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飲食・食品の業務

キッチンカーで店の料理を外でも売りたい。何から始める?

最初の一歩は、車を買う前に保健所へ相談することです。キッチンカーは車1台ごとに営業許可を取り、車内でできる調理は水のタンクの大きさで変わります。売る料理、仕込む場所、出す場所の3つを決めてから車を選ぶと、買い直しを避けられます。

この記事でわかること

  • 調理した料理や注いだ飲み物を売るなら営業許可が要り、包装済みの弁当や青果を売るだけなら営業届出で済む場合があります。北海道の案内では、許可は有料で有効期間5年です。
  • 許可は店ではなく車ごとに取ります。車内の水のタンクは約40・80・200リットルの3段階が国の基準で、容量が小さいほど車内でできる調理は限られます。
  • 下ごしらえや包装は、原則として許可を受けた施設で行います。店を持っている人は、店の厨房を仕込みに使えるかを保健所に確認しておきます。
  • 北海道では2021年6月以降に新しく取った許可なら、道内全域で営業できます。道路に止めて店を出すには警察署長の許可が要るので、イベントの出店募集や敷地を借りる形で場所を探します。

車を選ぶ前に、売る料理と仕込む場所と出す場所を決める

キッチンカーは、営業許可を店の建物ではなく車に対して取ります。食品衛生法施行規則では、許可の申請書に書く「施設の所在地」が、自動車で調理する営業の場合は車の登録番号になると定めています。店の許可を持っていても、車で売るには車の許可を別に取ることになります。

車内でどこまで調理できるかは、車に積んだ水のタンクの大きさや車内の広さで決まります。先に車を買うと、出したい料理に必要な設備が足りず、改造や買い直しになることがあります。北海道の「自動車営業をはじめられる方へ」も、始める前に保健所へ相談するよう案内しています。

保健所に相談に行く前に、次の3つを紙に書いておくと話が進みます。

売る料理

品目と、車内で行う作業(焼く、揚げる、盛り付ける、注ぐなど)。

仕込む場所

下ごしらえや包装をする施設と、車の準備や片付けをする場所。

出す場所

出店したいイベントや敷地、主に営業する地域。

営業許可が要るか、届出で済むかは売る物で決まる

北海道の案内では、自動車で食品を扱う場合の手続きを、売る物ごとに3つに分けて例を挙げています。焼き鳥やクレープのように車内で調理するもの、コーヒーやビールを注いで出すものは営業許可が必要で、許可は有料、有効期間は5年です。

完成した弁当や包装済みの肉・魚、青果を売るだけなら、無料で期限のない営業届出になります。缶詰やスナック菓子、常温で保管できる飲み物のように、常温で長く日持ちする包装済み食品だけなら、許可も届出も要りません。

許可を取って営業するときは、食品衛生責任者を1人決めます。調理師や栄養士などの資格があればその人がなれます。資格がなければ、都道府県などが行う講習会を受けて食品衛生責任者になります。HACCPに沿った衛生管理も店と同じように求められます。小さな店での始め方はこちらの記事にまとめています。

車内でできる調理は、水のタンクの大きさで変わる

食品衛生法施行規則は、自動車で調理する飲食店営業に、1日の営業で使う水を積み、使った後の水をためておくタンクを求めています。大きさは営業の内容に応じて、約40リットル、約80リットル、約200リットルの3段階です。

北海道の案内には、車内で調理する品目は1〜2品程度、調理は加熱や成型程度にする、という条件が付く場合があると書かれています。店のメニューをそのまま全部出すより、車で出す看板の1品を決めるところから考えると、設備も仕込みも組み立てやすくなります。

同じ案内では、それぞれのタンクでできることの目安を次のように示しています。どの段階に当たるかは、出す料理と作業を伝えて保健所と相談して決めます。

約40リットル

1工程程度の簡単な調理。水は手洗いに使う程度で、調理にはほとんど使わないもの。

約80リットル

2工程程度までの簡単な調理。調理にも水を使うものや、調理器具を洗う必要があるもの。

約200リットル

多くの品目を出すもの。調理に水を多く使うもの、器具や食器を洗うもの、材料の下処理が必要なもの。

仕込みは許可のある施設で。店があれば強みになる

北海道の案内では、キッチンカーで使う食品の下ごしらえや包装は、原則として食品衛生法の許可を受けた施設(飲食店など)で行うよう求めています。自宅の台所で仕込んだものを車に積んで売ることは、この原則から外れます。

すでに飲食店を営んでいる人は、許可のある厨房を持っていることになります。ただし、店の厨房を車の仕込みに使えるかどうか、どの作業まで店で行ってよいかは、出す料理や店の許可の内容によって変わるので、相談のときに保健所へ確認してください。

もう一つ決めるのが「営業基地」です。出発前の準備や戻ってからの片付けなど、営業の管理をする場所のことで、北海道では営業基地の所在地を受け持つ保健所が手続きの窓口になります。

どこで売れるか。北海道は道内全域、道路での出店は別の許可

北海道では、2021年6月1日以降に新しく取った自動車営業の許可なら、道立の保健所の管内に加えて札幌市・旭川市・函館市・小樽市も含む道内全域で営業できます。それより前に取った許可は、有効期限までは許可証に書かれた区域でしか営業できないので、更新の時期を確かめておきます。北海道の外で営業する場合の扱いは、営業したい地域の保健所に確認してください。

保健所の許可とは別に、売る場所の決まりもあります。道路交通法では、場所を移動しないで道路に露店や屋台などの店を出すには、その場所を受け持つ警察署長の許可が必要です。

出店する場所は、イベントや祭りの出店者募集に申し込む方法や、店舗・施設の敷地を持ち主の了解を得て借りる方法から探せます。イベントの募集要項には、主催者が決めた出店の条件や提出物が書かれているので、申し込む前に読んでおくと準備がそろいます。

店の外で売ると、新しいお客さんとの接点になる

ここからは当社の考えです。キッチンカーは、店の場所まで来てもらえなかった人に料理を知ってもらう手段になります。車で出した看板の1品を食べた人が、次は店に来てくれる流れを作れると、店の宣伝も兼ねられます。

そのためには、いつどこに出店するかを、お客さんが知る方法が要ります。SNSで予定を知らせる、店のホームページに出店予定の一覧を載せる、車でQRコードを見せて店の予約ページへつなぐ、といった形が考えられます。イベントの日だけ使う仕組みのアイデアはイベント当日だけ使うアプリの記事、スマホで注文を受ける方法の選び方はモバイルオーダーの記事で紹介しています。

出店のたびに何がどれだけ売れたかを記録しておくと、次の出店で積む量を決める材料になります。催事に持っていく数の決め方は物産展の記事で説明しています。

よくある質問

店の営業許可があれば、キッチンカーでも売れますか?

店の許可は店の施設に対するものなので、車で調理して売るには車の許可を別に取ります。申請書の「施設の所在地」には車の登録番号を書きます。店の厨房は仕込みの場所として使える可能性があるので、どこまで店で作業してよいかを保健所に確認してください。

道内の保健所で取った許可で、ほかの市や町のイベントにも出られますか?

北海道の案内では、2021年6月1日以降に新しく取った許可なら、札幌市・旭川市・函館市・小樽市を含む道内全域で営業できます。手続きは営業基地の所在地を受け持つ保健所で行います。2021年5月31日より前に取った許可は、有効期限までは許可証に書かれた区域に限られます。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

出店の予定や売れた数を、店の仕事と一緒に管理できます。

キッチンカーを始めたい、出店予定をお客さんに知らせたい、出店ごとの売れ行きを記録して積む量を決めたい。まだ車も決まっていない段階でも相談できます。いまの店の予約や仕込みの流れを聞きながら、紙やSNSで足りる部分と仕組みにする部分を一緒に整理します。

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