るかを決めます。持ち越せて買い足せない品目は上側、持ち越せず買い足せる品目は下側です。

この記事では、予測範囲の考え方、範囲を外れた日の記録、発注量を決めにくいときの見直し方を説明します。廃棄と品切れの損失を金額で比べる方法は、発注量を決める3つの数字の記事で解説しています。

数量を範囲で確認する

「9〜15、中央値は11」のように、数量の目安とばらつきを一緒に確認します。

品目ごとの基準を決める

翌日も使えるか、当日に追加できるかを確認し、多め・少なめのどちらを目安にするか表にまとめます。

判断しにくいときに見直す

記録の量、発注の確定時刻、通常日と特別な日の分け方を確認します。

過去の販売数のばらつきから、数量の範囲を考える

ある品目の金曜の販売数が、直近4週で9・12・10・15だったとします。小さい順に並べると9・10・12・15なので、中央値は11、最小は9、最大は15です。この9〜15を、最初の目安として使えます。記録を増やすと傾向を確認しやすくなりますが、最小と最大の差が小さくなるとは限りません。

当社が開発中の手軽に使える需要予測AIは、日付と数量の2列のCSVから28日先までの予測を範囲つきで出します。ここで説明する過去の最小・最大による目安と、予測モデルが計算する範囲は区別してください。予測範囲が広い場合は、販売数のばらつきだけでなく、記録の不足やモデルが捉えていない条件も確認します。

天気予報でも、予報の値と不確かさは分けて示されます。ただし、複数の条件で計算する気象庁のアンサンブル予報と、店の過去の販売数を並べる方法は異なります。共通するのは、1つの数字だけで判断せず、予測に不確かさがあることも考慮する点です。

たとえば数量が11と表示されても、実際には9程度の日も15程度の日もあり得ます。中心となる数量と範囲を一緒に確認し、どこまで準備するかを品目の条件に合わせて決めます。

翌日も使えるか、当日に追加できるかを確認する

まず、余った分を翌日以降に使えるか、足りなくなった日に買い足す・作り足すことができるかを確認します。この2つで大まかに分類したうえで、保存場所や追加調達の費用も考えます。

品切れに備えて余裕を持つ場合も、予測範囲の上限をそのまま発注量にするとは限りません。現在の在庫、納品までに使う量、発注単位を確認し、必要な余裕を加えます。安全在庫は、需要や納品のばらつきに備えて確保する在庫として考えましょう。

4つのうち迷うのは、持ち越せず買い足せもしない品目です。保存の利かない看板料理や、当日限りの弁当がここに入ります。このような品目では特に、廃棄と品切れによる損失を金額で比べ、数量を決めます。廃棄した材料費と、品切れで断った数に粗利を掛けた額を月に1回並べる方法は、発注量の記事に書いたとおりです。

持ち越せる・買い足せない

多めを目安にします。ただし、保存場所や在庫が増える負担も確認します。乾物や冷凍品などでも、保管条件や調達先によって判断は変わります。

持ち越せない・買い足せる

少なめを目安にし、不足した分を営業中に追加します。追加にかかる時間や費用も確認します。

持ち越せる・買い足せる

中心となる数量を目安にします。調整しやすい品目ですが、追加費用や保管の負担がないわけではありません。

持ち越せない・買い足せない

廃棄した場合の材料費と、品切れで得られない粗利を比べます。代わりの商品を案内できるかも含めて判断します。

DEMO

同じ曜日の数を並べると、幅と数量の選び方がどう決まるか

直近8週の同じ曜日の販売数を入力し、最小・中央値・最大を確認する画面です。使う週数や特別な日の指定を変えると、計算対象と数量の範囲が変わります。持ち越し・追加の可否を選ぶと、判断の目安となる数量を表示します。

見込みの幅の見方|同じ曜日の販売数から下側・真ん中・上側を出し、数量を選ぶ

8週分の販売数を変更して、最小・中央値・最大を確認できます。計算に使う週を変えたり、特別な日を除いたりした場合の違いと、持ち越し・追加の可否による数量の目安を比べられます。

触って動かせます
計算の中身
使う週の販売数のうち、いちばん少ない数を下側、いちばん多い数を上側、順に並べた真ん中の数を中央にしています。特別な日の印を付けた週は幅の計算から除きます。数量の目安は、選んだ数量を仕入の単位で切り上げた数です。
使っている前提
この画面では、仕組みを理解するために過去の最小と最大を範囲の目安として使います。当社の需要予測AIが出す幅は、過去の似た条件の日のばらつきから計算するもので、最小と最大そのものとは違います。販売数の初期値はすべて架空の入力例です。
確かめてほしいところ
使う週数を8週と4週で切り替え、最小・最大がどう変わるか確認してください。最小と最大で範囲を求めるこの画面では、同じ記録に週を追加しても範囲は狭まりません。次に、持ち越しと追加の可否を変え、数量の目安を比べてみてください。

※ 数値は入力例です。この画面は数量の範囲と判断基準を試すためのものです。実際の発注量は、納品までに使う量、現在庫、入荷予定、必要な余裕を確認して決めてください。

予測範囲を外れた日は、起きたことを記録する

予測範囲は、販売数が必ずその中に収まるという保証ではありません。多めに準備しても品切れになることや、少なめにしても余ることがあります。範囲から外れた日も含めて記録を残してください。

どの程度の頻度で範囲を外れるかは、範囲の計算方法や店の売れ方によって変わります。「必ず3回に1回は当たる」といった固定の割合では考えません。過去の予測と実績を比べて、自店での外れ方を確かめます。

範囲を外れた日は、団体予約、近隣の催し、大雨、テレビでの紹介など、販売数に影響しそうな出来事を残します。条件が明らかに違う日は、通常日と分けて比較します。単に予測を外れたという理由だけで記録を除外しないでください。記録の付け方は、特売・催しの日の記事でも紹介しています。

予測範囲が狭くても、実績が繰り返し外れるなら、範囲の取り方や予測方法を見直す必要があります。逆に、広い範囲だからといって予測が役に立たないとは限りません。実績がどの程度収まっているかと、発注判断に使えるかの両方で確認します。

予測範囲が広く、発注量を決めにくいときの見直し方

予測が9〜15なら、どの数量を目安にするかで廃棄や品切れのリスクが変わります。判断しにくい場合は、次の3点を確認します。これらを見直しても、必ず範囲が狭まるわけではありません。

1つ目は、記録を増やすことです。同じ曜日が4回しかない場合より、記録が多いほうが普段の傾向と特別な日の違いを確認しやすくなります。ただし、販売数自体のばらつきがなくなるわけではありません。必要な期間の考え方は、記録の期間の記事で説明しています。

2つ目は、仕入先への連絡や作業に間に合う範囲で、確定時刻を見直すことです。直前の予約や天気、売れ行きを確認してから決められる場合があります。詳しくは仕込み量の締切の記事を参照してください。3つ目は、催しや特売の日を通常日と分けて比較することです。条件が違う記録を混ぜていないか確認します。

見直しても範囲が広い場合は、量を後から調整できる方法を考えます。当日に追加できる品目なら少なめに始め、残数を見て補います。朝・昼・夕方の便に分けて決める方法もあります。便に分ける手順は惣菜の製造数の記事、追加量を出品者と相談する例は直売所の補充依頼の開発プランで紹介しています。

記録を増やす

同じ曜日の記録を増やし、通常の売れ方と特別な日の違いを確認します。

締切を遅らせる

仕入先や厨房の締切に間に合う範囲で、より新しい情報を確認してから決めます。

特別な日を分ける

予約・催し・特売の日に印を付け、ふだんの記録から外します。ふだんの幅と、特別な日の幅を別に持ちます。

紙やExcelで試し、品目が増えたらシステム化を考える

まずは品目を1つ選び、直近4週の同じ曜日の販売数を紙や手元のExcelに並べます。最小・中央値・最大を書き、翌日も使えるか、当日に追加できるかを確認します。専用システムを導入する前に、判断の手順を試せます。

品目が増えて集計の負担が大きくなったら、自動化を検討します。当社の手軽に使える需要予測AIは開発中です。日付と数量の2列のCSVを使い、予測に使える記録かを確認する相談と試験予測を、リリース前は無料で受け付けています。

発注表をシステム化する費用は、対象品目数、品目ごとの判断基準、レジや仕入先システムとの連携によって変わります。日持ちや追加調達の可否を使う例は飲食店の発注表アプリの開発プランで紹介しています。期限表示に加え、実際の残り日数や保管条件も考える例は食料品店の日配品の発注表の開発プランを参照してください。

紙とExcel

手元の紙やExcelに販売数を並べ、最小・中央値・最大と、品目ごとの判断基準をまとめます。

CSVの確認と試験予測

無料。3ヶ月分ほどの日付と数量の記録から、幅つきの見込みが出るかを確かめます。

発注表の画面

対象品目数、判断基準の設定方法、レジや仕入先システムとの連携範囲で費用が変わります。

まとめ

予測範囲と、品目ごとの日持ちや追加調達の条件を確認して、発注量の目安を決めます。過去の最小・最大は簡単な参考値であり、AIなどが計算する予測範囲とは区別して使います。

実際の販売数が範囲を外れることもあります。その日の条件を記録し、同じ傾向が続く場合は、予測方法と発注量の両方を見直します。

まず、発注量に迷う品目を1つ選び、直近4週の同じ曜日の販売数を並べてみてください。最小・中央値・最大を参考に、余った場合と足りなかった場合の対応を考えます。

よくある質問

発注を多めにするのと、安全在庫を持つのは同じことですか?

どちらも不足に備える考え方ですが、同じ量を指すとは限りません。安全在庫は需要や納品のばらつきに備えて確保する在庫です。予測範囲の上限だけで発注量を決めず、現在庫、入荷予定、納品までに使う量も確認してください。

幅が広い品目は、予測が当たらないということですか?

幅の広さだけでは判断できません。販売数のばらつき、記録の不足、予測方法などが影響します。過去の予測と実績を比べ、範囲にどの程度収まっているかを確認してください。発注後に追加できる品目なら、少なめに始めて売れ行きを見ながら補う方法もあります。

幅の外に出た日があったら、次の日から発注を増やす(減らす)べきですか?

まず、その日に何があったかを確認します。催しや団体予約など普段と異なる条件があれば、通常日と分けて記録します。同じ条件で予測を外れることが続くなら、早めに予測方法や発注量を見直します。大きな廃棄や品切れが出た場合も、月末を待たずに確認しましょう。

幅はExcelでも出せますか?

過去の数量の範囲なら、Excelの最小値・最大値・中央値で確認できます。ただし、この範囲は将来の販売数が収まる保証ではありません。品目が増えて集計が負担になった場合は、CSVを使った自動化や試験予測を検討できます。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

発注量に迷う品目の記録から、一緒に確認します。

多めに発注した品目が余る、予測範囲を見ても数量を決められない、レジの記録をまだ集計できていない。そんな段階からご相談いただけます。品目1つの販売数を確認し、日持ちや追加調達の条件に合わせた判断基準を考えます。

予測範囲の見方と発注量を相談する (新しいタブで開きます)

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