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発注量は曜日で変えるか、月で変えるか。週の中の波と年の中の波を別々の倍率で持ち、祝日と5週目で崩れる月を直す手順

明日から1週間の発注は曜日の比で、来月の仕入枠は前年の同じ月との比で決めます。2つの波は別々の倍率にして持ち、水準に掛けて使います。曜日と季節の差を発注や仕込みに織り込みたい、飲食店・小売店の経営者向けの記事です。

この記事でわかること

  • 波は2つあります。週の中の波(曜日の比)と年の中の波(月の比)です。曜日の比は直近13週の同じ曜日の平均を週の1日平均で割った倍率、月の比は前年のその月の1日平均を前年の年間の1日平均で割った倍率です。
  • 明日から1週間の発注は、今月の1日平均に曜日の比を掛けて出します。来月の仕入枠や人員は、直近の水準に前年の月の比を掛けて出します。決める日から先の日数で、使う波を分けます。
  • 同じ月でも、曜日の並びと祝日で合計は動きます。31日の月は3つの曜日が5回あり、想定例の曜日の比では、金土日が5回の月と月火水が5回の月で合計に約5%の差が出ます。前年同月比を見るときは、先にこの差を引きます。
  • 札幌の季節の切り替わりは月の途中に来ます。気象庁の平年値では11月の降雪の深さの合計が30cm、12月が113cmです。月の比を月初に切り替えると11月の前半か後半のどちらかで外れるので、気温で動く品目は2週間気温予報で切り替えの週を決めます。

曜日の比は毎週の発注に使い、月の比は来月の枠を決めるときに使う

発注量を曜日で変えるか月で変えるかは、決める日から先の日数で分かれます。明日から1週間ぶんの発注は、曜日の比で変えます。来月の仕入枠や人員の計画は、月の比で変えます。どちらか一方を選ぶのではなく、2つの波を別々の数字にして持ちます。

曜日の比は、その曜日の1日平均を週全体の1日平均で割った倍率です。月曜0.7、土曜1.4のような数になります。月の比は、前年のその月の1日平均を前年の年間の1日平均で割った倍率で、12月1.3、2月0.8のような数です。どちらも数量そのものより倍率で持つと、店の水準が変わっても掛け直すだけで済みます。

この記事では、2つの比の出し方、明日の量を出す順番、祝日と5週目で月の合計が崩れる仕組み、季節の切り替わりを月の途中でつかむ方法、Excelで始めて仕組みに移す費用を順に書きます。比を出すのに記録が何ヶ月分いるかは、需要予測に必要なデータ期間の記事に書いています。

曜日の比

週の中の波。7つの倍率で、明日から1週間の発注量に掛けます。3ヶ月に1回出し直します。

月の比

年の中の波。12の倍率で、来月の仕入枠や人員の計画に掛けます。前年1年ぶんの記録から出します。

使い分け

決める日から7日以内は曜日の比、2週間より先は月の比。その間は両方を見て、幅で持ちます。

曜日の比は、直近13週の同じ曜日を平均して週の1日平均で割る

曜日の比を出すには、直近13週(約3ヶ月)の日別の販売数か使用量を並べ、祝日と臨時休業の日に印を付けて除きます。残った日を曜日ごとに平均し、7つの平均をさらに平均した数(週の1日平均)で割ります。想定例で、週の1日平均が100個、金曜の平均が120個なら、金曜の比は1.2です。

比を出したら、7つの比を足して7になるかを確かめます。7から大きくずれるなら、除いた日が特定の曜日に偏っています。定休日がある店は、営業している曜日だけで平均し、比の合計を営業日数に合わせます。

使い方は、今月の1日平均の水準に比を掛けるだけです。今月の1日平均が110個なら、金曜の土台は110×1.2で132個です。ここに、届くまでに使う数と今ある数を当てはめて頼む数にします。その手順は発注量を決める3つの数字の記事にあります。

曜日の比は3ヶ月に1回、出し直します。客層や営業時間を変えた月、近くに競合店が開いた月をまたぐ場合は、その月以降の記録だけで出し直します。

出す

直近13週から祝日と臨時休業を除き、曜日ごとの平均を週の1日平均で割る。

確かめる

7つの比の合計が7になるか。定休日がある店は営業日数に合わせる。

掛ける

今月の1日平均の水準に比を掛けた数が、その曜日の土台。頼む数は届くまでに使う数と今ある数で決める。

月の比は前年の同じ月から出す。国の統計も前月比には季節の分を取り除いてから比べている

12月が11月より多いのは、店の実力ではなく季節の分です。だから月の比は、前月との比ではなく、前年のその月の1日平均を前年の年間の1日平均で割って出します。前年の記録が1年ぶんあれば、12の倍率がそろいます。

総務省統計局の家計調査も、月次の消費支出を「前年同月比」と「前月比(季節調整値)」の2本で公表しています。2026年7月分(9月4日公表)では、二人以上の世帯の消費支出は1世帯あたり301,245円で、前年同月比は実質3.6%の減少、季節の分を取り除いた前月比は実質0.5%の増加でした。前年の同じ月と比べる方法と、季節の分を除いてから前月と比べる方法を、国の統計も使い分けています。

店で季節調整の計算をする必要はありません。前年の同じ月の比を使えば、季節の分は比の中に入っています。今年の10月の1日平均に前年の「11月÷10月」の比を掛ければ、11月の1日平均の土台になります。前年1年ぶんの記録が無い店は、月の比はまだ出せません。直近4週の平均を今月の水準として使い、記録が1年を超えたところで月の比に切り替えます。

前年の同じ月の比

前年のその月の1日平均÷前年の年間の1日平均。12の倍率を1年に1回出す。

来月の土台

今年の先月の1日平均×前年の「来月÷先月」。仕入枠と人員の計画に使う。

記録が1年に満たない店

直近4週の平均を水準にする。記録が1年を超えた月から月の比に切り替える。

祝日と5週目で、同じ月でも合計は約5%動く。前年同月比を見る前に曜日の並びを数える

月の比を前年同月と比べる前に、曜日の並びを数えます。31日の月には、3つの曜日が5回あります。想定例の比(月0.7・火0.8・水0.8・木0.9・金1.2・土1.4・日1.2)で計算すると、金土日が5回ある月の合計は1日平均の31.8日分、月火水が5回ある月は30.3日分です。差は1.5日分で、月の合計の約5%にあたります。同じ店で同じように売れていても、暦だけでこれだけ動きます。前年同月比が5%落ちていたら、先に曜日の並びを見ます。

祝日は曜日の中身を動かします。内閣府の国民の祝日の一覧によると、成人の日は1月の第2月曜日、海の日は7月の第3月曜日、敬老の日は9月の第3月曜日、スポーツの日は10月の第2月曜日と決まっています。祝日が日曜に当たる年は、その後のいちばん近い祝日でない日が振替休日になり、前日と翌日が祝日に挟まれた日は国民の休日になります。2026年9月は21日が敬老の日、22日が国民の休日、23日が秋分の日で、月曜から水曜までが休みです。2027年は3月21日の春分の日が日曜で、22日の月曜が振替休日です。

祝日を曜日の比から除くだけでは足りません。祝日そのものにどの比を当てるかを決めます。自店の記録で祝日だけを並べ、土曜と日曜のどちらに近いか、それとも平日と変わらないかを見ます。祝日の翌日が平日より少ない店もあります。祝日の前後を1日ずつ、印を付けて残しておくと、翌年の同じ並びの祝日で使えます。

5週目

31日の月は3つの曜日が5回。どの曜日が5回かで、想定例では合計が約5%動く。

月曜の祝日

成人の日・海の日・敬老の日・スポーツの日は月曜と決まっている。月曜の比だけでは月曜の祝日を扱えない。

連休

振替休日と国民の休日で3日以上つながる月は、前後の日も含めて印を付ける。

DEMO

年月を切り替えると、曜日の並びと祝日で月の合計がどれだけ動くか

曜日の比7つと1日平均の水準を入れ、年月を切り替えると、その月の暦に沿って日別の量と月の合計が出ます。前年の同じ月を同じ比で計算した合計と比べるので、店の売れ方が変わらなくても暦だけで動く分が分かります。祝日の扱いは3通りから選べます。

曜日の並びと祝日で動く月の合計|2025〜2027年の暦で試算

曜日の比、祝日の扱い、1日平均の水準を入れ、年月を選ぶ画面です。カレンダーに日別の量を並べ、5回ある曜日と祝日に印を付けます。前年の同じ月との差を、暦だけの差として表示します。

触って動かせます
計算の中身
日別の量は、1日平均の水準に曜日の比を掛けた数です。祝日は「土曜と同じ」「日曜と同じ」「平日のまま」から選んだ比を当てます。月の合計は日別の量の合計で、前年の同じ月を同じ比・同じ水準で計算した合計との差を%で出します。
使っている前提
祝日は内閣府が公表している2025〜2027年の一覧を使っています。曜日の比の初期値は想定例で、実際の店の比とは違います。定休日や臨時休業、天候、催しは入れていません。
確かめてほしいところ
2026年9月を選ぶと、21日から23日まで3日続けて祝日に印が付きます。次に2026年8月と2026年5月を比べてください。同じ31日でも5回ある曜日が違い、合計が数%動きます。祝日の扱いを「日曜と同じ」から「平日のまま」に変えると、月曜の祝日が多い月ほど合計が下がります。

※ 暦だけの差を見るための画面です。実際の月の合計は、天候・催し・価格・競合の動きでも変わります。曜日の比は自店の記録から出した数に置き換えてください。

季節の切り替わりは月の途中に来る。気温で動く品目は2週間気温予報で切り替えの週を決める

月の比は月単位の数なので、月の途中で来る季節の変わり目をつかめません。気象庁の札幌の平年値(1991〜2020年)では、平均気温は10月12.1℃、11月5.2℃、12月-0.9℃と月ごとに6〜7℃ずつ下がり、降雪の深さの合計は11月30cm、12月113cm、1月137cmです。11月は前半と後半で地面の状態が違う月で、11月の比を月初から掛けると、前半は冬の量で多すぎ、後半は秋の量で少なすぎます。

切り替えの週を決める材料は、気象庁の2週間気温予報です。8日先から12日先までの5日間平均の気温を毎日14時30分に発表し、「かなり高い」「かなり低い」はその気温になる確率が30%以上のときに表示されます。鍋の食材や温かい飲み物のように気温で動く品目は、月の比を月初に切り替えず、2週間気温予報で「かなり低い」が出た週に切り替えます。

1ヶ月より先は、気象庁の季節予報(1か月予報・3か月予報・暖候期予報・寒候期予報)が、期間全体の気温や降水量を「低い(少ない)」「平年並」「高い(多い)」の3階級と、それぞれに入る確率で示します。冬の仕入枠を10月に決めるときの材料はこれと前年の月の比で、日別の量はここでは決めません。

月の比で足りる品目

気温より行事と給料日で動く品目。忘年会の食材や月末の定番品。

気温で切り替える品目

鍋の食材、温かい飲み物、除雪用品。2週間気温予報の「かなり低い」「かなり高い」で週単位に切り替える。

1ヶ月より先

季節予報の3階級と確率、前年の月の比。仕入枠と人員の枠だけを決め、日別の量は決めない。

明日の量は「今月の水準→曜日の比→その日の事情」の順に掛ける

明日の発注量の土台は、3段で出します。1段目は今月の1日平均の水準で、直近4週の平均か、今年の先月の平均に前年の月の比を掛けた数です。2段目は曜日の比を掛けます。3段目は、その日だけの事情(近隣の催しや特売、雨や雪の予報)で上書きします。3段目の決め方は特売・催し・行事の日の記事に書いています。

順番を逆にしないことが要点です。曜日の比を先に掛けて月の水準を後から直すと、水準を直すたびに7つの比を触ることになります。水準は1つの数、曜日の比は7つの数、月の比は12の数と決めて、それぞれを別の場所に置きます。

過去の日付と数量の並びから、この2つの波を同時に拾って先を見込む計算があります。当社が開発中の手軽に使える需要予測AIは、日付と数量の2列のCSVを入れて列を選ぶと、曜日と季節の波を記録から拾い、28日先までの見込みを幅つきで出します。記録が1年を超えていれば、年の中の波も反映されます。ただし、見込みは外れます。祝日の扱いや切り替えの週は店の人が上書きし、外れた日の理由を日付と一緒に残します。幅のどちら側を取るかは、発注は多めにするか少なめにするかの記事に書いています。

1段目 水準

今月の1日平均。直近4週の平均か、先月の平均×前年の月の比。

2段目 曜日の比

水準に7つの倍率のどれかを掛ける。祝日はあらかじめ決めた比を当てる。

3段目 その日の事情

催し・特売・予報で上書きする。上書きした理由を日付と一緒に残す。

Excelの20個の数から始められる。仕組みにする費用は品目数と更新の頻度で決まる

最初はExcelで足ります。持つ数は、曜日の比が7つ、月の比が12、今月の水準が1つの合計20個です。品目ごとに違う比を持つ場合は品目数ぶん増えるので、まず売れ筋の10品目に絞ります。日付と数量の2列に曜日の列を足し、曜日ごとに平均を出す式を1行書けば、7つの比は出ます。

農林水産省によると、令和6年度の推計で年間461万トンの食品ロスのうち、事業系は237万トンで、外食産業が70万トン、食品小売業が48万トンを占めます。曜日の並びを見ずに前年同月と同じ量を頼めば、5週目の並びの差だけで余りが出ます。比を分けて持つ狙いは、この余りと切らしを暦の分だけ減らすことです。

当社の需要予測AIはリリース前で、レジや販売管理から書き出したCSVを1つお預かりし、曜日と季節の波がどこまで記録に表れているかを確かめる相談を無料で受けています。見込みを毎日の発注表や仕込み表の画面にする費用は、品目数、比を毎週自動で更新するか月1回にするか、レジや発注システムとつなぐか、の3つで決まります。当社の飲食店向けの開発プランでは要件整理から納品まで約3ヶ月を目安にしています。年に数回の催事で送る数を初日の実績から決める形は和菓子店の催事の開発プランに、冬の入館者数から釜の段取りを前日に決める形は日帰り温浴施設の開発プランに書いています。

Excelの20個

曜日の比7つ、月の比12、今月の水準1つ。売れ筋10品目から始める。

CSVの確認

無料。日付と数量の記録に、曜日と季節の波がどこまで表れているかを確かめる。

画面にする

品目数、更新の頻度、つなぐシステムの範囲で費用が決まる。目安は約3ヶ月。

まとめ

発注量は、明日から1週間は曜日の比で、来月の枠は前年の月の比で変えます。どちらも倍率で持ち、今月の水準に掛けて使います。

同じ月でも、5週目の曜日の並びと月曜の祝日で合計は約5%動きます。前年同月比を見る前に曜日の並びを数え、気温で動く品目は2週間気温予報で切り替えの週を決めます。

次にやることは1つです。直近13週の日別の記録から曜日の比を7つ出し、合計が7になるかを確かめてください。その7つの数が、明日から1週間の発注量の土台になります。

よくある質問

曜日ごとの売上の差は、どのくらい記録があれば出せますか?

この記事では直近13週(約3ヶ月)を目安にしています。同じ曜日が13回ずつそろうので、祝日や臨時休業を1〜2回除いても11回以上が残ります。4週間でも出せますが、1回の外れが平均を大きく動かします。記録が短い店は、まず4週間で出して、13週になったところで出し直してください。

前年同月比が落ちていたら、まず何を見ればいいですか?

先に曜日の並びと祝日を数えます。31日の月は3つの曜日が5回あり、どの曜日が5回かで合計は数%動きます。月曜の祝日の数も年で違います。暦の差を引いてもまだ落ちているなら、次にその月の天候を、その次に価格の変更や近隣の工事を見ます。

祝日はどの曜日として扱えばいいですか?

決まった答えはなく、自店の記録で決めます。過去1年の祝日だけを並べ、土曜と日曜のどちらの平均に近いか、それとも平日と変わらないかを見ます。オフィス街の店は平日より少なく、観光地や住宅地の店は日曜に近いことが多いですが、これも記録で確かめてください。祝日の翌日も別に並べると、翌日が平日より少ないかどうかが分かります。

月の比は毎年同じでいいですか?

前年1年ぶんから出した比は、去年の天候や催しの事情を含んだ1回分の記録です。2年目の記録がそろったら2つを比べ、両方に共通する月の波だけを残します。気温で動く品目は、月の比を固定せず、2週間気温予報で切り替えの週を毎年決め直します。

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この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

曜日の比と月の比を、手元の記録から一緒に出します。

前年同月比が落ちた理由が分からない、月曜の祝日のたびに余る、11月の量をいつ冬に切り替えるか毎年迷う。そんな状態でご相談いただいて大丈夫です。レジや販売管理から書き出した日別の記録を1つお預かりし、曜日の比と月の比がどこまで出せる記録かを確かめるところから始めます。

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