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閉店前に余りそうな料理、値引きして売り切れる?

できます。消費者庁の考え方では、売れ残りを避けるために一定の時刻から値下げし、最初の価格と並べて「680円→480円」のように見せる表示は、通常は問題にならないとされています。注意するのは、元の価格が実際に付けていた価格であることです。

この記事でわかること

  • 売れ残りを避けるために閉店前に値下げし、その日の最初の価格と並べて表示するのは、消費者庁の「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」で、通常は不当表示に当たるおそれはないとされています。
  • 比べる価格は、実際にその料理を売っていた価格にします。売ったことのない高い価格を「通常価格」として並べると、不当表示に当たるおそれがあります。
  • 余りそうな料理を容器に詰めて持ち帰り用に売るなら、消費期限と保存方法の表示が要ります。売れ残った分の期限を貼り替えて延ばすのは不適切とされています。
  • 値引きで売れた数は、定価で売れた数と分けて記録します。毎日値引きで売れている料理は、仕込みの量を見直す材料になります。

「最初の価格→値引き後の価格」の表示は、通常は問題にならない

農林水産省によると、本来食べられるのに捨てられる食品ロスは年間461万トンで、そのうち外食産業から出る分は70万トンです(令和6年度推計値)。閉店前の値引きは、店の側からできる減らし方の1つです。

値引きを始めるときに気になるのが「680円→480円」のような、2つの価格を並べた表示です。消費者庁の「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」は、これを二重価格表示と呼び、タイムサービスの場合を取り上げています。

生鮮食料品などで売れ残りを避けるために、一定の営業時間が過ぎてから値下げし、最初に付けていた価格を比べる価格として見せる表示は、通常は不当表示に当たるおそれはないと考えられる、とされています。

比べる価格は、実際に売っていた価格にする

同じ考え方は、実際に売っていた価格より高い価格を「当店通常価格」のように見せて比べると、不当表示に当たるおそれがあるとしています。その日に定価で出していた料理なら、その定価を並べれば足ります。

同じ料理だと分かるようにする

野菜や魚のような生鮮品は、一般に同じ商品かどうかが分かりにくいとされています。タイムサービスのように同じ商品だと明らかな場合は別、という扱いです。店頭では、値引きした料理の横に元の価格を書くなど、どの料理の値引きかが分かる形にしておきます。

余りそうな料理を売り切る方法は、店内・持ち帰り・知らせる、の3方向

どれか1つに決める必要はありません。料理の種類と、閉店前にどんなお客さんが来るかで組み合わせます。以下は当社が考えた使い方の例で、実際の店の実績ではありません。

店内で、時刻を決めて値引きする

日替わり定食の残りを20時から100円引きにする、のような形です。店内で食べる料理には食品表示の義務がないので、黒板やメニュー表に値引き後の価格と開始時刻を書けば始められます。

持ち帰り用に詰めて売る

余りそうなおかずを容器に詰めて、閉店前の持ち帰り用に売る形です。容器や袋に入れて並べるなら、店で作ったものでも消費期限と保存方法の表示が要ります。決め方は店で作った惣菜の消費期限の記事で説明しています。注文を受けてからその場で詰めて渡す売り方は扱いが変わるので、アレルギー表示の記事の売り方ごとの整理も確かめてください。

来てくれそうな人に知らせる

「今日は唐揚げがあと8人分」のように、残りの数をSNSや店の公式アカウントで知らせる形です。近くに住む常連さんや、仕事帰りに寄る人に届けば、値引きを大きくしなくても売り切れることがあります。連絡先を集めて知らせるときの決まりは常連さんに喜んでもらう仕組みの記事で整理しています。

余りそうな料理を紹介するサービスに出す

閉店前の料理を出品し、アプリで予約した人が店に取りに来る形のサービスもあります。新しいお客さんに店を知ってもらうきっかけになります。手数料や出品できる料理の条件はサービスごとに違うので、それぞれの利用規約で確かめてください。

値引きを始める前に決めておくこと

値引きは、余った料理を捨てずに済む一方で、売上の単価は下がります。始める前に、何を・何時から・いくら引くかを店のルールとして決めておくと、日によって担当者の判断がぶれずに済みます。

容器に詰めて期限を表示した料理は、値引きしても売れ残ったときに、期限を貼り替えて翌日に並べることは避けます。消費者庁の「食品期限表示の設定のためのガイドライン」のQ&Aは、当日を期限にした量り売りの惣菜を翌日の日付に貼り替えた例を、不適切な事例として挙げています。売れなかった分の扱いも、あわせて決めておきます。

当社の考えですが、毎日同じ時刻に大きく値引きすると、その時刻を待って来る人が増えるかもしれません。最初は値引きの幅を小さくし、どの料理がどれくらい残るかを見ながら決めていくほうが、定価で買う人との釣り合いを取りやすくなります。

値引きで売れた数は、翌日の仕込みを見直す材料になる

値引きを始めたら、料理ごとに「仕込んだ数・定価で売れた数・値引きで売れた数・閉店時の残り」を書き残します。値引きを始めた時刻も書いておくと、何時に何人分残っていたかが分かります。

毎日値引きで売れている料理は、定価で売れる数より多く仕込んでいる可能性があります。値引きで売り切れたから成功、で終わらせず、翌週の同じ曜日の仕込み量を見直すのに使います。外れた日に何を書くかは仕込み量が外れた日の記録の記事で、仕込み量をいつ決めるかは仕込み量の確定時刻の記事で説明しています。

残りの数を、スマホから知らせるアプリにする発想もある

紙とSNSで回るうちは、それで十分です。そのうえで、厨房の人がスマホで「残り何人分」を入れると、店のページやお知らせにそのまま出る、という仕組みも考えられます。数を入れた記録がそのまま残るので、上の記録も別に書かずに済みます。

当社では、移動販売向けに、出店予定と売り切れのお知らせを出すキッチンカーの出店予定・事前注文アプリの開発プランを公開しています。店舗の閉店前の残り数を知らせる使い方は、この考え方を店に合わせて組み替える想定です。どこまで作るかは、紙の記録で残りやすい料理と時刻がはっきりしてから考えるのが近道です。

この記事を書いた人

立石伊吹代表取締役 / DX・AIアドバイザー

北海道札幌市を拠点に、業務アプリやAIの開発を行っています。北海道内は直接うかがい、道外はオンラインで対応しています。専門用語を使わず、相手の言葉で話すことを大事にしています。

余りやすい料理の記録と知らせ方を、店に合う形で整えます。

閉店前に毎日同じ料理が残る、値引きの判断が担当者ごとに違う、残りの数を常連さんに知らせたい。まだ何を記録するか決まっていなくてもかまいません。いまの仕込みの量と売れ方をうかがい、記録の項目から一緒に考えます。

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