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飲食の需要予測・AI

飲食店のシフトを職種ごとにどう組むか。掛け持ちできる人の一覧の作り方

職種ごとに必要人数を出してから、その時間に入れる人を当てはめます。ホールは客数、キッチンは品数、洗い場は下げた食器の量と、元になる数字が違い、忙しい時間帯もずれます。スタッフ5〜20人の飲食店の経営者向けです。

この記事でわかること

  • 職種は「必要人数の元になる数字が変わるところ」で分けます。ホール、キッチン、洗い場は別々に数えてから足します。合計人数を先に決めてから割ると、配分の根拠が残りません。
  • 職種ごとに山が来る時刻がずれます。キッチンは開店前の仕込みから、ホールは来客のピークに、洗い場はピークの後半から閉店作業まで人が要ります。時間帯の列を1つしか持たないと、開店前と閉店前の不足が見えません。
  • 掛け持ちできる人の一覧を作ると、同じ出勤人数でも埋まる時間帯が増えます。雇うときに示した「従事すべき業務」と、その変更の範囲の中かは確認します(労働基準法施行規則第5条第1項第1号の3)。
  • 18歳未満のスタッフは、原則として午後10時から午前5時のあいだ働かせられず(労働基準法第61条第1項)、時間外労働と休日労働もできません(第60条第1項)。閉店作業に入れる人は別に確保します。
  • 食品衛生責任者は営業施設ごとに定めます(食品衛生法施行規則 別表第十七)。辞めたときは届出が要るので、人の入れ替えとあわせて確認します。

職種は「必要人数の元になる数字が変わるところ」で分ける

シフト表に「ホール3人、キッチン2人」と書くとき、その2つを分けている理由は、人数の元になる数字が違うからです。ホールは1時間に来る客数、キッチンはその時間に出す品数、洗い場は下げた食器の量が元になります。先に合計5人と決めてから割ると、その配分の理由が後から確認できません。職種ごとに数えてから足す順番にします。

分ける単位は店の形で決まります。判断の目安は、その作業を同じ時間に別の人がやっているかどうかです。レジを専任で立てる店ならレジが1行、午前に仕込みだけを担当する人がいるなら仕込みが1行になります。洗い場に専任を置かない店は、洗い場を独立させず、ホールかキッチンの作業時間に含めて数えます。

細かく分けるほど正確になりますが、希望とつき合わせる手間が増えます。スタッフ5〜20人の店なら、まず2つか3つで始め、同じ作業で埋まらない時間帯が続くようなら1つ足します。時間帯ごとの人数そのものを出す手順は、ピークタイムに必要な人数の記事に書いています。

ホール

元になるのは1時間の客数です。案内、注文、提供、会計を1人が何人まで回せるかで割ります。

キッチン

元になるのは、その時間に出す品数です。客数に1人あたりの注文品数を掛けてから、1人が1時間に出せる品数で割ります。

洗い場

元になるのは下げた食器の量です。記録が無ければ、提供した皿数や席の回転数で代用します。専任を置かない店は独立させません。

職種ごとに、人が要る時刻がずれる

3つの職種は、同じ時刻に忙しくなりません。キッチンは開店の2〜3時間前から仕込みが始まり、ホールは来客のピークに山が来て、洗い場はピークの後半から閉店作業まで残ります。時間帯ごとの必要人数を1つの列だけで持っていると、この差が消えます。開店前にキッチンが1人で回らない、閉店前に洗い場が残るという不足は、職種別に列を分けて初めて表に出ます。

元になる記録も職種ごとに違います。ホールは来店時刻と人数、キッチンは注文の時刻と品数、洗い場は提供した皿数です。注文の時刻と品数は、レジの明細に残っていれば使えます。どれも直近4週ぶんを1時間刻みで並べて曜日ごとに合計すると、自店の山の位置が分かります。会計時刻しか残っていない場合は、来店時刻とのずれを確かめます。

日ごとの客数の見込みは、レジの日別客数のように、日付と数量が並んだ記録から出せます。当社が開発中の手軽に使える需要予測AIは、日付と数量の2列のCSVから28日先までの見込みを幅つきで出す作りです。ここで出るのは1日の合計なので、時間帯の比率と職種ごとの割り算は店の側で掛けます。見込みは外れるので、不足が出たときに誰を呼べるかまで決めておきます。仕込みの数量を決める締切は、仕込み量の締切の記事で扱っています。

開店前

キッチンだけに人が要ります。ホールと洗い場の必要人数が0でも、キッチンの2人は動いています。

ピーク

3つとも山が重なります。ここだけを見て人数を決めると、前後の時間帯が抜けます。

閉店前

洗い場と片付けが残ります。22時以降に入れる人が誰かで、この時間帯の組み方が変わります。

掛け持ちできる人の一覧を、シフトを組む前に作る

出勤人数が同じでも、誰がどの職種に入れるかで埋まる時間帯は変わります。縦にスタッフ、横に職種を並べた一覧を1枚作り、それぞれの欄を「1人でできる」「教われば入れる」「入れない」の3段階で埋めます。既製のシフト管理サービスを使っている店なら、この一覧がそのまま「業務」や「スキル」の設定欄に入ります。

一覧を作るときに確認しておきたいのが、雇うときに示した業務の範囲です。労働基準法施行規則第5条第1項第1号の3は、明示すべき労働条件に「就業の場所及び従事すべき業務に関する事項(就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲を含む。)」を挙げています。変更の範囲まで示す取り扱いは2024年4月からです。ホール担当として募集した人にキッチンへ入ってもらうなら、示した範囲に入っているかを見て、外れるなら本人と話して確認しなおします。

掛け持ちできる人を、同じ時間帯の2つの職種に重ねて数えないでください。12時台にホール1人として入れた人を同じ12時台の洗い場にも数えると、表の上だけで1人増えます。1つの時間帯では1つの職種に置き、途中で移る場合は時間帯を分けます。教えながら入ってもらう時間は、教える人の側を1人減らして数えます。

3段階で書く

「できる」「教われば入れる」「入れない」。2段階だと、任せられる範囲の違いが表から消えます。

重ねて数えない

同じ時間帯では1人を1つの職種に置きます。途中で移るなら時間帯を分けて書きます。

変更の範囲を見る

募集時と違う職種に入れるときは、示した業務の変更の範囲に入っているかを確認します。

DEMO

掛け持ちできる職種を変えると、時間帯ごとの過不足がどう変わるか

架空の居酒屋の1日です。出勤する人の顔ぶれと時間は変えずに、それぞれが入れる職種のチェックを切り替えると、足りない時間帯と職種が変わります。18歳未満のスタッフを午後10時以降に入れられないことが、閉店前の組み方にどう効くかも確かめられます。

職種別の過不足の試算|掛け持ちの設定と、時間帯ごとのホール・キッチン・洗い場の過不足

スタッフ10人の架空の店で試す画面です。1人ずつ「入れる職種」を切り替えると、時間帯ごとの過不足が変わります。この日の忙しさを切り替えると、掛け持ちでは埋まらない不足も出ます。

触って動かせます
計算の中身
時間帯ごとに、出勤しているスタッフを職種へ1人ずつ割り当てます。1つの職種にしか入れない人を先に置き、余った不足を掛け持ちできる人で埋めます。1人を同じ時間帯の2つの職種には数えません。
使っている前提
スタッフ10人、11時開店・23時閉店の架空の居酒屋です。時間帯ごとの必要人数と出勤時間は、すべて説明用の入力例です。
確かめてほしいところ
22時台の不足を、18歳未満のスタッフ以外の掛け持ちで埋められるか試してください。「混む日」に切り替えると、掛け持ちでは埋まらない不足が出ます。

※ 店・スタッフ・必要人数・出勤時間はすべて架空の入力例です。休憩時間、割増賃金、個々の労働契約の内容は計算していません。実際のシフトは、就業規則と各自の労働条件を確認したうえで組んでください。

人を当てはめる前に確認する、年齢と資格の条件

18歳未満のスタッフには、職種より先に効く制限があります。労働基準法第61条第1項は、満18歳に満たない者を午後10時から午前5時までのあいだ使用してはならないと定めています(交替制で使用する満16歳以上の男性は除かれます)。第60条第1項により、時間外労働と休日労働の協定も、変形労働時間制も適用されません。閉店が23時の店なら、22時以降の閉店作業に入れる人は、原則として18歳以上から選びます。年齢を証明する書面の備え付けも必要です(兵庫労働局の案内)。

資格の側では、食品衛生責任者があります。食品衛生法施行規則の別表第十七は、営業者が食品衛生責任者を定めることと、その人が調理師・製菓衛生師・栄養士などの有資格者か、都道府県知事等の講習会を受講した者などであることを求めています。北海道の胆振総合振興局の案内では、営業施設ごとに設置する義務と、辞めたときの届出が説明されています。人の入れ替えが多い店ほど、次に誰を定めるかを先に決めておきます。

同じ別表第十七には、ふぐを処理する営業者は、都道府県知事等が認める者に処理させるか、その人の立会いの下で他の者に処理させると書かれています。この種の条件がある店では、「その人が入っていない時間帯には出せない品がある」ことになり、職種の必要人数とは別の行で管理します。営業中に資格者が必ず店にいなければならないかどうかは自治体によって取り扱いが分かれるため、管轄の保健所に確認してください。

18歳未満

午後10時から午前5時は使用できません。時間外労働と休日労働も原則できず、変形労働時間制の対象外です。

食品衛生責任者

営業施設ごとに定めます。辞めたときは届出が必要なので、退職の連絡を受けた時点で次の人を決めます。

品目ごとの条件

ふぐの処理のように、有資格者の処理や立会いが要る品は、職種の人数とは別の行で管理します。

まず2枚の表から始める。仕組みにするときの費用の決め方

最初に作るのは2枚です。1枚目は時間帯ごとの必要人数を職種別に並べた表、2枚目は掛け持ちの一覧で、どちらも表計算ソフトで作れます。2枚を突き合わせて足りない時間帯に印を付けるところまで手で回すと、どの職種で毎回引っかかるかが分かります。既製のシフト管理サービスを使っている店は、1枚目を必要人数の欄に、2枚目を業務やスキルの設定に入れます。

突き合わせが毎週の負担になってきたら、仕組み化を検討する時期です。目安は、職種が4つ以上になったとき、店舗をまたいで応援を出すようになったとき、希望の提出から確定までに毎週2時間以上かかっているときの3つです。当社のシフト作成・人件費管理の開発プランは、スタッフ5〜15名の個人店から小規模店を対象に、設計から納品まで約2〜3ヶ月が目安です。費用は、時間帯の区切り、職種の数、つなぐ先をレジと予約台帳のどちらにするかの3つを決めると見積もれます。

日ごとの客数の見込みから入りたい場合は、レジから出したCSVの列を確認するところから始められます。手軽に使える需要予測AIはリリース前ですが、データが使えるかの確認は無料で受けています。入れたあとに見る数字は、精度ではなく業務の結果にしてください。足りなかった時間帯の数、掛け持ちで埋めた回数、閉店作業にかかった残業時間、月の人件費の4つです。導入の前後で並べると、続けるかどうかを判断できます。

表計算で始める

職種別の必要人数と掛け持ちの一覧の2枚。足りない時間帯に印を付けるところまで手で回します。

既製サービスに入れる

必要人数の欄と、業務・スキルの設定欄に入れます。設定が空だと、自動作成は職種を見分けません。

画面まで作る

時間帯の区切り、職種の数、つなぐデータの3つで費用が決まります。設計から納品まで約2〜3ヶ月が目安です。

まとめ

職種は必要人数の元になる数字が変わるところで分け、別々に数えてから足します。職種ごとに山が来る時刻がずれるので、時間帯の列を職種別に持つと、開店前と閉店前の不足が表に出ます。

掛け持ちの一覧を先に作ると、同じ出勤人数でも埋まる時間帯が増えます。18歳未満のスタッフは午後10時から午前5時に入れられず、時間外労働と休日労働も原則できません。食品衛生責任者は営業施設ごとに定め、辞めたときは届出が要ります。

まずは直近の忙しかった1日を選び、時間帯ごとの必要人数をホール・キッチン・洗い場の3列に分けて書き出してみてください。その日に実際に入っていた人を当てはめると、どの職種で足りていなかったかが1日ぶんで分かります。

よくある質問

ホールとキッチンで、シフトは別々に作ったほうがいいですか?

必要人数は別々に出してください。元になる数字が違うためで、ホールは1時間の客数、キッチンはその時間に出す品数から計算します。シフト表そのものは1枚で構いません。1枚の表の中で職種の列を分け、誰がどの職種に入るかが分かる形にすると、掛け持ちの人を重ねて数える間違いを防げます。

掛け持ちできる人を増やせば、出勤人数は減らせますか?

ある職種だけが余って別の職種が足りない時間帯は、掛け持ちで埋まります。一方、その時間帯の必要人数の合計が出勤人数を超えている場合は、誰が何に入れても足りません。どちらなのかは、時間帯ごとに「必要人数の合計」と「出勤している人数」を並べると分かります。

高校生のアルバイトは、何時まで店に入れられますか?

満18歳未満の方は、労働基準法第61条第1項により午後10時から午前5時までのあいだ使用できません(交替制で使用する満16歳以上の男性は除かれます)。同法第60条第1項により、時間外労働と休日労働の協定も変形労働時間制も適用されません。閉店が22時を過ぎる店では、閉店作業に入る人を18歳以上から別に確保します。

職種を分けると、シフト管理サービスに入れる設定は増えますか?

増えます。時間帯ごとの必要人数を職種の数だけ入れ、スタッフ側にも入れる職種を登録します。この設定が空のままだと、自動で候補を作る機能は職種を見分けられず、人数の合計だけが合った案が出ます。手間は最初の1回が中心なので、職種の分け方を先に決めてから入力すると短く済みます。

この記事を書いた人

水上貴洋取締役 / 飲食DXコンサルタント

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

職種ごとの必要人数と、掛け持ちの一覧を一緒に整理します

ピークの人数は足りているのに、開店前のキッチンと閉店前の洗い場でいつも困っている。掛け持ちできる人が頭の中にしかなく、その人が休むと組み直しになる。高校生のスタッフが増えて、遅い時間の組み方が毎月の悩みになっている。そのどれかに当てはまるなら、今のシフト表と出勤の記録を見ながら、職種の分け方と掛け持ちの一覧を作るところから始められます。資料が無くても、困っている時間帯の話だけで大丈夫です。北海道内は訪問、道外はオンラインで対応します。

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