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AIの基礎・活用

文章を声で読み上げるAIで、何ができる?

文章を声にする技術は音声合成と呼ばれ、iPhoneやAndroidにも入っています。順番待ちの呼び出し、作業手順の案内、店内のお知らせなど、画面を見ていない人に伝える場面で使えます。店名や数字は読み間違えることがあるため、流す前に一度聞いて確かめます。

この記事でわかること

  • 使い方は、端末の読み上げ機能で聞く、アプリやホームページに組み込んで決まったときに話させる、音声ファイルにして流す、の3つに分けると選びやすくなります。
  • 向いているのは、両手がふさがっている、画面から離れている、小さな文字が読みにくいなど、目で読むのが難しい人に伝える場面です。
  • 店名・人名・地名や「10:00〜」のような書き方は、思った読み方にならないことがあります。読み方を指定できる仕組みや、ひらがなに書き換える方法で直せます。
  • 声を提供するソフトやサービスには、それぞれ利用の条件があります。お店の放送や動画に使う前に、商用利用や表記の決まりを確かめます。
  • 最初は、いま紙や口頭で伝えているお知らせを1つ選び、スマホに読ませて聞いてみます。

文章を声にする方法は、大きく3つ

文字を声に変える技術は、音声合成や読み上げと呼ばれます。Google Cloudの音声合成サービスの紹介ページが「AI voices」とうたっているように、AIの技術で人の話し方に近い声を作るサービスもあります。仕事で使うときは、誰がいつ聞くかで次の3つに分けて考えると、合う方法を選びやすくなります。

端末の読み上げ機能で、その場で聞く

iPhoneのアクセシビリティの設定には、選んだ文字を読み上げる機能(英語名 Speak Selection)と、画面の内容を読み上げる機能(Speak Screen)があることが、Appleの開発者向け資料に載っています。届いたメールや長い説明を、手を止めずに耳で確かめる使い方ができます。Androidでは、お使いの機種のユーザー補助の説明で読み上げ機能を確かめてください。

アプリやホームページに組み込んで、決まったときに話させる

iPhoneやiPadのアプリには、文章を渡すと声で読み上げる仕組みを組み込めます。Appleの資料によると、読み上げる文章を順番に並べておくことや、途中で一時停止・中止すること、話す速さを変えることができます。Androidにも、アプリから文章を声にする仕組みが用意されています。

音声ファイルにして、放送や動画に使う

Androidの読み上げの仕組みは、その場で再生するだけでなく、音声ファイルとして書き出すこともできると説明されています。作ったファイルを店内放送の機器や動画の編集に使えば、文章を書き直すだけで新しい案内を作れます。

画面を見ていない人に伝えるアイデア

次は当社が考えた使い方の例です。導入事例ではありません。どれも、読み上げる文章と読み方を人が確かめてから使う前提です。

順番待ちや受け取りの番号を、声で呼び出す

受付の画面で「呼び出し」を押すと、番号と「受付までお越しください」を読み上げます。店の外で待つ人にはスマホへの通知、店の中にいる人には声、と組み合わせることもできます。受け付け方の選び方は店の前の順番待ち、どう受け付ける?で紹介しています。

手がふさがる作業で、手順を一つずつ読み上げる

調理・清掃・点検など、手袋をしていて画面に触れにくい作業で、手順を一つずつ声で案内します。新しく入った人が、手順書を見に戻らずに作業を進められます。声で記録を残す方法と組み合わせれば、聞いて、答えて、次へ進む流れも考えられます。

決まった時間のお知らせを、録音し直さずに変える

閉店前のご案内、駐車場の注意、イベントの告知など、時間や季節で内容が変わる放送を文章で管理します。人が録音し直す代わりに、文章を書き換えて音声ファイルを作り直します。

小さな文字が読みにくい人に、音でも届ける

教室や施設のお知らせ、商品の説明を、紙やホームページの文字に加えて声でも聞けるようにします。読み上げのボタンを付けるだけでも、文字を追うのがつらい人の助けになることがあります。

外国語での案内を用意する

翻訳した案内文を、その言語の声で読み上げます。Appleの資料では声は言語と地域ごとに選ぶもので、Androidにも言語が使えるかを確かめる仕組みがあります。ただし、翻訳そのものが正しいかは別に確かめる必要があります。メニューの用意の仕方は外国のお客さん向けのメニュー、何から用意する?で紹介しています。

読み間違いは、どんな言葉で起きやすいか

読み上げは、書かれた文字から読み方を決めて声にします。読み方が一通りに決まらない言葉では、思った読み方にならないことがあります。店名・人名・地名、商品の略称、「1F」「10:00〜」「3/4」のような記号まじりの書き方は、流す前に必ず聞いて確かめます。

Appleの開発者向け資料には、人の名前などの発音を、発音記号で指定して直す仕組みが例として載っています。アプリを作る側がこうした仕組みを使えば、決まった言葉の読み方をそろえられます。手軽に直すなら、読み上げる文章だけ、地名の「手稲」を「ていね」と書くように、ひらがなにしておく方法もあります。

Androidの資料には、一度に読み上げられる文章の長さに上限があることも書かれています。長い説明は上限を超えないよう段落ごとに分けて読ませます。分けておくと、聞く側も話の区切りをつかみやすくなります。

声を使う前に確かめること

声を提供するソフトやサービスには、それぞれ利用の条件があります。お店の放送や動画、商品の紹介に使ってよいか、声の名前やソフト名の表記が求められるかは、使うものの規約で確かめてください。端末に入っている読み上げを、自社のアプリから使う場合も同じです。

実在の人の声に似せて読み上げる使い方は、本人の了解を得てから行います。聞いた人が本人の声だと思い込まないよう、機械で読み上げていることが分かる言い方にしておくことを当社はすすめています。

呼び出しでお客さんの名前を読み上げると、周りの人にも聞こえます。番号で呼ぶか、名前を流してよいかを先に決めておきます。クラウドの音声合成サービスに文章を送る場合は、お客さんの名前や連絡先を含めないかも決めておきます。決め方は社員が生成AIを使い始めたら、何を決めておく?で紹介しています。

今日できる最初の一歩

いま紙の貼り紙や口頭で伝えているお知らせを1つ選び、スマホの読み上げ機能で読ませてみます。読み間違えた言葉と、聞き取りにくかった箇所をメモしておくと、どこを書き換えれば伝わるかが分かります。

文章を少し直すだけで聞きやすくなるなら、声で伝える方法が合っている場面です。呼び出しの画面から声を出したい、手順を一つずつ読み上げるアプリにしたいといった段階になったら、作業の流れに合わせて組み立てる方法もあります。

反対に、話した言葉を文字にする使い方は話した言葉を文字にするAIで、何ができる?で、AIの種類の違いは機械学習と生成AIは何が違う?で紹介しています。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

声で伝えると楽になる場面を、一緒に探します。

読み上げを試してみたいが、どの案内に使えるか分からない。そんな段階でも相談できます。資料や仕様の提出は要りません。いまお知らせや呼び出しをどう伝えているかを伺い、声に向く場面と、人が確かめる言葉をできること・できないことと合わせて整理します。

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