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需要予測・AI

発注は、何日先の分まで見込むか

今回の発注で見込むのは、次に頼んだ分が届くまでの数量です。週1回発注して2日で届くなら、納品日から7日分を見込みます。曜日を決めて発注している飲食店・小売店向けに、その期間の数え方と更新の頻度を整理しました。

この記事でわかること

  • 見込む期間は、次の納品までの間隔と、頼んでから届くまでの日数で決まります。毎日発注できて翌日に届くなら1日分、週1回の発注なら7日分です。
  • 発注量は、期間中の販売見込みに、確定している注文と安全在庫を足し、納品日の朝に残る見込みを引いた数です。締切から納品までに使う分は在庫側で引くため、期間の見込みには足しません。
  • 仕入先の休みが入る週は、まかなう日数が8日や9日になります。東京都中央卸売市場の令和8年のカレンダーでは、青果物の開場日は247日、休業日は118日です。
  • 天気を材料にできるのは、気象庁の週間天気予報が届く7日先までです。8日先から先は、2週間気温予報などの気温の見通しが中心になります。
  • 見込みを更新する頻度は、締切までに動かせる判断が残っているかで決めます。週1回の発注なら、締切の前日に1回で足ります。

見込む期間は、発注の間隔と届くまでの日数で決まる

何日先まで見込むかを決めているのは、扱っている商品ではなく、次にいつ発注できるかです。今回頼んだ分が届いてから、次に頼んだ分が届くまでのあいだは、手元の在庫でまかないます。この期間に売れる数量が、今回の発注で決める分にあたります。

中小企業基盤整備機構の起業マニュアル「仕入品を管理するには」は、補充発注の方法を2つに分けています。在庫が一定の水準まで減ったら決まった量を頼む定量発注法と、一定の発注周期のもとで必要な量をそのつど決める定期発注法です。曜日を決めて発注している店は後者にあたり、発注の周期とほぼ同じ日数ぶんを毎回見込むことになります。

同機構のビジネスQ&Aは、適正な在庫量について「注文の受注から納期までの期間」と「生産のリードタイム」によると説明しています。仕入れる側に置き換えると、締切から納品までの日数(リードタイム。頼んでから届くまでの日数のこと)が、見込む期間の長さをそのまま押し上げます。届くまでが長い品目ほど、遠い日の数量を先に決めることになります。

毎日発注・翌日納品

1回の発注で決めるのは1日分です。当日に買い足せない品目だけ、切らさないための余裕を別に持ちます。

週2回発注(月曜と木曜)

月曜の発注は火曜から木曜までの3日分、木曜の発注は金曜から翌週月曜までの4日分。同じ店でも曜日で日数が変わります。

週1回発注

7日分をまとめて決めます。週末と平日の差が、そのまま1回の発注量に乗ります。

週1回発注の試算例。見込むのは9日先まで、発注量に効くのは7日分

試算例です。豆腐を毎週月曜の15時締切で頼み、水曜の朝に届く店を考えます。次の発注は翌週の月曜、納品は翌週の水曜です。今回届く分でまかなうのは、水曜から翌週火曜までの7日間になります。

曜日ごとの販売見込みを、水曜20個、木曜18個、金曜26個、土曜30個、日曜24個、月曜14個、火曜16個としました。7日間の合計は148個です。この数字は、同じ曜日の過去の販売数から出します。曜日別の平均の出し方はExcelでの発注量の計算の記事にまとめています。

金曜には、法人からの定期注文が20個確定しているとします。曜日別の見込みは、この定期注文を含まない売り場での販売数として集計しておき、確定分はあとから足します。同じ数量を2回数えないためです。

在庫は、月曜の朝に40個あります。月曜14個・火曜16個を使うと、水曜の朝に残るのは10個の見込みです。安全在庫(切らさないために置いておく数量)を10個とすると、発注量は148+20+10−10で168個。12個入りのケースで頼むなら14ケースになります。

月曜の時点で数字を並べているのは9日先までですが、そのうち月曜と火曜の2日分は在庫から引く側に入ります。発注量を動かすのは、水曜以降の7日分だけです。安全在庫を何個に置くかは、発注点と安全在庫の記事で扱っています。

期間中の販売見込み

148個。水曜から翌週火曜までの7日分を、曜日ごとに出して合計した数です。

確定している注文

20個。予約や定期注文など、数量が決まっている分です。見込みとは別に数えます。

納品日の朝の在庫

10個。月曜朝の40個から、月曜と火曜に使う30個を引いた残りの見込みです。

DEMO

発注の間隔と届くまでの日数を変えて、まかなう期間と発注量を見る

発注の間隔、頼んでから届くまでの日数、曜日ごとの販売見込み、確定している注文、安全在庫、発注日の朝の在庫を入れると、今回の納品でまかなう期間と、その期間の必要量、発注量を表示します。仕入先が休みの週を1日足して、必要量がどれだけ増えるかも確認できます。

まかなう期間と発注量|発注の間隔・届くまでの日数から

本文の試算例(週1回発注、届くまで2日、水曜20個から火曜16個まで、確定注文20個、安全在庫10個、在庫40個)を初期値にしています。発注の間隔を毎日や週2回に変えると、1回で決める日数が変わります。

触って動かせます
計算の中身
まかなう日数は発注の間隔と同じ日数です。期間中の販売見込みは、納品日から数えてその日数ぶんの曜日別の見込みを合計した数。発注量は、販売見込みに確定注文と安全在庫を足し、納品日の朝に残る見込み(発注日の朝の在庫から、納品までに使う見込みを引いた数)を引いて、発注の単位で切り上げた数です。
使っている前提
曜日別の見込みには、確定している注文を含めていません。同じ数量を2回数えないためです。発注日の朝の在庫は、納品までの日数ぶんだけ使って減る前提で計算しています。欠品で売れなかった日や、日持ちの限界は扱っていません。
確かめてほしいところ
初期値では、まかなう日数7日、期間中の販売見込み148個、確定注文20個、納品日の朝の在庫10個で、発注量は168個(12個入りで14ケース)になります。発注の間隔を毎日に変えると、期間は水曜の1日だけになり、金曜の確定注文20個も入らないので発注量は24個(2ケース)です。仕入先の休みを1日足すと、翌週水曜の20個が加わって必要量は198個になり、発注量は192個(16ケース)です。

※ この画面は数量の計算だけを行っています。日持ちの限界、欠品で売れなかった日の扱い、天気による増減は含めていません。実際の記録に置きかえてお使いください。

仕入先の休みが入ると、1回の納品でまかなう日数が増える

発注の間隔が7日でも、まかなう日数は毎週同じになりません。仕入先の休み、自店の定休日、祝日の並びで、納品から次の納品までが8日や9日になる週があります。

東京都中央卸売市場が公表している令和8年の年間カレンダーでは、青果物の開場日は247日、休業日は118日です。水産物は開場251日、休業114日です。休みは日曜と祝日のほかに水曜へ置かれる日があり、市場ごとにも違います。これは東京都の市場の日程なので、取引のある市場や卸のカレンダーで確かめてください。

年の初めに、仕入先ごとのカレンダーを1枚に写しておくと、まかなう日数が8日になる週が先に分かります。その週は、増える1日分を発注量に足します。上の試算例で、増えるのが木曜の1日なら18個です。

年末年始や大型連休は、休みが続くうえに売れ方も変わります。この期間の数量は、前年の同じ連休の実績から見ます。催しや連休の発注量の決め方は特売・催し・季節行事の記事にあります。

天気を材料にできるのは7日先まで。その先は気温の見通しだけ

見込む期間が長くなると、天気を織り込めない日が出てきます。気象庁の週間天気予報は、発表日の翌日から7日先までが対象で、毎日11時ごろと17時ごろに発表されます。一日ごとの天気、最高・最低気温、10%単位の降水確率に加えて、予報の信頼度がA・B・Cの3段階で付きます。

気象庁は信頼度の目安として、Aは適中率が明日予報並みに高く(平均88%)、Bは4日先の予報と同程度(平均73%)、Cはそれより低い(平均58%)と説明しています。これは天気予報が当たった割合で、発注の見込みが当たる割合を示すものではありません。先の日ほど、天気という材料そのものが不確かになるという意味です。

8日先から先は、気温の見通しが中心になります。2週間気温予報は毎日14時30分ごろに発表され、8日先から12日先を中心とした各日の5日間平均気温を示します。2週目は予測の範囲で示され、少なくともその範囲に80%の確率で入るという説明です。早期天候情報は月曜と木曜の14時30分ごろに発表され、6日先から14日先を対象に、気温がかなり高い・かなり低いとなる確率が30%以上のときだけ出ます。

月曜に9日先までを見込むなら、後半の数日は雨か晴れかが分からないまま数量を決めることになります。その部分は、曜日・祝日・地域の行事といった暦の条件と、過去の同じ条件の日の実績で見ます。天気で動きやすい品目は、期間の後半だけ幅を広く取ります。幅の使い方は発注は多めにするか少なめにするかの記事にまとめています。

見込みを更新する頻度は、締切までに動かせる判断があるかで決める

見込みを毎日作り直しても、締切を過ぎた発注は変わりません。更新に意味があるのは、まだ数量を動かせる判断が残っている場合だけです。頻度を決めているのは予測の仕組みの側ではなく、店の締切の並びです。

週1回の発注なら、締切の前日に1回見れば足ります。直前に入った予約と、先週の実績を反映させるためです。いっぽう、当日の仕込み量は当日の朝まで動かせるので、前日の夕方と当日の朝に見直します。仕込みの締切の決め方は仕込み量を確定する時刻の記事、人の配置はシフトを何日前に確定するかの記事で扱っています。

発注に使った数字は、締切の時点の値をそのまま記録に残してください。あとで実績と比べたときに、見込みが外れていたのか、締切のあとに起きた出来事が原因なのかを分けて確認できます。数字が毎日入れ替わる画面だけを見ていると、この区別が付きません。

週1回の発注

締切の前日に1回。直近の実績と、入っている予約を反映させます。

毎日の仕込み・製造

前日の夕方と当日の朝。数量を動かせる時刻まで更新します。

人の手配

2〜3週先の見込みを週1回。人数は締切の直前には増やせません。

紙1枚から始められる。仕組みにするときは4つを決めれば見積もれる

最初にやるのは、仕入先ごとの日程を1枚に書き出すことです。締切の曜日と時刻、納品の曜日、次の納品日、まかなう日数の4列で足ります。品目が多い店でも仕入先の数は数社に収まることが多いので、この表は1枚に収まります。

表ができると、品目ごとに「何日分を決める発注か」がはっきりします。あとは曜日別の平均に、確定している注文と在庫を足し引きするだけで、ここまでは表計算ソフトで続けられます。

手作業が苦しくなるのは、品目が20を超え、仕入先が3社以上になったあたりです。締切ごとに違う日数の合計を作り直す作業が締切前の30分を埋め、連休の週だけ日数を変える手当ても抜けやすくなります。

当社に相談する場合、費用と期間を見積もるために確認するのは4つです。品目数、仕入先ごとの締切と納品の曜日、在庫の記録がどこにあるか(棚卸表・販売管理・紙の納品書)、そして誰がどの画面で見るか。金額は品目数とつなぐ範囲で変わるため、先にこの4つを決めてから範囲を出します。

開発中の「手軽に使える需要予測AI」は、日付と数量の2列があるCSVから、28日先までの見込みを幅つきで出します。リリースの時期は未定ですが、手元のデータが使えるかを確かめる先行相談とデータ確認は無料で受け付けています。

紙とExcel

仕入先ごとの日程表と、曜日別の平均。品目20点、仕入先2社くらいまでならここで回ります。

CSVの確認

レジや販売管理から書き出した1ファイルで、まかなう期間の見込みが立つかを確かめます。

発注表の画面

締切の日に、品目ごとの発注量と、その根拠になった日数と見込みが並ぶ画面です。

まとめ

見込む期間は、次の納品までの間隔と、頼んでから届くまでの日数で決まります。週1回発注して2日で届くなら、まかなうのは納品日から7日分です。

発注量は、期間中の販売見込みに確定している注文と安全在庫を足し、納品日の朝に残る見込みを引いた数です。締切から納品までに使う分は在庫側で引くので、期間の見込みには足しません。

更新の頻度は、締切までに動かせる判断が残っているかで決めます。まず、仕入先ごとに締切の曜日・納品の曜日・次の納品日・まかなう日数を1枚に書き出してください。品目ごとに何日分の発注かが決まります。

よくある質問

週に1回しか発注できません。毎日の販売数まで見込む意味はありますか?

発注量を決めるだけなら、7日間の合計が分かれば足ります。曜日ごとに出すのは、在庫が期間の途中で切れる日を見つけるためです。土曜に30個売れる見込みなら、金曜の夜の残りがそこを越えられるかを確認します。合計だけで頼むと、最終日に余っていても土曜に切らす、ということが起こります。

届くまでの日数が、注文する物によって変わります。どう数えますか?

品目ごとに分けます。同じ仕入先でも、卸の在庫から出る品と、産地から取り寄せる品では日数が違います。いちばん長い品目に合わせて全部を決めると、日持ちしない品の発注量が余計に増えます。日程表は仕入先ごとに作り、その中で日数の違う品目に印を付けてください。

28日先まで予測が出るサービスもあります。そんなに先の数字は何に使うのですか?

毎日の生鮮の発注には使いません。使うのは、人の手配、日持ちする品のまとめ買い、催事の仕入れのように、決めるのが早い判断です。乾物や冷凍品は発注の間隔が長いので、遠い日の見込みがそのまま発注量に効きます。遠い日ほど数量の幅は広くなるので、1つの数字に丸めず、幅のまま見て判断します。

見込みの数字が毎日変わると、現場が混乱しませんか?

数字を見る回数を締切に合わせれば起きにくくなります。発注の締切が週1回なら、発注の判断に使うのも週1回にして、あいだの更新は参考として扱います。当社が画面を作る場合も、締切の時点の値を記録に残し、そのあとで変わった数字と区別できるようにします。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

発注の締切と納品の日程から、見込む期間を一緒に整理できます

週に1回の発注で7日分をまとめて決めている。仕入先が3社あって、締切も納品の曜日も別々になっている。連休の週だけ数量の決め方が変わる。そんな状態でご相談いただけます。仕入先ごとの締切と納品の曜日を伺い、品目ごとに何日分を決める発注なのかを整理するところから始めます。CSVや資料をそろえてからでなくて構いません。

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