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飲食・食品の業務

小盛り・ハーフサイズのメニュー、値段はどう決める?

量を半分にしても、原価は半分になりません。付け合わせや汁物、盛り付けの手間は変わらないからです。量に合わせて減る食材と減らない食材を分けて原価を出し、普段の原価率に合わせて値段を付けると、無理のない価格になります。

この記事でわかること

  • 小盛りの形は、ご飯だけ少なくする、料理全体をハーフにする、何品かを小皿で少しずつ出す、の大きく3つです。店の料理と厨房の動きに合う形を選びます。
  • 値段は、量を減らすと一緒に減る食材の原価と、量を減らしても変わらない原価(小鉢・汁物・ソース・器)に分けて計算します。通常の半額にすると、多くの場合は原価率が上がります。
  • メニューには「ご飯少なめ(約100g)」のように量の目安と、税込の値段を両方書きます。注文のときに「少なめもできます」とひと言添えるだけでも、頼みやすさが変わります。
  • 始めたら、小盛りの注文数と食べ残しの量を数えておくと、量や値段を見直すときの材料になります。

量を選べると、食べきれる人も、もう1品頼みたい人も助かる

ランチの定食を食べきれずに残してしまう人、少しずついろいろ食べたい人、夜にお酒と一緒に軽くつまみたい人。量を選べるメニューがあると、こうしたお客さんが注文しやすくなります。ハーフサイズを2品頼んでもらえれば、1品だけのときより店の売上が増えることもあります。

食べ残しを減らす面でも、国は店に小盛りを勧めています。消費者庁と厚生労働省が2024年12月に公表した食べ残し持ち帰り促進ガイドラインは、お客さんがその場で食べきることを最も重要とし、店には小盛りや小分けの商品など、食べきるための調整や選択をしやすくする工夫を求めています。農林水産省の食品ロスの推計(2024年度)では、外食産業から出る食品ロスは年間70万トンです。

小盛りの形は大きく3つある

どの形が合うかは、料理の種類と厨房の動きで決まります。以下は当社が整理した例です。

ご飯や麺だけ少なくする

定食のご飯や、ラーメン・そばの麺だけを減らす形です。盛り付けの手順がほとんど変わらないので、いちばん始めやすい方法です。値段を据え置くか少し下げるかは、店が決めます。

料理全体をハーフにする

パスタやカレー、サラダなどを、全体の量を減らして出す形です。お客さんには分かりやすい一方、器を小さくする、盛り付けの量を決めるなど、厨房で決めることが増えます。

何品かを小皿で少しずつ出す

居酒屋のおばんざいや、小皿を3品から選べるセットのような形です。少しずつ多くの料理を食べたい人に向いています。品数が増えるので、仕込みの量をそろえる工夫が要ります。

量を半分にしても、原価は半分にならない

小盛りの値段を決めるときは、料理の原価を2つに分けて考えます。主菜やご飯のように量を減らすと一緒に減る食材と、小鉢・漬物・味噌汁・ソース・器のように量を減らしても変わらないものです。盛り付けや洗い物の手間も、量が半分になってもほとんど変わりません。

次の数字は、計算の手順を示すための試算の例です。通常の定食が税込1,000円、食材の原価が300円(原価率30%)で、そのうち主菜とご飯が200円、小鉢と味噌汁が100円だとします。主菜とご飯をハーフにすると原価は100円減り、小盛りの原価は200円です。同じ原価率30%に合わせると約670円になり、半額の500円で出すと原価率は40%に上がります。

どこまで値段を下げるかは店の考え方次第です。食べ残しを減らしたい、少食のお客さんにも来てほしいという理由で、原価率が少し上がるのを承知で下げる考え方もあります。どちらにするにしても、先に原価を計算しておくと、値段を決めた理由をあとから説明できます。料理ごとの原価の出し方は原価管理アプリでできることの記事で、売上に対する食材費と人件費の割合はFL比率の記事で説明しています。

メニューには、量の目安と税込の値段を両方書く

「小」「ハーフ」とだけ書くと、どれくらい少ないのかがお客さんに伝わりません。「ご飯少なめ(約100g)」「パスタ ハーフ(麺約50g)」のように、量の目安を添えると選びやすくなります。書いた量と実際に出す量がずれないよう、厨房では計量カップやはかりで盛る量を決めておきます。

値段は、通常のサイズと小盛りの両方を税込で書きます。メニューの税込表示の決まりはメニューの税込表示の記事で説明しています。メニューに書くだけでなく、注文を受けるときに「少なめもできます」とひと言添えると、言い出しにくかったお客さんも頼みやすくなります。

始めたら、小盛りの注文数と食べ残しを数えておく

ここからは当社の考えです。小盛りを始めたら、レジや注文の端末に通常のサイズとは別のボタンとして登録しておくと、何品出たかを日ごとに数えられます。注文票に手書きで「小」と書くだけだと、あとから集計するのが大変です。

小盛りの注文数、食べ残しが多かった料理、小盛りを頼んだお客さんがもう1品追加したか、の3つが分かれば、量や値段を見直す材料になります。仕込んだ数・売れた数・捨てた数を日ごとに残す方法は発注や仕込みが外れた日の記録の記事で、それでも残った料理を持ち帰ってもらうときの注意は食べ残しの持ち帰りの記事で触れています。

料理の数が多く、仕入れ値が変わるたびに小盛りの原価も計算し直すのが大変なら、レシピと仕入れ値を入れておくと通常と小盛りの原価が一緒に出る仕組みを作る方法もあります。メニュー原価計算の開発プランで、原価計算の仕組みの考え方を公開しています。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

メニューごとの原価を、続けて見られる形に整えます。

小盛りを始めたいけれど原価が分からない、仕入れ値が変わるたびに計算し直すのが大変。まだメニューが決まっていなくてもかまいません。いまの値段の決め方をうかがい、何を記録すればよいかから一緒に考えます。

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