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飲食の需要予測・AI

催事・物産展に何箱持っていくか。初回搬入と追加分の決め方

初日に会期の全部を積まず、追加が会場に届く日の前日までの分を初回搬入にします。残りは初日の売れ方を見てから決めます。百貨店の催事や物産展に年に数回出ている、菓子店・食品店の方向けです。

この記事でわかること

  • 催事で売れ残った商品は、出店した側の在庫として戻ります。百貨店の取引は売れた時点で仕入れが立つ形が一般的で、残った箱は買い取られません。
  • 初回搬入は、追加が会場に並ぶ日の前日までに売れる見込みの合計で足ります。工房での製造と配送に中1日かかるなら、初日の閉場後に確定した追加が3日目の朝に並びます。
  • 会場が毎回違っても、日ごとの記録は次に使えます。会期の合計で残すと年5件しか貯まりませんが、日ごとなら30件になり、日の種類ごとの配分が見えます。
  • 品目ごとに送る量を変える材料は、期限までの残り日数と会期の残り日数の比較です。持ち帰って自店で売り切れる品だけ、販売見込みの上限側で送れます。
  • 会期後は、持ち帰った数と売り切れた時刻の両方を金額に直します。捨てた1個の損は原価、売り逃した1個の損は粗利で、1個あたりの金額が違います。

初回搬入は、追加が会場に着く日の前日までの分にする

催事に持っていく数でいちばん多い決め方は、出発前に会期の全部を積むやり方です。会場では作り足せないので多めになり、最終日に箱を抱えて帰ることになります。

会期の途中で追加を送れるなら、初回にすべてを積む必要はありません。初回搬入は、追加が会場に並ぶ日の前日までに売れる見込みの合計で足ります。工房で作って便に載せ、会場に届くまでに中1日かかるなら、初日の閉場後に確定した追加が3日目の朝に並びます。初回に要るのは初日と2日目の2日分です。

分けて送る利点は、数量を決める時点が変わることです。出発前に手元にあるのは、過去の催事の記録と主催者に聞いた会場の情報だけですが、初日の閉場後にはその会場で実際に売れた1日分が加わります。6日間の会期なら、残り4日を実測値を見てから決められます。

初回に送る量

追加が並ぶ日の前日までに売れる見込みの合計です。ここで切らすと追加が届くまで棚が空くので、販売見込みの上限側で送ります。

追加で送る量

残りの日に売れる見込みの合計から、初日の閉場時点の在庫を引いた数です。品目ごとに上限側と下限側を使い分けます。

先に確認すること

会場の搬入受付の時間帯、冷蔵・冷凍の荷を会期中に受け取れるか、追加搬入が認められているか。この3つで締切が決まります。

追加の締切は、売場に並べたい時刻から逆算して決める

追加搬入の締切は、売場に並べたい時刻から順にさかのぼって出します。さかのぼる順は、売場に並べる時刻、会場の搬入受付の締め、荷が会場に届く時刻、便の集荷の締切、工房が作り始める時刻です。

3日目の開店10時に並べたい場合で考えます。会場の搬入受付が9時までなら、荷は3日目の朝に届いている必要があります。使う便が中1日かかるなら集荷は1日目の夕方で、工房がその日のうちに箱詰めするなら、品目別の箱数を伝えるのは初日の閉場直後です。ここまで戻して初めて、締切が初日の夜だと言えます。

常温の品と冷蔵の品で便が分かれるなら、締切も別々になります。冷蔵便のほうが集荷の締切が早いことが多いので、先に決めるのは冷蔵の品目です。締切は品目ごとに紙に書き出し、初日に会場へ持っていきます。

会期の後半に土日が来る日程なら、締切はさらに前に寄ります。土日の在庫を金曜までに会場へ入れておく必要があるためです。

工房が作るのにかかる時間

生地を寝かせる、焼く、冷ます、箱詰めするまでの時間です。当日中に箱詰めまで終わらない品は、締切がもう1日前になります。

便が会場に届くまでの日数

自店が使っている便の所要日数を、発地と会場の住所で調べて書き出します。常温と冷蔵で違えば、それぞれ控えます。

会場の搬入受付の時刻

開店の何分前までに搬入口へ入れる必要があるか。ここが1時間早いだけで、便を1日前に変えることがあります。

会場が毎回違っても、日ごとの記録なら次の催事に使える

催事の売れ方を過去から見込むときに困るのは、記録の件数です。6日間の催事に年5回出る店でも、会期の合計だけで残していると手元には5件しかありません。同じ会場の前年の分に限れば1件です。

出ている日数そのものは年30日あります。それを日ごとに残せば、件数は30件になります。さらに初日・平日・土曜・日曜・最終日という日の種類で分けると、会場が変わっても使えます。初日は開店前から列ができ、平日に落ち着き、土日にまた増えるという動きは、会場が違っても似た形で出るためです。

会場によって変わるのは合計の水準のほうです。区画の広さ、催事全体の規模、前年の来場者数、実演ができるかどうか。この4つは出店が決まったあとに主催者へ確認できます。過去の催事から出した日の種類ごとの配分に、その会場の水準を掛けた数が、初回搬入を決めるときの日別の販売見込みです。

会期表に残す項目は、会期の何日目か、曜日、品目、搬入数、販売数、閉場時の残数、売り切れた時刻、天気、特記です。売り切れた時刻の欄がいちばん抜けやすく、そこが抜けると後で売り逃しを数えられません。

日付と数量の並びから先を見込む仕組みも使えます。当社が開発中の手軽に使える需要予測AIは、日付と数量の2列のCSVから28日先まで幅つきで見込みを出します。催事の記録は日付が飛び飛びなので、入れるのは自店の日別販売数のほうが向いています。

品目ごとに送る量を変える。期限までの日数と会期の残り日数を比べる

食品表示基準は、消費期限を「腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限」、賞味期限を「期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限」と定めています。日数そのものは、品目ごとに法令で定められてはいません。

日数を決めるのは作った側です。厚生労働省と農林水産省がまとめた食品期限表示の設定のためのガイドラインは、期限の設定は微生物試験や官能検査の結果などにもとづいて科学的・合理的に行うもので、製品に責任を負う製造業者が設定すべきものだとしています。自店の商品に印字している期限が、そのまま持ち帰ってから売れる日数の上限になります。

この日数と会期の残り日数を比べると、送る量を3通りに分けられます。同じ品目でも、初回搬入と会期後半の追加では到着日が違うので、寄せる側が変わります。

試算例で確かめます。賞味14日のもなかを、最終日が到着から5日目にあたる催事へ送るとします。最終日に30個残っても、持ち帰った時点で期限まで9日あります。自店で1日4個売れているなら9日で36個なので、30個は売り切れる範囲です。同じ条件で賞味5日のどら焼きが30個残った場合、持ち帰った時点で期限は切れていて、返送の送料と廃棄だけが残ります。

会期中に売り切るしかない品

会場で包む生菓子など、その日限りの品です。その日に売れる見込みの下限側で用意します。翌日に回せないので、外した分がそのまま廃棄になります。

会期の残り日数より期限が短い品

到着日から期限までに売り切る前提で数えます。販売見込みの中央で送り、会期の終盤に届く追加では数を絞ります。

持ち帰って自店で売れる品

販売見込みの上限側で送れます。上限は、自店の1日の販売数に持ち帰り後の期限までの日数を掛けた数までです。

DEMO

会期の日程と品目の期限を動かすと、初回搬入と追加の箱数がどう変わるか

会期の日数、初日の曜日、会期の合計販売見込みとその幅、追加が届くまでの日数、品目の期限までの日数を動かすと、日別の販売見込み、初回搬入数、追加搬入数、最終日の残りと持ち帰り後の扱いが変わります。

催事の搬入数の試算|初回搬入と追加搬入の箱数、最終日の残りと損の比較

架空の菓子店の1品目で試す画面です。会期の日程、合計の販売見込みと幅、追加が届くまでの日数、期限までの日数を動かすと、日ごとの販売見込みと在庫、初回搬入数、追加搬入数、そして販売が見込みの下側・中央・上側だった場合の持ち帰り額と売り逃し額が並びます。

触って動かせます
計算の中身
日別の販売見込み=会期の合計見込み×その日の種類の指数÷指数の合計。初回搬入=追加が並ぶ日の前日までの見込みの合計(選んだ側)。追加搬入=残りの日の見込みの合計から初日閉場時の在庫を引いた数。いずれも1箱の入数で切り上げています。
使っている前提
1箱12個入り、売価320円・原価130円・返送の送料は1箱250円という架空の入力例です。日の種類ごとの指数(初日・平日・土曜・日曜・最終日)も架空の初期値で、自店の会期表で置き換える数字です。
確かめてほしいところ
期限までの日数を短くすると、最終日の残りが持ち帰り後に売り切れる数から外れ、廃棄額に変わることを見てください。追加が届くまでの日数を1日延ばすと、初回搬入で持たなければならない数が増えます。

※ 店・品目・販売見込み・日の種類ごとの指数・金額はすべて架空の入力例です。実際の販売は3通り(見込みの下側・中央・上側)だけを並べていて、それ以外の外れ方は見ていません。

会期が終わったら、持ち帰りの損と売り切れの損を金額で並べる

催事で売れ残った商品は、百貨店の在庫にはなりません。中小機構のJ-Net21は、百貨店への出店について、店頭で商品が売れた時点ではじめて百貨店側が仕入れたと見なす売上仕入れの形を説明しています。売れなければ仕入れも起きないので、残った箱は出店した側の在庫のまま戻ります。

多めに積むことの費用は、箱の中身にとどまりません。J-Net21は在庫を多めに持つ悪影響として、廉価販売や廃棄による収益の悪化、廃棄のための輸送費用と処分費用を挙げています。催事ではここに返送の送料が加わります。

反対側の損は、放っておくと記録に残りません。閉場の2時間前に商品が切れた日は、売上だけ見れば良い日です。売り切れた時刻を会期表に残すと、棚が空いていた時間に売れたはずの数を、同じ日の種類の時間帯別の販売数から見積もれます。

会期レポートは品目別に並べます。持ち帰りの損は、廃棄した数に原価を掛けた額と、返送の送料のうちその品目分の合計です。売り切れの損は、売れたはずの数に粗利を掛けた額です。捨てた1個の損は原価、売り逃した1個の損は粗利で、1個あたりの金額が違います。

紙の会期表から始められる。仕組みにする費用は何で決まるか

最初に要るのはA4の紙1枚です。縦に品目、横に会期の日を並べ、搬入数、販売数、閉場時の残数、売り切れた時刻を書きます。会期ごとに1枚ずつ保管すると、3回ぶんで配分が見え始めます。

Excelに移すのは、紙で足し算が追いつかなくなってからで間に合います。目安は、持っていく品目が10を超えたとき、催事が年5回を超えたとき、会期表を見る人が2人以上になったときです。

画面にする目安は、締切に間に合わない場面が出てきたときです。初日の閉場後、片付けをしながら30分で品目別の追加数を決めなければならない。担当者が代わると決め方が変わる。こうした状態なら、会期表を画面に載せる価値があります。画面にするとどう変わるかは、和菓子店の催事・物産展 搬入数予測の開発プランにまとめています。

費用と期間は、次の4つを決めれば見積もれます。開発中の需要予測AIについては、リリース前のデータ確認と試験予測は無料です。リリースの時期は未定なので、いまある会期表を見せていただいて、日別の記録が足りているかの確認から始められます。

品目の数

催事に持っていく品目が5つか20かで、入力の手間も画面の作りも変わります。常温と冷蔵で便が分かれるなら、その区分も要ります。

販売数の取り出し方

会場のレジから日別・品目別の販売数を書き出せるか、手書きの売上票を打ち直すか。ここが期間にいちばん響きます。

追加搬入を決める場所

会場でスマートフォンから決めるか、宿に戻ってパソコンで決めるか。前者なら画面を小さい幅に合わせて作ります。

工房への渡し方

画面から製造の指示を出すのか、確定した箱数を見て電話するのか。指示まで画面でつなぐかどうかで範囲が変わります。

まとめ

初回搬入は、追加が会場に並ぶ日の前日までの販売見込みで決めます。残りは、その会場で唯一の実測値である初日の売れ方を見てから確定します。

会場が毎回変わっても、日ごとに残した記録は次に使えます。日の種類ごとの配分は会場をまたいで似た形で出て、変わるのは合計の水準のほうです。

送る量は品目ごとに変えます。材料は、印字している期限までの日数と会期の残り日数の比較です。持ち帰って自店で売り切れる品だけ、上限側で送れます。

次にやることを1つ挙げるなら、直近の催事の売上票を出して、会期の合計を日ごとに並べ直すことです。曜日と会期の何日目かを書き足せば、それが1件目の記録になります。

よくある質問

催事の記録が2回分しかありません。それでも日ごとに分ける意味はありますか?

あります。2回でも6日間の催事なら12日分になり、初日と平日の差、土日の上がり方までは見えます。足りないのは会場ごとの水準のほうなので、そこは主催者に確認した来場者数や区画の広さで補います。

初日がよく売れたら、追加はどれだけ増やしていいですか?

初日の販売数が見込みの何倍だったかを出し、その倍率を残りの日の見込みに掛けるところから始めます。ただし初日は開店前の列が乗りやすく、同じ倍率が平日に続くとは限りません。倍率を掛けた数と元の見込みの間で、期限までの日数が長い品目から上に寄せます。

会場で作る品と、工房から送る品で決め方は変わりますか?

変わります。会場で作る品の上限は職人が1日に作れる数で決まるので、送るのは材料の量です。売れ行きが良くても上限より上には行きません。工房から送る品は、期限までの日数と会期の残り日数を比べて箱数を決めます。

売り切れの損は、どうやって金額にしますか?

売り切れた時刻を記録しておき、同じ日の種類の時間帯別の販売数から、棚が空いていた時間に売れたはずの数を見積もります。その数に粗利を掛けた額が売り逃しの見積もりです。実測した数字ではないので、廃棄額と並べるときは書き分けます。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

催事の搬入数と会期の記録を整理するところからご相談いただけます

催事のたびに「多めに持っていく」で決めていて、返送の送料と持ち帰り後の廃棄が気になっている。初日の夜に追加数を決めたいが、手元の記録が会期の合計しかない。そんな状態からご相談ください。売上票を見せていただいて、日ごとに並べ直すところから整理します。資料が揃っていなくても構いません。

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