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スマホをかざすだけで開く、NFCタグのアプリのアイデア

NFCタグは、スマホを近づけると中に書いた情報を読める小さなシールやカードです。URLを書いておけば、iPhone XS以降なら専用アプリがなくてもページを開けます。機械や道具、売り場の棚とスマホの画面をつなぐ使い方を考えてみます。

この記事でわかること

  • NFCタグは、スマホを数センチまで近づけると読める近距離の通信の仕組みです。中にはURLなどの短いデータを書いておけます。
  • iPhone XS以降は、アプリを開かなくてもタグのURLを読み取り、通知をタップするとページが開きます。AndroidもNFCがオンで画面のロックを解除していれば、タグを読んで対応するアプリを開きます。
  • 機械ごとの点検記録、道具の貸し出しと返却、商品や展示の案内など、「その場所・その物」の画面をすぐ開きたい場面に向きます。
  • NFCを使えない端末もあるので、同じURLのQRコードを並べて貼っておくと、誰でも使えます。
  • まずはタグにWebページのURLを書くところから試せます。専用アプリは、必要になってから検討しても遅くありません。

NFCタグとは

NFCは、交通系ICカードのように、かざして使う近距離の通信の仕組みです。Androidの開発者向け資料では、通信を始めるには一般に4cm以下の距離が必要と説明しています。少し離れただけでは読まれないので、「この機械の前にいる人が、この機械の画面を開く」という使い方に合います。

NFCタグは、この仕組みで読めるシールやカード、キーホルダー型の小さな部品です。NDEFという共通の形式でURLなどの短いデータを書いておくと、iPhoneでもAndroidでも読み取れます。

専用アプリがなくても、ページは開ける

Appleの開発者向け資料によると、iPhone XS以降は「バックグラウンドでのタグ読み取り」に対応しています。アプリを開いていなくても、iPhoneを使っている最中にタグへ近づけると、システムがタグを読み、通知を出します。通知をタップすると、タグに書かれたWebページがブラウザで開きます。ロック中なら、先にロックの解除を求められます。

ただし、カメラを使っている間、機内モードのとき、Apple Payのウォレットを使っている間などは、画面がついていてもこの読み取りは働きません。iPhone XSより前の機種は対象外なので、アプリの中で読み取る方法を用意するよう、同じ資料も勧めています。

Androidは、GoogleのAndroid開発者向け資料によると、NFCが設定でオフになっていない限り、画面のロックを解除している間はタグを探しています。読み取ったタグの中身に合わせて、それを扱えるアプリを開く仕組みです。

つまり、タグにWebページのURLを書いておけば、ストアでアプリを配らなくても「かざすと入力画面が開く」ところまでは作れます。入力画面をWebアプリにする方法はPWAとは? ホーム画面から開けるWebアプリで説明しています。

どんな場面で使えるか

以下は、NFCタグとスマホの組み合わせで考えられる使い方の例です。当社が導入した事例ではなく、発想の材料として挙げています。

機械や設備ごとの点検記録

ボイラー、冷蔵庫、消火器など、点検する機械の1台ずつにタグを貼り、その機械の点検画面のURLを書いておきます。かざすと機械名が入った入力画面が開くので、一覧から機械を選び間違えることを減らせます。

道具や備品の貸し出しと返却

工具、測定器、貸し出し用のタブレットなどにタグを貼り、かざすと「借りる」「返す」を押せる画面を開きます。いま誰が持っているかを、事務所の一覧で見られるようにする作り方です。

売り場や展示の案内

Appleの資料も、店にある商品や博物館の展示について詳しい情報を見せる使い方を例に挙げています。棚の値札やパネルにタグを付け、作り手の紹介、使い方の動画、外国語の説明などを開くページにできます。

教室やイベントの受付、スタンプラリー

受付の机や各ブースにタグを置き、かざすと出席の登録やスタンプの画面を開きます。イベント当日に使う画面の考え方はイベント当日だけ使うアプリで、何ができる?で整理しています。

QRコードと、どちらを使うか

URLを開くだけなら、QRコードでも同じことができます。違いは読み取り方です。QRコードはカメラを起動して写すので、少し離れた場所からでも読めて、紙に印刷するだけで作れます。NFCタグは近づけるだけで開くかわりに、タグを用意して書き込む手間がかかり、NFCを搭載していない端末では使えません。

どちらか一方に決めなくても構いません。同じURLのQRコードをタグの横に貼っておけば、NFCを使えない端末の人も、古いiPhoneの人も同じ画面を開けます。

気をつけたいのは、タグを読んだだけでは記録が残らない点です。記録になるのは、開いた画面で入力や送信をしたときです。また、URLは写真やメッセージで他の人にも共有できるので、「その場に行った証明」としてそのまま使うことはできません。点検の記録のように確実さが要る使い方では、ログインした人だけが送れる画面にする、送った時刻を残す、といった作り方を合わせて考えます。

専用アプリにすると、できることが増える

URLを開くだけで足りない場合は、スマホアプリの中でタグを読む方法があります。Appleの資料では、アプリはタグを読むだけでなく、タグへデータを書き込んだり、FeliCaやMIFAREといった種類のタグとやりとりしたりできると説明しています。

アプリの中で読む場合は、アプリが読み取りを始めてからスマホを近づけます。読み取り中は「機械のタグにiPhoneを近づけてください」のような案内を画面に出せるので、初めて使う人にも分かりやすくなります。

一方で、ストアで配るアプリは、作る手間も公開後の更新作業も増えます。まずはWebページで試し、続けて使えるかを確かめてから専用アプリを考える進め方もあります。ストアに出さずに配る方法はスタッフや会員だけに配るアプリ、ストアに公開しないと配れない?で整理しています。

自分で試してみるなら

NFCタグは市販されていて、書き込みに対応したスマホアプリを使えば、自分でURLを書き込めます。まずはお店や会社のホームページのURLを1枚に書き込み、手元のiPhoneやAndroidでかざして、どう開くかを確かめてみてください。

「この機械に貼りたい」「かざしたらこの画面が開いてほしい」という場面が1つ思い浮かべば、それがアプリの相談の出発点になります。アイデアの伝え方は仕様書がなくてもアプリの相談はできる?にまとめています。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

「かざしたら、この画面が開く」から相談できます。

どこに貼りたいか、開いた画面で何をしたいか。それが分かれば、Webページで足りるか専用アプリが要るかと、費用と期間の目安をお伝えできます。仕様書がなくても大丈夫です。

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