EvoQuest
EvoQuest DX業務システム / 記録の電子化 2026.09

SCENARIO ── BUILDING MAINTENANCE CASE

現場のチェック表を1回入れたら、
提出先ごとの月次報告まで届く。

受託18棟、清掃スタッフ22名、事務3名のビルメンテナンス会社を想定します。現場で書いたチェック表を事務所でExcelに打ち直し、提出先ごとの様式に合わせて月次報告書を作り直している状態を変えます。作業の記録を1回だけ入れて、定期作業の実施期限と月次報告の組み立てを同じ場所から扱う開発プランです。

想定領域
業務システム / 作業記録と提出帳票の電子化
担当範囲
要件整理・画面設計・開発・定着支援
想定対象
受託18棟・清掃スタッフ22名規模のビルメンテナンス会社
想定期間
設計〜運用開始 約 2.5 ヶ月(最初に作る4画面)

OVERVIEW

プロジェクト概要

ビルメンテナンスの記録は、書いたあとに行き先が3つあります。現場に残すチェック表、提出先の管理会社やオーナーへ出す月次報告書、請求書に書く作業内容です。紙で回している会社では、この3つに同じ作業を書いています。現場のパートが記入した表を事務所がExcelに打ち直し、提出先の様式に合わせて並べ替え、請求の明細にもう一度写す。写真はスタッフ個人のスマホからメッセージアプリで届くので、どの作業の写真かは本文の説明を読まないと分かりません。

この開発プランで作るのは、記録を減らす仕組みではありません。入力を1回にして、そのあとの組み立てを画面に任せることが目的です。現場のスタッフは今日の作業項目にチェックを入れ、写真を撮り、気づいた点を書く。事務は月初に提出先を選び、足りない記録だけを埋めて出す。あわせて、実施の間隔が決まっている定期作業の次回期限を同じ台帳から計算し、期限の近い順に出します。

CHALLENGE

課題

  • 01 同じ作業を3回書いている。現場のチェック表、提出先ごとの月次報告書、請求書の作業内容。打ち直しのたびに日付や棟名がずれ、提出したあとで差し戻される。
  • 02 提出先ごとに様式が違う。管理会社9社とオーナー2社で、使っている様式は6種類。共通の項目は同じなのに、並び順と必須の写真の数が違うので、11通ぶん作り替えている。
  • 03 定期作業の次回期限が、事務の手帳とExcelに分かれている。6月以内ごと、1年以内ごと、7日以内ごとと間隔の違う作業が棟ごとにあり、前回の実施日から数え直さないと次がいつか出てこない。
  • 04 写真が作業項目に結びついていない。スタッフ個人のスマホからメッセージアプリで届くので、月末に日付と本文を頼りに照らし合わせる。様式で作業前後の写真が要る提出先では、この照合が報告書作りの大半を占める。

APPROACH

課題への対応

最初に決めるのは、記録の1行を何にするかです。現場1件を1行にすると、床の洗浄は終わったがガラスは翌日に回した日を表せません。1行は現場×作業項目にして、実施結果、担当者、時刻、写真、特記事項をぶら下げます。空欄がそのまま「まだ実施していない」を表すので、持ち越した作業が月末を待たずに見えます。

もう1つ決めるのは、周期の持ち方です。特定建築物の維持管理で求められる間隔は、建築物衛生法施行規則が作業ごとに定めています。大掃除とねずみ等の調査は6月以内ごとに1回、貯水槽の清掃は1年以内ごとに1回、遊離残留塩素の検査は7日以内ごとに1回。これは建物の側に課された間隔で、受託する側はその作業を行う立場です。だから画面は「守らせる」形ではなく、前回の実施日から次回の期限を出して、契約で決まった定期作業と同じ表に並べる形にします。提出先の様式は、いま使っているものをそのまま引き継ぎます。受け取る担当者が見慣れているのは今の形で、変えると説明の手間が先に増えます。

CONSULTATION

現場の作業記録と月次報告のまとめ方を、ご相談ください。

「現場のチェック表を事務所でExcelに打ち直している」「提出先ごとに様式が違って、毎月作り替えている」「写真がスタッフのスマホに残ったまま」。
こうした状態からご相談いただけます。いまお使いのチェック表と、提出している月次報告書を見せていただければ、書式を整えるだけで足りる部分と、画面にしたほうがよい部分を分けて整理します。
完成した仕様書や、現場の実データをご用意いただく必要はありません。

SCREENS

主要画面

想定する主要画面と、設計で大事にしている考え方です。現場のスマホ、事務所のPC、協力会社の3つに記録を割り付けた構成。物件名・担当者名・日付・件数はすべて受託18棟規模の会社に合わせた想定例です。

01. 今日の作業チェック(現場スタッフのスマホ)

毎日いちばん開く画面。当日回る現場が時間順に並び、現場を選ぶと契約で決まった作業項目がそのまま出る。実施したらチェック、できなかったら理由を選んで持ち越す。写真はその項目に紐づけて撮る構成。

今日の作業
設計のポイント
作業項目を毎回書き起こさせない。棟ごとの項目は台帳から出し、当日は結果だけを入れる。手袋のままでも押せる大きさにする。
持ち越しの扱い
実施できなかった項目は、消さずに理由を選んで残す。翌日の画面の先頭に持ち越し分として出る。
電波が届かない場所
地下の機械室や立体駐車場では下書きを端末に保存し、戻ってから送る。未送信の件数を画面の上に出して、次の現場へ移る前に気づけるようにする。

02. 定期作業の期限一覧(事務所のPC)

前回の実施日から次回の期限を計算し、期限の近い順に並べる画面。法令で間隔が決まっている作業と、契約で回数が決まっている作業を同じ表に出し、残り日数で色を分ける構成。期限を過ぎた行は先頭に固定する。

定期作業の期限
周期の根拠を行ごとに持つ
大掃除とねずみ等の調査は6月以内ごとに1回(建築物衛生法施行規則第4条の5)、貯水槽の清掃は1年以内ごとに1回、遊離残留塩素の検査は7日以内ごとに1回(同規則第4条第1項第7号)。契約で決めた床洗浄やガラス清掃と、根拠を分けて表示する。
誰の義務かを混ぜない
これらの間隔は建物の維持管理権原者に課されたもの。画面は受託する側の作業予定として出し、実施日の証拠になる記録を残すところまでを担う。
割り当て
期限の近い作業に、どの班をいつ充てるかをこの画面から決める。班の予定は現場スタッフの今日の画面へ流れる。

03. 月次報告の組み立て(事務所のPC・月初に開く)

前月分の報告を提出先ごとに組み立てる画面。提出先を選ぶと、その様式に必要な項目だけが並び、当月の実施記録と写真が差し込まれる。様式が求めているのに足りていない箇所が先に出て、埋めてからPDFにする構成。

月次報告
不足を先に出す
実施の記録はあるが写真が無い、持ち越しの理由が空欄、といった行を提出前に一覧にする。月末にファイルをめくって探す作業をここに置き換える。
様式は引き継ぐ
提出先6種類の様式は、いまの並びのまま作る。共通の項目と、その提出先だけが求める項目を台帳で分けておく。
請求への渡し方
請求書の作業内容に使う明細を同じ記録から書き出す。請求ソフトはいまのものを残し、CSVで渡す形から始める。

04. 現場台帳と作業項目の設定(管理者)

棟ごとに、用途と延べ面積、提出先と様式、日常清掃の項目、定期作業の周期と根拠、担当する班や協力会社を登録する画面。ここで決めた項目が、現場の当日の画面と期限一覧の両方の元になる構成。権限の範囲も同じ画面で設定する。

現場台帳
1か所で持つ
作業項目を現場の画面と報告の様式で別々に持たない。台帳を直せば両方に反映する。棟が増えたときの登録もここだけで済む。
権限の分け方
事務は全棟を編集、清掃スタッフは担当する棟の当日の記録だけ、協力会社は委託された点検の記録だけ。管理会社には画面を開いてもらわず、PDFで受け取る前提にする。
保存年限
特定建築物では、清掃やねずみ等の防除の状況を記載した帳簿書類を所有者等が5年間保存する(同規則第20条第2項)。受託する側が控えを何年残すかは契約で決まるので、棟ごとに設定できるようにする。

05. 消防用設備等の点検記録(協力会社の入力)

委託している消防設備士が、点検の区分、設備ごとの判定、不良があった箇所と改修の予定を入れる画面。点検者の氏名と資格も同じ行に残す。最初に作る範囲の外で、記録が定着してから追加する画面。

法定点検
報告の周期を棟ごとに持つ
消防用設備等の点検結果は、維持台帳に記録したうえで消防長または消防署長へ報告する(消防法施行規則第31条の6第3項)。報告の間隔は建物の用途で1年に1回と3年に1回に分かれるため、棟ごとに設定する。
様式はこちらで決められない
点検の方法と報告書の様式は消防庁長官が定める(同条第5項)。画面は、別記様式第1から第3と設備ごとの点検票へ写せる項目でそろえるところまでを担う。
電子申請との連携
消防署への提出をシステムから直接行えるかは、提出先の消防本部ごとに確認が必要。連携が無くても記録は動くので、まずCSVとPDFの書き出しから始める。

OUTCOME

導入による変化

作業の回数と法令が定める間隔は、システムでは減らせません。変えられるのは、同じことを何回書くかと、抜けに気づくのがいつかの2つです。導入後は次の3つを実測して確かめます。

01

1つの作業を書く回数が、3回から1回になる

Before現場のチェック表、提出先ごとの月次報告書、請求書の作業内容に、同じ作業を3回書き写していた。
After現場で入れた記録がそのまま報告の材料になり、請求に渡す明細も同じ記録から書き出す。

測るのは、月次報告書を作り終えるまでの時間と、提出後の差し戻し件数。導入前の1か月を先に数えておく。

02

定期作業の期限が、前回の実施日から自動で出る

Before6月以内ごと、1年以内ごと、7日以内ごとと間隔の違う作業を、事務の手帳とExcelから数え直していた。
After棟ごとの前回実施日から次回期限を計算し、残り日数の短い順に並ぶ。期限を過ぎた行は先頭に出る。

測るのは、期限の10日前までに実施予定が決まっている作業の割合と、期限を過ぎてから気づいた件数。

03

記録と写真の不足が、提出する前に分かる

Before月末にファイルとメッセージアプリをさかのぼり、写真がどの作業のものかを照らし合わせていた。
After提出先の様式が求めているのに足りない行だけが、組み立ての画面に先に出る。写真は撮った時点で作業項目に紐づく。

測るのは、提出前に見つかる不足の件数と、その件数が月を追って減っているか。

PROCESS

3ヶ月の進め方

オンラインでも進められます。札幌市内と近郊なら事務所へおじゃまして、現場のチェック表から月次報告書と請求書までの流れを、ひと月ぶん通しで見せてください。最初に作る4画面までで約2.5ヶ月です。消防用設備等の点検記録は、協力会社の権限と提出先の扱いを確かめてから別に見積もります。

1
MONTH 01 / 要件整理 + 様式の写し取り

いまのチェック表と、提出先6種類の様式を原本のまま見せてもらう月。

現場で使っている紙のチェック表と、提出している月次報告書を現物で確認します。棟ごとの作業項目、提出先ごとの必須の写真、請求の明細に必要な欄を洗い出し、共通する部分と提出先だけが求める部分に分けます。定期作業については、棟ごとの前回実施日と間隔の根拠をそろえます。電波が届かない現場の洗い出しもこの月に行います。

  • 事務3名・清掃スタッフ数名・定期作業の班長へのヒアリング
  • 棟ごとの作業項目と、提出先6種類の様式の欄の洗い出し
  • 定期作業の間隔と、契約で決まっている回数の整理
  • 最初に作る4画面と、後から足す範囲の線引き
2
MONTH 02 / 台帳と現場の画面の開発

現場台帳を作り、1棟だけ実際の現場で入力してもらう月。

現場台帳と当日の作業チェックを開発します。月の後半に、日常清掃のある1棟をそのまま画面へ移し、担当スタッフに実際の作業中に入力してもらいます。紙のチェック表は残したまま並行して運用し、食い違いが出たら画面の側を直します。ボタンの大きさと項目の並びは、この月のうちに現場で決めます。

  • 現場台帳と作業項目マスタの開発
  • 当日の作業チェックと写真の紐づけの開発
  • 圏外での下書き保存と、未送信件数の表示
  • 1棟での試用と、紙との並行運用
3
MONTH 03 / 期限一覧と月次報告 + 運用開始

期限一覧と月次報告を足して、1か月ぶんを画面から出す月。

定期作業の期限一覧と、月次報告の組み立てを開発します。最初の月次報告は、いまのExcelで作ったものと画面から出したものを並べて突き合わせ、欄のずれを直してから提出します。両方が一致した月をもって、Excelでの作り直しをやめます。請求へのCSVの渡し方も、この月に決めます。前半の2週間で開発し、後半は並行運用にあてる想定です。

  • 定期作業の期限一覧と割り当ての開発
  • 提出先ごとの月次報告の組み立てとPDF出力
  • 既存Excelの月次報告との突き合わせ
  • 請求ソフトへ渡すCSVの項目決め

FAQ

よくある質問

  • Q1 提出先ごとに様式が違います。全部に対応できますか?
    できます。ただし最初から11通りを作るのはお勧めしません。共通する項目は同じなので、まず件数の多い様式から2つか3つを作り、残りは当面いまのExcelで出す進め方が早く動き出せます。様式を追加する作業は台帳の設定で済む形にしておくので、あとから増やすときの費用は最初の1つより小さくなります。紙で提出している先がある場合は、用紙の大きさと余白の確認も必要です。
  • Q2 定期作業の期限を、システムが自動で管理してくれるということですか?
    期限を計算して並べるところまでです。実施するかどうかの判断は会社の側に残ります。画面が担うのは、前回の実施日と間隔から次の期限を出し、残り日数を表示するところまでです。間隔の根拠も行ごとに持たせますが、どの棟にどの基準が当てはまるかは建物の用途と延べ面積で変わるため、登録のときに一緒に確認します。法令で決まった間隔と、契約で決めた回数を混ぜて持つと後から追えなくなるので、台帳では分けて登録します。
  • Q3 消防用設備等の点検票を、この画面から出せますか?
    点検の方法と報告書の様式は消防庁長官が定めているため、画面の側でその様式に合わせて出す形になります。設備ごとに点検票が分かれていて、消火器具から加圧防排煙設備まで別表と別記様式が設定されているので、扱う設備を絞って始めるほうが現実的です。消防署への提出をシステムから直接行えるかは提出先の消防本部で扱いが変わるので、まずCSVとPDFで書き出し、点検票への転記を減らすところから始めます。
  • Q4 いまのExcelの改善だけで足りる場合はありますか?
    あります。受託が数棟までで提出先が1社か2社なら、チェック表の記入欄を提出する様式と同じ順に並べ替えるだけで、書き写しの間違いはかなり減ります。作るほうをお勧めするのは、提出先ごとの様式が3種類以上ある、写真を作業項目に結びつけたい、現場の端末から入力を終わらせたい、間隔の違う定期作業を10件以上抱えている、のうち2つ以上が当てはまる場合です。1つだけなら、いまのファイルの並びを直すご提案から入ります。
  • Q5 費用はどのくらいかかりますか?
    最初のヒアリングのあとに金額をお出しします。今回の構成で金額が変わるのは、対応する様式の数と出力の形(PDFか紙か)、扱う記録の範囲(日常清掃だけか、定期作業の期限と法定点検まで含めるか)、現場の端末と電波が届かない場所の数、協力会社に入力してもらうかどうかの権限の分け方、いまのExcelから何棟ぶんの現場と作業項目を移すかの5つです。過去の報告書はさかのぼって入力し直さず、紙とファイルのまま保存年限まで置いて、新しい記録だけを画面で始めるのが現実的です。初回の相談と概算見積もりは無料です。

現場の作業記録と月次報告のまとめ方を、ご相談ください。

「現場のチェック表を事務所でExcelに打ち直している」「提出先ごとに様式が違って、毎月作り替えている」「写真がスタッフのスマホに残ったまま」。
こうした状態からご相談いただけます。いまお使いのチェック表と、提出している月次報告書を見せていただければ、書式を整えるだけで足りる部分と、画面にしたほうがよい部分を分けて整理します。
完成した仕様書や、現場の実データをご用意いただく必要はありません。

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